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銀行員は何を重視する?どこをどう見て融資の可否を決める?

銀行から融資を受けるにあたり、何が重視されるかを考え、それに対応するように努力する経営者は多いことでしょう。

しかし、重視されると思っているものが、実際には銀行がそれほど重視しておらず、的外れな取り組みをしてしまう経営者が少なくありません。

銀行が重視するものは、なんといっても事業の中身です。

銀行は、事業の中身を見て融資をしているので、事業をどう見られるのかを知り、良く見られるための対策をしていくことが大切です。

資金がなければ会社は倒産する

会社の財務を語る時、良く「資金は会社の血液のようなものだ」と言います。

この表現は言い得て妙で、会社を人体、資金を血液と見ると、会社にとっての資金の重要性が良くわかります。

血が多く巡りがよいことは健康的な証拠ですが、血が少ないと貧血になって倒れてしまいますし、ケガをして血を失うと命の危険があります。

血栓ができて血が止まると、脳梗塞や心筋梗塞におちいり、これも死に至る場合が多いです。

そこで、貧血ならば血の元となる栄養を取り、ケガならば輸血をし、血栓ができればそれを取り除くことによって、再び血流をよくすることによって健康を回復します。

会社の活動における資金調達の必要性も、これと同様です。

会社が必要な時に必要な額の資金を調達できるということは、身体が欲する通りに血液がめぐっているということなのです。

より具体的に考えてみましょう。

会社は、事業によって利益を得ています。

これが食品加工業者ならば、原材料となる食材を仕入れ、加工食品を製造し、小売店と販売契約を結び、製品を納品し、代金を受け取るという流れによって利益を得ます。

このような企業活動にあたっては、原材料の仕入れの際には仕入れ代金を支払い、製造のためは機械の購入費や維持費、製造スタッフへの給料など工場稼働に関わる様々なコストを支払います。

販売契約のためには、営業スタッフへの給料を支払います。

運搬を外注するならば運送業者への支払いが必要で、自社で運搬するならば車両購入費・維持費、運送スタッフへの給料が必要です。

代金の受け取りのためには売掛債権の管理コストもかかります。

企業活動にはとにかくお金がかかるのです。

お金がなければ仕入れはできず、工場は動かず、従業員を雇うことはできず、製造も営業も運搬もできません。

会社は、赤字になっても倒産することはありませんが、資金がなければ100%倒産するのです。

そのため、会社は資金を調達していく必要があります。

事業の中でキャッシュを生み出し、全ての支出を賄ってたくさんの利益が残るならば、それに越したことはありません。

しかし、企業規模を大きくするためには先行投資が必要です。

企業規模が大きくなれば、売掛や買掛による取引も増え、必要となるつなぎ資金も増加します。

だからこそ資金調達が必要であり、いつでもスムーズに資金調達をできる状態を整えおくことが重要です。

資金調達ルートを確保しておくことは、ライフラインの確保と同じよう重要なものなのです。

もっとも、資金調達をしようと考えても、資金調達は気軽にできることではありません。

思い通りにいかないことの方が圧倒的に多いもので、そのことは経営者ならば誰もが痛感していることでしょうし、だからこそ当サイトにも需要があるのです。

なぜならば、資金の出し手である銀行などの金融機関の判断によって、資金調達の結果が左右されてしまうからです。

いくら資金を必要としたところで、銀行を説得することができなければ、資金調達は不可能です。

そこで、資金調達のためには、銀行をいかに説得していくかということが大切です。

銀行がどのような基準で融資を判断しているかを知り、いかにうまく説得していくかが、資金調達のミソになるのです。

 

 

銀行は事業の中身を見る

銀行が何を見て融資の判断をしているのかと聞けば、決算書と答える人が多いと思います。

確かに融資の審査で決算書は非常に重要ですが、より本質的なことを言えば、決算書によって会社の中身・事業の内容を見ています。

中には、担保によって融資の可否が大きく左右されるため、銀行は担保を見て融資を決めていると考える人もいるかもしれません。

「事業の中身を見ずに担保を要求してくる」とうんざりしている人もいるでしょう。

このような見方は、なにも経営者だけに限ったものではありません。

公的機関の調査レポートを見ても、

 

担保や保証に依存した融資慣行によって、金融の円滑化が阻害されている。担保・融資に過度に依存せず、事業性を担保に融資すべきである。

 

などの記載を目にします。

しかしそれは、あくまでも融資のひとつの側面に過ぎません。

銀行が融資を断る時に担保がないことを理由にすることは多いのですが、実はそれは断り文句というだけのことで、担保を最優先しているわけではありません。

このことは、融資担当者との融資交渉を思い起こしてみると良くわかると思います。

担当者は必ず、以下のようなことを質問・要求してきます。

「資金調達の目的は何ですか?」

「調達資金はどう返済しますか?」

「決算書を見せてください。」

「事業計画書を見せてください。」

これは、会社の中身を見ていることの証拠です。

なぜ資金調達の必要があるのか、調達資金をどう使うのか、決算書の内容はどうなっているか、事業計画はどうなっているか、これらは全て会社と事業の中身を見ていることに他なりません。

この中で担保が絡んでくると言えば、決算書の貸借対照表における固定資産の部くらいのものでしょう。

もし銀行が担保主義であったとすれば、これらの質問はしなくても良いはずです。

質問事項は「担保は持っていますか?」であり、提出資料は担保の評価のための資料があれば事足ります。

担保第一主義ならば、真っ先に担保のことを聞いてくるはずです。

しかし実際には、会社の中身に関することばかり聞いてきます。

銀行が事業の中身を見ていることが良くわかると思います。

 

なぜ事業の中身が重要か

上記の通り、銀行は会社の内容を把握しながら融資を判断します。

では、銀行が事業の中身を把握する必要があるのはどうしてでしょうか。

そもそも、銀行の営む事業は、預金や出資によって資金を集め、集めた資金を融資に回して利益を得るというものです。

利益を得るためには、融資先が倒産しないことが前提でとなりますが、民間企業が絶対に倒産しないということはありえません。

どれほど財務内容・業績が良い会社であったとしても、それが何年も続く保証はどこにもありません。

技術革新が加速度的に世の中を変化させている昨今、今は普通に経営できていても、数年後にはなくなっている業種もあるかもしれません。

世界的な潮流の影響を受け、倒産してしまう会社もあります。

つまり銀行は、「もしかしたら倒産するかもしれない会社」であることを前提に融資をしています。

絶対に倒産しない会社にだけ融資をすることなど不可能です。

しかし、倒産すれば預金者から預かったお金を返せなくなる可能性もあります。

ですから、「できるだけ倒産する可能性が低い会社」に融資していくことになります。

また、倒産しにくいだけではなく、返済を滞納することなく、利息もつけて返ってくることが求められます。

そうでなければ銀行は利益を得られず、とても立ち行かなくなります。

これらのことを総合して考えると、銀行は倒産しにくいだけではなく、なおかつ成長が期待できる会社に融資したいと考えます。

成長する企業は資金需要も旺盛ですから、さらに融資して利息と共に回収することで、利益を積み増すことができるからです。

これに加えて銀行法という法律を読んでみると、このことがより明確に理解できます。

銀行法第1条第1項には、以下のように定められています。

 

この法律は、銀行の業務の公共性にかんがみ、信用を維持し、預金者等の保護を確保するとともに金融の円滑を図るため、銀行の業務の健全かつ適切な運営を期し、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

 

つまり、銀行はかなり高い公共性を帯びた民間企業だということです。

預金者を保護しつつ、会社に資金提供もしていかなければならない存在です。

貸すことが事業であるとはいえ、貸せばいいというものではないのです。

売ることが事業であり、売ればとりあえずやっていける一般の会社とは大きく異なるところです。

だからこそ、銀行は事業の中身を見ることによって、その会社が存続していけるかどうかを第一に判断します。

そのためには、たくさんの情報を提供してもらい、正確に審査することを心がけます。

その上で、極力倒産しないと思われる会社、つまり債務不履行になる可能性が低い会社に融資をします。

金融の円滑のために、債務不履行になる可能性さえ低ければ、業績不振の会社にも融資が行われる理由はここにあります。

倒産するかどうか、債務不履行になるかどうかを判断するためには、担保は決定的要因にはなり得ません。

やはり決算書や事業計画書や資金使途を通して、会社の事業内容を見て、会社がどのような商売をしていて、業績の良い会社ならば成長性はどうであるか、業績が悪い会社ならば再生の可能性はどうであるかを見ていきます。

昔から今に至るまで、銀行はこの姿勢をほぼ貫いています。

銀行がこの姿勢を曲げたのはバブル期くらいのもので、この時期には担保さえあれば融資がでましたが、それは普通ではない状況です。

むしろ、銀行は時代と共に健全性を求められるようになってきています。

融資先の事業を視ない融資は自殺行為であり、会社の事業内容を正確に知ろうとします。

 

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具体的な事業の判断方法

では、銀行は事業の中身をどのように判断していくのか、具体的なことを見ていきましょう。

上記において、決算書や事業計画書などの書類の重要性を書きましたが、それらの資料だけでは数字を通してしか事業を知ることはできません。

そこで銀行は、資料の情報に加えて、よりリアルな情報も求めます。

銀行は、経営者の話を聞くことによってビジョンを知り、会社を訪問して現場を見ることで組織の活力を視ます。

それらを見れば事業計画の実現性もよく見えてきます。

 

経営者の話を聞く

経営者の話を聞くのは、ビジョンを知るためです。

経営者がどのような考えで事業に取り組んできたか、現在はどのような考えで取り組んでいるのか、将来的にどのようにしていきたいと考えて取り組んでいくのか、そのビジョンを聞くのです。

会社の方針はすなわち経営者の考えです。

経営者の考えと会社の方向性が異なる会社はありません。

会社の方向性を知りたければ、経営者から直接話を聞くのが一番良いのです。

実際、業績がよい優良企業の経営者は、ビジョンを明確に持っている場合が非常に多いです。

事業の目的も簡潔明瞭です。

逆に、業績が悪い会社の経営者は、ビジョンが不明確な場合が多く、事業目的も不透明なケースが多いです。

ビジョンや目的を聞いても、耳ざわりの良い言葉を並べ立てているだけという場合が非常に多いのです。

経営者と会話をする中で、銀行員がマイナスに捉えるのは以下のような発言です。

  •  社長室(応接室)にメインバンクのカレンダーがない→メインバンクとうまくいっていない可能性がある
  • 社長に財務のことを聞くと会計士に確認する→社長が資金繰り把握していない。放漫経営とも言える
  • 不景気発言が多い→環境のせいにする傾向がある。業績悪化に手を打てない経営者に多い特徴
  • 改善提案に否定的→銀行が改善の提案を出すとしきりに反論してくる

 

現場を見る

経営者のパフォーマンスがうまければ、素晴らしいビジョンを持っているように見せかけることもできるかもしれません。

しかし銀行は、そのビジョンが本当であるかどうかを知るために、現場を見て情報を収集します。

売り場や工場などの現場を見るのです。

もちろん、銀行員は現場作業員ではないのですから、機械の種類や工程などから判断することはできません。

そのようなものではなく、現場の活力を視ます。

作業員が活き活きと働いている、オペレーターの言葉遣いがどうである、整理整頓されている、節電がなされているなど、定性的な評価をしていきます。

例えば、従業員の動きが緩慢である、作業員の配置に無駄があるなどの場合、労務管理が上手くいっていない可能性が高いです。

また、オペレーターのクレーム対応が多い会社は、問題のある営業をしている可能性があります。

オーバースペックの設備を整えている会社は、成長性を鈍化させる要因に疎いのかもしれません。

工場見学の際には幹部が勢ぞろいして案内する会社がありますが、これも好ましくありません。

社長が工場の流れを説明できなければ、事業の効率化や経営改善など望めないからです。

現場を見せたところで、畑違いの銀行員には何もわからないのではないかと、高を括っている経営者もいるものです。

しかし、銀行は一般の会社以上に経営管理に厳格な組織です。

そのような組織で働いている銀行員は、畑違いの会社を視察してもその会社が機能的であるかどうか、きちんと管理されているかどうかといったことを感覚的に理解します。

現場を視察する際、銀行員がマイナスに捉えるのは以下のような部分です。

  •  社長が来ると現場がピリつく→現場が社長の顔色を見て仕事をしている。業務よりも社長の機嫌を優先するため、現場主導での改善が期待できない
  • 社長が新型機械をアピールしてくる→それによって収益が圧迫されている可能性や、見栄で新型を購入している恐れがある
  • 本社が新しい自社ビルである→自社ビルは収益に直接的なメリットがなく、そのようなものにお金をかけている会社は要注意である
  • 節電に消極的→資金繰りに隙がある
  • 必要以上に節約している→資金繰りがかなり厳しい
  • 整理整頓ができていない→従業員のモラルが低い可能性が高い

 

事業計画を検証する

融資申込の際には、事業計画書を提出しているものですから、銀行は事業計画を把握しています。

事業計画とは、現在の会社の成績と今後の活動方針を踏まえた上で立てたマニフェストのようなものです。

銀行融資では、かなり重視される要素です。

事業計画は、計画に終わったのでは意味がありません。

成し遂げてこそ意味のあるものですから、事業計画ではその覚悟を見られます。

経営計画、経営目標や理念といった自由に設定されるものとは異なり、数値計画に具体的に現れます。

数字によって覚悟も見て取れます。

数値計画では、その会社の製品にはどのような材料を使い、どのように製造し、どのくらいの価格で売るかといった戦略を数値化します。

論理的な計画になっていなかったり、論理的でも現状維持に過ぎなかったりすれば、計画は信用されません。

多少強気な計画でも、論理的であれば銀行はプラスに判断します。

数値計画を立てる際には、経営ビジョンが反映されていなければなりません。

社長の経営ビジョンと数値計画が整っていれば、業績が良くなったり、企業が見事再生していく場合が多いのです。

 

 

まとめ

もちろん、銀行の審査はこれらの要素以外にも見られますから、これらが問題なければ必ず融資が出るというものではありません。

しかし、経営者の話を聞き、現場を見て、事業計画を検証した結果、問題ありと判断されれば、まず融資は出ないでしょう。

融資を受けたいと考えている会社は、その時になってから中身を意識したところで、銀行が好ましいと思える状況を整えるのは無理があります。

事業の中身を見られることを知り、普段からの取り組みが重要なのです。

 

 

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