審査・書類

「審査なし」「審査が甘い」ファクタリングはある?広告表現の見分け方

最終更新 公開 約12分で読めます 執筆:アンドファクタリング運営事務局

広告なし・一次情報にもとづく解説です。編集方針

この記事の要点

  • 真正なファクタリングでは売掛先が払わなかったときの損失を買い取った業者が負うため、業者は売掛先の信用力と債権の実在を確認する必要があり、確認を一切しない「審査なし」の買取りは仕組みとして考えにくい。
  • 「審査なし」をうたいながら損をしない業者は、売掛先ではなく利用者から回収できる契約(買戻し・償還請求権・保証)にしている可能性があり、金融庁はこうした取引を貸金業に該当するおそれがある例として挙げている。
  • 金融庁は、給与の買取りをうたうヤミ金融の誘い文句として「借金ではありません」「ブラックOK」などを挙げて注意を呼びかけている。
  • 登録を受けた貸金業者は、貸付けの前に顧客の返済能力を調査する義務があり(貸金業法13条)、金融庁の監督指針は「貸付審査を全く行わずに貸付けが実行されるかのような表現」を、借入れの容易さを過度に強調する禁止表示(同法16条2項3号)に該当するおそれが大きい例に挙げている。
  • 審査に不安がある場合は、売掛先の信用力が審査の中心になる3社間ファクタリングの検討や、請求書・契約書・入金記録の準備が現実的な対策になる。
早わかり表
審査のないファクタリング仕組み上考えにくい(業者が売掛先の不払いリスクを負うため)
「審査なし」の法令上の定義なし。広告・検索で使われる表現
危険な理由売掛先ではなく利用者から回収する契約(買戻し・償還請求権・保証)の可能性
金融庁が挙げる誘い文句「借金ではありません」「ブラックOK」など(給与の買取りをうたうヤミ金融)
貸金業者の義務返済能力の調査(13条)、借入れの容易さを過度に強調する広告の禁止(16条2項3号)。監督指針は「貸付審査を全く行わずに貸付けが実行されるかのような表現」を該当のおそれが大きい例に挙げる
審査の中心売掛先の信用力、債権の実在性、申込者の状況
目次
  1. 審査なしのファクタリングはあるか:結論
  2. ファクタリングで審査が必要な理由
  3. 広告表現ごとの意味と確認すること
  4. 「審査なし」をうたう業者が違法業者の入口になる理由
  5. 貸金業者なら「審査なし」の貸付けは法律上ありえない
  6. 審査に不安があるときの現実的な選択肢
  7. 「通過率」「最短◯分」などの数字の読み方
  8. よくある誤解:「審査なしなら早くて得」
  9. 広告を見たときの判断フロー

売掛債権を買い取るファクタリングでは、売掛先が払わなかったときの損失を買い取った業者が負うため、業者は売掛先の信用力と債権の実在を必ず確認します。確認を一切しない「審査なし」の買取りは、仕組みとして考えにくいものです。「審査なし」をうたう広告の多くは、書類が少ない・面談がないという意味か、利用者から回収できる契約にして審査を省いているかのどちらかです。後者は、金融庁が注意を呼びかける偽装ファクタリングの特徴と重なります[1]。

この記事では、広告表現ごとの意味と確認点、違法業者の入口になる理由、審査に不安があるときの現実的な選択肢を整理します。

審査なしのファクタリングはあるか:結論

債権の売買として行われるファクタリングで、審査を一切しないものは考えにくいというのが結論です。業者は売掛先から代金を回収して初めて利益を得るため、売掛先が払えるか、債権が本当に存在するかを確かめずに買い取ると、損失をそのまま負うことになります。

金融庁は、ファクタリングを「事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス」と説明しています[1]。

金融庁は、貸金業法の適用が否定された裁判例として東京地裁令和2年9月18日判決と東京高裁令和4年6月15日判決を紹介しています[1]。東京地裁の判決は、償還請求権がなく買戻しも予定されていないことなどを考慮しました[1]。東京高裁の判決は、売主が回収不能額の責任を負わず、債務者の無資力リスクが業者に移転していたことを理由に挙げています[1]。売掛先のリスクを業者が負うことが、真正なファクタリングの前提です。

取引の形 売掛先が払わないときの損失 業者に審査が必要か
真正なファクタリング(償還請求権なし) 業者が負う 必要(売掛先の信用力・債権の実在)
償還請求権・買戻し・保証付きの取引 利用者が負う 業者にとって売掛先の審査の必要性は下がる
偽装ファクタリング(実態は貸付け) 利用者が負う 審査を省いても業者は損をしにくい

この表の下の2行が、「審査なし」を掲げても業者が成り立つ理由です。審査を省く代わりに利用者に負担を移しているなら、それは有利な条件ではなく、金融庁が貸金業に該当するおそれがあるとする取引の構造です[1]。

ファクタリングで審査が必要な理由

ファクタリングの審査が必要な理由は、売掛先の支払能力と債権の実在が、業者の回収そのものを左右するからです。民法の債権譲渡のルールも、業者が債権の中身を確かめる必要があることを示しています。

売掛先が主張できる事情は業者にも主張される。 民法468条1項は、売掛先(債務者)が、対抗要件が備わる時までに譲渡人(利用者)に対して生じた事由を、譲受人(業者)に主張できると定めています[7]。たとえば納品物に不具合があって売掛先が支払いを拒める事情があれば、業者は満額を回収できません。

登記があっても債権の存在は証明されない。 法務省は、債権譲渡登記について「この登記により債権の存在や譲渡の有効性を証明するものではありません」と明記しています[6]。業者は、請求書や契約書、過去の入金記録で債権の実在を確かめる必要があります。

同じ債権が二重に売られていないかを確かめる必要がある。 債権が二重に譲渡された場合、譲受人同士の優劣は、確定日付のある通知が債務者に到達した日時、または確定日付のある債務者の承諾の日時の先後で決まります(最高裁昭和49年3月7日判決)[8]。先に他社へ売られていれば、業者は回収できないおそれがあります。

審査が簡単なファクタリングと「審査なし」は何が違う?

提出書類が少ない、面談がない、結果が早いといった「簡単な審査」は、審査を省いているのではなく、確認の方法を絞っているものです。売掛先と債権の確認は行われ、業者は売掛先の不払いリスクを負ったままです。

これに対して問題になる「審査なし」は、売掛先を確認しない代わりに、買戻し・償還請求権・保証などで利用者から回収する仕組みを契約に入れているものです。見分ける方法は、審査の手間ではなく、契約書で「売掛先が払わなかったときに誰が損をするか」を確かめることです。少額の請求書を対象にした簡単な審査の仕組みは、少額ファクタリングの仕組みと手数料の実態で解説しています。

広告表現ごとの意味と確認すること

審査に関する広告表現は、同じ言葉でも意味が大きく違います。次の表は、よく見かける表現が実際に何を意味しうるか、利用者が何を確認すべきかを整理したものです。

広告表現 実際に意味しうること 確認すること 根拠・参考
「審査なし」 書類が少ない・面談がない、または利用者から回収できる契約で審査を省いている 契約書に買戻し・償還請求権・保証の条項がないか 金融庁[1]
「審査が甘い」「審査がゆるい」 売掛先だけを見て申込者の財務は重視しない、または上と同じ 何を見ないのか、代わりに何を求められるのか 金融庁[1]
「審査通過率◯%」 会社自身の集計。分母・期間・対象が不明なことが多い 集計の条件が示されているか。比較の根拠にしない 公的な集計はない
「ブラックOK」 金融庁がヤミ金融の誘い文句として挙げる表現 業者の実在と登録、契約書の条項 金融庁[3]
「借金ではありません」 同上。給与の買取りをうたうヤミ金融の誘い文句 対象が個人の給与ではないか 金融庁[3]、消費者庁[9]
「赤字・債務超過でも利用可」 売掛先の信用力を中心に見る審査の特徴として説明できる場合がある 手数料の総額と、保証を求められないか ―
「書類2点だけ」「面談なし」 提出書類を絞ったオンライン型の審査 手数料の水準、対象の債権や金額の上限 ―

表の上の5つの表現は、それだけで違法とは言えませんが、契約書の確認を最も慎重に行うべきサインです。書類の少ないオンライン型の審査の仕組みはAIファクタリング・オンライン完結型の仕組みと注意点で解説しています。

「即日・審査なし」の広告は何を意味する?

「即日」と「審査なし」を組み合わせた広告でも、債権を買い取る以上、短くできるのは審査の時間であって、審査そのものではありません。提出書類を絞る、オンラインで確認するといった方法で審査を短くすることはできても、売掛先と債権の確認を省けば業者は損失を負います。それでも即日で買い取る業者は、利用者から回収できる契約で損失を避けている可能性があります[1]。各社が公表する即日入金の条件と締切時刻は即日ファクタリングの条件で解説しています。

個人事業主・フリーランスで「審査が甘い」会社を探すときは?

個人事業主やフリーランスの場合も、審査の中心は売掛先の信用力と債権の実在で、法人と変わりません。違いは、債権譲渡登記の譲渡人が法人に限られ、個人事業主は登記を使えないことです[6]。そのため個人事業主の取引では、登記に頼らず、取引先との契約書や過去の入金記録で債権の実在を確かめる審査になります。個人事業主の使い方は個人事業主のファクタリングで解説しています。

会社員が自分の給与を売る「給与ファクタリング」は、審査の厳しさ以前に、事業者向けのファクタリングとは別物です。最高裁判所第三小法廷は令和5年(2023年)2月20日の決定で、給与ファクタリングの金銭の交付を貸金業法と出資法の「貸付け」に当たると判断しました[13]。業として行う給与ファクタリングは貸金業に該当すると消費者庁も明記しています[9]。

「審査なし」をうたう業者が違法業者の入口になる理由

「審査なし」の広告が危険なのは、審査を省いても損をしない業者は、代わりに利用者から確実に回収する手段を契約に入れている可能性があるからです。これは、日本貸金業協会が挙げる「ファクタリングを装ったヤミ金融の可能性が高いケース」と一致します[4]。

日本貸金業協会は、償還請求権が付いている、通帳・銀行印・キャッシュカードを預かる、代表者や家族に保証人を求める、小切手・手形を担保に入れさせる、などを挙げています[4]。これらはいずれも、売掛先を審査しなくても、利用者から回収できるようにする手段です。

金融庁のリーフレットも、買取代金が債権額に比べて著しく低い、または高額な手数料が差し引かれることを、偽装ファクタリングの被害が疑われる例に挙げています[2]。審査を省く代わりに手数料を高くしている場合も、利用者の負担は大きくなります。

検索やSNSで見つけた「審査なし」の広告はなぜ注意が必要?

警察庁によると、2025年のヤミ金融事犯に関する相談の87.3%はインターネットなどの非対面の手口でした[10]。警察庁は同じ資料で、「通常の商取引を仮装して金銭を貸し付けるなどの手口」が発生していると書いています[10]。検索広告やSNSの広告で見つけた業者は、会社の実在と契約内容を、申し込む前に確かめてください。

貸金業者なら「審査なし」の貸付けは法律上ありえない

登録を受けた貸金業者は、貸付けの前に顧客の返済能力を調査する義務を負い、借入れの容易さを過度に強調する広告も禁止されています。そのため、「審査なしで貸す」とうたう貸付けの広告は、無登録業者を疑う理由になります。

貸金業法の規定 内容(2026年9月時点の条文) 「審査なし」との関係
13条1項(返済能力の調査) 貸付けの契約を締結しようとする場合、顧客の収入・収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画などを調査しなければならない 貸金業者は審査をせずに貸すことができない[5]
15条1項(貸付条件の広告) 貸付条件を広告するときは、商号と登録番号、貸付けの利率などを表示する 登録番号の表示がない貸付けの広告は要注意[5]
16条2項2号(勧誘の禁止) 他の貸金業者の利用者または返済能力がない者を対象として勧誘する旨の表示を禁止 「他社で断られた方も」と返済能力のない人を狙う表示[5]
16条2項3号(勧誘の禁止) 借入れが容易であることを過度に強調して借入意欲をそそる表示を禁止 「審査なし」「無審査で即融資」型の表示[5]

金融庁の「貸金業者向けの総合的な監督指針」は、16条2項3号に該当するかは個別の事実関係で判断するとしたうえで、該当するおそれが大きい表示の例を3つ挙げています[12]。

監督指針が挙げる例(II-2-15(2)) 広告での言い換えの例
貸付審査を全く行わずに貸付けが実行されるかのような表現 「審査なし」「無審査」
債務整理を行った者や破産免責を受けた者にも容易に貸付けを行う旨の表現 「債務整理中でもOK」「自己破産後でも」
他社借入件数、借入金額について考慮しない貸付けを行う旨の表現 「他社で何件借りていても」

出典:金融庁「貸金業者向けの総合的な監督指針」II-2-15[12]。左列は監督指針の原文、右列は当サイトによる言い換えの例です。

これらの規定は、登録を受けた貸金業者に向けたものです。債権の買取りだけを行うファクタリング会社には直接は及びませんが、取引の実態が貸付けなら貸金業法の規制を受けます[1]。

貸金業の登録の有無は、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで調べられます[11]。登録の調べ方はファクタリング会社に許認可や登録は必要?で解説しています。

審査に不安があるときの現実的な選択肢

審査に不安がある場合は、「審査なし」の業者を探すのではなく、審査で見られる点を補う方法を考えます。ファクタリングの審査は売掛先の信用力が中心のため、自社の財務状況に不安があっても選択肢は残っています。

  1. 3社間ファクタリングを検討する。 売掛先の承諾を得て売掛先から業者に直接支払われるため、業者は利用者を通じた回収のリスクを負いません。仕組みは2社間と3社間の違いで解説しています。
  2. 信用力の高い売掛先の債権を選ぶ。 同じ会社に申し込んでも、どの売掛先の債権を売るかで結果は変わります。
  3. 書類をそろえる。 請求書、売掛先との契約書・発注書、過去の入金が分かる通帳のコピーをそろえると、債権の実在を示せます。必要書類はファクタリングの必要書類一覧にまとめています。
  4. 落ちた理由を確かめる。 否決の理由によって次の手段が変わります。審査に落ちたときの対処法を参照してください。
  5. ファクタリング以外の手段も比べる。 日本政策金融公庫や保証協会付き融資は、手数料ではなく金利で比べられます。資金調達の方法一覧で比較できます。

「通過率」「最短◯分」などの数字の読み方

広告の数字は、条件を確かめて初めて意味を持ちます。通過率やスピード、手数料の数字は、いずれも会社自身が示すもので、公的機関が集計・検証した数字ではありません。

広告の数字 確かめる条件 読み違えやすい点
審査通過率◯% 分母(申込み全体か、書類を出した人だけか)、集計期間、集計した主体 分母が示されていなければ、ほかの会社と比べられない
最短◯分・即日入金 書類がそろっている場合か、申込みの締切時刻、初回か2回目以降か、金額の上限 「最短」は最も早い例で、自分の申込みの所要時間ではない
手数料◯%〜 上限の率、手数料以外の費用、2社間と3社間のどちらの数字か 下限だけが大きく書かれ、実際の率は審査後に決まる
買取上限◯円・下限◯円 1社の売掛先あたりか、1回あたりか 上限額は審査で決まる金額の目安にすぎない

スピードの条件は即日ファクタリングの条件で、手数料の公表値の分布はファクタリング手数料の相場で確認できます。数字を比べるときは、同じ条件(金額、売掛先、2社間か3社間か)で複数の会社から見積りを取るのが確実です。

よくある誤解:「審査なしなら早くて得」

審査についての広告表現は、利用者の不安に訴えるものが多く、事実と違う理解が広がりやすい分野です。次の表で、よく見かける説明と正しい理解を並べます。

よく見かける説明 正しい理解 根拠
「審査なしなら、早くて手間がかからない分お得」 審査を省いても業者が損をしない契約は、不払いリスクを利用者に負わせている可能性がある 金融庁[1]、日本貸金業協会[4]
「審査に一度落ちたら、もうファクタリングは使えない」 審査は売掛先ごと・債権ごとに行われ、別の売掛先の債権や3社間なら結果が変わりうる 審査の3つの項目(本記事)
「債権譲渡登記があれば審査は形式的でよい」 登記は債権の存在や譲渡の有効性を証明しない 法務省[6]
「借金ではない」「ブラックOK」という宣伝は安心 金融庁が給与の買取りをうたうヤミ金融の誘い文句として注意を呼びかける表現 金融庁[3]

広告を見たときの判断フロー

「審査なし」などの広告を見たときは、次の順に確かめます。1つでも「いいえ」なら、申し込む前に立ち止まってください。

  1. 会社の商号・所在地・代表者名が明記され、国税庁の法人番号公表サイトで照合できるか。
  2. 対象が事業の売掛金か。 個人の給与を対象にしていれば、給与ファクタリングです。業として行えば貸金業に該当します[9]。
  3. 契約書の見本や主要な条件(手数料の総額、償還請求権の有無)を事前に確認できるか。
  4. 契約書に買戻し・償還請求権・保証・通帳の預かりの定めがないか。 定めがあれば、日本貸金業協会が挙げるヤミ金融の可能性が高いケースに当たります[4]。
  5. 「融資」「貸付け」を案内しているなら、貸金業の登録が確認できるか。[11]

契約書の条項ごとの読み方はファクタリング契約書のチェックポイントで、危険度の確認は悪質なファクタリング業者の見分け方で解説しています。すでに契約してしまった場合は、ファクタリング詐欺の手口と相談先を参照してください。

よくある質問

Q審査なしのファクタリングはありますか?

A売掛債権を買い取る以上、業者は売掛先の信用力と債権の実在を確認するため、審査を一切しないファクタリングは仕組みとして考えにくいものです。「審査なし」をうたう広告は、提出書類が少ない、面談がないといった意味で使われているか、利用者から回収できる契約で審査を省いているかのどちらかが考えられます。後者は偽装ファクタリングの疑いがあります。

Q審査がゆるいファクタリング会社はどこですか?

A当サイトは、審査の通りやすさで会社を順位づけしていません。ファクタリングの審査は主に売掛先の信用力と債権の実在性を見るため、同じ会社でも売掛先によって結果が変わります。会社ごとの公表情報は[ファクタリング会社データベース](/companies/)で、公式サイトの記載をもとに確認できます。

Q「ブラックOK」のファクタリングは安全ですか?

A金融庁は、給与の買取りをうたうヤミ金融の誘い文句として「借金ではありません」「ブラックOK」などを挙げ、注意を呼びかけています。事業者向けのファクタリングでも、この言葉を前面に出す広告は、契約書の償還請求権・買戻し・保証の条項を特に慎重に確認してください。

Q赤字や税金の滞納があってもファクタリングは使えますか?

Aファクタリングの審査は売掛先の信用力が中心のため、赤字決算でも申込みを受け付ける会社はあります。一方で、税金や社会保険料の滞納がある場合の扱いは会社によって異なり、滞納を申込みの対象外とする会社もあります。条件は[赤字決算・税金滞納でもファクタリングは使える?](/users/tax-arrears-deficit/)で解説しています。

Q「審査通過率98%」などの表示は信用できますか?

Aファクタリング会社の審査通過率について、公的機関が集計・検証した数字はありません。通過率の表示は会社自身の集計で、分母(申込み全体か、書類を出した人だけか)や期間が示されていないことが多いため、比較の根拠にはなりません。通過率ではなく、手数料の総額と契約条件で比べてください。

Q即日で審査なしのファクタリングはありますか?

A債権を買い取る以上、即日入金でも売掛先と債権の確認は必要で、短くできるのは審査の時間です。売掛先と債権の確認を省いて即日で買い取る業者は、利用者から回収できる契約で損失を避けている可能性があります。「即日」と「審査なし」を組み合わせた広告は、契約書に買戻し・償還請求権・保証の定めがないかを特に慎重に確認してください。

Q審査に落ちたら、審査なしの業者に申し込んでもいいですか?

A審査に落ちた直後に「審査なし」の業者に申し込むのは避けてください。審査を省いても損をしない業者は、利用者から回収できる契約にしている可能性があるためです。落ちた理由を確かめ、3社間ファクタリングや書類の準備、公的融資など別の手段を検討してください。

Q貸金業者が「審査なし」と広告することはできますか?

A登録を受けた貸金業者は、貸付けの前に顧客の返済能力を調査しなければならず(貸金業法13条)、借入れが容易であることを過度に強調して借入意欲をそそる表示も禁止されています(同法16条2項3号)。金融庁の監督指針は、「貸付審査を全く行わずに貸付けが実行されるかのような表現」をこの禁止に該当するおそれが大きい例に挙げています。「審査なしで貸す」とうたう貸付けの広告は、無登録業者を疑って金融庁の検索サービスで登録を確認してください。

出典・参考資料

  1. 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
  2. 金融庁「事業者向けリーフレット「その資金調達 大丈夫ですか?」(表面)」
  3. 金融庁「給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!」
  4. 日本貸金業協会「「ファクタリング」を装ったヤミ金融にご注意ください」(2017年12月4日)
  5. e-Gov法令検索「貸金業法」
  6. 法務省「債権譲渡登記制度」
  7. e-Gov法令検索「民法」
  8. 裁判所「最高裁判所 昭和49年3月7日判決(昭和47年(オ)第596号)」(1974年3月7日)
  9. 消費者庁「違法な貸付(ファクタリング等)や悪質な金融業者にご注意ください!」
  10. 警察庁「令和7年における生活経済事犯の検挙状況等について」(2026年3月)
  11. 金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」
  12. 金融庁「貸金業者向けの総合的な監督指針(II.貸金業者の監督に当たっての評価項目)II-2-15 広告規制」(2026年10月22日確認)
  13. 裁判所「最高裁判所第三小法廷 令和5年2月20日決定(令和4年(あ)第288号)」(2023年2月20日)

出典のURLと内容は2026年10月22日時点で確認しています。

この記事の更新履歴

  •  公開
  •  訂正:金融庁が紹介する東京地裁令和2年9月18日判決と東京高裁令和4年6月15日判決を「いずれも無資力リスクの移転を理由に挙げた」としていたが、無資力リスクの移転を挙げたのは東京高裁で、東京地裁は償還請求権・買戻しの予定がないことなどを挙げているため書き分けた。金融庁の貸金業者向け監督指針(II-2-15)が「貸付審査を全く行わずに貸付けが実行されるかのような表現」を禁止表示に該当するおそれが大きい例に挙げていることを原文で確認して追加。「即日・審査なし」と、個人事業主・フリーランス・給与の「審査が甘い」を探す人向けの節とFAQを追加

内容の誤りや古くなった情報にお気づきの場合は、お問い合わせからご連絡ください。確認のうえ訂正し、この欄に記録します。

この記事を引用するとき

記事・図表・データは、出典を明記していただければ引用できます(引用のルール)。出典は次のように記載してください。

アンドファクタリング「「審査なし」「審査が甘い」ファクタリングはある?広告表現の見分け方」(https://factoring.co.jp/screening/no-screening-myth/、2026年10月22日更新)