中小企業の財務基盤は、一般的にそれほど強いものではないため、資金繰りには銀行融資が不可欠です。しかし、融資は簡単に受けられないことも多く、銀行交渉に頭を悩ませることも多いと思います。
そんな会社にとって、銀行側から融資を提案してくるとすれば、願ったりかなったりでしょう。
決して簡単なことではありませんが、安定した資金繰りのためにも、将来的にそうなることを見据えるべきです。
銀行が融資を提案する場合がある
融資を受ける際には、会社から銀行に融資を申し込み、決算書や資金繰り表といった資料を提出するほか、融資担当者と経営者が面談を行うという流れが一般的です。
これは、融資担当者が資料と面談から、会社の経営実態を把握し、融資判断に役立てていくためです。
多くの会社では、これによって稟議が進められていくのですが、逆パターンもあります。
会社から銀行に融資を申し込んで審査を受けるのではなく、銀行から会社に対して融資を提案するというパターンです。
この場合、銀行はその会社に対して、何とか借りてほしいと思っているからこそ営業をかけています。その会社は、おそらく業績や財務が非常に好調で、将来性も豊かなのでしょう。
そのため、返済期間中に経営難に陥る可能性が低く、低リスクで利息収入を狙うことができます。
また、その会社が今後も順調に成長していくならば、その会社が動かすお金も増えてくるはずです。
それまでに取引を深めておけば、大型の融資を行って利息収入を大きく稼げる可能性があります。
また、その会社の預金や為替取引などを通して、融資以外の面でも付き合うことができれば、手数料収入も大きく稼ぐことができます。
このため、銀行は成長が期待できる好調な会社に対して、融資を積極的に行います。
その会社が融資を申し入れてきたときに、積極的に融資を出すのはもちろんのこと、銀行側からも融資を提案していきます。

申し込まれた融資に積極対応するのはもちろんとして、なぜ銀行側から提案していくのかと言えば、そのような会社はお金に困っていないからよ。
どの銀行に頼んでも融資をスムーズに受けることができるため、必ずしも自行に融資を申し入れてくれるとは限りません。
銀行が申し入れを待っているだけでは、他行の取引シェア大きくなっていき、自行が取引する余地はどんどん小さくなっていく可能性があります。
これは、どの銀行でもわかっていることですから、他行に先んじて取引を深めるべく、銀行から融資を提案していくのです。
このように、銀行から融資を提案する場合には、その会社の業績や財務や将来性に問題がなく、むしろ非常に好ましいと思って提案しているのですから、融資実行を前提としています。
当然、普通の会社が銀行に融資を申し入れた場合と比べれば、融資の出やすさや融資条件には大きな差が出てくるため、会社の資金繰りには非常にメリットがあります。
これぞまさに、銀行との理想的な付き合い方と言うべきでしょう。

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融資提案は対話が軸
以上のように、銀行から融資を提案する場合には、銀行が会社に営業をかけているのであって、資料の分析や面談による判断よりも、経営者に営業をかけた際の対話が稟議の軸になると言ってよいでしょう。
既に業績や財務による判断はすでについており、積極対応の最終確認をしつつ、借りてもらうための条件をさぐるために、対話が重要となるのです。
したがって、担当者が融資を提案する際には、会社を訪問して現場を直接肌で感じ、好調につながる取り組みがあればチェックし、積極融資すべきという確証を得ることが第一の目的となります。
そして、好調な会社には多くの金融機関からアプローチがありますから、経営者との対話から他行の動向を探ることも大切です。
それによって、自行の将来的な取引がどうなっていくかを予測し、自行との取引を深めたり、他行との取引を牽制したりする必要があります。
業績が安定している会社への稟議
業績が順調であれば、売上高は伸びていき、必要となる運転資金も多くなっていきます。
取引を深めていけば、融資額が徐々に大きくなっていき、期待できる利息収入も増えていくことが期待できます。もちろん、融資以外の取引も、機会があれば狙っていきたいと考えるでしょう。
もっとも、ただ売上や利益が伸びているだけでは、銀行からの営業につながらないこともあります。
経営の規模が無計画に膨張しているだけであれば、何らかのトラブルによって経営状況が急速に悪化する場合もあるからです。
このような会社ならば、銀行はぜひ積極的に融資したいと考え、自ら提案することもあるでしょう。
会社がそれほど資金を必要としていなければ、会社側に有利な条件に設定してでも借りてもらう必要があります。

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対話の様子
融資提案の際の、対話の具体例を見てみましょう。
以上の対話で、きちんとした取り組みによって好調な業績を維持していることが分かりました。
また、借入は必要でないものの、無担保ならば融資を受けてくれるということも分かりました。
具体的な融資条件については、融資担当者が基本方針を考えるものの、一人で決めていくことはできません。上司にも相談したうえで方針を固め、稟議書に盛り込んでいきます。

したがって、経営者との対話の後、上司と話し合うという流れになるよ!

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稟議書の内容
経営者との対話や上司との協議の結果、融資条件を含めた内容が固まりました。
そこで、融資担当者は稟議書を作成していくこととなります。

この例では、稟議書は以下のように作成されることとなるわ。
概況
2000年設立の内装業者。関東全域に営業基盤を有し、業績は増収増益で良好。
借入金以上の現預金を常に維持しており、実質無借金経営。資金繰りも良好。
資金使途
経常運転資金。前期決算での所要運転資金は180百万円であり、運転資金の要因は十分に認められる。
融資条件
証貸、金額100百万円、融資期間3年の分割返済、利率1.7%。他行との競合を勘案し、前回より低水準の利率を設定するもの。
保全
全額無担保を許容。業績は堅調であり、融資額以上の預金平残や取立手形残があるため、実質的には保全は充足しているものと思料。
資金調達余力
会社および代表者に担保余力なし。マル保は他行含めて30百万円の利用があるが、当社の規模や業績を勘案し、足元の利用残は50百万円程度認められる。
狙い
業績好調な先柄であり、他行も積極対応。今後更なる取引メリットを期待すべく、本件によって取引基盤の強化を図りたい。

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好条件で借りるチャンスを逃さない!
銀行側から会社に融資を提案する場合、その会社の業績や財務や成長性は優れており、何とか融資したいと考えて稟議書が作られます。
したがって、無担保で低金利の長期融資を実行すべく、このような稟議書が作られることとなります。
業績好調であることを前提として、複数の銀行から提案を融資の受けている会社では、このように稟議が組成される可能性が高いです。
もし、銀行員がしばしば会社を訪問して融資を提案してくるならば、上記のような好条件での融資が期待できますから、是非活用すべきです。
銀行は、会社が好調な時には好条件で融資を提案してきますが、不調な時には頼み込んでもなかなか貸してくれないものですから、借りられる時に好条件で借りて、好調なうちに返済実績を作っていき、不調な時に備えておくのが賢明です。
まとめ
本稿の対話や稟議で見た通り、銀行から融資を提案してくる場合には、銀行は何とかして借りてもらえないかというスタンスで提案してくることが多いです。
したがって、無担保、長期融資、低金利などの好条件での融資が期待できます。
このような、銀行側の稟議の姿勢を知ると、ぜひ活用すべきことが分かるでしょう。
銀行から融資提案を受けられるように経営努力を図り、提案を受けた際にはフル活用してください。
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