マナーを守ればリスケはうまくいく!マナー7選

リスケ交渉は、事業が行き詰っている会社の再生のために重要なことです。

しかし、リスケは銀行にとっては不良債権が発生するかどうかという重大なことです。

マナーを間違えた交渉によってリスケが失敗し、銀行との関係が悪化してしまうこともあります。

銀行とのリスケ交渉のために重要となるのは、銀行の事情を汲み取りながら、マナーを守って交渉していくことです。

そこで本稿では、リスケ交渉をうまく進めるための7つのマナーを紹介していきます。

アポ取りのマナー

銀行とのリスケ交渉の際、まず守りたいマナーの筆頭と言えるのが、アポ取りです。

アポ取りの方法を間違えてしまうと、時間や労力ばかりかかってなかなか成果が出ず、貴重な時間を失っていくことになります。

アポ取りは融資上席者へ

リスケ交渉に入る会社は、ただでさえひっ迫した状況の中にあり、少しの時間も惜しいものです。

社長は、できるだけ素早くリスケ交渉を開始し、成功に終わらせ、事業再生に着手すべきです。

そこでポイントとなるのが、できるだけ上席の人から話をつけていくということです。

ここでいう上席とは、融資課の課長や次長、支店長代理といった人達であり、支店長に直接話ができれば一番です。

融資担当者を通じて、このような上席者から交渉を始めるように工夫していきます。

もちろん、このような交渉は普通ではあり得ません。

緊急時だからそうしているだけのことで、普通ならば担当者を飛び越えた交渉は、担当者の心証を悪くし、全体の交渉がうまくいかなくなるからです。

リスケという緊急事態だからこそ、融資担当者にも事情を理解してもらい、上席者との交渉を開始するのです。

したがって、上席者と交渉を開始する際にも、

○○さん(融資担当者)にはいつも良くしてもらっています。あまり良くないお話なので、上席の方とお話したいと思い・・・。

などと前置きし、融資担当者を立てておくことも大切なマナーです。

もっとも、上席者に相談したとしても、すぐにリスケが通るわけではありません。

上席者としても、本部に仰がなければわからない問題だからです。

それでも、リスケの方向性は分かりますし、リスケの検討をすぐに始めてもらえるという意味では、リスケを順調に進めるために、上席者への交渉は大変有効だと言えます。

営業担当者とは交渉しない

リスケ交渉は「返済できない」と交渉しに行くのですから、気が引けるという社長も多いですし、それは当然のことです。

しかし、そのような理由から融資担当者を避けて、普段から親しくしている営業担当者に話を持って行く社長がいるのですが、これは完全にアウトな方法です。

まず、営業担当者はあくまで営業の担当です。

営業担当者の仕事は、融資してもよさそうな会社を見つけて営業をかけ、融資し、銀行の利益に貢献することです。

逆に、自分が営業をかけた会社が返済できなくなったとわかれば、モニタリング不足などの責任を問われることになり、自身の評価がマイナスになることもあります。

 

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したがって、営業担当者に相談すると、担当者は上司への報告の方法を考えるわ。

できるだけ自分の評価がマイナスにならない方法を考え、社長に、

  • 「なぜそんな状況に陥ったのですか?」
  • 「なぜもっと早く言わなかったのですか?」
  • 「あの資料をください、この資料をください。」
  • 「他行との関係はどうなっていますか?」

など、様々な質問をしてくることになります。

これにより、リスケ交渉が始まるまでに時間がかかり過ぎてしまうでしょう。

営業が整理してから上席者に話がいくようでは、遅すぎるのです。

そうならないためにも、リスケ交渉は融資担当者に話を持って行き、できるだけ上席者と交渉できるようにお願いすることが大切です。

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全銀行を並行で

多くの会社は、複数の銀行と付き合っていると思います。

リスケ交渉にあたっては、全ての銀行に交渉し、支払いを猶予してもらい、事業再建に臨む必要があります。

しかし、複数の銀行と交渉するためには、必ず守るべきマナーがあります。

銀行は独特な慣習を持つ組織であり、衡平・公正・透明の3つのポイントを非常に重要視するからです。

このポイントを守るために、リスケを申し入れる際には、必ず借りている全ての金融機関に対し、同じ日に申し入れることがマナーとなります。

なぜならば、もしも1日でも遅れてリスケを申し入れてしまうと、後回しになった銀行は「衡平ではない(つり合いが取れていない)」と感じてしまい、リスケに消極的になる可能性が非常に高くなるからです。

なんといっても大切なのは、繰り返すように衡平・公正・透明です。

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この三つのいずれも外してはいけないのだ!

中小の会社では、借り入れている銀行はそれほど多くないと思います。

好調時に積極的に借入先を開拓した会社でも、多くて7行といったところで、それ以下の会社がほとんどです。

したがって、事前にしっかりとアポを取り、計画的に申し入れていくならば、スケジュール的な問題はないと思います。

もし、何らかの理由から、どうしても同じ日に申し入れることが不可能だとしても、せめて電話でリスケの趣旨を説明するべきです。

銀行の回り方のポイント

衡平・公正・透明が大切とは言っても、できるのは同じ日というだけのことで、借入先全てに同じ時間に報告することはできません。

したがって、リスケの申し入れには、どうしても順番が生じます。

この時、最初に申し入れなければならないのは、最も融資残高の多い銀行、つまりメインバンクです。

これは、メインバンクを差し置いて、他の銀行に先に申し入れることがいけないのではなく、リスケをスムーズに進めるためにも必要なことです。

銀行の慣習では、最も融資シェアが大きいメインバンクは、責任を持ってその会社を支援する必要があるという慣習があります。

もちろん、銀行も企業ですから、いざとなればそんな必要はないのですが、やはり慣習としては根強く残っています。

したがって、メインバンクに話をつけておくということは、他の銀行からすれば「メインバンクが支援するなら、潰れることはないだろう」という安心につながり、リスケ交渉に応じやすくなるのです。

もちろん、メインバンクに交渉したとしても、すぐに「わかりました、リスケに応じましょう」とはなりません。

「本部との兼ね合いもありますから・・・」という対応になります。

このため、同じ日に2番目以降の銀行にリスケを申し入れる段階では、メインバンクの支援が確定しているわけではありません。

しかし、2番目以降にリスケを申し入れ、

「メインバンクには、本日一番でリスケを申し入れ、支援を仰いでいるところです。また、本日中に全ての銀行にリスケをお願いしていきます。」

と言えば、銀行員は「この社長はマナーが分かっている」と安心することでしょう。

当然、2番目以降に申し入れる銀行は、

「メインバンクはどのようにおっしゃっていましたか?」

と聞いてくるでしょう。

この時、安心を勝ち取りたいがために「支援してくれるようです」などと言えば、嘘をつくことになり、衡平・公正・透明が失われます。

そこで、

「本部に稟議してみなければわからないとのことです。しかし、お話しだけはしっかり聞いてもらうことができました。」

というのです。

これならば、ありのままを伝えただけであり、衡平・公正・透明が失われません。

それでも、対応する銀行は「しっかりした社長だな」と思い、支援に前向きになる可能性が高いです。

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銀行員への配慮

次に、銀行へリスケを申し入れるタイミングについて考えていきましょう。

タイミングの重要性を認識しておくことは、非常に重要なことです。

なぜならば、銀行は稟議制度によって、融資やリスケなどが決裁されているからです。

融資課の上席者に相談をすることで、リスケの判断が早まりますが、それでも本部決裁を得るために早くても2週間、普通は3週間、遅ければもっとかかることもあります。

繰り返す通り、社長の本来の務めは業績回復に力を注ぐことです。

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そのために、リスケ交渉はできるだけ早い段階で済ませ、本業に集中したいところだ!

そのことを踏まえると、リスケ交渉短縮に重要なことは、銀行の担当者にリスケの稟議書をしっかりと書いてもらうことです。

稟議書は、担当者から上席者へ、支店長へ、本部担当者へとリスケの話を通すための書類ですから、これがしっかりとしていなければ、稟議書がより上席へと進んでいく中で、追加の資料や説明を求められることになります。

そうなれば、担当者から社長へ再度質疑応答が行われることも増え、なかなかリスケ交渉が進まなくなります。

だからこそ、稟議書をしっかりと書いてもらうことが大切です。

稟議書をしっかり書いてもらう前提として、稟議書をしっかり書くだけの時間を確保してもらう必要があります。

したがって、リスケ交渉を開始するのは、五十日や月末(特に月末)を避けたタイミングが重要となります。

五十日とは、五と十が付く日であり、この日と月末は資金のやり取りが行われることが多く、銀行は忙しくなるのです。

特に月末は、融資先への延滞管理が必要となりますし、あらゆる数字の締め切りとなりますから、非常に忙しくなります。

このため、五十日は仕方ないとしても、25日以降の月末は避けるべきです。

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25日から月末にかけては、銀行員たちは非常に忙しくなるのだ!

皆さんも、忙しい時期に労力のかかる嫌な話を持ち掛けられたら、気分が悪くなると思います。

気分が悪く、作業に時間をかけられないタイミングですから、どうしても稟議書の作成は遅れてしまいます。

月末に申し込んで、忙しくなくなってから作成してくれればよいではないかと考える人もいるかもしれませんが、それにしても銀行員の心証が悪くなります。

なかなか本部決裁が下りない時間が長くなれば、社長も落ち着いて本業に取り組むことができません。

良くないことが多いため、月末のタイミングは避けるべきなのです。

タイミングは三つのポイントを押さえる

では、どのようなタイミングが良いのでしょうか。

  • (ア)まず、稟議書が作成され、上席者へと流れていく時間を2週間と仮定して、約定返済日から2週間前というのが一つのタイミングとなります。
  • (イ)次に、上記の理由から、月末の繁忙期は避けなければなりません。
  • (ウ)そして、月末を超えて延滞を起こさないようにしてください。

逆に言えば、これらを満たすタイミングは延滞の心配がなく、繁忙期も避けており、約定返済日まで時間の余裕がある状態ですから、担当者もしっかりと腰を据えて稟議書を作ることができます。

例えば、約定返済日が月末の会社であれば、約2週間前の15日にリスケを申し入れれば、銀行員も対応しやすいと言えます。

ただし、リスケを申し入れるくらいですから、資金繰りにも追われているでしょうし、なかなかスケジュールの都合がつかないこともあると思います。

もし、この三つのポイントをすべて満たせない場合には、優先順位をつけ、より重要なポイントから満たしていく必要があります。

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最も重要となるのは、(ウ)の延滞を起こさないことよ!

もし、スケジュールの都合がつかないからと言って、リスケを申し入れることなく延滞を起こしてしまうと、リスケどうこうという以前に、何の連絡もなかったことによって信用を失うことになります。

銀行からの信用を失った時に起こる最悪のケースは、融資の全額回収に乗り出すことです。

そうなってしまえば、リスケどころではありません。

したがって、まずは月末を超えた延滞を起こさないことが重要です。

次に重要なのが、(イ)の繁忙期を避けることです。

スケジュール的にどうしようもなければ、月末の交渉開始でも仕方ありませんが、せめて25日前には交渉を開始しておきたいものです。

最も後回しになるのが、(ア)の2週間前に交渉を開始することです。

スケジュールの都合はあるでしょうが、会社の資金繰りは危険な状況にあるわけですから、できるだけ早く交渉を開始することは重要なことです。

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それでも、延滞を避けること、月末を避けることを優先し、その中でできるだけ早い交渉開始を目指そう!

以上のことから、最悪の場合でも月末の延滞が発生する前、当月の25日までにはリスケ交渉を開始するようにしましょう。

延滞を避けることができれば、月末の繁忙期に差し掛かってしまったとしても、会社側の立場を汲んでくれる場合もあります。

誠意をもって対応すれば、その誠意が延滞前の交渉開始につながっているわけですし、銀行員も理解しようとしてくれることが多いです。

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リスケは1年間で

リスケ交渉では、リスケの期間も含めて交渉していきます。

この時、リスケの期間は必ず1年間とすべきです。

これは、1年に満たないリスケでは、どうしても具体的な成果を出すことができないからです。

リスケ交渉はうまくいっても、リスケの結果として再生の兆しが見えてこなかったのであれば意味がありません。

まず前提として、銀行はリスケの期間は短い方がいいと考えています。

これは当然のことで、銀行は貸す側ですから、回収できない期間はできるだけ短い方がいいに決まっています。

ですから、リスケの期間を交渉する際、銀行は少しでも短くするように迫ってきます。

半年では無理か?ならば9ヶ月では?と言ったように、少しでも短くしようとしてくるのです。

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しかし、会社としては断乎として1年のリスケ期間を要求すべきだ!

というのも、リスケによって事業を再生するためには、1年なければ不可能なケースが非常に多いからです。

これは、リスケ承認後の流れを見てみると良くわかります。

仮に、銀行の要求する6ヶ月という期間を会社側が呑んだ場合で考えてみましょう。

  1. リスケ承認後、その後の事務手続きなどに1ヶ月は要します。
  2. 会社は6ヶ月後のリスケ完了に向けて、その1ヶ月前(つまりリスケ承認から5ヶ月後)には経営改善計画書を提出し、元金返済額の協議が必要になります。
  3. 2の経営改善計画書の作成自体に、半月から1ヶ月を要します。

つまり、6ヶ月のリスケ期間を設けたと言っても、実質的な経営改善の期間は3ヶ月くらいしかないのです。

リスケを申し入れるほどにひっ迫していた会社の資金繰りが、たった3ヶ月で改善されるとは思えません。

6ヶ月では、あまりにも短すぎるのです。

また、銀行は原則的に、リスケ期間を最長1年として考えています。

ならば、銀行が受け入れられる範囲内で、リスケの具体的な効果が表れる期間として、リスケ期間を1年間としてお願いするのが、銀行にとっても会社にとっても、最も良い選択となるのです。

銀行との交渉は?

ただし、やはり銀行としては、できるだけ短くすることを希望してきます。

多くの場合において、

リスケは前向きに検討しましょう。しかし、なんとか6ヶ月でお願いできませんか。

などと言ってくることになると思います。

この時、社長は合理的な説明によって、銀行に1年間の条件を呑んでもらうことが必要です。

すなわち、


当社としても、リスケをお願いすると同時に、リストラを徹底し、経営改善に注力していく所存です。

しかしながら、まず全社に意識を徹底するのに、2~3ヶ月は必要になると思います。

リスケ期間が6ヶ月ですと、リスケ承認後の手続き期間や、元金返済協議のための経営改善計画書の作成期間を考えますと、意識の徹底だけに終わってしまい、リスケによる具体的な効果が見えてこないと思われます。

具体的な効果が見え始めるのに、6ヶ月は必要と想定しています。

具体的な効果が見え、はっきりとリスケの効果が表れてくるには、どうしても1年必要です。

また、リスケをお願いする以上、今までのように運転資金を融資に頼るわけにもいきませんから、1年のリスケ期間にある程度の資金をプールしていきたいと思っています。

その意味でも、1年間は必要と考えます。


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このように説明すれば、銀行員も納得することだろう!

少なくとも、ただリスケ期間が長ければいいと考えているのではなく、具体的な意図があることが分かってもらえると思います。

中には、銀行のシステム的な理由から、どうしても6ヶ月のリスケしか承認できない場合もあります。

しかし、その場合でも1年で依頼し、6ヶ月経過後に再稟議してもらい、さらに6ヶ月のリスケという形で、合計1年間のリスケ期間を設けてもらうことが大切です。

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金利は据え置きを

リスケ交渉の際には、元金の支払いを求めない代わりに、金利の引き上げを求められることがあります。

特に、メガバンクが金利上昇を主張することが多いと言われます。

リスケを何としても勝ち取りたい社長は、これを受け入れてしまうことがあります。

しかし、小幅な上昇ならばまだしも、2~3%も上昇してしまうことがあるため、そのような場合には受け入れない姿勢が大切です。

確かに、金融市場の変化や取引内容によって、金利が多少変動することは普通にあることです。

しかし、数%という大きな変動は、よほどのことがなければ起きるものではなく、リスケ交渉で数%も金利が上昇するというのは異常なことです。

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銀行としては、リスケ期間中には元金の回収ができず、金利だけを回収していくことになるわ。

さらに近年の銀行では、融資金利の利ザヤが縮小していますから、機会をうかがい、少しでも金利を上げようとしてきます。

そもそも、金利は銀行の儲けになると同時に、リスクヘッジとして機能しています。

つまり、貸し倒れのリスクが高い取引先に対しては、高い金利を付与することによってリスクヘッジを図るのです。

銀行は、融資先の各会社の債務者区分(貸し倒れリスクに応じて会社を分類するもの)を決定し、その区分に応じて、さらに市場金利などを加味して金利を決めています。

つまり、一般的には、債務者区分が良ければ金利は低く、債務者区分が悪ければ金利は高くなるか、借りられなくなります。

さらに、経営状況によって債務者区分が上がれば金利は下がり、債務者区分が下がれば金利は上がり、変化がなければ据え置きとなります。

銀行の債務者区分が会社にとって重要と言われるのは、ここに理由があります。

リスケ交渉は、資金繰りが悪いからこそ行うのであり、債務者区分が下がり、金利が上昇するのもやむを得ないと考える社長も多いと思います。

しかし、リスケの際には経営改善計画書を提出しています。

そして、経営改善計画書を認められるということは、銀行としては「今後の経営改善計画から考えて、債務履行には問題ないが、現在の業況や財務に問題あり」と判断したということです。

このような判断は、債務者区分では正常先に当り、それほど金利は高くはならないはずです。

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リスケによって上昇するにしても、ほんの小さな上昇に止まるのが普通だ!

金利交渉はこうする

以上のように、銀行が大幅な金利上昇を求めることは、不合理なことです。

したがって、数%もの上昇を提案されたならば、以下のように切り返すのが効果的です。


「経営改善計画書をご覧いただければ、当社の債務者区分は正常先になるものと考えています。

正常先であれば、金利の大幅な上昇は納得がいきません。

もちろん、金融市場の大きな変化などによって金利が上昇するならば、それは仕方のないことだと思います。

金利上昇について、合理的な説明をお願い致します。」


金融市場に大きな変化がない場合、銀行は合理的な説明ができませんから、提案を引っ込めざるを得ません。

どちらかというと、銀行側が吹っ掛けてきているのですから、社長が意外と金利やリスケの事情に通じていることが分かると、ボロを出さないためにも、銀行はあまり強気の交渉はしなくなるものです。

なお、信用保証協会保証付融資を受けているならば、銀行側にリスクがありません。

リスクの増減によって金利も上下するのですから、リスクがない信用保証協会保証付融資ではリスクの増減もなく、金利の上下もありません。

したがって、信用保証協会保証付融資を受け、リスケ交渉をした際に金利の上昇を求められたならば、銀行側にリスクはないのにどうして金利が上昇するのか説明を求めましょう。

そうすれば、銀行も提案を引っ込めるはずです。

手形割引は従来通り

リスケ交渉の際、銀行から、「リスケ期間中は新規の融資は不可能になるので、手形割引も難しい」と言われることがあります。

しかし、手形割引はこれまで通りに継続してもらうことが非常に重要です。

そもそも、手形割引は銀行としては融資の一種と認めているにしても、その他の融資とはかなり性格が異なるものです。

銀行は、融資の際に資金使途を重視しますが、それらの融資の目的は、

  • 売上増加に伴う運転資金
  • 季節性の売上変動に伴う運転資金
  • 社員の賞与のための資金
  • 法人税を支払うための資金
  • 設備投資などの長期資金

など、いろいろに分かれます。

しかし、手形割引の資金使途は、あくまでも売掛金の回収と買掛金の支払いの差を埋めるために必要となる運転資金です。

通常、会社が商品やサービスを売る際には、掛け売りになることがほとんどであり、数週間から数ヶ月先に現金として回収されます。

その間、仕入れ代金などの支払いが生じますが、まだ手元に現金がないため支払いができず、事業が立ち行きません。

そこで、手形を割り引いてもらうことで資金を調達し、事業を継続していくのです。

このことから、融資を受けられないリスケ中、手形割引までも拒否されたら、会社の再生は不可能となります。

そこで、従来の手形割引の範囲内で、手形割引を継続してもらえるように強く要求しましょう。

銀行が不可能だと言っても、

「手形割引は、長期・短期の借入をせずに事業を続けていくにあたって、運転資金を確保するために必要となります。

あくまで従来通りの金額の範囲内で、継続をお願いします。」

とお願いしましょう。

手形割引ができなければ事業の継続が困難になることは、銀行側も良くわかっています。

 

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手形割引を拒否されるケースはかなり稀よ!

したがって、拒否された場合にもこのようにしっかりと交渉すれば、認めてくれることが多いです。

追加担保・保証人は断る

よくある事例に、リスケを承認する代わりに、担保や保証人を追加するように要請されることがあります。

銀行としては、リスケを承認したとしても、リスケ後に経営が改善されなければ貸し倒れとなりますから、その時に備えて追加の担保や保証人を欲しがるのです。

しかし、これは絶対に応じてはなりません。

すでに書いた通り、リスケ交渉では衡平・公正・透明が徹底して守るのが、マナーの基本です。

全ての銀行に対して、同じ価値の担保と保証人を追加で差し入れられるならばいいのですが、そのようなことは不可能です。

一部の銀行にだけ担保や保証人を入れることになります。

となると、衡平・公正ではなくなります。

また、特定の銀行が抜け駆け的に担保・保証人の追加を依頼するのですから、透明でもありません。

追加の担保・保証人を依頼していない銀行に対して、重大な信義違反となり、リスケ交渉がたちまち破綻してしまいます。

しかし、追加の担保や保証人を求められた場合には、貸し倒れに備えたいという銀行側の都合も十分にくみ取った上で、丁寧に断る必要があります。

例えば、

「リスケに当っては、衡平・公正・透明が重要であると認識しています。

全行に対して同様のお願いをしなければ、衡平・公正・透明が維持できなくなり、リスケに応じていただけなくなる銀行も出てくるものと思います。

したがって、追加の担保や保証人を依頼された場合、全ての銀行様に対してお断りするようにしています。」

などと話しましょう。

このような対応は、銀行の求める衡平・公正・透明を踏まえており、銀行側の立場を汲んだうえでの対応となるため、銀行にとっても納得しやすいものです。

担保や保証人の追加を依頼してきた銀行としても、銀行側の論理を以て断られるのですから、納得せざるを得ない状況に持ち込むことができるのです。

まとめ

リスケ交渉において守るべきマナーは、本稿の通りたくさんあります。

これらのマナーをきちんと守って交渉できる社長と、そうではない社長では、全く結果が異なってくると思います。

特に、衡平・公正・透明を守るというマナーを破ってしまうと、リスケ交渉はたちまち難航し、成立しない可能性が非常に高いです。

リスケしなければどうしようもない状況に追い込まれている会社ですから、社長のマナーによってリスケを断られてしまえば、会社は存続できなくなるでしょう。

まさに、リスケ交渉が必要な会社にとっては、社長のマナーが生命線とも言えるのです。

皆さんも、リスケの際には、本稿で紹介したマナーを守って交渉すると、成功率がグッとアップすると思います。