自社の「変事抵抗力」は?後ろ向き融資の交渉でカギになることも

「変事抵抗力」というワードを聞いたとき、ピンとくる人はそれほど多くないと思います。

これは、非常時の抵抗力のことであり、会社の財務的な強さを意味しています。

意味を知れば何ら難しくないものの、表面的に理解しておくだけではもったいないです。

会社の変事抵抗力を銀行がどう見ているか、融資交渉にどのように影響するかなど、より深い意味で理解しておくことにより、経営に役立てていくことができます。

本稿では、変事抵抗力の重要性と、融資交渉への影響について解説していきます。

変事抵抗力とは?

銀行が融資を検討する際には、様々な情報を頼りにします。

基本的には、決算書や資金繰り表、経営計画などの内容から、その会社の財務や業績について分析し、返済力が十分であり貸し倒れリスクが低いと判断すれば、積極的に融資を実行することが多いです。

もちろん、会社の資料が100%実態に即しているとは限らないため、分析は丁寧に行われます。

経営者との面談で色々なヒアリングを行い、矛盾や疑問があれば慎重になります。

会社に関するうわさや経営者の人格など、数字に表れない部分も判断材料となります。

色々な要素がありますが、それでも基本的には、業績や財務に問題がなく、返済実績もあり、その会社に融資することで銀行にも利益が見込まれるならば、融資は実行されると言えます。

銀行が融資謝絶の判断に至るのは、会社が問題を抱えており、返済力にも影響しており、貸し倒れリスクを許容できない場合です。

そのような会社でも、返済困難な場合に、何らかの方法によって対処することが可能であり、銀行のリスクをカバーできるならば、融資されることも多いです。

つまり、万が一の場合が懸念される融資案件では、その「万が一」の場合、すなわち「変事(非常事態)」にどのような対処ができるか、どれくらい抵抗力があるかを見られます。

この、変事における対応力・抵抗力のことを、「変事抵抗力」と言います。

融資を実行するか、謝絶するか、判断が難しい融資案件では、銀行は「貸し付けるべき理由はあるが、万が一のリスクが怖い」と考えています。

このとき、変事抵抗力に乏しい会社であれば、万が一の場合に対処することができないため、銀行は融資に消極的になります。

しかし、変事抵抗力が高い会社であれば、万が一の場合にも銀行は危険が少ないと考えられるため、銀行は融資を前向きに検討できます。

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変事抵抗力をもたらす要素

変事抵抗力は、会社のスタミナとも言えます。

会社に何らかの問題があり、銀行も貸し倒れリスクが怖いと考えていても、

  • 会社の手元資金が潤沢であり、すぐに資金繰りが破綻することはない
  • 将来を有望視されており、多くの銀行からの支援が期待できる
  • 社長個人の資産が多く、それを返済原資として見込むことができる

といった場合、変事抵抗力は高いとみなされ、融資実行の後押しとなります。

このような背景がなく、変事抵抗力が低い会社では、不動産を担保に入れたり、信用保証協会の保証を受けたりすることによって、変事の保全を提供しなければ、融資を受けることは難しくなります。

会社に問題がなく、資金使途も前向きなものであれば、変事抵抗力が判断基準になることは少ないわ。

しかし、会社に問題があり、資金使途も後ろ向きなものであれば、変事抵抗力は大きな判断基準となります。

融資交渉を考えるうえで、自社の変事抵抗力がどうであるかを知っておくと、銀行の考えを正確にくみ取りながら交渉できます。

また、普段から変事抵抗力を高めるために、手元資金を積み上げておく、複数の金融機関と信頼関係を作っていく、社長個人の資産を徐々に増やしていくなどの取り組みもできます。

 

変事抵抗力が重視された例

上記の通り、変事抵抗力が重視されるのは、会社に何らかの問題があり、銀行が「万が一の場合に破綻するかもしれない」と危ぶんでいる場合です。

変事抵抗力が重視され、融資交渉を左右した実際の例を見てみましょう。

A社は、業歴の浅い不動産会社です。

創業以来、メインバンクのB銀行と一行取引を続けてきました。

A社は、主に不動産取引の仲介や物件管理を事業としており、昨今の不動産ブームの影響もあって、業績は好調に推移しています。

B銀行も、今後の取引拡大が期待できる融資先をみなし、支援してきました。

しかし、この取引関係は、近年で徐々に微妙なものになってきました。

A社は、不動産ブームに乗る形で分譲業務も手掛けるようになり、当初はそれが大きな売り上げと利益をもたらしてきました。

しかし、不動産業界の競争が激しくなったこと、そして不動産ブームが鎮静化の流れにあることから、最近では分譲業務の雲行きが怪しくなってきたのです。

分譲業務のためには、不動産開発に伴って大きな資金需要が発生するため、これをB銀行から借り入れていました。

しかし、分譲住宅が計画通りに売れなくなったことで、在庫水準が過剰になり、資金繰りも不安定になってきました。

A社の社長は、この流れを払しょくするべく、新たな分譲案件を手掛けようと考えたんだ。

そこで、B銀行に再度融資を申し入れたのですが、B銀行からみればA社は過剰在庫を抱えて資金繰りが圧迫されている状態であり、投資が過大になっているのですから、追加融資を簡単には出せません。

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社長は将来性を力説

メインバンクとしては、支援すべき立場にあります。

しかし、A社の売上は順調に伸びている一方で、不動産の在庫も右肩上がりに増加しており、売れ残りが負担になっていることは明らかです。

このような場合、融資を引き出せるかどうかの第一歩は、融資面談の際に社長がどう説明するかにかかっています。

過剰在庫の販売の見込み、経営への影響などをしっかり説明し、銀行員も問題ないと納得すれば、融資を受けられることも多いです。

逆に、見通しが立っていない状態で融資を申し入れても、融資はほぼ通らないぞ。

銀行が問題視しているリスクについて、それが問題でないことを納得させられないのですから当然です。

A社の社長も、具体的な資料を作って融資面談に臨みました。

分譲住宅の在庫一覧を作成し、A社の業容から見て過大の嫌いはあるものの、短期間のうちに販売の見通しは立っていること、売上と利益に確実に貢献することを力説しました。

もちろん、不動産の立地条件や様々な観点から、販売できると考える根拠も具体的に説明しています。

変事抵抗力の低さから否決

融資担当者は、社長の作成した資料や説明を踏まえて、稟議書を作成しました。

投資が過大になっているものの、短期間に売却の見込みが立っており、メインバンクでもあることから、融資に対応したいという内容の稟議書でした。

しかし、支店内の稟議では否決の結果となりました。

やはり、在庫が過剰になっていることが原因です。

社長は短期で売却する計画であり、その根拠にも一定の信頼性があるものの、万が一在庫期間が長期化したり、売れなかったりした場合には、A社の資金繰りが非常に危険な状態となり、貸し倒れリスクが高くなることが理由でした。

このとき、変事抵抗力も否決の根拠となっています。

A社の手元資金は乏しく、B銀行との一行取引のために他行からの資金調達も困難であり、社長の資産も乏しいため、変事抵抗力は脆弱である、万が一の場合に対処できないとみなされたのです。

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保証付融資で実行

いくら社長に経営手腕があり、具体的な計画があっても、このような状況ではプロパー融資は不可能です。

現在抱えている分譲不動産も、それを取得するための融資の際に担保として押さえています。

A社の融資交渉は難航しましたが、信用保証協会の保証枠にはまだ余裕がありました。

しかし、保証枠に余裕があるからといって、保証協会がその枠の満額まで保証するわけではありません。

保証審査の結果、保証枠の範囲内でいくら保証できるかという判断になるのね。

そこでB銀行の融資担当者は、保証協会の担当者と面談し、A社の経営状況や今後の見通しを細かく説明しました。

保証協会は、A社の保証利用残が少なく、保証枠に十分な余裕があり、なおかつ今後の見通しにも納得できたことから、前向きな反応を得ることができました。

今後の販売計画に自信があった社長は、プロパー融資を受けるつもりでいました。

しかし、融資担当者に「プロパー融資は稟議が通りませんでした。保証付融資ならば、可能かもしれません」という説明を受け、保証付融資を選びました。

その結果、無事に保証付融資が実行される運びとなりました。

変事抵抗力を意識した経営を

実はその後、A社の経営は破綻しています。

というのも、社長は相変わらず変事抵抗力の重要性を認識しなかったからです。

この融資交渉にあたって、変事抵抗力を認識することができていれば、分譲案件への取り組みを控えて過剰在庫を早期に売り切ってしまう、仲介業務や管理業務などの手堅い業務に注力するなど、事業の方針をシフトしたはずです。

しかし、分譲案件に過剰な自信を持っていた社長は、その後も積極的に投資を行った結果、過剰在庫の増加を招き、資金繰りが回らなくなり、破綻に至ったのです。

普段から変事抵抗力を意識しておけば、変事抵抗力の悪化を防ぎ、できるだけ変事抵抗力が高めていくことも可能だ!

これは、融資交渉に役立つのはもちろんのこと、経営の安定につながっていくのですから、全ての会社にとって重要な観点だと言えるでしょう。

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まとめ

変事抵抗力は、簡単に言えば会社の体力のようなもので、体力があれば経営破綻の危険も少なくなります。これは、多くの人が知っていることでしょう。

しかし、変事抵抗力が融資交渉にどう影響しているか、という観点から考えている経営者は、それほど多くないはずです。

これを意識しているかどうかによって、融資交渉の流れも変わってくるため、ぜひとも意識しておきたい要素です。

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普段から変事抵抗力を高めていく、会社の体力を高めていくことを目指し、強力な財務基盤を作っていこう!

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