元銀行員が語る「資金使途」第3部:一時資金について

第1部で資金使途の重要性について、第2部では運転資金について詳しく話を聞いてきました。

しかし、資金使途は運転資金の他にもあります。

一時資金についても、銀行員の視点について知っておくのが良いでしょう。

一時資金は、経営サイドでは運転資金と混同しがちなものですが、銀行員がなぜ運転資金とは別に考えるのかということも、興味深いところです。

本稿では、一時資金について銀行員の見方を聞いていきます。

一時資金とは

―――私も会社側の目線で解釈することが多く、運転資金と一時資金を同じくくりで考えています。それを一緒に考える、あるいは分けて考えるという発想自体、あまりしてこなかったと思います。

しかし、銀行員目線で見ると、運転資金と一時資金は別に考えるとのことですが、それはどうしてですか?

元銀行:確かに、季節資金やつなぎ資金なども運転資金と同じような性質を持っていますから、同じく括りで考えることが間違いというわけではないと思いますよ。

季節資金は、季節的な理由で需要が高まった時に必要となる運転資金ですし、つなぎ資金も一時的なつなぎとして必要となる運転資金のことですよね。

結局、一時資金も運転資金と同じような性質のお金なんですから、社長などが考える時は、そうこだわって別に考える必要もないと思います。

ならばなぜ銀行員が区別して考えるかというと、区別したほうが融資の判断に適しているからでしょうね。

もちろん、私も区別して上司から指導されましたが、それも必要があるからそうしているのでしょうし。

融資に慎重になる上では、分けるべきところはしっかり分けて考えるという、クセみたいなところもあるかもしれません。

 

―――具体的には、どのような区別ですか?

元銀行:経常運転資金、増加運転資金、減産資金について解説しましたが、これは一時的な性質かどうかといえば、そうと言えることもあるかもしれませんが、そうでないこともありますよね。

経常運転資金は、普通に経営している時に必要となる運転資金ですから、いつでも発生しますよね。

増加運転資金は、売上増加によって必要になっているなら、売上の拡大が続く間は必要になるもので、一時的とは言えないこともありますね。

減産資金もそうです。

うまく在庫調整が進んで、短期間で経常運転資金が適正水準になれば一時的なものかもしれませんが、売上が安定せずに調整が長引けば、減産資金は一時的とは言えなくなります。

しかし、一時資金は、思ったより長引いたなんていうことはないですよね。

季節資金なら、その季節だけ資金需要が高まって、その季節以外には発生しないのが普通です。その季節だけの一時的なものですね。

つなぎ資金も、例えば増資が決まっていて、それまでのつなぎで運転資金が必要とか、不動産の売却が決まっていて、それまでのつなぎが必要とか、一時的なつなぎに過ぎません。

だから、これも一時的な資金です。

他には、決算資金も一時資金に含まれますね。

これは、決算期に発生する納税資金や配当金支払資金などを支払うための運転資金です。

これも、決算期だけに発生する資金で、それを支払えば経営は平常運転になりますね。その他の時期に急に発生したり、長引いたりすることはない一時資金と言えます。

運転資金と一時資金には、こんな違いがあります。

経営を回していくために必要な資金、という意味では似ているかもしれませんが、こんな違いがあるんですね。

これを区別して考えておくと、銀行員は判断の役に立ちますね。

意識して役に立てるというよりも、無意識的に判断が正確になる、といったほうがいいかもしれませんけれども。

一時資金を検討するときは、それが本当に一時的なもので、短期で回収できるのかっていう視点で考えるんですけど、運転資金とごっちゃになっているよりも、「これは一時的な資金だ」という頭があると、正確な判断がしやすくなると思います。

 

―――そう考えると、確かに運転資金と一時資金は違いますね。社長が銀行員目線で知っておいた方がいいのは、季節資金、つなぎ資金、決算資金の三つでしょうか?

元銀行員:その三つを理解しておけばいいでしょう。会社が必要としやすい資金ですし、銀行員目線を知っておくと融資交渉にも役立つと思います。

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意外と複雑に見られる季節資金

―――では、季節資金からお願いします。

元銀行員:季節性のものを扱う会社がありますね。

衣料品店が代表的だと思いますが、季節によって需要が変わって、資金がいつもより多めに必要になることがあります。このように、季節によって特別に必要となる運転資金が季節資金です。

例えば、冬物のコートは冬場に需要が伸びますから、その需要に応えるために多くの在庫を準備する必要がありますね。そこで、季節資金の融資を申し込むわけです。

その会社が季節性の商品を扱っていて、当たり前に季節的な資金需要が発生しているなら、季節資金は問題の少ない資金使途と言えます。

その季節で大きく売り上げるなら、季節が終わって需要も落ち着いて、資金需要が普段の水準になれば全額返済できるものです。

もちろん、全額返済だけじゃなくて、返済の方法は銀行との協議で決まりますから、売上の回収予定に合わせて分割返済することもあります。

しかし、どちらにしても短期で確実に回収するのが基本です。

コロガシ(継続融資のこと。短期で融資した手形貸付を返済できないとき、同額の手形を再度発行して返済を伸ばすこと)なんか、季節資金では絶対にありえないですよ。

 

―――銀行員にとっても扱いやすい融資だと思うのですが、どのようなことに注意しますか?

元銀行員:資金需要の発生原因が分かりやすいですから、資金使途も分かりやすいですよね。だから扱いやすいといえば扱いやすいです。

まずいことがあるとすれば、需要が伸びる季節が過ぎても返済されない場合ですね。

季節資金を借り入れて、仕入れや製造を行って、それで返済するだけの利益を得ていないということは、売れ残りを抱えてるっていうことでしょう。

その商品が、来年の同じ季節に問題なく売れるかっていうと、そうならない可能性が高いですよね。特に流行り廃りの激しい衣料品なんかでは。

レトロとかビンテージとか、古いものが見直されるのなんて、何十年たってからでしょう。今年売れなかったものが、来年売れる可能性はかなり低いですよ。

そうなると、採算割れ覚悟で処分したり、赤字につながったりしますから危険です。

そうならないためには、銀行員がまずどこを見るかと言えば、前期の返済実績ですね。

季節性の商売をしている以上、今年必要になった季節資金は、去年も必要になっているのが普通ですよね。

だから、前期の季節資金がどのように返済されたかを見るわけです。

その結果、前期の貸し出しで未回収が発生しているとすれば、季節性の商売がうまくいかずに売れ残りが発生している可能性があります。

前期の売れ残りが発生しているなら、それはもはや不良在庫になっていることもよくあります。

流行が過ぎて、しかも大量に売れ残っていたとすれば、会社にとっては命取りになることもあります。

たまごっちなんかそうでしょう。

一時期は大流行して、飛ぶように売れたけれども、大増産したらブームが終わっちゃって、不良在庫が山のように残って莫大な損失になりましたよね。

たまごっちほどじゃないにしろ、流行の影響を受けやすい季節性商品は、大きな損失につながって、赤字になることもあるから要注意です。

あと、他の資金使途と同じように、嘘をついている可能性も必ずチェックしますよ。

前期の季節資金が回収できていないとすれば、売れ残りだけじゃなく、その可能性もありますからね。

季節資金として借り入れておきながら、実際は赤字の補填とか、他の用途に使ったのかもしれません。

他の用途で使われていたら、季節性の需要から発生した売上で返済もできませんよね。返済の裏付けがないんです。

そんな融資は危険ですから、前期の実績を見て注意します。

こんなふうに考えると、前期にきちんと返済されていれば、問題ないことが多いですね。

―――とはいえ、前期にきちんと使われていても、今期は怪しい可能性もあると思いますが。

元銀行員:もちろん、前期の実績を100%信用するのではなく、参考にするんです。だから、別の点もチェックしますよ。

例えば、仕入れと販売の計画はよく見ますね。資金繰り予定表を作ってもらって、仕入・販売計画と返済計画の整合性を見るんです。

例えば、「季節性の需要でこれくらい仕入れが増えます、それでこれくらいの販売ができる計画です」と言っておきながら、資金繰り予定表で返済計画をみてみると、販売の成果に見合わない場合があるとします。

こんなとき銀行員は、「季節性の需要で売上が伸びて、たくさん仕入れて売ればこれだけの利益がでる、それならもっと早く返済できるだろう、なのになんで返済ペースが遅いのだろう、何かおかしい」と考えます。

仕入れを多めに計画して、実際には少なめに仕入れて、余った資金を別の不足しているところに回す、なんて考えているのかもしれませんね。

社長には当然ヒアリングしますが、その時にはその商品が本当に売れるのかどうか、その見込みについても話してもらいます。

景気とか、業界の動向とか、消費者の動向とか、そういうことを含めて本当に売れるのかを検討するんです。

もちろん、銀行員に商売のことはそれほど分かりませんから、社長の説明に納得すれば問題ないと考えることが多いです。

でも、説明を聞いても、どうも世間の流れに逆行しているような気がすることもあるんですよ。そんな場合には、リスクが大きいと考えて融資を見送ることもあります。

ほかに見るところがあるとすれば、仕入れとか販売のルートですかね。なんでルートを見るのかと言えば、それが回収に影響するかもしれないからです。

仕入れも販売も、これまでとルートが変わっていなくて、前期の季節資金もちゃんと返済されていて・・・っていう会社なら、安心して貸せると思います。

しかし、ルートが変わっていると無視できませんね。

特に販売ルートは注意すべきです。以前は、販売先がきちんと支払ってくれて、銀行にもきちんと返済されていたかもしれません。

しかし、販売先が大きく変更されていたとすれば、その販売先が危ない会社だった場合、売掛金が支払われない可能性もあるわけですよね。

そうなると、銀行の回収にも問題が出てきます。

ですから、仕入とか販売の仕組みに目を向けて、取引先が変わっていれば取引先の信用状況も含めて考えるんです。

季節資金は、発生の理由や使い道が分かりやすいだけに、扱いやすい案件だと言いましたよね。

でも、扱いやすいとはいっても、銀行員はこれくらいの見方をするように指導されます。結構複雑でしょう?

季節性商品の売れ行きはチェックしなきゃいけませんし、資金繰りのフォローも重要で、扱いやすいとはいっても簡単ではないんですよ。

 

―――季節資金を会社側から考えると、そんなに難しいものとは考えませんね。

元銀行員:でしょうね。社長からすれば、「この季節に需要が増えて、仕入れのお金もたくさん必要になるから、お金を貸してくれ」って、会社の単純な事情をそのまま伝えているだけですから。しかし、銀行員としては鵜呑みは厳禁だから、色々な見方をするわけです。

銀行員はめんどくさい、融資はなかなか骨が折れるって思う人も多いでしょう。銀行員の見方が分かると、その理由も分かるかもしれませんね。

―――季節資金を必要としている会社は、しっかりと売上があげられて、返済もできることをいかに説明するか、という点が重要になるという考え方で良いでしょうか。

元銀行員:それでいいと思います。銀行員の目線がわかると、どうやって説明すれば納得してもらえるかということについても分かると思いますし。

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つなぎ資金は引当財源の確実性が最重要

―――つなぎ資金も、会社側から見るとそれほど複雑なものとは思えませんが、やはり色々な見方をするのでしょうか。

元銀行員:つなぎ資金は、ある意味では季節資金よりも簡単といえます。

季節資金は、さっき話した通り、前期から考えて売れ残りがどうだとか、需要や景気の動向から考えて本当に売れるのかとか、販売ルートがどうとか、そういう見方をします。

これが面倒なところでもありますがつなぎ資金はそういうことがありません。

つなぎ資金は、ごく短期間のうちに入金予定があって、その入金を返済のアテとしたうえで、経営のつなぎとしての運転資金が必要ということですよね。

季節資金のように、需要とか販売ルートとか、在庫とかを考える必要はないですから、資金繰り予定表を受け取って販売計画との整合性をチェックするとか、そういった面倒もありません。

 

―――では、つなぎ資金で注意することは何ですか?

元銀行員:それは、会社が言う「入金予定がこんな感じになってます」という内容が本当かどうかですよ。

入金の予定があって返済もできるという話を信じて融資して、結局入金がされなかったということになれば、一発で回収不能になりますよね。

仕入れのために運転資金が必要という場合なら、まだマシですよ。計画通りに売れなくてアテが外れても、在庫の処分や調整次第で、返済してもらえる可能性はありますからね。

でも、つなぎ資金の場合はそれがゼロなんです。入金予定が駄目になったら返済のアテもパーになって、回収不能なんです。

ですから、つなぎ資金の融資では、引当財源について確認することが一番重要ですね。

引当財源には色々なものがありますよ。

増資や社債の発行、固定資産の処分、補償金の受領、官公庁への納品代金、他の銀行からの融資とか色々。色々ですけど、共通するのは入金までの短期間のつなぎということで、普通は3ヶ月くらい、長くても6ヶ月くらいです。

それらについて、引当財源の入金が確実であるかを知るために、証明を求める必要があります。

例えば、他の銀行から融資が決まっていて、それまでのつなぎ資金を希望しているならば、その銀行の融資予定証明書が証拠になりますね。

あとは、その引当財源の存在が本当であることの裏付けとして、資金調達計画から考えることも大切です。

その会社はどのような計画で資金調達をしていて、なぜ・どれくらいの調達を必要としていて、そのためにこの引当財源が発生するのは自然かどうか、ということを考えるわけです。

ほかには、引当財源の入金期日が確定していることも重要ですが、もし確定していない場合には、つなぎ資金ではなく本来の資金使途に応じた対応をすることになります。

例えば、つなぎ資金を借りることで、予定の入金があるまでの仕入れ代金を補填しようとしているならば、つなぎ資金ではなく運転資金としての融資に切り替えるということです。

このように、つなぎ資金を判断するときには、その入金予定について、神経質なくらい確実性を求めます。

その確認のために証拠も提出してもらって、できる限り保全を図って、保全が取れずにその会社の信用も不十分なら、別の形での融資対応に切り替えるか、融資を見送ります。

つなぎ資金は、入金予定が確実な会社ほど、簡単に借りられると思っているはずです。入金が確実だと分かれば、比較的簡単に貸すのも事実です。でも、その判断を下すためには、銀行員はこんなふうに色々考えているんです。

 

―――融資を受ける会社と、出す銀行では考え方に温度差を感じますね。つなぎ資金が欲しい会社は、確実性をいかに証明するかが重要になりそうですね。

元銀行員:その通りです。確実な入金があるなら、銀行も積極的に融資しやすいですから。

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決算資金について

―――決算資金も、資金使途としては多いでしょうね。

元銀行員:多いですね。決算を迎えて税金や配当金の支払いが発生すると、それをポンと出せる会社は少ないですから。

中小企業となると、普段から資金繰りが厳しいのが普通で、とてもその資金を積み立てておく余裕はありませんからね。

だから、融資に頼ることになります。融資は単名で6ヶ月以内の分割返済とするのが基本です。

―――中小企業の場合、配当を行うということはほとんどありませんから、納税資金を中心に考えていきたいと思います。

元銀行員:そうですね。中小企業の場合、決算資金イコール納税資金という考え方で問題ないと思います。

 

―――決算資金は、その他の資金使途とどのような違いがありますか?

元銀行員:他の資金使途は、目的が決まっていて、必要額も分かった状態で融資を申し込みますよね。でも決算資金は、目的は決まっていても、必要額は明確になっていないことが多いです。

融資が下りるまでにはそれなりに時間がかかります。

ある銀行に相談してみて融資が下りなければ、他の銀行に融資をお願いする必要もあります。しかし、時間がかかったからと言って、税金の支払いは待ってもらえませんよね。

時間がかかるから、ある程度前倒しして融資を申し込む必要があるんですけど、そのタイミングではまだ決算の整理段階ということになるでしょう。

すると、必要な決算資金も明確になっていない状態で融資を申し込むことになるんです。

―――銀行員も、その点に注意する必要があると。

元銀行員:そういうことです。必要額が明確に決まっていない状態で融資を検討していくのですから、実際の必要額よりも多めに申請されていることもあります。

それをそのまま認めると必要以上の融資をしてしまうことになります。

それを防ぐために、申し込み時点では多めに希望されていても仕方ないとして、いざ融資を実行するとなったタイミングで、納税令書から必要額を確認することが大切です。

それをせずに融資すれば、決算資金以上の融資を出すことになります。

もちろん、本来の必要額以上の部分については異常資金と言えますね。回収の裏付けが取れない資金になってしまいますから、それは徹底的に排除していく必要があります。

実際、決算資金として借りるついでのような気分で多めに借りて、増加運転資金や滞貨資金といった別の目的に使おうとする会社もあるんです。

なぜそのような気分になるかというと、おそらく決算資金が発生する時期に影響があるでしょう。

決算資金が発生する時期って、決算期でしょう。

この決算を通して、「翌期はこんな経営を目指したい、そのためにはどこそこにお金が必要になりそうだ、そういえばここにもお金が不足しているな」といったことに気が付いて、それで「何度も融資を申し込むよりも、決算資金をちょっと多めに借りてカバーしよう」といった発想になるんでしょうね。

 

―――それを防止するために、具体的にどのように取り組みますか?

元銀行員:もし、必要額が明らかになった上で融資を申し込まれているなら、確定申告書の法人税と法人住民税の合計が納税額となります。中間納税があれば差し引いての計算となります。必要額が明確なので、判断もしやすいですね。

しかし多くの場合、融資を申し込まれた段階では、正確な必要額はわかりませんよね。

申し込まれた額が妥当であるかどうか不明です。その場合には、会社から試算表を提出してもらって、

  • 「決算状況がどうなっているか、なにか変わったところはないか」
  • 「売上と利益はどうなっていて、特別損益は発生するのか」
  • 「バランスシートの主要な項目の変化と理由」

などについてヒアリングします。

それを聞くと、これくらいの納税額になりそうだといった予測ができますから、実際の必要額と融資希望額が大きく乖離している場合には、おかしいと気づくことができます。

その情報をもとに融資の可否を判断しますが、すでに話したように、いざ融資を実行するというタイミングでは、納税令書などの書類で確認するのは絶対ですね。

あとは、自分の銀行を通して支払ってもらうのも鉄則です。

税金の納付を自分の銀行でやってもらえば、融資した決算資金と同額が納税のためにきちんと動いているかどうかをチェックできますよね。

そこまでチェックすれば、間違いなく決算資金だったと分かるわけです。

 

―――納税令書や口座の動きから把握できるなら、融資判断は比較的簡単そうですね。

元銀行員:簡単だと思います。決算資金は、季節資金のように商品の売れ行きに気を配ったり、つなぎ資金のように引当財源に気を揉んだりする必要がないですからね。

それに、税金は稼ぎに応じて納めるものですから、決算資金が必要ということは、しっかり稼いだことの証拠にもなりますよね。

銀行としては、しっかり利益を出している会社とは長く付き合っていきたいものですから、しっかり稼いだことで発生した決算資金には、対応したいと考えるのが自然ですね。

資金使途は明確で、必要な額だけ融資することも難しくなくて、稼いでいる会社なら返済も問題ないのが普通ですから、決算資金は融資を出しやすいんです。銀行員としても取り扱いやすいのは間違いないですね。

(第4部は設備資金について聞いていきます)

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まとめ

運転資金と同じ括りで考えることが多い一時資金ですが、性質が一時的なものかどうかという点で、銀行員は別けて考えるとのことです。

銀行員は、そのように考えることで、どのような性質ゆえに一時的に発生しているのか、そのために気を付けるべき点はどこかという目線で、融資を判断していくことができます。

漠然と捉えがちな一時資金も、銀行員目線で見てみると、どこが問題視されるのか、どんな場合に融資が難しくなるのかということが良くわかります。

中小企業と一時資金は切っても切れない関係にあるものですから、これを融資交渉の参考にして欲しいと思います。

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