元銀行員が語る「貸したくない社長」(3)社員との関係が悪い社長には貸したくない

このシリーズでは、元銀行員に「融資したくない社長はどんな社長ですか?」というテーマでインタビューしています。

銀行融資では、会社の経営状況によって判断される部分が大きいのですが、社長の経営能力や人格などもしっかり見られており、融資の判断材料にされています。

銀行員は、普段社長をどのように観察しているのか、どのように融資判断に役立てているのかを知れば、より融資を受けやすい会社に近づくことができます。

本稿では、社長と社員の関係を銀行員がどう見ているのかについて聞いていきました。

社員に私用を頼む社長

―――社長の経営能力を知るために、ほかにはどのような点に注目するのでしょうか。

元銀行員:これまでもお話ししたように、銀行員と社長の対話によって見えてくるものも多いものですが、対話のように直接的なことでなくても、経営能力が分かることがあります。

例えば、社長と社員の関係は参考になりますね。

銀行員は、社長の行動や発言についてよく観察しているものですが、社長が社員にどのような態度をとっているか、どのような会話をしているかも参考になります。

また、銀行員によっては、社員と直接話してみて、社長の裏の顔を把握しようとする人もいますよ。

 

―――社員から聞き取りをしたとき、悪い印象を持つのはどのような情報でしょうか。

元銀行員:もちろん、社外の人に対して社長のことを悪く言う社員はそう多くありません。

もし、簡単に不満が出てくるとすれば、それは会社のことを考えない社員が多いか、社員の間で社長が尊敬されていなくてすぐに不満が出てくるか、社長と社員の関係があまりにも悪いか、とにかくマイナス材料であることは間違いありません。

社員が抱く不満の中でも、社長から私用を頼まれたという不満は多いように思います。社長の権力が強い中小企業だからこそ多いのだと思います。

例えば、社長からタバコを買ってくるように言われたとか、社長が通勤で使っている自家用車を洗うように言われたとか、プライベートの荷物を送っておくように言われたとかです。

 

―――ちょっとした頼み事が多いんですね。

元銀行員:ょっとした頼み事だから、社員に頼むことに違和感を覚えない社長が多いのだと思います。しかし、頼み事の大きい・小さいは関係ないですよね。

業務と関係ないことを頼まれると、雑用をさせられているとか、顎で使われたとか、不満を抱く社員は多いのです。

業務そのものが、身の回りの色々な雑用をするのであればいいと思いますよ。芸能人と付き人の関係であるとか、暴力団の親子関係であるとかならば、私用に応じることも含めての仕事ですから、不満も生じにくいでしょう。

でも、社員はそうではないですよね。与えられている業務があって、それだけでも忙しいのに、社長から偉そうに「あれをしろ」「これをしろ」と言われれば「自分でやればいいのに」と不満がたまります。

社員に私用を頼むことの問題

―――先ほど(本シリーズ(1)(2)の中で)から聞いているように、ここでも自己中な性格が問題になっていますね。

はい、だから自己中な性格の社長は、銀行員との対話でも、社内での人間関係でも、色々なところで問題を引き起こしていることが多いといえますね。

自己中でも、カリスマ性がずば抜けていて、わがままさも含めて社長の魅力と認めて社員がみんなついてくる・・・というようなケースはほとんどありません。

特に、今の若い人たちはそういう「男が男に惚れる」ような関係にはならないでしょう。

結局、「社長のおごり」でしかなくなってしまいます。

実際、社長も「お前たちはしょせん社員」とか「お前たちは俺が雇ってやっているんだぞ」といった気持ちがあるから、私用を頼むんでしょうしね。

でも、その気持ちを口に出せばパワハラだ何だと言われてしまうから、露骨に威圧することはありません。私用を頼むという場面で、その気持ちが出てしまうわけです。

 

―――それで、社員の不満がたまっていくと。

元銀行員:そうです。このような社長なら、私用をほんの1,2回頼むというのではなくて、よく頼んでいるはずです。

それも、全社員にまんべんなく頼むのではなくて、従順そうで頼みやすい社員に頼んだり、気に入らない社員に頼むことが多くなってくると思います。

すると、限られた社員に不満が蓄積されていくことになります。そして、何かきっかけがあったときに辞めてしまうわけです。

 

―――そんな社長でも、自己中なだけに、社員とうまくやれていると勘違いしている場合も多そうですね。

元銀行員:間違いなく多いですね。社長の中では、「俺は社長で雇う側、お前たちは社員で雇われる側、社員は社長にしたがうべき」といったおごりがあるわけでしょう。

そのおごりというのも、社長というだけでおごっている場合と、社員の待遇もきちんと考えているという自負からおごっている場合があります。

社長というだけでおごっている場合は、もはや社長の器ではありませんから問題外です。しかし、給与やボーナスの面でしっかり報いているという自負がある社長も、案外多いですよ。

もちろん、お金を出すことによって、目に見える形でねぎらうことは大切です。

しかし、それは基本的な関係がしっかり作られていて、それでお金の面でもしっかり報いている場合です。

普段は私用を依頼したり、おごった気持ちを持っているのですから、お金ではどうにもならないこともあります。

それに中小企業ですから、資金的にそれほど余裕がない会社がほとんどでしょう。

社長はしっかりお金を出しているという自負があっても、社員はそれほど満足していなくて、普段から積もり積もった不満を消すことができない、ということも多いんです。

社長におごりがあると、せっかくボーナスを出しても、社員たちはそのボーナスで飲みに行って、社長の愚痴を肴に飲む・・・なんてことになるんです。

貸せない理由は「将来性がないから」

―――そういう社長に貸せないと考える理由は?

元銀行員:そうですね・・・単純に、そういう社長が仕切っている会社にいい印象を持てるか、お金を貸してほしいと言われたときに安心して貸せるかということです。

 

―――印象はよくありませんし、貸したくありませんね。

元銀行員:そうでしょう。自己中で、おごっていて、社内では不満が渦巻いていて、やめていく社員も多いんですからね。

社員といい関係を築いていると思い込んでいることも問題ですね。身近な人たちが心の中では舌を出しているんですから、組織としては非常に弱いと言わざるを得ませんね。

会社を盛り上げていこうという気持ちも起きませんし、与えられた業務を漫然とこなして、不満に耐えながら働いて、給料をもらって、良い変化をただただ待っている・・・という社員がどんどん増えていけば、会社の将来は危ないでしょう。

良くて現状維持、ほとんどは徐々に悪くなっていくでしょう。

世界的な好景気とか、業界全体の好景気とか、そんな社長が率いている会社でも儲かるような追い風でもなければ、業績が伸びていくことは考えにくいです。

まあ、そのような社長は外部要因で業績が伸びたとき、自分の実力と勘違いするでしょうから、追い風がなくなった後が危険です。

だから、私用を社員に頼む社長には良い評価は与えられませんし、融資したいとは思えません。

 

―――なるほど、今は良くても、長期的に安定した付き合いが期待できないから貸せないと言うことですね。

元銀行員:そうです。いずれ経営難に陥る兆候が見えているわけですから、長期的に良い付き合いができない、貸し倒れによって関係が終わる可能性がある、そう考えます。

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かばん持ちは目的次第

―――私用を頼むほかにも、例えば社員に運転手をさせたり、かばん持ちをさせたりする社長がいますね。これは業務に含まれると言えなくもないと思いますが、どうでしょうか。

元銀行員:運転手ならば、運転だけを専門とするドライバーを雇うことが多いですから、そう問題にはならないでしょう。

社員に対してちょっと私用を頼むというのではなく、社長の都合に合わせて、運転手として長時間拘束することはできませんからね。

ですから、社長付きの運転手を使うとすれば、専属の運転手を抱えることになります。といっても、会社が負担している費用の中でも、人件費はかなり大きな割合を占めるものですから、運転手を雇えない会社が多いでしょう。

もし、財務的にそれほど余裕がないのに、社長の見栄のために運転手を雇っているとすれば、確実にマイナスの印象になります。

 

―――かばん持ちはどうでしょうか。

元銀行員:かばん持ちを連れて歩く社長はいますよ。といっても、これも社長にいつもついて回るとすれば、専属のかばん持ちを雇うことになりますから、そういうことはあまりありません。

あるとすれば、修行中の社員や学生がかばん持ちとして、勉強を兼ねて社長について回るというケースでしょう。

この場合、社長は私用を頼むような自己中心的な考えでかばん持ちをさせているわけではなく、見習いとして鍛えてやろうという気持ちでかばん持ちをさせるわけですね。

こういう形であれば、使われている見習い社員も不満を抱くことはありませんし、銀行員から見ても社員教育の一環ですから、問題視するとは限りません。

教育目的ならばあまり問題ない

―――もし、かばん持ちが問題視されるとすれば、それはどのような場合でしょうか。

元銀行員:やはり、社長の傲慢さが見える場合でしょうね。社長は教育のためにやっていると言っていても、実際にはそう見えないことも多いんです。

そもそも、「かばん持ち」という表現そのものを嫌う人は少なくありません。見る人が見れば、社長が社員を隷属させているような、旧時代的な上下関係をイメージしますからね。

 

―――では、基本的にかばん持ちは連れて歩かないほうがいいでしょうか。

元銀行員:それは何とも言えません。会社のやり方を決めるのは社長ですし、見込んだ社員にかばん持ちをさせて、身近なところで修行させて、いずれは片腕にしたいと考える社長もいます。

実際に、かばん持ちをさせて鍛えた社員が、後に会社の中核となって能力を発揮することで、経営に良い影響を与える場合もあります。そうなれば銀行としても社長の方針を認めるほかないでしょう。

とはいえ、その方針のせいで悪印象につながることは避けるべきでしょう。

かばん持ちの何がいけないかと言うと、社員を尊重していない、人をモノのように扱っている、権力を誇示したがっているなどと思われることです。

かばん持ちを連れるならば、この印象を避けるべきです。

例えば、教育目的でかばん持ちを連れているとしても、それを「かばん持ち」などとは表現しないほうがいいでしょうね。

「かばん持ち」という表現には、武士の時代の「草履取り」とか「槍持ち」といった、封建的な力関係を強調させてしまいます。

ですから、「かばん持ち」という表現をしていると、聞いた人はあまり良い印象を持ちませんし、かばん持ちを務める社員もいい気分はしません。

心服できない社長から、見下す意味合いを帯びた「かばん持ち」として扱われると、不満を抱くことになるでしょう。

不満を抱いたかばん持ちが、側近に成長するとは考えにくいです。

 

―――あくまでも教育のため、将来の人材育成のためということが重要ですね。

元銀行員:教育としてかばん持ちをさせるならば、それに徹底しなければなりません。

口では「教育のため」と言っていても実際には傲慢なだけで自覚もある社長、教育のためと思い込んでいても実際には傲慢な社長などは問題です。

例えば、

「せっかく社長なんだから、かばん持ちくらい連れて歩きたい。偉ぶりたい。でも、かばん持ちを連れて歩くと、どうも偉そうにしていると思われそうだ。

だから、教育目的でかばん持ちをさせることにしよう。そうすれば、教育熱心な社長というイメージも持たれるだろうし、かばん持ちを連れていても嫌味のない人だと思われるだろう」

などと考えているケースです。

これだと、かばん持ちの目的は教育ではなくて、自己満足のパフォーマンスでしかないですよね

そういう社長の考え方はすぐにわかるものですから、即マイナス評価でしょうね。

 

―――自己満足のパフォーマンスだということは、どのようなところからわかりますか?

元銀行員:それはもう、見たらわかりますよ。かばん持ちをさせている社員の扱い方が、教育目的とは感じられないんです。

例えば、銀行員が応対しているとき、かばん持ちの社員は社長の後ろに直立不動で侍っていますね。それで、資料が必要になったら、「おい、資料」といった感じです。

そういう言動の端々から、カバン持ちをさせている真意は見えてきますよ。

 

―――それが見えたら、融資にはマイナスということですね。

元銀行員:権力を誇示するためにかばん持ちを連れている「傲慢な社長」は、基本的に悪影響になることが多いですからね。傲慢な社長は、人の言うことを聞きませんから。

まず、社内でもイエスマンばかりになっているでしょうから、基本的に経営方針は社長の一存でしょう。そんな会社で業績が下がってくると、原因の多くは社長の采配にあると言えます。

ならば、色々な意見を取り入れて改善に取り組む必要がありますが、もとよりイエスマンばかりですし、社長には聞き入れる器量がありませんから、業績低下を食い止められません。

そうなると、銀行も貸し倒れリスクが高まってきます。

話ができる社長ならばアドバイスをすることもありますが、傲慢な社長ではそれもあまり期待できません。となると、融資による支援よりも、できるだけ回収する方針に切り替えることも十分にあり得ますね。

もちろん、そうなりそうだと思える社長ならば、最初から融資をしないということも考えられるわけです。

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社員の待遇が違う

―――社長が社員に私用を命じるとき、気の合わない社員に私用を命じる場合も多いと思いますが、その点についてはどう見ているのでしょうか。

元銀行員:社長も人間ですから、気の合う社員もいれば合わない社員もいるでしょう。それが普通ですし、そこから個人的な好き嫌いの感情が芽生えてくることもあると思います。

しかし、それを仕事に持ち込むのはいただけませんね。気の合わない社員に私用を命じるという、いわば「いじめ」のようなことをする社長もいますが、そのような社長が率いている会社に良い印象を抱くはずがありません。

 

―――やはり、かなり印象が悪くなるんですね。

元銀行員:私用を頼むかどうかは別として、待遇に差が出ることもよくあります。実際に私が見た例でいえば、教育面での待遇が違ったというケースがありました。

このAさんとBさんは同期の社員で、年齢的にも、経験的にも、能力的にもそれほど差がなかったんですよ。

違うことと言えば、Aさんは運動部出身で、同じく運動部出身の社長と気が合ったこと、そしてBさんは文化部出身で社長とはあまり気が合わなかったことです。

簡単な話、社長との相性以外は何も変わらない二人です。

この二人の教育面で、Aさんはカリキュラムの充実した研修に参加させてもらい、Bさんは最低限の研修にさせてもらったんですね。

社長との相性以外何も変わらない二人の間でこのような差が出てくると、この二人はもちろん周りの社員も、社長は個人的な好き嫌いで待遇を変える人なんだと思うでしょう。

社長に気に入られている人は「ラッキー」と思うかもしれませんが、社長に嫌われないためにストレスを抱えるかもしれません。

そして何より、単に相性が合わないというだけで待遇が悪くなった社員はたまったもんじゃありませんよね。不満を抱いて当然です。

 

―――社長への信頼や、社員のモチベーションの低下につながるということですね。

元銀行員:そういうことです。

AさんとBさんの場合は、どちらも男性社員だったからマシといえますが、これが女性社員だったらかなりまずいですよね。もちろん、女性社長が男性社員を優遇した場合も同じです。

同性同士の「馬が合う」という感情を超えて、恋愛感情やいやらしい感情から待遇が変わっていると思う社員もいるはずです。

奥手の社長でもそう思われる可能性は十分にありますし、もともと遊び好きな社長となると、そう思われてしまうことでしょう。

社長本人は、社員によって待遇を変えている自覚はないこともあります。しかし、周りから見てそうであるということは、必ずどこかで待遇の違いが生まれてしまっているものなんです。

それによって悪影響が生まれることはあっても、良い影響は生まれないでしょう。

 

―――このような話も、銀行員の耳には入るんですね。

元銀行員:ええ、入りますね。社員の待遇が違うと聞けば、やはりいい気はしませんね。そこから不満が生まれて、人材が定着しなくなることもありますから。

でも、直接融資審査に影響するかどうかといえば、微妙なところです。人間だれしも好き嫌いはあるし、それを完全に表に出さないということも難しいでしょう。

また、会社への貢献度が社員の「好き嫌い」の評価につながって、それが待遇の差につながることもあるわけです。

ですから、私用を頼んで傲慢に振る舞う社長と比べれば、社員と待遇が違うといっても、それで融資を断るということにはなりにくいです。

その会社が良い取引先であれば、変わらず融資を続けると思いますし、格付けが下がることもないでしょう。

ただし、社長個人への評価を傷つけてしまう可能性はありますし、格付けがギリギリ正常先という会社では、何かの折に「この会社は、社長自身にも問題があるようだし、格付けを要注意先に引き下げよう」と判断されてもおかしくありません。

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離職率が高い会社は警戒される

―――最後にお聞きします。社長が社員に私用を頼んだり、社員によって待遇が変わったりする場合、社員は社長に不満を抱くことでしょう。それが離職につながってくると思うのですが、やはりこの点も含めてのマイナス評価でしょうか。

元銀行員:それは当然です。理由は何であれ、離職率が高くて人の出入りが激しい会社は、銀行融資に不利になります。

業種や業界によっても離職率は変わりますから、元から離職率が高い業種や業界ならば、それほど問題ないでしょう。

しかし、それ以外の業種・業界の会社で離職率が高ければ、何か問題があるはずだと考えるのが普通です。

 

―――離職率の高さについて、どのように考えますか?

元銀行員:そもそも、その会社で働くことに満足していれば、社員は会社を辞めたいとは思わないでしょう。

社長の考え方に共感できる、社内に活気があってやりがいがある、社内の人間関係がよくて働きやすい、福利厚生がしっかりしている、満足できる給料がもらえる、理不尽な待遇が全くみられないなど、労働環境がよければ長く働きたいと思うのが普通なのです。

そのような会社では、なかなか社員が辞めようとしませんから、離職率は低くなります。

新規に雇う必要がそれほどありませんから、人の出入りは非常に緩やかです。定着した社員たちがそれぞれの仕事に精通していき、規模の小さな会社でも少数精鋭の組織に成長していきます。

このような会社ならば、長期にわたって安定した経営を続けられる可能性も高いですから、銀行は貸したいと考えるでしょう。

しかし、社員が不満を抱いていれば、辞めたいと考える社員が多くなります。

生活がありますから、不満を抱いたからと言ってすぐにやめることはないでしょうが、機会があれば辞めていく社員は多いでしょう。

不満がたまる理由にも色々ですが、社長のわがままについていけない、給料が低すぎる、上司や先輩のパワハラがひどい、残業や休日出勤が多すぎるなど、とにかく労働環境が悪いのが特徴です。

そんな環境で不満がたまっていくと、社長や上司に反抗心を抱くことになります。

社長が正しいことを言っていても、「本当に大丈夫か?」「それは違うだろう」などと、ひねくれた考え方をする社員も出てきます。

つまり、社長が右に行けといっても、左に行くべきだと考える社員がたくさんいる組織になってしまいます。

また、できるだけ長く働きたくないと考えている社員たちは、機会があれば辞めていきます。会社は新入社員の採用にコストをかけて人員を補充しますが、その新入社員も定着する可能性は低いです。

なかなかベテランが育たない会社になってしまうでしょう。

ベテランがいなければ、難しいプロジェクトを成功させることもできません。

半人前の社員ばかりで事業を進めていくことになり、言い換えれば「半人前の社員でもできること」を中心とした事業しかできなくなります。

既存の事業を積極的に育てたり、新規事業を展開したりすることは到底不可能でしょう。

このような会社は、将来的にぐんぐん成長していくとは考えにくいですし、どちらかというと衰退していく可能性のほうが高いでしょうね。

だから、貸し倒れリスクが高いという判断にもなるわけです。

 

―――やはり、離職率の高さは組織の弱体化につながるのですね。

元銀行員:そうです。離職率が低い会社は強いですよ。

特定の事業を進めるにあたって、それに慣れ親しんだ社員がいつも取り組めば、安定した成績を残していけるでしょう。

しかし、社員がころころ変わって半人前の社員も多いというのでは、成績は安定しません。

チームプレイのスポーツだってそうですよね。野球でも、いつも9人の固定メンバーで戦えば成績は安定しやすいですが、メンバーがしょっちゅう入れ替わって、新人選手が多すぎるチームは弱いに違いありません。

しょっちゅう変わるメンバーをうまく使って成績を上げることは、短期的にはできるかもしれません。

しかし、何年、何十年とメンバーが交代し続け、いつも新入社員の多い組織では、成績を安定させることは到底不可能ですし、徐々に弱体化していきます。

 

―――そういう意味でも、社長と社員の関係は大切ですね。

元銀行員:そうですね。社長は普段、何気なく私用を頼んだり、相性で待遇を変えたりしているかもしれませんが、それが積もり積もって大きな悪影響になったり、銀行融資を受けにくくなったりするのですから、社長は社員との付き合いをよく考えたほうが良いでしょう。

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まとめ

社長と社員の関係は、想像以上に銀行員から見られていることがよくわかりました。

単純に考えてみても、リーダーとメンバーの関係が良く、結束の固い組織は成績も良いことが多いものです。

逆に、リーダーとメンバーの関係が悪く、すぐに壊れてしまうような組織では、満足のいく成績を出すことができないでしょう。

社長と社員の関係が経営に与える影響は、決して小さくありません。だからこそ、銀行員はこれを融資の判断材料としています。

銀行員はこのようなところにも目を光らせていることを知り、社員との関係を見直してみてはいかがでしょうか。

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