倒産の危機にある会社は融資を受けられない。そんな会社が気を付けるべきこと

銀行が融資を断る理由にはいくつかありますが、

  • 会社の経営がうまくいっていない
  • 財務的にもギリギリの状態にある
  • 融資すれば貸し倒れになるリスクが高い

そんな場合は、高確率で融資を断ることになります。

そのような会社では、融資交渉をいくら頑張っても融資を受けることは困難であり、どうあがいても最終的には倒産を避けられないことも多いです。

しかし、融資を受けられずに倒産するという流れのなかで、どのように倒産に向かっていくかによって、大きく結果が異なります。

本稿では、倒産危機にある会社への融資稟議の様子と、会社が気を付けるべきことについて解説していきます。

融資謝絶の理由とは

会社が銀行に融資を申し入れると銀行は、決算書などの資料から

  • 会社の財務を分析
  • 安定性
  • 収益力
  • 返済力

といった観点から融資すべきかどうかを検討します。

そのうえで、融資担当者は経営者と直接面談を行い、

  • 会社の現状
  • 将来的な見通し
  • 資金を必要としている背景

などを聞き取ることによっても、融資判断の材料とします。

その結果、融資謝絶、つまり融資しないという方針になることもありますが、その理由として最も多いのは貸し倒れリスクが高いというものです。

貸し倒れリスクが高い

銀行が融資を断るとき、貸し倒れリスクが高いという理由が最も多いです。

銀行は、会社の資金需要にこたえて融資を実行し、元金とともに利息を回収することで利益を得ています。

ところが、回収がうまくいかなかった場合、銀行は大きな損失を被ることになります。

いくら銀行が利息を取っているからと言って、回収する利息よりも貸し付けた元金のほうが圧倒的に多いのですから、貸し倒れになれば銀行はほぼ確実に赤字となります。

仮に、

  • 1億円の資金を期間10年
  • 金利1%

で融資したとすれば、

  • 年間の支払い利息は初年度が100万円

となり、元金の返済に伴って徐々に小さくなっていきます。

返済を5年間続けると残債は5000万円となり、それまでに回収した利息は400万円くらいになっています。

しかし、そこで貸し倒れになれば銀行は約4600万円の赤字を出すことになります。

CFイエロー
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また、貸し倒れにはならないものの、回収が予定通りに進まない場合も同様に危険よ。

そのような状況でも貸し倒れに陥るリスクは高く、最終的に全額を回収できたとしても、銀行の資金運用の効率は悪くなってしまうためです。

このような理由で、銀行は慎重に審査して貸し倒れリスクを避ける必要があります。

したがって、業績や財務に問題がみられる会社は注意深く審査していき、何らかの担保をとったり、信用保証協会の保証をつけたりしてリスクのカバーを図ります。

しかし、リスクがあまりにも大きかったり、保全の方法がなかったりする会社では、リスクをカバーすることができないため、そのような会社への融資は見送ることになります。

CFレッド
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審査の流れ

融資の審査は、基本的に、


1、会社が銀行に融資を申し入れ、必要資料を提出する

2、融資担当者は資料を分析し、会社の状況を把握する

3、融資担当者は経営者と面談し、会社の情報をさらに詳しく把握する

(3’、面談後、必要な場合には会社を訪問して実態把握に努める)

4、融資担当者は上司と協議し、稟議の方向性を決定する

(4’、協議後、必要な場合には上司が経営者と面談を行い、判断の参考とする)

5、融資実行の方針で進める場合、融資担当者は稟議書を作成し、支店内で稟議が行われる

6、融資額が大きいなど、案件によっては本部稟議が加わることもある


という流れで進められます。

融資交渉は資料作成の時点で始まっている

融資交渉というと、「交渉」というだけに、銀行員と経営者直接面会して交渉を進めていくというイメージがありますが、実際には1の時点で交渉は始まっています。

融資の審査では、会社が返済可能であるかどうかを財務と業績から判断し、それによる判断が軸となります。

したがって、財務や業績の状況をできるだけよいものとして捉えてもらうべく、資料の作り方にはこだわるべきであり、提出資料を作成する時点で融資交渉は始まっていると考えるべきです。

また、融資交渉に有利になる資料を作るためには、銀行員目線で資料を考えることも必要ですから、その点について知識をつけておく必要があります。

したがって、融資交渉の1と2を首尾よく進めていくためには、決算書や財務分析などについても学ばなければなりません。

CFレッド
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そのためには広範な解説を要するため、当サイトの別の記事を参考にしてもらえればと思うぞ。

面談で判断されること

ここで重要なのは、3以降の流れです。

銀行が提出を求める資料の中でも、最も重要なものが決算書です。

この決算書の内容が悪ければ、流れの2の時点で

この会社の経営状態には問題がある。融資しても貸し倒れになるリスクが高すぎるから、融資すべきではない

という印象を持たれることになります。

そのうえで面談を行い、経営者が具体的な経営計画によって回復の見通しを説明すれば、この印象を巻き返して融資実行に持ち込める可能性もあります。

例えば、

  • 決算は二期以上の連続赤字になっており、銀行から融資を受けられる可能性はほとんどない
  • しかし、大手企業と長期契約の話がまとまりつつある
  • その契約を獲得すれば、経営状況は大きく改善していき、来期までに黒字転換の見通しである

といった実現性の高い経営計画があれば、融資実行の可能性もあるということです。

しかし、危機的な状況にある会社のうち、そのようなチャンスに恵まれる会社は非常に少なく、資料を分析したときに「融資すべきではない」と判断された会社が、面談で巻き返していくことは非常に難しいと言わざるを得ません。

したがって、貸し倒れリスクが高い問題を抱えていれば、融資担当者との面談によって銀行の判断を覆すというよりは、面談によって「融資謝絶」という結論に至る場合が多いと言えます。

面談後に会社を訪問するケースも

なお、上記の流れで3’を設けている通り、面談後に担当者が会社を訪問するケースもあります。

CFイエロー
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これは、経営者と面談で話した内容について、担当者が実際に見てみなければ判断しにくいと考える場合に訪問されるのよ。

よくある例が、会社の在庫状況を確認するために訪問するというものです。

会社が過剰在庫を抱えているときには、在庫を調整する必要があります。

そのため、計画通りに販売する、値引き販売を行う、破棄するなどの方法によって調整していきます。

この調整が与える影響を正確に把握するためには、在庫状況を実際に確認する必要があります。

このような場合に会社に訪問することがありますが、決算書などの資料や面談の内容に問題がなかった会社でも、会社訪問によって問題ありと判断されれば、融資謝絶に至ることがあります。

上司との協議

面談後に担当者は、資料の分析結果と面談の結果を上司に報告し、稟議の方向性を検討していきます。

ここでの上司の役割は、担当者から案件の概要やリスク・メリットを聞き取り、稟議を進めて融資実行を目指すか、融資を謝絶するかの方向性を決めることです。

  • リスクが低いため融資に応じてよい

あるいは

  • リスクはあっても保全を図ることができる

などの場合、稟議を進めていくこととなりますが、リスクが大きすぎると判断した場合、この時点で融資謝絶の方針が固まります。

当然、稟議書を作って稟議をするだけ無駄ですから、稟議書が作られるまでもなく、会社が融資を受けられないことが決定します。

上司が面談に乗り出すケースも

なお、一般的には経営者と面談するのは融資担当者の仕事であり、融資担当者以外の銀行員が経営者と面談することはありません。

もちろん、会社と銀行が付き合っていくにあたって、銀行が積極的に付き合っていきたいと考えている会社であれば、融資担当者だけではなく上席者が面談に加わったり、会社を訪問したりすることもあります。

会社が融資担当者に対し、上席者も面談に参加してほしいと希望し、事前にアポを取っている場合なども、融資担当者と上席者相手に面談をすることになるでしょう。

CFブルー
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また、簡単には判断できない難しい案件ならば、融資担当者と上司の協議だけでは方向を決めかねることがあるんだ。

このような場合、後日再度面談の機会を設け、上席者も同席したうえで面談をすることがあり、上司も経営者と直接話してみて、稟議の方向性を決定していくことになります。

このほか、

  • 長い付き合いがある
  • すでに多額の融資をしている
  • メインバンクとして付き合っている

など、「融資したくない問題があるものの、簡単には見捨てられない会社」もあるものです。

そのような会社との融資交渉では、上司が直接面談に乗り出し、経営者の経営のマズさを指摘してクギを刺すこともあります。

そして、面談の結果次第では融資謝絶に至るケースもあります。

支店内の稟議

上司との協議の結果、稟議を進めるとの判断に至ったならば、融資担当者は稟議書を作ります。

この稟議書には、

  • 資料や面談から得られた会社の情報
  • 検討している融資の内容
  • 融資することで得られるメリット
  • リスクに備える保全の方針

などが記載されています。

稟議にあたるのは管理職であり、融資担当者やその上司とは違って、会社や経営者とは距離がある存在です。

したがって、管理職の人々が稟議書に目を通して決裁していく際には、融資案件に関するシンプルな情報だけによって判断していくことになります。

CFレッド
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もちろん、シンプルな情報を迅速に判断していくというものではなく、シンプルな情報だからこそじっくりと検討していくんだ。

疑問点があれば融資担当者に聞き、担当者がその内容を会社に質問したり、追加資料の提出を求めたりすることもあり、銀行融資の審査に時間がかかる理由の一つはここにあるとも言えます。

そして最後に支店長が決裁することになりますが、融資担当者から上司、融資管理職という何重もの判断をくぐってきた案件ですから、支店長の判断ひとつで覆ることはほとんどありません。

融資案件によっては、支店長権限を越えるものもあり、その場合には本部の審査部によって追加の審査を受けることとなります。

ただし、銀行の組織構造では、支店運営は支店長に任せるというのが基本であり、支店から上がってきた案件は本部審査でも問題ないと判断されることが多いようです。

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貸し倒れリスクが高い場合の具体例

では、貸し倒れリスクが高いことから、銀行の判断が「融資謝絶」に至る具体例を見ていきましょう。

そもそも、「貸し倒れ」とは「返済不能に陥る」ことであり、「貸し倒れリスク」とは「返済不能に陥るリスク」と言えます。

したがって、銀行が貸し倒れリスクを懸念して融資を拒否する典型的な例といえば、決算内容が非常に悪いことが挙げられます。

大幅な債務超過状態にある、赤字決算が続いているなどの深刻な問題を抱えている会社では、貸し倒れに陥る可能性が高いため、銀行は融資しないのが普通です。

とはいえ、すでに融資をして残債もたくさん残っている会社がそのような状況に陥っているならば、融資を拒否すればその会社の資金繰りは回らず、倒産に至り、すでに融資したものは貸し倒れになってしまいます。

したがって、銀行が判断をするにあたっては、

  • 危険な状況にあるが、経営を立て直せる見込みがあるため、融資を実行して資金繰りを支援し、最終的に融資を正常に回収することを目指す
  • 危険な状態にあり、経営の立て直せる見込みもないため、融資を拒否して貸し倒れを受け入れ、回収できるだけ回収を図る

のどちらかの判断をすることになります。

前者のように、会社が経営を立て直していくための計画を立て、その計画に実現性があると判断すれば支援することもあります。

CFブルー
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しかし、危険な会社に追加で融資するのですから、銀行は大きなリスクを抱えることになるんだ。

リスクが高すぎると判断した場合、追加融資を出せば融資総額はさらに大きくなり、貸し倒れの際の損失も大きくなってしまうため、計画によほどの実現性がなければ融資を出すことはありません。

そうなるよりも、融資をしないことによってそれ以上のリスクを抱えることなく、貸し倒れによる損失を最小限にとどめておいたほうが賢明と考える場合も多々あります。

したがって、貸し倒れのリスクが高いと判断される問題を抱えている会社では、融資交渉がかなり難航するのが普通であり、融資を引き出せずに資金繰りがショートすることも非常に多いです。

資金繰りが危険な状態では融資を受けるのが難しいからこそ、毎年たくさんの会社が倒産しているとも言えます。

面談の様子

では、貸し倒れリスクが高いために拒否に至る場合、融資交渉はどのように進められるのでしょうか。

ここの例では、以下のようなA社を想定します。


  • 以前は年商10億円を超えていたが、ある時から業績が徐々に悪化
  • 悪化傾向を改善することができず、3期連続の赤字状態
  • 手元資金も乏しく、資金繰りは危険な状態にある
  • メインバンクに追加融資を依頼

このような会社は、もはや倒産も時間の問題という状況であり、銀行から融資を受けることはかなり困難です。

融資してくれるとすれば、基本的に支援の姿勢をとってくれることが多いメインバンクですが、メインバンクでも担保などの保全がなければ追加融資を続けることは難しいでしょう。

面談にあたり、融資担当者は融資謝絶の腹を決めて面談に臨む可能性が高く、取り付く島もないような面談内容になることもよくあります。

では、対話の様子を見ていきましょう。


担当者「決算書その他の資料を拝見しましたが、業績は回復するどころか悪化する一方です。
当行は主力行として、回復を期待して追加融資を続けてきましたが、残念ながらその兆しはいまだに見えていません。
今後、どうされるおつもりなのでしょうか?」

経営者「なんとも、厳しい状況が続いていまして・・・。
なんとか売上を伸ばすために、契約を増やそうと頑張ってはいるのですが・・・」

担当者「しかし社長、お会いするたびに同じような話を伺ってきました。
資金繰りも厳しいのではないですか。」

経営者「当然厳しいですよ。
売上が上がっていないですから。
だから、資金繰りのために融資をお願いしたいと思っているわけですし。」

担当者「当行は数年にわたって、融資をさせていただきました。
社長から業務改善計画をお聞きして、それを信頼してきたのです。
ところが、改善計画は一向にうまくいっていません。
計画達成には至らなくとも、徐々に改善しているというならばまだしも、悪化しています。
当行としては、業務改善の見通しが立たないのですから、これ以上の支援は困難です。」

経営者「それは困ります。
資金繰りが厳しくて、仕入先への支払いも待ってもらっていますし、待ってもらう時に融資してもらうから待ってほしいと言っています。
融資してもらえなければ支払いはできませんし、そうなれば事業が行き詰ってしまいます。」

担当者「仕入先の支払いが遅れているのですか?
つまり、すでに資金繰りはショート寸前ということですよね。
そのような状況をお聞きすると、ますます追加融資はできなくなります。」

経営者「そこを何とかお願いできませんか・・・。
社員たちを路頭に迷わせるわけにはいかないんです。」

担当者「おっしゃることはわかりますが、やはり追加融資は困難です。」

経営者「そこを何とか、なにかやれることがあれば努力はしますし。」

担当者「会社の不動産はすでに担保に入れていますし、社長個人の自宅も担保になっています。
考えられるとすれば、社長の自宅以外の不動産を売却して会社の負債を圧縮するなどの方法でしょう。
そのような方法については、当行も一緒に考えてまいります。」

経営者「自宅以外の不動産というと、〇〇の土地のことですね。
あれは親から継いだ土地で、兄弟と共有名義になっていますから、私の一存で売ることはできません。
兄弟に今の状況を伝えることもできません。」

担当者「しかし、方法はそれしかありませんので、ぜひご検討ください。
これ以上の追加融資は、そのような方法で対策していただかなければ、稟議を上げてもまず無理です。
もしくは、リスケによって支払いを猶予するなどの方向も考えられます。」

経営者「リスケということは、やはり融資は出ないということですよね。
それでは、資金繰りが回らないのです。」

担当者「そんなことはないはずです。
A社の年間返済額は3000万円程度ですが、リスケで返済を据え置くとそれが必要なくなります。
つまり、期間1年で3000万円の追加融資を出すのと、実質的には同じなのです。」

経営者「本当ですか?
それで資金繰りが回っていくのでしょうか。」

担当者「資金繰り上では同じ効果です。」

経営者「しかし、追加融資が受けられないとなると、支払いを待ってもらっている取引先には支払えなくなるし、やはり厳しいと思います。」

担当者「当行としては、やはり追加融資は厳しく、そのような対応が精一杯です。
不動産の売却やリスケをご検討ください。」

経営者「わかりました。
それなら、しょうがないので考えてみます・・・」

 


このように、あらかじめ融資謝絶の方針を固めているだけに、融資担当者はかなり厳しい対応を見せるのが普通です。

その方針を覆すためにはかなり強力な材料が必要となりますが、倒産の危険性が高い会社がそのような材料を準備できる可能性は低いでしょう。

面談といっても、融資できるかどうかを確認したり、融資にあたっての条件を確認したりするというものではなく、融資できないことを伝える場になることが多いです。

上司との協議

融資担当者は、この面談の内容を支店に持ち帰り、上司との協議を行います。

ただし、融資謝絶の方針で面談に臨み、面談によっても融資謝絶で間違いないという印象を抱いているため、上司との協議も

融資できるかどうか、融資するならばどのように融資していくか

を話し合うというよりも、

融資謝絶で間違いないか

という確認の意味合いが強くなります。

どのような協議が行われるか、こちらも例を見ておきましょう。


 

担当者「A社より追加融資の相談を受けました。」

上司「業績は悪くなるばかりだし、もう無理だろう。
これまで、改善するということで融資してきたけど、これ以上はもう出せない。」

担当者「私もそう考えています。
社長にも融資は困難だと伝えました。」

上司「なんといってた?」

担当者「とにかく、融資してくれなければ困る、資金繰りが回らなくなると言っていました。
仕入先にも支払いを待ってもらっているとのことでした。」

上司「なに、支払いが遅れているのか。
それなら、なおのこと融資なんかできるはずがない。」

担当者「それも伝えましたが、あまり理解していないようで、とにかく困るというばかりでした。」

上司「あまり自覚がないみたいだな。」

担当者「そう思います。
これまでもそうでしたが、計画はそれほど具体的ではなく、とにかく頑張るから、という感じです。
今回も、具体的な計画はありませんでした。」

上司「そうか。
やはり無理だな。
これまでの融資の回収はどうなりそう?」

担当者「会社と社長個人の不動産から、保全は充足しています。」

上司「よし、それはいいな。
リスケはどうする?」

担当者「追加融資はできなくても、リスケには対応できるかもしれない、それで資金繰りはラクになるはずだと申し上げました。
検討すると言っていたので、今後リスケの申し入れがあるかもしれません。」

上司「分かった。
これ以上の支援は、リスケ以外は考えられない。
融資は謝絶。
社長にはそうに伝えておいてください。」

 


CFイエロー
CFイエロー
担当者の話を聞いて、上司も融資謝絶の答えを簡単に出しているのが分かるわね。

通常の協議では、担当者の話す内容に、

このリスクにはどう対応する?

こんなメリットが得られないか?

この点についての見通しは?

といった疑問を投げかけ、客観的な目線で融資を検討していきます。

しかし、明らかに融資すべきでない案件では、融資すべきではない理由があまりにも目立ちすぎるため、融資の可能性をほとんど探ることもなく、融資謝絶の結論が出てしまうこととなります。

CFブルー
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返す必要のない、助成金で資金調達する方法もあります。

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融資を受けられない場合に気をつけること

ここまで書いてきた通り、会社が大きな問題を抱えており、貸し倒れリスクが高いと判断されてしまう場合には、融資を受けられない可能性がかなり高いです。

可能な限り融資交渉の努力をすべきですが、結局融資を受けられないと決まった場合には、

  • その状況で銀行とどう付き合っていくか
  • 融資なしでどのように経営していくか

を考える必要があります。

焦りが不利を招く

まず、融資を受けられないとなった場合、それ以上に不利な状況を作らないように気をつけなければなりません。

銀行からの融資は受けられないとしても、リスケに応じてもらうなどの支援は受ける可能性があるため、その可能性をつぶすような言動は慎む必要があります。

例えば、例に挙げたA社の社長は、面談の際に支払遅延が起こっていることを喋ってしまっています。

銀行側から融資できないとはっきり伝えられ、社長にもそのように言われてしまう心当たりはあります。

しかし、融資を受けられなければ非常に危険だということもわかっていますから、ここで焦りが生じ、なんとか窮状を知ってもらおう、同情を誘おうと考えて、不利になる情報まで話してしまうことがあるのです。

仕入先への支払いができていないということは、それは資金繰りがすでに回らなくなっているということですから、銀行交渉にはマイナスの影響しか与えません。

それでも、冷静さを欠いているため、このように墓穴を掘ってしまうケースも非常に多いです。

返済でも墓穴を掘る

また、会社がこのような窮地に陥っていたとしても、銀行は返済を待ってくれるわけではありません。

融資契約で、

〇年〇月から〇年〇月まで、毎月1回、25日に〇〇万円を支払い

といった融資条件を設定しているのですから、銀行はあくまでもその条件の通りの返済を求めます。

融資交渉のとき、苦しい状況はしっかり伝えているし、少しくらい遅れても大目に見てくれるだろう

といった甘い考えは通用しません。

返済を遅らせたければ、リスケによって契約条件を

〇年〇月から〇年〇月まで、元金返済を猶予する

という条件へと変更する必要があるのです。

とはいえ、会社の資金繰りが回らない状況ですから、銀行への返済も困難になることがあります。

このとき、銀行に返済ができないうしろめたさと焦りから、銀行に何の連絡も入れず、銀行からの確認・催促の連絡にもまともに対応しないことがあります。

そのような対応は、会社が返済責任から逃げようとしているともいえるため、銀行は貸し倒れリスクが非常に高くなったと判断します。

かなり厳しい回収の姿勢をとることも考えられますし、リスケなどの支援も受けられなくなる可能性が出てきます。

そうならないためには、資金繰りが回らずに返済できなくなるとわかった時点で銀行に連絡を入れ、次回の返済に間に合わないことと、いつならば返済ができるかを伝えましょう。

CFレッド
CFレッド
そのうえで、約束の期日までにしっかり支払うことができれば、銀行との信頼関係が完全に壊れてしまうことはないぞ。

銀行の提案を鵜呑みにしてはいけない

銀行は、融資できないときっぱり伝えたうえで、会社に資金繰りのアドバイスをしたり、色々な提案してくることもあります。

A社の例のように、経営者の個人財産を処分して資金調達をしたり、リスケジュールを検討したりすることを勧めるのです。

このような提案は、

残念ながら融資は困難です・・・しかしこのような方法ならば、資金繰りに役立つかもしれませんよ

という、好意的なものに感じられることもあります。

危機的な状況の中で、最後の頼みの綱であるメインバンクからも融資を断られ、経営者は非常に苦しいと感じています。

孤立無援のところへ、銀行がアドバイスをしてくれるとなれば、それを好意的に受け取ってしまうのだと思います。

しかし、これを下手に受け入れてしまうと、後で大変なことになるかもしれません。

財産の売却はすべきか?

特に、「社長の個人財産を売却して債務を圧縮して・・・」という提案は、一見すると

売却した資金で債務を圧縮すれば、返済負担も減って資金繰りが楽になりますよ

という良いアドバイスに聞こえますが、実際には

この会社には追加融資も出せないし、いずれ倒産する可能性が高い。そうなれば貸し倒れによる損失も発生するから、倒産までにできるだけ回収しておく必要がある。だから、社長の財産を処分して返済に充てさせよう

というのが本心です。

これを見抜くことができなければ、

確かに、返済負担が軽くなれば資金繰りも回りやすくなるし、経営を立て直すチャンスにつながるかもしれない

などと考えてしまいます。

しかし、倒産する可能性が高いとして融資を拒否された会社ですから、経営者個人の財産を処分したくらいではどうにもならず、結局倒産することも十分に考えられます。

CFイエロー
CFイエロー
銀行の提案を受け入れ続け、返済に奔走したのちに倒産を迎えると、倒産後には何も残っておらず、再起不能状態に陥ってしまうことも考えられわね。

新たな保証人はつけない

似たような提案では、保証人の追加という提案もあります。

通常の融資では、代表者個人が連帯保証人になるだけなのですが、配偶者や親族といった保証人を求めてくるのです。

それによっていくらか融資が出るならば、渡りに船と考えて保証人をつける人も多いでしょう。

しかし銀行は、予想通り会社が倒産となったときに、会社の財産と代表者名義の個人財産に加えて、配偶者名義の財産や親族名義の財産からも回収できるように、保証人をつけることを提案しています。

倒産後に回りに迷惑をかけることがないためにも、新規の保証人の提案は拒否するべきです。

最近では、このような「銀行の策謀」ともいえるケースは減っているといいますが、たまにそのようなケースを耳にすることがあるため油断はできません。

リスケも慎重に

追加融資が難しい会社に対して、リスケジュールの提案をする銀行も多いと思います。

A社との面談でも担当者が話している通り、リスケによって元金の返済を猶予すれば、返済に充てるはずだった資金を事業に使うことができるため、資金繰りに余裕が出ます。

しかし同時に、銀行はリスケで延命を図ることによって倒産を先送りし、回収に取り組む期間を延ばそうとしている可能性もあります。

もちろん、リスケによって会社が立ち直っていけば、残債をすべて回収できる可能性が高まりますし、完全に経営が立ち直ればまた良い付き合いもできるのですから、それに越したことはありません。

しかし、基本的には回復の見込みがないと考えたうえでリスケを提案しているならば、銀行はできるだけ損失を小さくすることを考えているはずです。

そのため、リスケによって立て直しを図るにしても、その期間中に銀行がいろいろな提案や口出しをしてくるならば、その対応は慎重に行う必要があります。

早めの倒産も視野に

銀行からの融資が受けられなければ、融資以外で資金を調達する必要があります。

  • 資産の売却やリースバック
  • 売掛金のファクタリング
  • 少人数私募債や親族・知人からの借入れ

などの方法があり、それによって資金繰りが回るならば、それも考えていくべきです。

もちろん、リスケも検討していくこととなります。

CFレッド
CFレッド
しかし、いくら融資以外の資金調達やリスケで頑張ってみても、結局は倒産してしまう可能性もあるんだ。

中長期の詳細な計画を立ててみて、いずれ倒産は避けられないことが明らかになれば、そのような努力は無駄と言えます。

現時点で100の資産がある会社が、どんなに頑張っても1年後には倒産するとわかりきっている場合、

  • 100の資産を徐々に減らして1年後に資産ゼロの状態で倒産するか
  • 100の資産が残っている状態で今すぐに倒産するか

どちらがよいでしょうか。

できる限りのことはやってみて、それで倒産するのが誠意だと考える人もいると思います。

しかし、現時点で倒産させれば、少なくとも100の資産を債権者に分配することができるのですから、債権者にとってはよほどありがたいと言えるでしょう。

このように考えると、融資を受けられないと決まった会社では、そこからさらに経営を続けていくか、それとも早めに倒産させるかについて、真剣に考えてみる必要があると言えます。

会社の状況によっては、早めの倒産が最善の選択になりえるということも知っておいてください。

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まとめ

本稿で解説した通り、貸し倒れリスクが高いと判断される会社では融資交渉が困難となり、融資を受けられない可能性も非常に高いです。

銀行が危惧する問題が比較的軽微な場合には、融資交渉の余地もありますし、うまく交渉すれば融資を受けられる可能性もあります。

しかし、基本的には融資を受けられる可能性は低いと考えるべきです。

どんなに交渉しても融資を受けられないならば、融資を引き出そうとして頑張るよりも、融資なしの状況でどのように動いていくかを真剣に考え、冷静に処理していくことが大切なのです。

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