担保について理解していますか?法的なことも学んでみよう

銀行が融資を判断する時、きちんと返済できるかどうかが最も重視されます。

返済に不安があるならば、貸し倒れに陥った際の保全のために、担保をつけるのが普通です。

逆に考えると、担保を提供することで出にくい融資が出ることもよくあるのですから、担保は融資交渉の強力なカードになると言えます。

担保をしっかり活用していくためにも、本稿で担保の基礎知識から法的なことまで学んでいきましょう。

担保とは?

銀行が融資を検討する時、最も重視するのは「果たして、契約通りに返済できるか?」ということです。

銀行は、融資した元金に利息をつけて返してもらうことで、利益を得ています。

しかし、金利は微々たるものですから、元金の一部が返ってこなくなるだけでも、簡単に損失につながってしまいます。

だからこそ、きちんと返済できることが、融資のための前提条件となります。

しかし実際には、返済力に疑いがある会社も融資を必要とすることがあります。

むしろ、そのような会社の方が多いため、銀行はその中で融資していくことを求められているよ!

とはいえ、返済できない危険性があるのに、簡単に融資することはできません。

そこで役立つのが、担保だ!

担保をつけることによって、融資先が万が一返済できなくなっても、担保を処分することで回収できます。

つまり、

“返済力不足によって、返済不能になって損失が発生するリスクがある”

という状態を、担保を抑えることで、

“返済力不足であるものの、返済不能になっても損失が確実にカバーできる”

という状態を作り、融資できるようにするのです。

また、一口に担保といっても、資産価値のあるモノを担保にする物的担保と、支払能力のあるヒトを担保とする人的担保があります。

返済不能となった時、銀行は回収の矛先を担保に向けるため、担保の種別はよく理解しておかなければなりません。

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物的担保

物的担保には、建物や土地などの不動産担保、株式や債券などの有価証券担保、預金担保、手形担保などがあります。

担保は、あくまでも返済できなくなったときに融資金を回収するためのものですから、資産ならばなんでも担保になるわけではありません。

担保としてふさわしい資産とは、以下の二点を兼ね備えた資産です。

  1. 資産の評価額に客観性がある。値段がつけやすく、担保価値が安定している。評価額の範囲内で融資すれば、貸し倒れになっても損失をカバーできる。
  2. 万が一の場合には簡単に処分することができ、損失をすぐさま補填できる。また、そのための維持管理も容易である。

この状態を備えている資産だけが、融資先の返済力不足を埋め合わせることができる、リスクに見合う資産として、担保になり得るのです。

物的担保にならない資産

では、物的担保にならない資産とは、どのような資産でしょうか。

分かりやすい例を見てみましょう。

在庫

在庫も会社の資産ですが、いざ貸し倒れの際に銀行がそれをうまく処分し、返済に充当するのは簡単ではありません

在庫の買い手が見つかる保証はありませんし、買い手がすぐに見つかるならば、融資先の会社は売上を得て経営を続けられた可能性が高いです。

また、担保に設定した時は相応の価値が認められても、貸し倒れになった頃には在庫への需要が低下し、価値が大きく減少しており、担保として役立たないこともあります。

さらには、在庫が何であるかにもよりますが、品質の維持管理が難しく、担保価値が減少することも考えられます。

このため、在庫は担保にはなりにくい資産です。

美術品

美術品も価値ある資産かもしれませんが、貸し倒れの際に美術品を適正価格ですぐに売却し、返済に充当することは困難です。

高価な美術館は、オークション形式などで売却されますが、これは人によって評価にバラツキがあるということです。

したがって、担保評価を正しく設定することも困難であり、担保としてふさわしくありません。

バブル時代を知っている社長の中には、美術品なども担保になるというイメージを持っている人もいるだろう。

バブル期は銀行がどんどん融資しており、融資実行の口実として担保を取っているようなところがありましたから、美術品も担保になり得ました。

しかし、今の時代ではそのようなことはあり得ません

融資交渉にあたり、一般的な物的担保がない会社では、何か担保になりそうなものはないか考えるでしょう。

その際には、担保としてふさわしいかどうかをよく考えて、交渉することが大切です。

一般的には、在庫は担保として扱うことが難しいですが、宝石店の在庫ならば話はガラリと変わります。

宝石や貴金属などは評価に客観性がありますから、在庫も担保になるでしょう。

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成立要件と対抗要件

会社が担保を提供する、銀行は担保を受け取るということは法的な手続きですから、それが法的に機能するための成立要件と対抗要件を満たす必要があります。

このような法的な要素は、難しく感じて敬遠する人が多いのですが、担保をやり取りする以上、簡単に知っておいたほうが良いでしょう。

成立要件

成立要件とは、会社が提供する資産が法的に担保として認められるための必要条件です。

要件は担保によって、以下のように異なります。

  • 預金担保・・・質権設定の意思確認を行い、預金通帳あるいは預金証書を銀行に預ける。
  • 手形担保・・・手形に裏書きをした後、銀行に譲渡する。
  • 有価証券担保・・・有価証券を銀行に預けるか譲渡する。
  • 不動産担保・・・抵当権設定の意思確認を行う。

対抗要件

対抗要件とは、成立要件を満たした担保に対し、他の債権者が権利を主張した場合に、優先的に弁済を受けるための必要条件です。

貸し倒れになっているということは、その会社は倒産しているのですから、複数の債権者が債務の回収に乗り出し、資産を手当たり次第に押さえようとします。

この時、担保を抑えていた銀行は、対抗要件を盾に担保資産を処分し、優先的に弁済を受けることができます。

要件は担保によって、以下のように異なります。

  • 預金担保・・・担保差入証書に確定日付を取る。
  • 手形担保・・・裏書きした手形の譲渡を受ける。
  • 有価証券担保・・・有価証券の差入か譲渡を受け、銀行が占有する。
  • 不動産担保・・・不動産登記を行う。

担保権の種類

なお、成立要件を満たした資産には、担保権がつけられますが、このときの担保権に質権抵当権、譲渡担保権があります。

どれも聞いたことはあると思いますが、混同している人が多いはずです。

これらの区別は、以下の通りです。

質権

完済するまで担保資産を債権者が預かり、返済不能になったら処分して弁済を受ける権利です。

質という漢字から連想できるけど、大黒屋などの質屋のイメージよ。

主に預金担保、有価証券担保に適用されます。

抵当権のように、担保に設定した資産を使い続けることはできず、銀行に取られてしまうため、心理的な拘束力は大きいと言えます。

抵当権

土地や建物といった不動産を担保とする際に、債務者が使用し続けることができ、返済不能になったら処分して弁済を受ける権利です。

主に不動産担保に適用します。

譲渡担保権

担保を債権者に譲渡し、返済不能になったら処分して弁済を受ける権利です。

主に手形担保、有価証券担保に適用されます。

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人的担保

担保を考える時には、物的担保をイメージすることが多いと思いますが、保証人による保証も担保です。

これを、物的担保に対して人的担保といいます。融資先が返済できなくなったとき、保証人が弁済します。

つまり、保証人の支払能力が担保になっていると言える!

保証人に保証力があれば、銀行は損失をカバーすることができます。これも立派な担保です。

人的担保も、融資交渉で頻繁に使われる担保です。

特に中小企業では、会社と経営者は一体であるとみなされるため、経営者個人が連帯保証人になることが一般的です。

また、保証人といえば個人をイメージしがちですが、支払能力があれば法人も保証人になることができます。

支払能力

人的担保の条件は、まず保証人に支払能力があることが前提となります。

これは、保証人に支払能力がなければ銀行の損失は補填できないのですから、当然の条件です。

行為能力

保証人には、行為能力も求められます。

弁済に至った場合に、それを履行する能力がなければ成り立たないため、未成年者、被後見人、被保佐人などは保証人になることができません

銀行は保証契約の際に、保証人の行為能力を確認します。

免許証、パスポート、保険証などの資料で確認するほか、疑わしい場合には戸籍謄本なども調べます。

保証意思

保証人に、保証する意思があることも条件です。

これは、保証人の条件の中でも、特に厳しく確認されるものです。

銀行は保証契約を結ぶ際、必ず意思確認が行われます。

債務と保証の内容を銀行員がしっかり説明し、保証人の意思を確認して署名捺印を行います。

まれに、タチの悪い銀行員が確認を行ったために、保証人が債務と保証の内容を充分に理解しないまま保証契約を結んでしまうことがあります。

また、保証人を立てなければ融資が得られず、経営が破綻するような会社もあります。

その場合、会社と銀行のパワーバランスは完全に銀行に偏ります。

保証の意思確認とはいいつつも、保証人の意思とはあまり関係なく保証契約に至ってしまうことも多いです。

銀行員の説明がずさんでも、止むに止まれず保証契約に応じていても、形としては保証の意思を確認したことになりますから、保証人は保証義務を免れることができません。

このような理由により、経営とは関係ない部分で、債務者と保証人の間でトラブルになってしまうことがあるのだ。

そのため、人的担保は慎重に利用すべきです。

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まとめ

担保について、ごく基礎的なことは知っていても、少し専門的なことになると、理解が曖昧な部分も多くなってくるものです。

どのように担保設定がなされているのか、法的にはどのような考え方がなされるのか、担保にはどのような種類のものがあるのか、それぞれの担保権はどのように分けられているのかなど、学べば学ぶほど奥が深くなります。

そのような知識を持っていれば、融資交渉でのやり取りもよくわかり、担保の活用にも、スムーズな交渉にも役立つことでしょう。

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