元銀行員が語る「貸したくない社長」(2)自己中な社長には貸したくない

第1部では、話が通じない社長には貸したくないという話を聞いてきました。

そこでも、自己中心的で一方的に喋る社長は嫌われるということでしたが、自己中心的な態度は銀行員との対話以外でも現れます。

それを見られてしまうと、銀行員は「こんな社長には貸したくない」と考えることも非常に多いようですから、本稿を読んで皆さん自身にその要素がないかを考えてみてください。

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自分が一番正しいと思う社長

―――話が一方通行で、自己中心的な社長には貸したくないとのことですが、一見控えめに見えても実際には自己中心的というタイプもいるのではないでしょうか。

元銀行員:そういう人もいると思います。自己中心的というのは、一方的に話すこと以外の面でも現れますね。

というよりも、中小企業の社長には、基本的に自己中心的なタイプが多いように感じます。

もちろん、程度の差はありますけれども、経営者という地位がそうさせる部分はあるんじゃないかと思います。

 

―――上場企業とは違って、権力が経営者に集中するからでしょうか。

元銀行員:それは大きいでしょうね。上場企業には色々な人が関係していますから、株主をはじめとした多くの人に配慮して経緯していきます。

しかし、中小企業ではそういうことは少ないでしょう。ある意味でわがままが通る、ある意味で孤独といった感じです。

また、経営というのは難しいもので、毎年多くの会社が倒産するものですよね。孤独にやってきた結果、長期間にわたって会社を率いてくると、社長には自信が芽生えてきます。

自信は大いに持ってもらって結構と思うのですが、それが驕りになると問題です。

周りからすごいと言われているうちに「俺には経営の才能がある」「俺が一番正しい」と思う社長も出てきます。自分の考えが一番正しいのですから、それに意見を唱える社員は「間違った社員」ということになって疎まれます。

気づけば周りはイエスマンばかりになって、それが社長の驕りに輪をかけるわけです。

しかし、「そんなに才能があっても謙虚な自分」という演出を忘れない社長も多いです。

よく、「わが社の成功は皆さんのおかげです」「いつも感謝しています」などと口にするのですが、これが「自己中心的でありながら、控えめに見える社長」でしょうね。

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―――そんな社長でも、自己中心的だから貸したくないと思うものでしょうか。

元銀行員:もちろんそうです。一見控えめに見えても、結局のところ自己中心的ならば、そのような評価をするほかありません。

場合によっては、一見控えめなほうがタチが悪いと感じることもありますね。最初は銀行員も控えめな社長だと感じることもありますから。

しかし、そういう社長はいずれ自己中心的な部分を見抜かれるものです。

社長自身は「俺には経営手腕があって、考え方も一番正しいが、謙虚なふるまいもできる」と思い込んでいるのですが、周りから見ればそうではありません。

他人の手柄を横取りする・他人に責任を擦り付ける

―――どのようなところから、自己中心的な部分を見抜くのですか?

元銀行員:はじめは、自分が正しい、才能があると思い込むとしても、自分の考え方・才能を過信するというほどではありません。これまで考えてきたこと、やってきたことが正しかった、才能もあったという、分相応のものです。

しかし、周りがイエスマンばかりになると、だんだん自分の考えや才能を過信するようになってきます。

すると、周りに助けられて成功していることや、社員が頑張って成し遂げたことなども、自分の考えや才能によって成し遂げたかのように勘違いしてしまうんですね。

銀行員は融資を出せるかどうか、それを真剣に考えるために多くの人を観察しています。口先だけの驕った社長が、いつまでも騙し続けることは不可能です。

 

―――つまり、手柄の横取りですね。指導者としては明らかな欠陥です。

元銀行員:それだけではありません。成功したときだけではなくて、失敗したときも同じですよ。自分は正しい考えを持っていて才能もあるのですから、失敗することはないと考えています。

しかし、実際に失敗が起こっているとすれば、それは自分以外のどこかに問題があるということになりますね。

そこで、社員や社外の関係者に責任を擦り付けるわけです。

このように「俺が、俺が」になってくると、周りからだんだんと人が離れていきます。

社員の心も離れますし、社外の関係者も距離を置くようになります。

「周りのおかげです」「感謝しています」と言いながら、手柄は横取りして、責任は擦り付けているのですから、これでは周りが離れていっても仕方ありません。

仕事も少しずつ少なくなってきて、いずれ業績も悪化してきます。

実際、私が現役のころに見てきた社長の中にも、せっかくうまくいっていたのに、うまくいったことで自分の経営手腕を過信するようになって、会社をつぶしてしまった人を何人も見てきました。

だから、一見控えめに見えても、結局自己中心的な社長であれば融資したいとは思いませんね。今は儲かっていても、いずれ業績が落ちていくのではないかと不安になります。

 

―――では逆に、謙虚な社長はどう思われますか?

元銀行員:謙虚すぎるのもどうかと思いますし、自己中心的すぎるのもどうかと思いますし、難しいところだと思います。

経営者という立場から考えると、時には他社と争って生き残っていく必要があるのですから、謙虚に徹するばかりではうまくいかないでしょう。

社長なんですから、ある程度は我が強くてもいいと思います。

例えば、会社の方針が分かれているならば、社長がいずれかの決断を下す必要があります。場合によっては、少数派の意見を採用することもあると思いますが、その際には多数派の意見を押しのけて、我の強い態度で押し通していく必要があると思います。

しかし、社員の手柄は社員の手柄としてほめたり、給与で報いてあげたりして、手柄を奪うことなく謙虚になることは大切ですよね。

口先だけで「周りのおかげだ、感謝している」と言うくらいならば、むしろ言わないほうがいいでしょう。それを言うならば、感謝を形に表すんです。

それが社長に求められる謙虚さのひとつでしょうし、そういう社長には貸したいと思えますね。

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顧客を大事にしない社長には貸さない

―――自分が一番正しいと考える社長を見ていて、何か「これはまずい」と思った具体的な問題はありませんか?

元銀行員:そうですね・・・色々ありますけれども、自分が一番正しいと考えている社長は、顧客を大切にしない傾向があると思います。

もちろん、いい付き合いができている顧客ならば、普通の商売人の考え方として大切にします。しかし、付き合いがすこしこじれてくると、顧客を大切にしない人が多いように思いますね。

買ってくれる人がいて、初めて商売が成り立つというのは、商売の素人である銀行員でも知っていることです。

その買ってくれる人を大切にしない社長は大問題で、銀行員が「貸したくない」と考えても当然ですよね。

嘘みたいな話ですけど、自分が一番正しいと考える自己中心的な社長の中には、そういう人が結構いるんです。

 

―――具体的には、顧客に対してどのような対応をするのでしょうか。

元銀行員:例えば、クレーム対応を考えるとよくわかります。クレーム対応が悪いと評判になっている会社は、銀行員の耳にも評判が入ってきますし、そういう会社は業績が悪化することが多いです。

不満を抱いた顧客がクレームをつけてきて、顧客のほうが正しいことを言っていても、社長が「俺の考えが一番正しい」と考えているのですから、「顧客の考えは少なくとも俺より正しくない」と言うことになりますね。

それでも、不満よりも満足のほうが大きいと感じている顧客が多いうちは、それなりに好業績をあげられることもあります。しかし、いずれ満足は低下していくでしょうし、クレームを正しく処理しなかったことで不満が不満を生んで、いずれ不満のほうが大きくなっていきます。

すると、顧客離れが加速して業績も低下してきます。

顧客が正しいことを言っていても聞く耳を持たないならば、その社長はもはや常識がないといってもいいでしょう。そのような社長が率いている会社に将来的な返済力は期待できませんし、融資も出したくありません。

少なくとも、顧客を大事にする社長に貸したいと思いますから、そのような社長に融資は回ってこないでしょうね。

 

―――顧客を大切にするということでは、責任逃れも慎むべきでしょうね。

元銀行員:さきほどもお話ししましたが、責任を擦り付ける社長は大問題だと言いましたね。責任逃れは、顧客離れを引き起こすこともあります。

例えば、顧客に発送した請求書が間違っていたとします。社長が、「それは社員の間違いだ」と考えたり、会社全体で「それは印刷会社のミスだ」などと考えるならば、顧客をないがしろにしていると言えますね。

顧客ときちんと向き合っている会社や社長ならば、それが顧客の囲い込みにもつながり、将来的な業績の安定も期待できます。

銀行から融資を受けるためには、顧客を大事にするということも重要な要素です。

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まとめ

第1部に続いて、第2部でも社長の自己中心的な部分に触れてきました。

自己中心的な社長は、他人の手柄を横取りしたり、自分のミスを他人に擦り付けたりすることがあり、それが将来的な業績低下につながる可能性があります。

そのため、自己中心的な社長に対して、銀行員は「貸したくない」と考えることが多いのです。

経営者として、自我を押し通さなければならないこともあると思います。

しかし、それは自己中心的な態度とは異なります。自己中心的にならないように気をつけておかなければ、融資交渉に大きなマイナスになるかもしれません。

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