違法業者対策

2社間ファクタリングで入金を使い込んだ・払えないときの対処法

最終更新 公開 約15分で読めます 執筆:アンドファクタリング運営事務局

広告なし・一次情報にもとづく解説です。編集方針

この記事の要点

  • 2社間ファクタリングで売掛先から回収したお金は、契約上ファクタリング会社に送金すべきお金であり、払えないと分かった時点で支払期日の前にファクタリング会社へ連絡し、支払計画を示すことが最初の対応です。
  • 回収金を別の支払いに使い込んだ場合、民事上の支払義務と遅延損害金(民法415条・419条)に加えて、刑法252条の横領罪(5年以下の拘禁刑)などが問題になる可能性がありますが、成立するかどうかは契約内容と事実関係によります。
  • 法人がファクタリングを利用した場合、代表者個人が支払いを求められるのは原則として書面で保証契約を結んでいるときであり、民法446条2項は保証契約を書面でしなければ効力を生じないと定めています。
  • 契約書に売掛先が払わないときの買戻し義務などがあり、実態が貸付けと同じ取引は、金融庁が貸金業に該当するおそれがあると注意喚起しており、利用者側が法的に主張できることがあります。
  • ファクタリング会社との交渉や取立てに不安があるときは、日弁連のひまわりほっとダイヤル(0570-001-240)や法テラス(0570-078374)、脅迫的な取立ては警察相談専用電話(#9110)に相談できます。
早わかり表
回収金の扱い2社間では利用者が売掛先から回収し、ファクタリング会社へ送金する(回収を委託される)
最初にやること支払期日の前にファクタリング会社へ連絡し、事実と支払計画を伝える
民事上の責任送金義務の不履行(民法415条)。金銭債務の遅延損害金は法定利率か約定利率(民法419条)
問題になりうる刑事責任横領罪(刑法252条、5年以下の拘禁刑)、詐欺罪(同246条、10年以下の拘禁刑)など。成否は事実関係による
代表者個人の責任書面の保証契約がある場合に限られる(民法446条2項)。個人事業主は本人が負う
利用者が主張できる場合買戻し義務などで実態が貸付けなら、貸金業法・出資法・利息制限法の問題になりうる
相談先ひまわりほっとダイヤル 0570-001-240/法テラス 0570-078374/警察 #9110
目次
  1. 2社間ファクタリングで「払えない」とはどういう状態か
  2. 払えないときに最初にやること(7つの手順)
  3. 期日に遅れると何が起きるか
  4. 回収金を使い込むと、どんな法的責任が問題になるか
  5. ファクタリング会社との交渉で伝えること
  6. 穴埋めのための「次のファクタリング」が危険な理由
  7. 契約の中身によっては、利用者側に主張できることがある
  8. 取立てが厳しいとき・脅されたときの相談先
  9. 支払いの見込みが立たないときの選択肢
  10. 同じことを繰り返さないための対策

2社間ファクタリングで売掛先から入金されたお金を使ってしまい、ファクタリング会社に払えないときは、支払期日の前にファクタリング会社へ連絡し、契約書を確認したうえで、払える額と時期を示して交渉することが最初の対応です。回収金は契約上ファクタリング会社に渡すべきお金なので、黙って放置すると、民事上の責任に加えて横領罪などの刑事責任が問題になる可能性があります。

一方で、契約の中身が実質的に貸付けと同じ場合など、利用者側が法的に主張できる場面もあります。違法かどうかの全体像はファクタリングは違法?合法となる条件と裁判例で解説しています。この記事では、今困っている人が取るべき行動を順番に説明します。

2社間ファクタリングで「払えない」とはどういう状態か

2社間ファクタリングで「払えない」とは、売掛金はすでにファクタリング会社のものになっているのに、その回収金を送金できない状態です。2社間では売掛先に債権の譲渡を知らせないため、売掛先は従来どおり利用者に支払い、利用者がそのお金をファクタリング会社に渡します。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのお金と債権の流れ 2社間では、利用者が債権を譲渡して代金を受け取り、売掛先から回収した代金をファクタリング会社へ送金する。3社間では、売掛先の承諾を得たうえで、売掛先がファクタリング会社へ直接支払う。 2社間ファクタリング 利用者 ファクタリング会社 売掛先 1 2 3 4 3社間ファクタリング 利用者 ファクタリング会社 売掛先 1 2 3 4

2社間

  1. 利用者が売掛債権をファクタリング会社に譲渡
  2. ファクタリング会社が手数料を差し引いた代金を入金
  3. 支払期日に売掛先が利用者へ支払う
  4. 利用者が回収した代金をファクタリング会社へ送金

3社間

  1. 利用者が売掛債権をファクタリング会社に譲渡
  2. 売掛先に譲渡を通知し、承諾を得る
  3. ファクタリング会社が手数料を差し引いた代金を入金
  4. 支払期日に売掛先がファクタリング会社へ直接支払う

債権・手続きの流れ お金の流れ

金融庁は、ファクタリングを法的には「債権の売買(債権譲渡)契約」と説明しています[1]。2社間では、売ったあとの売掛金の回収(集金)を利用者が任されます。金融庁の注意喚起も、回収が売主(利用者)に委託される取引を例に挙げています[1]。実際の契約の例として、マネーフォワードケッサイ株式会社の利用規約は、譲り受けた債権の請求と収受の事務を利用者に委託し、利用者は「善良なる管理者の注意をもって」遂行すると定めています(第14条1項)[11]。つまり、売掛先から入ったお金は、利用者の口座にあっても、契約上はファクタリング会社に渡すべきお金です。

送金の期限は契約で決まります。たとえばペイトナー株式会社は、利用者の支払期日を「請求書の支払い期日+土日祝を除いた3営業日以内」と公表し、請求書の支払期日が2026年7月31日(金)なら支払日は8月5日(水)という例を示しています[4]。この例では、売掛先の入金日から送金期日まで3営業日しかありません。自分の契約の期日を必ず確認してください。

では、自分はどの「払えない」に当たる?

「払えない」と一口に言っても、原因によって取るべき対応が変わります。まず自分がどの状況かを確認してください。

状況 何が起きているか 読むべき記事
売掛先から入金済みだが、別の支払いに使ってしまった 回収金の使い込み。この記事の対象 この記事
売掛先から入金額が額面より少なかった(値引き・相殺など) 売掛金そのものの問題。契約で扱いが決まっている この記事の「入金が額面より少ない場合」
売掛先がまだ払っていない・倒産した 売掛先の不払い。ノンリコース契約なら原則として利用者の負担ではない 売掛先が倒産・支払遅延したら
同じ売掛金を別の会社にも売っていた 二重譲渡。法的責任が重くなりやすい ファクタリングの二重譲渡とは
毎月ファクタリングを使わないと回らない 依存状態。穴埋めの連鎖 ファクタリングがやめられない状態から抜け出す方法

払えないときに最初にやること(7つの手順)

払えないと分かったら、隠さずに、期日より前に動くことが何より大切です。次の7つの手順を上から順に進めてください。

  1. 手元のお金と使った金額を書き出す。 売掛先から入金された日と金額、使ってしまった金額と使い道、いま口座にある金額をメモします。
  2. 今後1〜3か月の入金と支払いを並べる。 いつ、いくら入り、いくら出るかを表にします。書き方は資金繰り表の作り方を参考にしてください。
  3. 契約書を確認する。 送金期日、遅延損害金の率、期日に遅れたときの売掛先への通知、買戻しや保証の定めを探します(確認する条項は契約書のチェックポイント)。
  4. 支払期日の前にファクタリング会社へ連絡する。 事実を正直に伝え、「いつ、いくら払えるか」の案を示します。
  5. 合意した内容を書面で残す。 電話で話した場合も、メールで内容を確認し合います。
  6. 穴埋めのための新しいファクタリングや高金利の借入れをしない。 手数料が重なり、翌月の不足が大きくなります。
  7. 不安があれば、交渉の前に専門家に相談する。 刑事責任が心配なとき、契約の中身に疑問があるときは、早めに弁護士へ相談します。

では、期日まであと何日あるかで何が変わる?

期日までの日数が長いほど、取れる手段は増えます。残り日数ごとの優先順位は次のとおりです。

期日までの日数 優先してやること
1週間以上前 資金繰り表を作り、払える額を確定させる。弁護士やよろず支援拠点への相談予約を入れる
2〜3営業日前 ファクタリング会社に電話し、同じ内容をメールで送る。期日に払える分は必ず用意する
期日当日 払える分だけでも送金し、残額の計画を伝える。連絡なしの未送金は避ける
期日を過ぎた後 すぐに連絡し、遅れた理由と計画を伝える。督促や通知が届いたら、書類を持って弁護士に相談する

やってはいけないこと

焦ってとった行動が、民事上・刑事上の責任を重くすることがあります。次の行動は避けてください。

やってはいけないこと なぜ危険か
連絡を絶つ・電話に出ない 支払う意思がないと受け取られ、売掛先への通知や法的手続きに進みやすくなる
「まだ入金されていない」とうそをつく 事実と違う説明は、後で詐欺など別の問題を疑われる原因になる
同じ売掛金や、すでに売った売掛金を別の会社に売る 二重譲渡になり、責任が格段に重くなる(二重譲渡の記事)
別のファクタリングで穴埋めする 手数料が重なり、翌月の不足が大きくなる
売掛先に「ファクタリング会社から連絡が来ても答えないで」と頼む 取引先を巻き込み、関係を悪化させる

期日に遅れると何が起きるか

送金期日に遅れると、ファクタリング会社は契約と法律に基づいて、遅延損害金の請求、売掛先への債権譲渡の通知、裁判所の手続きによる請求といった手段を取れます。どれを選ぶかは会社ごとに違いますが、遅れる期間が長いほど選択肢が厳しい方向に進みます。

ファクタリング会社が取りうる手段 根拠 利用者への影響
遅延損害金の請求 金銭債務の不履行の損害賠償は、法定利率か、それより高い約定利率で計算する(民法419条1項)[3]。たとえばマネーフォワードケッサイ株式会社の利用規約は、売掛先から入金があったのに期日までに支払わない場合、支払期日の翌日から年14.6%の遅延損害金を定めている(第15条1項)[11] 遅れた日数に応じて請求額が増える
売掛先への状況確認・債権譲渡の通知 債権譲渡は、債務者に通知すれば債務者に対抗できる(民法467条1項)[3] 売掛先にファクタリングの利用が知られ、以後の支払先がファクタリング会社に変わる
裁判所の手続き(訴訟・支払督促など)による請求 契約上の支払義務(民法415条)[3]。確定判決や仮執行宣言付きの支払督促などにもとづいて強制執行ができる(民事執行法22条)[14] 預金や売掛金などの債権を差し押さえられる可能性がある(同法143条)[14]
刑事告訴 横領罪・詐欺罪などの疑い(刑法252条・246条)[2] 捜査の対象になる可能性がある

債権譲渡の通知には、あらかじめ利用者に署名・押印させた通知書が使われることがあります。たとえばマネーフォワードケッサイ株式会社の利用規約は、同社が求めた場合に、通知年月日や債権額などを記入しないまま記名捺印した債権譲渡通知書を提出すると定めています(第10条2項)[11]。契約時に通知書を渡しているかどうかも確認してください。

回収金を使い込んだ場合、まず民事上の支払義務が残り、事情によっては刑事責任が問題になる可能性があります。ただし、どの責任が生じるかは契約の定めと事実関係で変わるため、一律には言えません。

民事上は、契約どおりに送金しなければ債務不履行となり、ファクタリング会社は損害賠償を請求できます(民法415条)[3]。金銭の支払いが遅れた場合の損害賠償は、法定利率か、契約で定めた利率が法定利率より高ければその利率で計算され、ファクタリング会社は損害を証明する必要がありません(民法419条)[3]。

刑事上は、他人の物を預かって自分のために使う行為を処罰する横領罪が問題になりえます。

関係する刑法の条文と法定刑は次のとおりです[2]。

罪名 条文 法定刑 問題になりうる場面の例
横領 刑法252条 5年以下の拘禁刑 回収したお金を送金せずに自分の支払いに使った
業務上横領 刑法253条 10年以下の拘禁刑 業務として他人の物を預かる立場で横領した
詐欺 刑法246条 10年以下の拘禁刑 最初から送金する気がないのに契約した、架空の請求書を使った

ただし、当サイトが確認した範囲では、2社間ファクタリングの回収金を使い込んだ行為について横領罪の成否を判断した判例は特定できていません。そのため「必ず横領罪になる」とも「犯罪にはならない」とも言えません。いずれにしても、使い込みを隠したり、うその説明をしたりすると、事態は悪くなります。

では、会社の代表者個人も払う必要がある?

法人がファクタリングを利用した場合、支払義務を負うのは契約の当事者である法人です。代表者個人が支払いを求められるのは、原則として代表者が保証人として契約しているときで、保証契約は書面(電子契約を含む)でしなければ効力を生じません(民法446条2項・3項)[3]。

利用者の形態 送金義務を負う人 確認すること
法人 法人 契約書に代表者の連帯保証の条項と署名があるか
個人事業主 本人(事業と個人の財産は区別されない) 相談先に法テラス(個人が対象)も使えるか

では、入金が額面より少なかった場合は?

売掛先が値引きや相殺をして、入金額が額面より少なかった場合は、使い込みとは別の問題です。売掛金そのものが減ったときの扱いは、契約で定められています。

たとえばマネーフォワードケッサイ株式会社の利用規約は、取引先の無資力による回収不能では買戻しを請求しないとする一方(第13条2項)、取引の無効・解除や債権の一部の相殺などがあった場合は譲渡の合意を解除し、支払済みの代金の返還を求められると定めています(同条3項)[11]。自分の契約で「取引先が払えないとき」と「債権そのものに問題があったとき」がどう区別されているかを確認し、差額の扱いをファクタリング会社と相談してください。

ファクタリング会社との交渉で伝えること

ファクタリング会社との交渉では、使ってしまった事実、期日に払える金額、残りを払える時期の3点を、数字で具体的に伝えることが基本です。「払う意思がある」と伝えるだけでは、相手は判断できません。

交渉の前に、次の情報をまとめておきます。

伝える項目 具体的な内容
事実 売掛先から入金された日・金額、使った金額と使い道
期日に払える金額 送金期日に確実に送れる額
残りの支払計画 何回に分けて、いつ、いくら払うか
根拠 今後の入金予定(請求書・注文書など)、資金繰り表
連絡体制 担当者、連絡のつく時間帯

連絡するときの文面の例

電話で伝えたあと、同じ内容をメールで送ると記録が残ります。次は文面の一例です。

提案が受け入れられるかは、ファクタリング会社の判断です。払える見込みのない計画を約束すると、再び守れずに信用を失います。少なめでも確実に守れる計画を出してください。

では、ファクタリング会社が分割に応じないときは?

ファクタリング会社が分割払いに応じない場合でも、話し合いの場を裁判所や専門家に移す方法があります。一人で相手の条件をのむ前に、次の選択肢を検討してください。

選択肢 内容 根拠・出典
弁護士に交渉を依頼する 弁護士が代理人として支払条件を交渉する。契約が貸付けに当たるかの検討も同時にできる [9]
簡易裁判所の特定調停を申し立てる 支払不能に陥るおそれのある人や、事業を続けながら期限の来た債務を払うのが難しい人が、裁判所の調停で債務の内容の変更などを話し合う手続き 特定調停法1条・2条[15]
中小企業活性化協議会に相談する 借入れを含む事業全体の財務上の課題について、公正中立な立場で改善や再生を支援する [12]

特定調停は民事調停法の特例で、申し立てるときは財産の状況を示す明細書や、債権者(関係権利者)の一覧表を出す必要があります(特定調停法3条3項)[15]。ファクタリング会社だけでなく、ほかの借入先も含めて調整するかどうかは、弁護士と相談して決めてください。

お金が足りない状況では、新しいファクタリングや借入れで一時的にしのぎたくなります。その場で決めず、手数料や金利を年率に直して比べてください。計算は手数料の年率換算や手数料計算ツールで確認できます。

穴埋めのための「次のファクタリング」が危険な理由

払えない穴を別のファクタリングで埋めると、手数料が二重にかかり、翌月に入るはずのお金も先に売ってしまうため、不足が繰り返されやすくなります。金融庁は、高額な手数料を支払うと「かえって資金繰りが悪化し、多重債務に陥る危険性」があると注意しています[1]。

この連鎖から抜け出す手順は、ファクタリングがやめられない(依存)状態から抜け出す方法で詳しく説明しています。

契約の中身によっては、利用者側に主張できることがある

契約書の形式が「売買」でも、売掛先が払わなかったときに利用者が買い戻す義務を負うなど、経済的に貸付けと同じ機能を持つ取引は、貸金業に該当するおそれがあると金融庁は説明しています[1]。この場合、利用者が払えないことだけでなく、契約そのものの適法性が問題になります。

金融庁が偽装ファクタリングの被害が疑われる例として挙げている点は、次のとおりです。

契約書・取引の特徴 金融庁・裁判例での扱い
買取代金が債権額に比べて著しく低い、高額な手数料が差し引かれる 偽装ファクタリングの被害が疑われる例[6]
契約書に「売買契約」であることが定められていない 同上[6]
回収できないときに、利用者の買戻しや業者の償還請求が行われる 同上。貸金業に該当するおそれ[1][6]
ノンリコースと書いてあるが実態は違う 形式ではなく経済的な実態で判断される[1]

貸金業を営む者による貸付けと判断され、年109.5%を超える利息の契約だった場合は、貸金業法42条1項により、その契約自体が無効になります[7]。大阪地方裁判所 平成29年3月3日判決は、ファクタリング取引を実態に照らして金銭消費貸借と判断し、利息制限法で引き直した結果の過払い分の返還を認めました[8]。

取立てが厳しいとき・脅されたときの相談先

取立てが脅迫的になったときは、一人で対応せず、警察や公的な相談窓口に相談してください。金融庁は、権利の実行であっても社会通念上許される程度を超えれば違法となり、恐喝罪や脅迫罪が成立しうると説明し、被害は警察に相談するよう呼びかけています[1]。

相談先 連絡先 向いている相談
日弁連 ひまわりほっとダイヤル 0570-001-240(平日10〜12時・13〜16時) 中小企業・個人事業主の弁護士相談の予約。一部地域を除き初回30分無料[9]
法テラス(日本司法支援センター) 0570-078374 収入・資産が一定以下の人の無料法律相談(1回30分、同じ問題で3回まで)[10]
警察相談専用電話 #9110 脅迫的な取立て、恐喝・脅迫の疑い[1]
金融庁 金融サービス利用者相談室 0570-016811 偽装ファクタリング・ヤミ金融の疑い[1]
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター 0570-051051 貸金業に関する相談[1]

相談先の選び方と弁護士費用の目安は、ファクタリングのトラブルを弁護士に相談するにはでまとめています。

支払いの見込みが立たないときの選択肢

資金繰り表を作っても支払いの見込みが立たない場合は、ファクタリング会社との交渉だけでなく、事業全体の立て直しか整理を考える段階です。一人で抱えず、公的な窓口と弁護士に同時に相談してください。

相談先 できること 出典
よろず支援拠点 国が全国に設置する無料の経営相談所。資金繰り改善などの経営改善を支援。相談は何度でも無料 [13]
中小企業活性化協議会 収益力改善、経営改善、事業再生、廃業などの財務上の課題を支援する公正中立な機関。必要に応じて弁護士の紹介も行う [12]
弁護士 契約の評価、ファクタリング会社との交渉の代理、債務整理の検討 [9]

中小企業活性化協議会は、事業の再生が極めて困難と判断した場合でも、経営者保証の整理や、法的整理によらない会社の清算について、弁護士とともに金融機関との調整を支援すると説明しています[12]。

同じことを繰り返さないための対策

使い込みを防ぐいちばん確実な方法は、売掛先から入ったお金とファクタリング会社に送るお金を、日付と金額で結び付けて管理することです。2社間ファクタリングは回収金が自分の口座を通る仕組みなので、意識しないと運転資金と混ざってしまいます。

3社間ファクタリングでは売掛先がファクタリング会社に直接支払うため、回収金が利用者の口座を通りません。違いは2社間と3社間の違いで比べています。

よくある質問

Qファクタリングの支払いが遅れたらどうなりますか?

A2社間ファクタリングで回収金の送金が遅れると、契約に定めた遅延損害金を請求されたり、ファクタリング会社が売掛先に状況を確認したり、債権譲渡の通知を送ったりすることがあります。実際に、入金の遅延など利用規約に反する事態が起きた場合は取引先に状況を確認する場合があると公表している会社もあります。遅れると分かった時点で、期日の前に連絡することが大切です。

Q2社間ファクタリングの回収金を使い込むと横領罪になりますか?

A回収金は契約上ファクタリング会社に渡すべきお金なので、使い込んだ場合は刑法252条の横領罪(5年以下の拘禁刑)などが問題になる可能性があります。ただし、当サイトが確認した範囲では、この行為について横領罪の成否を判断した判例は特定できておらず、成立するかどうかは契約内容と事実関係によります。刑事責任が心配な場合は、早めに弁護士に相談してください。

Qファクタリング会社に分割払いを頼めますか?

Aファクタリング会社に分割での支払いを提案することはできますが、応じるかどうかはファクタリング会社の判断です。提案するときは、使ってしまった金額、期日に払える金額、残りを払う回数と時期、その根拠になる入金予定を示すと話が進みやすくなります。合意した内容は、必ず書面かメールで残してください。

Q会社のファクタリングを払えないと、社長個人も払う必要がありますか?

A法人が契約した場合、代表者個人が支払いを求められるのは、原則として代表者が保証人として契約しているときです。民法446条2項は、保証契約は書面でしなければ効力を生じないと定めているので、契約書に保証の条項と代表者の署名があるかを確認してください。個人事業主の場合は、事業の債務も本人が負います。

Q払えないとき、別のファクタリングで返してもいいですか?

A別のファクタリングで穴埋めすると、手数料が二重にかかり、翌月以降の入金も先に売ることになるため、同じ不足が繰り返されやすくなります。金融庁も、高額な手数料を払うとかえって資金繰りが悪化し、多重債務に陥る危険性があると注意しています。まずは支払計画の交渉と、公的な相談窓口の利用を検討してください。

Qファクタリングは借金ではないので、払えなくても問題ないのでは?

Aファクタリングが借金ではないことと、回収金を送金しなくてよいことは別の話です。2社間ファクタリングでは売掛金はすでにファクタリング会社に売っているため、売掛先から回収したお金を送金する義務が契約上あります。送金しなければ債務不履行となり、損害賠償や遅延損害金を請求される可能性があります。

Qファクタリングで払えないとき、どこに相談すればいいですか?

A中小企業や個人事業主は、日弁連のひまわりほっとダイヤル(0570-001-240)で弁護士との面談を予約でき、多くの地域で初回30分は無料です。収入や資産が一定以下の個人は、法テラス(0570-078374)の無料法律相談(1回30分、同じ問題で3回まで)も使えます。脅迫的な取立てを受けている場合は、警察相談専用電話(#9110)に相談してください。

出典・参考資料

  1. 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
  2. e-Gov法令検索「刑法」
  3. e-Gov法令検索「民法」
  4. ペイトナー株式会社「よくある質問:支払い期日について教えてください」
  5. ペイトナー株式会社「よくある質問:取引先に連絡はいきますか?」
  6. 金融庁「リーフレット「その資金調達 大丈夫ですか?」(表面)」
  7. e-Gov法令検索「貸金業法」
  8. 裁判所「大阪地方裁判所 平成29年3月3日判決(平成26年(ワ)第11716号)」
  9. 日本弁護士連合会「ひまわりほっとダイヤルについて」
  10. 日本司法支援センター(法テラス)「無料法律相談のご利用の流れ」
  11. マネーフォワードケッサイ株式会社「マネーフォワード 早期入金 利用規約」
  12. 中小企業基盤整備機構「中小企業活性化協議会による支援」
  13. 中小企業基盤整備機構「よろず支援拠点全国本部」
  14. e-Gov法令検索「民事執行法」
  15. e-Gov法令検索「特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律」

出典のURLと内容は2026年9月18日時点で確認しています。

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この記事を引用するとき

記事・図表・データは、出典を明記していただければ引用できます(引用のルール)。出典は次のように記載してください。

アンドファクタリング「2社間ファクタリングで入金を使い込んだ・払えないときの対処法」(https://factoring.co.jp/safety/cannot-pay/、2026年9月18日更新)