銀行交渉の窓口を経理担当者にしている?それではうまくいきません!

普段からしっかりと銀行交渉をしておくことは、資金が必要となったときの融資交渉に役立つものです。

しっかりと銀行交渉をするには、経営者自ら銀行交渉の窓口になるべきです。

ところが、経理担当者に銀行交渉を丸投げしてしまう経営者も多く、それが思わぬ弊害を生んでしまうことがあります

本稿では、銀行交渉を経理担当者に任せる危険性について、詳しく解説していきます。

銀行交渉は普段から意識すべきもの

資金繰りのためには、銀行からの融資が必要となることがほとんどです。

無理をしてでも無借金経営にこだわるという間違いを犯している会社では、銀行融資をそれほど重要とは考えていないかもしれませんが、ほとんどの会社では融資を必要としており、融資が受けられなければ資金繰りが回らなくなってしまいます。

そこで、銀行といかに交渉していくかということが非常に重要になってきます

しかし、「銀行交渉」というものを考えるとき、

融資が必要になってから銀行に融資を申し入れたときの交渉

と考えるか、それとも

普段から銀行とどのように付き合っていくかを含めた交渉

と考えるかによって、大きく変わってきます。

もちろん、融資を申し入れたときの交渉も大切なものだ!

融資を申し入れるにあたり、

  • 提出資料はどのように作るか、何を提出するか
  • 担当者との面談ではどのように話を進めていくか
  • 有利な条件で融資を引き出したり、困難な融資を引き出していくために、何を交渉材料としていくか

といった交渉テクニックを持っていれば、融資をスムーズに引き出せる可能性は大きくなります。

 

しかし、普段からの銀行交渉は、融資申し込み時の交渉よりも重要です。

普段の銀行交渉がうまくできていない会社では、思わぬところで銀行員の印象が悪くなってしまったり、「付き合いにくい」と感じさせたりしてしまうことがあります。

そのような印象を抱かれている会社は、融資を申し込んでからの銀行交渉を、マイナスの状態から進めていくこととなります。

いくら融資交渉を学んでいても、普段から蓄積してしまったマイナスが重くのしかかり、交渉が難航してしまうかもしれません

しかし、普段から銀行交渉をうまくやっている会社は、融資申し入れ後の交渉をプラスの状態から始めることができます。

当然ながら、融資交渉がスムーズに進むことも多くなります。

したがって、銀行交渉は「融資を申し入れた後の交渉」と考えるのではなく、「普段からの銀行付き合いを含めた交渉」と考えるべきです。

銀行交渉は経営者の仕事

とはいえ、中小企業の経営者は忙しい人が多いものです。

規模が小さいゆえに従業員はそれほど多くなく、経営者が担っている仕事が多いためです。

これが伸び盛りの会社であれば、経営者は目の回るような忙しさに見舞われることもあります。

そんなとき、とても銀行交渉には手が回らないと考える経営者もいるでしょうが、銀行交渉は必ず経営者自身がやるべき仕事です。

なぜならば、銀行員は経営者から話を聞きたいからです。

会社と何らかのやり取りをするにあたって、最終的に結論を下せるのは経営者自身です。

経営者以外の人と交渉をしても、銀行員が本当に欲しい情報が得られなかったり、結局経営者に再確認して二度手間がかかったりすることがよくあります。

忙しい銀行員は、そのような手間を嫌うよ!

したがって、普段からの銀行交渉を従業員に任せることなく、経営者自身が行うことが大切です。

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経理担当者に任せてはいけない

しかし、忙しいからという理由で、経営者が銀行交渉に取り合わない会社は多いものです。

特に、経営者自身が交渉しない場合、経理担当者に丸投げしてしまうケースがみられます。

これは、なんとしても避けるべきです。

経営者は、「経理担当者は資金繰りも把握していることだし、銀行交渉も任せておいて問題ないだろう」と考えています。

しかし、経理担当者は、資金繰りを把握しているとしても、経営全体の把握ができているわけではありませんし、何の権限も持っていない立場です。

そのような立場の人と交渉しても、銀行員はなかなか結論が得られません

 

特に、融資交渉を経理担当者に任せている場合には、経理担当者は「融資を受けるための決定権」を持っていないのです。

銀行員は、決定権のある経営者と話さなければ結論が得られないため、経理担当者によってワンクッションあることを嫌います

もっとも、会社の規模がある程度大きくなり、従業員が100人を超えるような会社になれば、経理担当者を窓口にするのも良いでしょう。

このような規模の会社ならば、経理部がある程度独立して機能できる体制になっているため、経理部長などが窓口になることで、交渉がスムーズになることもあります。

しかし、規模が小さい会社では、経理担当者に任せることで色々な弊害が生まれます。

経理担当者の増長を招く

もし、「経理担当者なら、資金繰りのこともちゃんとわかっているから」という理由で銀行交渉を任せているならば、その考え方自体に問題があります。

というのも、このように考える経営者は、「資金繰りのことは経理担当者に任せる」と考えることが多く、経営者自身の数字感覚がどんぶり勘定になってしまうことがよくあるからです。

本来ならば、会社を率いており、銀行交渉でも決定権を持っている経営者が、資金繰りをよく把握して、銀行交渉にあたっていくべきです。

ところが、会社の一部にすぎず、銀行交渉でも決定権を持っていない経理担当者が、資金繰りを十分に把握しているという理由だけで、銀行交渉にあたることになります。

資金繰りのためには、銀行融資は欠かせない要素だ!

このため、資金繰りを把握し、銀行交渉を担っていることによって、単なる一社員にすぎない経理担当者が、増長してしまう可能性があります。

増長していくと、経理担当者が自分の地位以上のふるまいを始めることもあります。

自分が銀行交渉を全て任されているため、会社の資金繰り、ひいては経営を左右する力を持っていると勘違いしてしまうのです。

そうなると、経理担当者が会社の重要人物のように、ひどい場合には社長のようにふるまうようになり、銀行員に対して傲慢な態度をとることもあります。

 

また、経営者が期待していない交渉を勝手に始めることもあります。

例えば、会社を率いる経営者が「これからの経営は右へ右へ」と考えていても、増長した経理担当者は「これからの経営は、資金繰り的に考えて左に行くべき」と考えたとします。

さらに、「左の方針で行くために、銀行交渉はAの方針でやったほうがいいだろう」と考え、勝手な考えで銀行交渉を進めることがあります。

経営者は、そのような方針を考えていないのに、全く知らないうちに銀行交渉が進められていくのです。

会社の資金繰りに欠かせない融資、そして融資を左右する銀行交渉が、何の決定権もない経理担当者によって勝手に進められていくのですから、この危うさはよくわかると思います。

「この会社は危ない」と思われることも

時には、経理担当者が勝手な考えで、会社の資料を銀行に提出することがあります

本来ならば、銀行への資料提出はよく考えて行うべきものです。

全体的な経営から融資を見据えて、融資に有利になるようにきちんと組み立てた資料を、適切なタイミングで提出する必要があります。

しかし、そのように経営全体を見渡すことができない経理担当者が、たいして深く考えていないタイミングで資料を提出してしまうのです。

場合によっては、社外に流出させてはいけない事業計画などを提出してしまうこともあるわ。

普段からそのような銀行交渉を続けていると、銀行員はその会社を危険視するようになります。

資料を受け取った銀行員は、情報収集の手間が省けたと喜んでいる一方で、「こんな資料まで勝手に渡して、この会社は大丈夫なのか?」と危険視してしまうのです。

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元銀行員の経理担当者はなおさら注意

上記の理由から、経理担当者を銀行交渉の窓口とし、任せきってしまうのは非常に危険です。

しかし、単に経理担当者に丸投げしてしまうよりも危険なケースがあります。

それは、元銀行員の経理担当者に丸投げしてしまうことです。

会社の経理担当者が元銀行員である場合、経営者はその経理担当者の能力を高く買い、銀行交渉の窓口としても最適と考えます。

元銀行員ですから、銀行の考え方もよくわかっているだろうし、交渉もうまくやってくれるだろうと期待するのです。

確かに、経理担当者が元銀行員の場合、その経理担当者が銀行の考えを熟知しているのは事実ですし、その知識や経験によって交渉していくことでしょう。

しかし、これが銀行交渉にマイナスになるのです。

というのも、銀行員は元銀行員の経理担当者をよく思わないことがほとんどだからです。

誰だって、自分の手の内を完全に読まれている相手とは交渉しにくいと感じるものです。

このように書けば、「銀行は、中身を知られてはまずいような交渉をしているのか?」と思うかもしれませんが、そうではありません。

経理担当者が元銀行員の場合、銀行の手の内を知っているからこそ、銀行にとって不都合なことを交渉材料にしてくる場合もあるのです。
銀行のやり方から考えて、「こうされると困るだろう」「こうすれば、融資をせざるを得ないだろう」といった交渉をしてくることがあるのです。

これでは、銀行員がやりにくいと感じるのも当然です。

特に、元銀行員の経理担当者が、交渉する銀行のライバル行出身者であった場合には最悪だ。

交渉相手の銀行員はかつてのライバルですから、闘争心を燃やし、対決姿勢で交渉をしてしまうことがあります。

もちろん、元銀行員であるがゆえに、その経理担当者が窓口になることによって、交渉がスムーズにいくこともないわけではありません。

しかし、その経理担当者は今や銀行の人間ではなく会社の人間なのですから、やはり会社の利益を第一に考えて、銀行の足元をすくうような交渉をすることも多いのです。

銀行員がうんざりすればおしまい

実際にあった事例を見てみましょう。

ある会社では、元銀行員を経理担当者に据えており、銀行交渉もすべて任せていました。経理担当者は元銀行員としての知識と経験をフル活用し、銀行交渉に役立つ資金繰りや資料作成などに取り組みました。

ここまでは、経営者の期待通りの働きをしていたといえます。

しかし、いざ融資が必要となったときにトラブルが発生しました。

 

その会社の業績や財務から考えて、銀行は積極的に融資に対応する姿勢でした。

経理担当者が作った資料の効果もあり、融資交渉はうまく進んだのですが、融資条件が決まった段階で、経理担当者が金利に口出しを始めたのです。

経理担当者は、その金利に設定した根拠を説明するように銀行員にしつこく迫り、さらに妥当な金利への引き下げを要求しました。

経理担当者としては、金利をいくらかでも引き下げることによって、支払利息が「年間〇〇万円削減」という形で明らかになれば、経営者からの評価も高まるでしょう。

そのため、元銀行員としての腕の見せ所と思い、意気込んだのだと思います。

しかし、銀行はその条件で稟議も終わり、あとは合意の上で融資実行というタイミングなのです。

条件変更を受け入れるならば、変更した条件で再度稟議する必要があり、非常に面倒なことになってしまいます。

このため、経理担当者はしつこく迫る、銀行側は対応できずに困っている状況になり、平行線をたどった結果、銀行は、

「では、条件に折り合いがつかないため、今回の融資は見送ることとします」

という結論に至りました。

 

さらに、その交渉を機に関係も悪化しました。

その経理担当者がいる限り、銀行は融資のたびにうるさい交渉をする必要があるため、できるだけ距離を置きたいと思われてしまったのです。

元銀行員が銀行交渉の窓口になると、銀行にとってはこのような「うるさい」状況に陥ることが多いのです。

いくら元銀行員としての経験や知識があって、銀行交渉に長けているように見えても、その経理担当者が対決姿勢で融資交渉に臨めば、必ず悪い結果を招きます。

なぜならば、融資を出すかどうかは銀行が決めることだからよ!

いくら元銀行員であっても、銀行が「貸しません」と言っているものを、「貸します」と言わせることは不可能なのです。

銀行側がその気になれば、元銀行員の経理担当者などでは太刀打ちできず、悪い結果になるだけだと知るべきです。

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経営者が舵をとれ!

銀行交渉は普段から経営者がやるべきです。

もちろん、何から何まで経営者がやると言うのではなく、経営者が中心となり、監督しながらやっていくということです。

何の決定権もない経理担当者が窓口になっていても、経営者本人と話したいと考えている銀行員は、面倒に感じてしまいます。

また、経理担当者が本人の考えだけで銀行交渉を進め、動き回っていることは大きな問題と捉えます

銀行交渉の流れを経営者自身で作り、経営者自身が交渉するべきことはしっかり交渉し、資料のチェックも経営者自身でやるべきです。

資料の作成や提出は、経理担当者に任せてもいいでしょう。

 

また、重要な資料の提出を経理担当者に任せる際には、経営者が記名・押印済みの資料に限定するなどしておけば、経理担当者が増長することも少なくなると思います。

そのように、銀行交渉の舵を経営者がしっかり握っていれば、普通の経理担当者でも、元銀行員の経理担当者でも、勝手に暴走してしまうことはなく、経営者の考える方針に沿っていくことでしょう。

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まとめ

銀行交渉をしっかりと行い、少しでも融資がスムーズに受けられるように取り組んでおけば、資金繰りの安定にも役立ち、経営全体に良い影響をもたらします。

しかし、その銀行交渉を経営者自身で行うか、経理担当者に任せてしまうかによって、結果は大きく異なります。

経営者自身で取り組んでいれば、資金繰りにも役立ったはずが、経理担当者に任せたことによって、資金繰りに悪影響をもたらすこともあるのです。

銀行交渉は、かならず経営者自身が舵を取るようにしてください。これを意識するだけでも、銀行付き合いが徐々に良くなっていくことと思います。

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