資金使途の把握なくして融資はあり得ない。賞与資金の融資交渉が決裂した例

銀行が融資を判断する際に、重視する要素は複数挙げられます。その中でも、非常に重要な要素でありながら、あまり意識していない社長も多い要素と言えば、「資金使途」です。

借りたお金をどのように使い、それが経営にどう影響し、返済にどうつながっていくかを把握しなければ、銀行は融資することができません。

だからこそ、資金使途は重要なのです。

本稿では、資金使途の重要性を解説すると同時に、資金使途が原因となって融資を受けられなかった実例も紹介します。

資金使途について

銀行から融資を受けるにあたり、重要な要素は何といっても業績と財務です。

これが安定して推移している会社であれば、銀行も貸し倒れリスクが低いと判断し、無事に融資を引き出せる可能性も高まります。

たしかに、業績と財務に大きな問題がないことは、融資実行の必須条件と言えるわ。

しかし、この点で問題がなければ、必ず融資を受けられるということではありません。

いくら問題がないように見える会社でも、銀行が気づかない部分で問題を抱えている可能性があるからです。

問題に気づいていないならば、融資を拒否する理由もなく、やはり難なく融資を引き出せるのでは?と思うかもしれません。

しかし、問題を明確に把握していなくとも、問題がある可能性がある、という判断は可能です。

どうやってその可能性に気づくかと言えば、多くは「融資するための合理的な理由がない」という場合です。

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資金使途はなぜ重要か

融資するための合理的な理由とは、実際に資金需要が発生しており、その資金需要に応じた融資を希望していることです。

例えば、運転資金として1000万円の資金需要が発生しており、会社は銀行に1000万円の融資を申し入れているならば、そこには融資できるだけの合理的な理由があります。

つまり、会社が銀行に対し、資金使途を正確に伝え、銀行もそれに矛盾や疑問を抱かない、あるいは矛盾や疑問を抱いても説明によって納得できるならば、その融資は合理的だと言えます。

合理的な理由が見当たらない融資は、銀行にとってリスキーです。

なぜならば、資金使途が良くわからないため、融資した資金が経営にどのような影響を与えるのかも分からず、利益につながるかどうかも分からず、利益からの返済を期待できないからです。

だからこそ、いくら業績や財務が良好でも、資金使途が不明確であれば融資は実行されません。

銀行が納得しないのだから当然だ。

この意味で言えば、銀行が納得できる資金使途があれば融資は実行されやすいと考えられます。

そのためには、資金使途を単に「運転資金」などと伝えるのではなく、「大手企業A社から○万円の受注が入り、それに伴って生じる○万円の増加運転資金を融資してほしい」など、具体的な説明ができたほうが好ましいと言えるでしょう。
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資金使途が明確でなければ融資謝絶

もし、資金使途に納得できない、すなわち会社が主張する資金需要が見当たらないとすれば、会社は融資を申し入れる必要はないはずです。

やはり、何らかの資金需要が発生しているからこそ融資を申し入れているのであって、それが何なのか分からず、会社も十分に説明できないとすれば、会社は銀行に言えない問題を抱えているのかもしれません。

よくあるのが、赤字に陥ったり、過剰在庫を抱えてしまったりした会社が、銀行に本当の理由を伝えることなく、運転資金として申し入れるというパターンです。

この場合、銀行は資料を分析し、社長とも面談をし、運転資金という資金使途に納得がいかないと考えます。

そのままでは稟議書を書くことはできないため、詳しく調べる必要があります。

調べてもわからなければ、融資謝絶となるだろう。

調べた結果、嘘の資金使途であったことが発覚することもあります。

例えば、

”所要運転資金額を計算したところ、1000万円必要であることが分かった。しかし、会社が申し入れた融資希望額は2000万円であった。差額の1000万円について、社長から納得のいく説明もされなかった。
詳しく調べていくうちに、1000万円の売掛金が貸し倒れになっていることが分かった。”

といったケースです。

もし、業績や財務だけを根拠に、よく調べないままこの融資に応じてしまえば、銀行は高いリスクを抱えることになります。

運転資金として必要な1000万円はまだしも、赤字の補填に使われた1000万円は、単に埋め合わせとして使われるだけで、利益にはつながりません。

したがって、返済原資が確保できない可能性もあります。

銀行では、間違ってもこのような融資を通さないよう、しっかり稟議している!

資金使途が不明であれば、融資を受けられる可能性はまずないと言っていいでしょう。

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資金使途不明で交渉が決裂した例

より具体的に理解するために、資金使途が不明であることによって融資を受けられなかった、実際の例を見てみましょう。

B社は、C銀行に対して賞与資金の融資を申し入れました。B社の賞与資金は、毎回C銀行から融資を受けており、C銀行としては今回も例年通り融資を実行するつもりでした。

これまで、長期にわたって繰り返されたB社への賞与資金融資は、毎回1000万円前後で推移していました

従業員1人当たりの平均支給額は20万円、従業員は50人ですから、1000万円という希望は、資金使途として何ら問題ない、合理的なものでした。

しかしその時、B社が申し入れた融資希望額は2000万円でした。

例年より1000万円増加しているため、銀行は「例年通り」とみなすことはできません。

単純に計算しても、従業員もしくは支給額が2倍に増えなければ、賞与資金が2倍に増加することはあり得ません。また、前回の賞与から今回の賞与までの短期間で、そのような大きな変化が起こることは考えにくいです。

そこで融資担当者は、社長に対して「従業員や支給額は変わりましたか?」と聞いてみたのですが、社長は「大きくは変わっていない」と答えます。

となると、本来の必要調達額は1000万円であり、残る1000万円は余計な借入れ、資金使途の不明な借入れとなります。

 

そのままではとても融資を実行できないため、融資担当者は社長に対して、

「賞与資金は1000万円で十分なはずですが、2000万円の融資希望となっています。1000万円の資金使途が分からなければ融資を検討することができないのですが、この1000万円は何のための資金ですか?」

とストレートに尋ねました。

すると社長は観念したのか、1000万円の売掛金の入金が遅れており、資金繰りが厳しくなっていると明かしました

1000万円の賞与資金として融資を希望していれば、銀行は売掛金の回収トラブルに気づくことなく、例年通りの方針で検討して融資を実行していたかもしれません。

しかし、売掛金回収が遅れており、資金繰りが不安定となれば、話は全く変わってくるわ!

融資担当者は社長から詳しくヒアリングし、1000万円の賞与資金と、1000万円の運転資金として稟議書を書きました。

C銀行はB社のメインバンクではなかったため、稟議の結果は「融資は謝絶。社長はメインバンクに相談するように伝えること」となりました。

 

本来、賞与資金は数ある資金使途の中でも、融資交渉が比較的容易なものです。

特に、毎年同じ銀行に融資を依頼し、例年並みの融資希望額になっていれば、会社に大きな問題が発生していない限り、融資されることが多いです。

そのような賞与資金でさえ、資金使途がはっきりしなかったことによって、融資を受けられなくなってしまったのです。

この実例から考えても、銀行がいかに資金使途を重視するかが良くわかると思います。

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まとめ

銀行は、資金使途を確実に把握したうえで融資を検討します。

資金使途が曖昧であれば、その融資が妥当であるかどうかも分かりませんし、貸し倒れリスクも分かりません。

そのような融資に応じられるはずがないのです。

融資交渉にあたって、会社は資金使途の重要性をよく知り、銀行に矛盾や疑問を感じないように交渉していかなければなりません。

そこで疑われ、納得のいく説明ができなければ、融資交渉は失敗します。

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