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注文書ファクタリングとは|請求書の発行前に資金化できる条件・手数料・リスク

最終更新 公開 約16分で読めます 執筆:アンドファクタリング運営事務局

広告なし・一次情報にもとづく解説です。編集方針

この記事の要点

  • 注文書ファクタリングとは、取引先から受け取った注文書(発注書)をもとに、仕事の完成や請求書の発行より前にファクタリング会社から資金を受け取る方法である。
  • 民法633条は請負の報酬を「仕事の目的物の引渡しと同時に」支払うと定めているため、注文書の段階の代金は、完成・引渡しをして初めて支払いを求められる債権である。
  • 2026年9月18日に確認した注文書対応サービス4社の公式サイトでは、公表されている手数料の下限は1%〜5%で、同じ運営会社でも注文書専門サービスの下限(5%〜)が請求書ファクタリングの下限(2%〜)を上回る例がある。
  • 仕事が完成しなかった場合に利用者が代金を返す契約は、金融庁が示す「貸金業に該当するおそれ」の要素と重なるため、未完成・解除時の精算条項を契約前に確認する必要がある。
  • 建設工事の下請負には取適法が適用されず、建設業法が元請負人に対し、注文者から支払いを受けた日から1か月以内の下請代金の支払いと、前払金の支払いへの配慮を求めている。
早わかり表
売るもの受注済みで、まだ完成・引渡しをしていない仕事の代金債権
法律上の性質債権の売買(債権譲渡)。未発生・未確定の債権も譲渡できる(民法466条の6)
代金を請求できる時期請負は目的物の引渡しと同時(民法633条)
公表手数料の下限の例1%〜5%(注文書対応4社の公式サイト、2026年9月18日確認)
主なリスク未完成・途中解除(民法641条)・金額変更・発注者の支払拒絶
建設業の支払ルール取適法ではなく建設業法(24条の3・24条の6)
似た仕組みPOファイナンス(注文にもとづく電子記録債権を担保にした融資)
目次
  1. 注文書ファクタリングとは?何を売る取引か
  2. 請求書ファクタリングとの違い
  3. 注文書の代金は法律上どんな債権か
  4. 注文書ファクタリングの手数料と年率換算
  5. 未完成・キャンセル・金額変更のリスク
  6. 2社間と3社間のどちらで使うか
  7. 建設業・製造業での使い方
  8. 利用の条件と必要書類
  9. POファイナンスとの違い
  10. 契約前のチェックリストと判断の流れ

注文書ファクタリングとは、取引先から受け取った注文書(発注書)をもとに、仕事の完成や請求書の発行より前に、ファクタリング会社から代金の一部を受け取る資金調達の方法です。請求書ファクタリングが「支払いを待つだけの代金」を売るのに対し、注文書ファクタリングは「これから仕事を完成させて初めて請求できる代金」を売ります。そのため、完成しないリスクと入金までの期間の長さが手数料と契約条件に反映されます。

注文書ファクタリングとは?何を売る取引か

注文書ファクタリングで売るのは、受注が決まった段階の代金債権です。金融庁はファクタリングを「法的には債権の売買(債権譲渡)契約」と説明しており、注文書ファクタリングもこの点は同じです[3]。

対象になる書類は、発注者名・金額・工期(納期)・支払条件が記載された注文書、発注書、注文請書などです。各社の公式サイトでは、次のような案内が確認できます。

  • 建設Pay:「工事の着手前に発行される注文書のみでご契約いただけるファクタリング」を実施。電子発注書も可[7]
  • けんせつくん:「発注時の注文書または入金待ちの請求書(売掛金)」を買取[8]
  • BESTPAY:受注段階の注文書・発注書を買い取る専門サービス[9]
  • トップ・マネジメント:「見積書・注文書・発注書ファクタリング」を提供[11]

建設業では、工事の着手前に材料費や外注費を払う必要があり、着工から入金までの資金のすき間を埋める目的で使われます。製造業でも、部品や機械の受注生産で材料を先に仕入れる場面が対象です。

請求書ファクタリングとの違い

注文書ファクタリングと請求書ファクタリングの最大の違いは、売る債権が「完成前」か「完成後」かです。完成前の債権は発注者に支払いを求められる状態になっていないため、ファクタリング会社が負うリスクの種類が1つ増えます。

比較項目 注文書ファクタリング 請求書ファクタリング
売る債権 受注済み・未完成の仕事の代金 納品・検収済みで支払いを待つ代金
使える時期 受注直後〜作業中 請求書の発行後
資金化から入金までの期間 工期(製造期間)+支払サイト 請求から支払期日まで
代金が払われない主な原因 未完成・途中解除・仕様変更・発注者の倒産 発注者の倒産・支払遅延
公表手数料の下限の例 1%〜5%(注文書対応4社)[7][8][9][11] 手数料の相場で集計
利用者の条件の例 法人限定、月商500万円以上・設立半年以上など[9][12] 個人事業主の可否は会社ごとに異なる

同じ運営会社のサービスで比べると、条件の違いがわかります。株式会社アレシアは、請求書ファクタリングの「ベストファクター」で2社間の手数料を「2%~」[10]、注文書専門の「BESTPAY」で2社間の手数料を「5%~」と公表しています[9]。完成前の債権を買うことが、公表下限の差として表れている一例です。

では、請求書が出た後に切り替えるべき?

完成・請求の時期まで資金がもつなら、請求書ファクタリングも比較してください。完成後の債権には完成リスクがないため、ファクタリング会社が負うリスクは1つ減ります。けんせつくんのように、注文書と請求書の両方を扱うサービスもあります[8]。どちらが得かは、次の章の年率換算で比べてください。請求書ファクタリングの条件は請求書ファクタリング(請求書買取)とはで解説しています。

注文書の段階の代金は、多くの場合「請負」の報酬で、仕事を完成させて目的物を引き渡したときに支払いを求められる債権です。民法633条は「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない」と定めています[1]。

まだ支払いを求められない債権でも、譲渡はできます。2020年4月1日施行の改正民法は、債権が現に発生していなくても譲渡できることを466条の6として明文化しました[1][15]。

一方で、発注者は仕事が完成していないことを理由に支払いを拒めるのが原則です。この理由は、債権を譲り受けたファクタリング会社にも主張されえます(民法468条1項)[1]。つまり、ファクタリング会社は「発注者が倒産するリスク」に加えて「仕事が完成しないリスク」を負うことになります。

部品や製品の売買でも、考え方は近いです。民法573条は、売買の目的物の引渡しに期限があるときは、代金の支払いにも同じ期限を付けたものと推定しています[1]。請負でも売買でも、「作って引き渡す」ことが入金の前提です。

注文書ファクタリングの手数料と年率換算

注文書ファクタリングの公表手数料は、2026年9月18日に確認した4社の公式サイトで下限1%〜5%でした。表の数字は各社が公表している下限で、実際の手数料は審査で決まります。

サービス(運営会社) 公表されている手数料 注文書に関する記載
建設Pay(株式会社DMC) 1%〜 工事の着手前に発行される注文書のみで契約可。最大1億円[7]
けんせつくん(株式会社ウィット) 2%〜 発注時の注文書または入金待ちの請求書を買取[8]
見積書・注文書・発注書ファクタリング(株式会社トップ・マネジメント) 3.5%〜 見積書・注文書・発注書が対象[11]
BESTPAY(株式会社アレシア) 2社間で5%〜 受注段階の注文書を買取。売掛先1社につき1億円まで[9]

手数料に影響する要素は、次の4つです。

  1. 完成リスク:仕事が完成しなければ、発注者は原則として支払いません(民法633条)[1]。
  2. 期間:資金化から入金までに、工期(製造期間)と支払サイトの両方がかかります。
  3. 金額の変動:追加工事・仕様変更・一部キャンセルで、最終的な請求額が注文書の金額と変わることがあります。
  4. 途中解除:注文者は仕事が完成するまでの間、損害を賠償していつでも契約を解除できます(民法641条)[1]。

手数料率だけで比べると判断を誤ります。資金を受け取ってから発注者が支払うまでの日数を使い、年率に換算して比べてください。式は「手数料÷手取り額×365÷日数」です。

年率換算の考え方は手数料の年率換算で解説しています。手数料と日数を入れて計算できる手数料シミュレーターも使えます。

日数はどう数える?

注文書ファクタリングの日数は、「資金を受け取った日」から「発注者が代金を支払う日」までで数えます。完成日ではなく、支払条件(締め日と支払日)まで含めるのがポイントです。

手数料以外にかかる費用は?

公表手数料とは別に、振込手数料・印紙代・債権譲渡登記の費用などを負担することがあります。債権譲渡登記の登録免許税は1件7,500円(債権の個数が5,000個以下の場合)です[17]。BESTPAYは「登記せずにご利用いただくこともできます」と記載しています[9]。見積書では手数料と諸費用を分けて確認し、手数料以外にかかる費用も参考にしてください。

未完成・キャンセル・金額変更のリスク

注文書ファクタリングで最も注意すべきリスクは、仕事が予定どおり完成せず、代金が払われない、または減ることです。そのとき誰が損失を負うかは契約で決まり、契約の内容によっては取引の性質そのものが問われます。

起こりうること 民法の考え方 契約で確認すること
工事・製造が途中で止まった 可分な部分で注文者が利益を受けるときは、その部分を完成とみなし、利益の割合に応じて報酬を請求できる(634条)[1] 出来高分の代金を誰が受け取り、どう精算するか
発注者が途中で契約を解除した 注文者は完成前ならいつでも損害を賠償して解除できる(641条)[1] 解除時の精算方法、損害賠償金の扱い
追加・変更で金額が変わった 契約の変更による 増額分・減額分の精算方法
完成したが発注者が倒産した 発注者の信用リスク 償還請求権(買戻し義務)の有無
基本契約に譲渡禁止特約がある 将来債権でも特約を知っていたとみなされうる(466条の6第3項)[1] 発注者が支払いを拒むおそれと、その場合の扱い

完成しなかった場合の扱いは、大きく3つの型に分けて契約書を読むと整理しやすくなります。

  1. ファクタリング会社が未完成の損失を負う型:利用者は受け取った代金を返す必要がありません。その分、手数料や買取率に反映されます。
  2. 出来高で精算する型:完成した部分の代金(民法634条)でファクタリング会社が回収し、不足分の扱いを別に定めます[1]。
  3. 利用者が全額を返す型:実質的に「仕事の完成を担保にした借入れ」に近く、上の金融庁の基準に照らして慎重な確認が必要です[3]。

2社間と3社間のどちらで使うか

注文書ファクタリングも、発注者に知らせずに行う2社間と、発注者の承諾を得る3社間に分かれます。注文書の段階では完成前の支払拒絶リスクがあるため、発注者が関与する3社間かどうかで、ファクタリング会社が確認できる情報が変わります。

比較項目 2社間(発注者に通知しない) 3社間(発注者が承諾する)
発注者に知られるか 知られない 譲渡の通知・承諾で知られる
完成後の代金の流れ 発注者→利用者→ファクタリング会社 発注者→ファクタリング会社
利用者の送金義務 入金後、期限までに送る なし
譲渡禁止特約の影響 特約を知っていたとみなされうる(466条の6第3項)[1] 発注者の承諾を得れば支払拒絶のおそれは小さくなる
公式サイトの案内の例 BESTPAY(2社間の手数料5%〜)[9] 建設Payは2社間・3社間の両方を案内[7]

2社間では、発注者から入金された代金をファクタリング会社へ送る義務が利用者に残ります。工事代金を材料費や給与の支払いに回してしまうと、送金できなくなります。送金できないときの対処は2社間ファクタリングで入金を使い込んだ・払えないときで解説しています。2社間と3社間の一般的な違いは2社間と3社間の違いを参照してください。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのお金と債権の流れ 2社間では、利用者が債権を譲渡して代金を受け取り、売掛先から回収した代金をファクタリング会社へ送金する。3社間では、売掛先の承諾を得たうえで、売掛先がファクタリング会社へ直接支払う。 2社間ファクタリング 利用者 ファクタリング会社 売掛先 1 2 3 4 3社間ファクタリング 利用者 ファクタリング会社 売掛先 1 2 3 4

2社間

  1. 利用者が売掛債権をファクタリング会社に譲渡
  2. ファクタリング会社が手数料を差し引いた代金を入金
  3. 支払期日に売掛先が利用者へ支払う
  4. 利用者が回収した代金をファクタリング会社へ送金

3社間

  1. 利用者が売掛債権をファクタリング会社に譲渡
  2. 売掛先に譲渡を通知し、承諾を得る
  3. ファクタリング会社が手数料を差し引いた代金を入金
  4. 支払期日に売掛先がファクタリング会社へ直接支払う

債権・手続きの流れ お金の流れ

建設業・製造業での使い方

建設業では、工事代金が入る前に材料費や外注費を払う必要があるため、注文書の段階で資金化する需要があります。帝国データバンクは「倒産集計 2025年報」で、建設業について「増収であるからこそ増大する運転資金需要に対応できないケースも多く」と記載しています[6]。

建設工事の下請代金には、取適法ではなく建設業法の支払ルールが適用されます。公正取引委員会は、建設工事に係る下請負(建設工事の再委託)には取適法が適用されないと説明しています[4]。ただし、建設業者が建設資材の製造や工事図面の作成を他の事業者に委託する場合は、取適法の対象になりえます[4]。

建設業法の規定 内容
24条の3第1項 元請負人は、出来形部分や完成後の支払いを受けたときは、下請負人に対し、支払いを受けた日から1か月以内のできる限り短い期間内に下請代金を支払う[2]
24条の3第3項 元請負人は、前払金の支払いを受けたときは、下請負人に資材の購入や労働者の募集など着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切に配慮する[2]
24条の6第1項 特定建設業者が注文者となった下請契約では、引渡しの申出の日から50日以内のできる限り短い期間内に支払期日を定める[2]
24条の6第3項 特定建設業者は、支払期日までに一般の金融機関による割引を受けることが困難と認められる手形を交付してはならない[2]

国土交通省と中小企業庁の令和7年度下請取引等実態調査では、引渡しの申出から50日以内に支払っている特定建設業者は98.7%でした[5]。一方で、手形の割引料を下請に負担させている元請は27.7%ありました[5]。

製造業で部品の製造を委託される取引は、資本金基準か従業員基準に当たれば取適法の対象です。対象取引では、代金の支払期日を給付の受領日から60日以内に定めなければなりません(3条1項)[14]。それでも、受注から納品までの製造期間は、材料費が出ていく一方で入金がありません。この期間を埋める手段として注文書ファクタリングが検討されます。業種ごとの詳しい事情は建設業のファクタリングと製造業のファクタリングで解説しています。

利用の条件と必要書類

注文書ファクタリングの利用条件は会社ごとに大きく違い、法人に限る会社や、月商・設立年数の基準を設ける会社があります。公式サイトで確認できた条件は次のとおりです。

サービス 対象者(公式サイトの記載) 主な書類・手続き(公式サイトの記載)
BESTPAY 注文書ファクタリングは法人のみ。個人事業主は請求書ファクタリングで対応 審査:注文書(発注書)、通帳3か月分(表紙付き)、本査定申込書。契約:納税証明書、印鑑証明書、登記簿謄本。契約時は面談が必要[9]
建設Pay 建設業者。個人事業主は「建設業者様であればご相談に応じます」 請求書または発注書、代表者の身分証明書、預金通帳(指定期間のコピー)。面談はビデオ通話も可[7]
ペイブリッジ 見積書・発注書・受注書での審査は「月商500万円以上」「設立半年以上」の法人に限る 広告・IT関連事業に特化[12]

注文書そのものでは、次の欄が確認の中心になります。欄が欠けている注文書は、資金化の対象になりにくいと考えてください。

注文書の欄 確認される理由
発注者の名称・所在地・記名押印(電子発注の場合は発行元の記録) 発注者が実在し、正式に発注したか
工事名・品名、数量、単価、金額 債権の金額を特定できるか
工期・納期、引渡し場所 いつ完成・引渡しをし、いつ請求できるか
支払条件(締め日・支払日・支払方法) 資金化から入金までの日数
前払金・出来高払いの有無 すでに受け取る予定の資金との重複
検収の条件 引渡し後に支払いが保留されるおそれ
基本契約の番号・譲渡禁止特約 発注者が支払いを拒むおそれ

書類から、審査では次の点が確かめられていると読み取れます。

  1. 注文書が実在し、発注者・金額・工期・支払条件が特定できるか
  2. 通帳の入金履歴で、その発注者との取引実績があるか
  3. 発注者の信用力(支払能力)
  4. 利用者が仕事を完成させる能力と実績

審査の一般的な考え方はファクタリングの審査基準で解説しています。

POファイナンスとの違い

POファイナンスは、注文書(Purchase Order)の段階で資金を得る点は注文書ファクタリングと同じですが、取引の形が「融資」です。Tranzax株式会社のPOファイナンスは、受発注時点で発生させた抗弁権付電子記録債権を担保に、金融機関から融資を受ける仕組みです[13]。

比較項目 注文書ファクタリング POファイナンス(Tranzax)
取引の形 代金債権の売買(債権譲渡) 電子記録債権を担保にした融資[13]
資金の出し手 ファクタリング会社 金融機関
発注者の関与 2社間なら不要、3社間なら通知・承諾 電子記録債権の発生・変更承認への協力が必要[13]
返済 債権譲渡のため返済義務はない(契約による) 融資のため返済が前提。発注企業が信託銀行を通じて直接返済[13]
向いている場面 発注者の協力を得にくい・急ぐ 発注者が制度に協力できる

融資型の費用は金利で決まり、手数料型とは計算方法が違います。融資との比較はファクタリングと融資の違いで、コストを年率で並べています。

契約前のチェックリストと判断の流れ

注文書ファクタリングは、完成・入金までの見通しが立っている仕事に限って使うのが基本です。次の順番で判断してください。

  1. 元請・発注者から前払金や出来高払いを受けられないか確認する
  2. 請求書の発行まで資金がもつなら、請求書ファクタリングと比べる
  3. 手数料を、資金化から入金までの日数で年率に換算する
  4. 未完成・解除・減額のときの精算条項を読む
  5. 基本契約の譲渡禁止特約と、2社間・3社間の別を確認する

注文書ファクタリングでつまずきやすいパターンと、その回避策は次のとおりです。

よくある失敗 起きること 回避策
工期だけで日数を数えた 年率換算の負担を低く見積もる 支払日まで含めて数える
追加工事で金額が増えた分も売れると考えた 注文書にない金額は対象外になる 追加分は変更注文書が出てから検討する
2社間で受け取った工事代金を別の支払いに回した ファクタリング会社へ送金できなくなる 入金口座と送金期限を先に決めておく
途中解除の精算条項を読まずに契約した 解除時に全額の返金を求められる 解除・未完成時の条項を契約前に読む
同じ注文書を複数の会社に持ち込んだ 二重譲渡になる 1つの債権は1社にだけ譲渡する

契約書の具体的な読み方はファクタリング契約書のチェックポイントで解説しています。二重譲渡のリスクはファクタリングの二重譲渡とはを参照してください。個別の契約が貸付けに当たるかどうかなど、具体的な法律判断は弁護士に相談してください。

よくある質問

Q注文書だけでファクタリングはできますか?

A注文書だけで申し込めるサービスはあります。建設Payは「工事の着手前に発行される注文書のみ」で契約できると公式サイトで説明しています。ただし、代表者の身分証明書や預金通帳のコピーなども求められ、法人に限るなどの条件を設ける会社もあります。

Q注文書ファクタリングの手数料はいくらですか?

A2026年9月18日に確認した注文書対応4社の公式サイトでは、公表されている手数料の下限は1%〜5%でした。実際の手数料は審査で決まり、下限より高くなることがあります。資金化から入金までの日数で年率に換算し、請求書ファクタリングや融資と比べてください。

Q工事が完成しなかったらどうなりますか?

A民法633条により請負の報酬は目的物の引渡しと同時に支払うのが原則なので、完成しなければ発注者は通常支払いません。そのときファクタリング会社と利用者のどちらが損失を負うかは契約で決まります。利用者が代金を返す定めがあると、実質的に貸付けと判断されるおそれがあります。

Q注文書ファクタリングは違法ではありませんか?

Aまだ支払期限が来ていない債権や将来発生する債権の譲渡は民法466条の6で認められており、注文書ファクタリングそのものが違法なわけではありません。ただし金融庁は、回収できないときに売主が買い戻すなど、経済的に貸付けと同様の取引は貸金業に該当するおそれがあるとしています。契約の形式ではなく実態で判断されます。

Q個人事業主でも注文書ファクタリングを使えますか?

A会社によって異なります。BESTPAYは注文書ファクタリングを法人のみとし、ペイブリッジは見積書・発注書での審査を「月商500万円以上」「設立半年以上」の法人に限っています。建設Payは、建設業者であれば個人事業主の相談にも応じると記載しています。

Q注文書ファクタリングとPOファイナンスの違いは何ですか?

A注文書ファクタリングは代金債権を売る取引で、POファイナンスは受発注時に発生させた電子記録債権を担保に金融機関から融資を受ける仕組みです。POファイナンスは発注企業が電子記録債権の手続きに協力する必要があり、発注企業が信託銀行を通じて直接返済します。

Q注文書ファクタリングを使うと発注者に知られますか?

A2社間で契約すれば、発注者への通知なしで利用できるサービスがあります。ただし基本契約に譲渡禁止特約がある場合、将来債権でも対抗要件を備える前に特約がされていれば、ファクタリング会社は特約を知っていたものとみなされ、発注者は支払いを拒めます(民法466条の6第3項)。

出典・参考資料

  1. e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」
  2. e-Gov法令検索「建設業法(昭和二十四年法律第百号)」
  3. 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
  4. 公正取引委員会「よくある質問コーナー(取適法)」
  5. 国土交通省・中小企業庁「建設工事の取引(見積における労務費の交渉状況等)の調査結果~令和7年度下請取引等実態調査~」(2026年3月31日)
  6. 帝国データバンク「倒産集計 2025年報(1月~12月)」(2026年1月13日)
  7. 株式会社DMC「建設Pay」
  8. 株式会社ウィット「けんせつくん」
  9. 株式会社アレシア「BESTPAY(ベストペイ)注文書ファクタリング」
  10. 株式会社アレシア「ベストファクター」
  11. 株式会社トップ・マネジメント「サービス一覧」
  12. 株式会社トップ・マネジメント「ペイブリッジ(Paybridge)について」
  13. Tranzax株式会社「POファイナンス」
  14. e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)」
  15. 法務省「民法(債権関係)の改正に関する説明資料」
  16. e-Gov法令検索「刑法(明治四十年法律第四十五号)」
  17. 法務省「債権譲渡登記制度について 第2 登記申請の手続」

出典のURLと内容は2026年9月18日時点で確認しています。

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この記事を引用するとき

記事・図表・データは、出典を明記していただければ引用できます(引用のルール)。出典は次のように記載してください。

アンドファクタリング「注文書ファクタリングとは|請求書の発行前に資金化できる条件・手数料・リスク」(https://factoring.co.jp/types/purchase-order-factoring/、2026年9月18日更新)