金融機関との面談を不安がるのは間違っている!その理由とは?

金融機関に融資を依頼したときには、資料の提出に加え、金融機関と面談する必要があります。

面談は、資料の補完のために行われ、資料では読み取れないことを把握したり、資料から把握した内容に誤りがないかどうかを確認するためのものです。

このように書くと、面談は非常にシンプルなものと言えます。

しかし、面談時に必要以上に緊張してしまい、失敗する経営者は多いものです。

本稿では、融資の面談の内容や心がけについて解説していきます。

融資と面談

金融機関に融資を申し入れたとき、会社は金融機関の求めに応じて資料を提出します。

代表的な資料は決算書ですが、このほかにも事業計画書、資金繰り表、試算表などの資料を提出する場合もあります。

これらの資料は、会社の業績や財務に関するものであり、銀行員はそれを分析することによって、会社の収益力や財務の安定性などを把握していきます。

財務分析によって得られる情報は非常に役立つものよ。

資料の数値を分析すれば、資金繰りがどれだけ安定しているか、過去との比較でどのように推移しているか、問題の有無や大小はどうであるかなど、色々なことが分かるのです。

この分析から、融資の妥当性を見積もっていくことができ、融資すべきかどうかを大方決めることもできます。

とはいえ、資料だけで融資の可否を判断することはできません

これらの資料の大部分は数字によって作られている定量的な情報であり、その数字が会社の実態を正しく反映しているかどうかを確認したり、数字に表れない情報を把握したりしなければ、本当に正しい判断とは言えないのです。

そのためには、経営者から直接話を聞く必要があるのです。これが、金融機関が面談を行う理由です。

必要以上に不安を抱かない

日本政策金融公庫などの政府系金融機関でも、民間金融機関でも、融資を受ける際には面談を避けることはできません。

もし、資料の提出だけで済むならば、しっかりと作りこんだ資料を提出して結果を待つだけでよいため、精神的にもそれほど負担にはならないでしょう。

しかし、面談では銀行員と直接話をするのですから、

  • 「分からないことを聞かれたらどうしよう」
  • 「うまくしゃべれるだろうか」
  • 「余計なことを言ってしまいそうだ」

といった不安を覚える経営者は多いものです。

確かに、面談は融資に必要なものであり、結果に影響を与えるものです。

しかし、面談によって融資が大きく左右されることはそれほど多くありません

 

前述の通り、金融機関の考え方では、まず資料を分析して融資の可否をだいたい決めてしまい、面談はその補完として位置づけられています

資料を分析したとき、業績や財務が良いことが分かれば「積極的に融資したい」と考えますし、業績や財務が非常に悪ければ「融資謝絶の方向で」と考えます。

もちろん、資料分析の段階で「融資したい」と思っても、経営者が面談で大きな失敗をしてしまえば、融資を拒否されることもあります。

しかし、資料の段階で融資したくないと思われているものを、面談によって融資実行に覆していくことは簡単ではありません

つまり、融資の方針を大きく方向付けるのは資料にあるのだ!

経営努力によって業績や財務が好調であれば、ごく普通に面談をこなすことで融資を受けられる可能性が高いです。

したがって、それほど不安になる必要はありません。

苦戦を強いられて業績や財務が悪いならば、交渉テクニックによって融資を引き出すことを考えます。

ある意味、面談が融資を左右しているように見えるかもしれませんが、実のところ融資を左右しているのは業績・財務などの面談以外の要素であり、面談で左右される部分は限られています

 

したがって、融資の面談を不安に感じる人は多いと思いますが、過度に不安になる必要はありません。会社の状況が良い会社ならばなおさらです。

融資が難しい状況では、どうしても不安になると思います。

しかし、過度な不安や緊張に捉われ、適切な交渉ができなくなることは避けたいものです。

もちろん、横柄な態度は嫌われるので、程よい緊張感を持つのが良いでしょう。

そのうえで、融資面談では金融機関が求めていることをしっかりと話すだけだと考えて、落ち着いて臨むことが大切です。

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面談では何を話す?

「面談では何を話すのだろう」と不安に感じる人も多いと思いますが、面談で話す内容は提出した資料に関することがほとんどです。

日本政策金融公庫に創業融資を依頼しているならば、創業計画についてしっかり説明できれば問題ありません。

民間金融機関に通常の融資を申し入れる場合にも、決算書や事業計画書などの資料を説明するだけのことです。

もっとも、説明する内容や難しさは、金融機関に求めている融資の内容によっても変わります。

いくつかのケースに分けてみてみよう!

通常の会社の場合

ごく一般的な、つまり特に問題を抱えていない会社が、最も一般的な運転資金などの融資を受ける場合には、面談の内容も非常にシンプルです。

特に問題を抱えていないということは、決算書の内容もおおむね良好だと言うことです。

銀行員は財務分析によってそれを把握し、簡単な融資案件だと感じながら面談に挑みます。

経営者が説明を求められるのは、決算書や資金繰り表といった資料についてです。

といっても、銀行員はこれらの資料について、財務分析でかなり正確に把握しているよ!

このため、

  • 「このままでは融資が難しい。融資にプラスに働く材料を探っていきたい」
  • 「融資しにくい問題があるから、説明を受けてリスクを正しく把握したい」

といった理由で説明を求めるのではなく、銀行員が資料の分析から得た「基本的には融資したい」という結論の妥当性を確認する意味合いが強いです。

したがって、面談の流れとしては、経営者は銀行員の求めに応じて、近況や資金使途を簡単に説明し、決算書や資金繰り表に触れながら資金使途との整合性を確認し、融資実行を前提に条件なども話していくという流れになることが多いです。

銀行員は面談の内容を踏まえて、

「資料から、会社の業績・財務は良好。資金使途は運転資金で希望融資額は3000万円。これくらいの運転資金が必要になることは資料からも読み取ることができ、妥当性にも問題がない。収益力や返済力は十分である。社長の説明にも矛盾や問題は見られないから、融資したい」

などと考えます。

「しっかり説明しなければ!」と緊張したり、意気込んだりする必要はないことが分かります。

簡潔に、率直に話せば融資を引き出すことができるよ!

好調な会社が面談で失敗するケース

面談で求められることは提出資料に関する説明であり、提出資料についてうまく話せなければ、面談に失敗したといえます

好調な会社ならば、面談で失敗しても融資を受けられることが少なくありませんが、金融機関に何らかの違和感や警戒心を持たれる可能性があります。

また、経済環境や金融機関の経営状況が悪く、金融機関が基本的に融資に慎重になっているようなタイミングであれば、面談の失敗から融資を受けられなくなることもあります。

本来ならば融資を受けられる会社が、面談に失敗して融資を受けられなくなる例としてよく見られるのが、資料の作成を経理担当者や専門家に丸投げしているケースです。

この場合、経営者は資料の内容を把握していません。そのため、面談で正しく話すこともできません。

経営者が決算書や資金繰り表の内容を把握しておらず、会社の資金状況が分かっていなければ、銀行員は「数字に疎い社長」というイメージを持ってしまいます

数字に疎い社長とは、どんぶり勘定の資金繰りになりやすい社長であり、資金繰りをコントロールできずに資金難に陥る可能性がある社長であるとも言えます。

会社の業績や財務が好調であれば、どんぶり勘定でも経営は成り立つかもしれません。

しかし、会社の規模が大きくなって動かす資金量が増えたり、外部環境が悪化して資金繰りがきつくなったりすると、計画性のある資金繰りをやらなければ、資金ショートに陥る可能性が高くなります。

このため、銀行員は資料について説明できない経営者をマイナスに評価し、融資を断ることもあるのです。

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問題がある会社の場合

では、問題がある会社の場合の面談はどうでしょうか。

ここでいう「問題」とは、金融機関が財務分析をしたときに「返済力に懸念がある」と思われる問題です。

例えば、

  • 赤字である(返済に充てる利益が出ていない)
  • 減収減益が続いている(返済に充てる利益が出なくなるかもしれない)
  • 債務超過状態である(会社の資産を全て売っても債務を解消できない)

などの状態です。

このような会社は、融資を受けることが難しくなりますが、絶対に融資を受けられないわけでもありません。

赤字は重大な問題とされますが、それが一時的な赤字であれば融資を受けられる可能性があります。

減収減益傾向にあったり、債務超過状態にあっても、それが改善される見込みがあれば融資を受けられることがあります。

そこで求められるのが説明力よ!

銀行側は、提出資料から問題を把握しており、融資に慎重な姿勢で面談に臨んでいます。つまり、

  • 「問題が大きく、このままでは融資が難しい。本当に融資できないかどうか、社長の説明からも検討していこう」
  • 「融資しにくい問題があるが、メインバンクとしてできるだけ支援したい。説明を受けてリスクを正しく把握したい」

などと考えている銀行員に対して、決算書や資金繰り表を用いて現状を詳しく説明し、この時に赤字や減収減益、債務超過などの解消の見込みを説明していくのです。

 

例えば、赤字になっている会社があったとします。

赤字は重要な懸念点ですが、大きな契約が決まりそうな状況であり、運転資金を引き出したい場合もあるでしょう。

この時、

  1. 決算書を用いて現状の業績を説明する
  2. 1を踏まえて、契約に至りそうな大型案件について売上や収益性の見込みを説明する
  3. 2の結果として、黒字転換の見通しを説明する

といった流れで説明し、納得してもらうことができれば、金融機関は短期融資などで応じてくれる可能性があります。

問題がある会社への融資案件では、金融機関は慎重にならざるを得ません。

それだけに、色々な質問をするのが普通ですし、説明に納得できなければ融資を見送ります。

このため、問題がない会社に比べると、面談での説明は難しくなります。

逆に言えば、融資が出にくい状況でありながら、面談で融資実行に持ち込めることがあるため、面談の重要性は高まると言えます。

計画性を求められる場合

最も説明力が必要となるのは、計画性を求められる場合です。

計画性を求められる場合とは、投資計画を伴う設備資金融資、創業計画を伴う創業資金融資、経営改善計画を伴うリスケ交渉などです。

これらを例に、計画性を求められる面談にも簡単に触れておきます。

設備投資のケース

設備投資の融資では大きなお金が動きます。融資額が大きくなれば返済期間も長くなります。

これにより、貸し倒れの際の損害額が大きくなる、返済期間中に経営状況が悪化する可能性が高まるという二重の意味で、金融機関はリスクを抱えます

さらに、設備資金の返済は、設備投資によって生まれた利益から返済していきます。

例えば、設備投資前の利益が100、設備投資後の利益が150ならば、設備投資によって生じた50の利益が返済原資となります。

このため、その設備投資が失敗すれば利益からの返済が難しくなり、金融機関の貸し倒れリスクは高まります。そこで、投資計画が非常に重要になるのです。

銀行員は、たくさんの融資案件を取り扱ってきています。

そのため、

「このくらいの投資ならば、期待できる効果はだいたいこれくらい、返済はだいたいこんなペース」

といった感覚を持っています。投資計画の説明を受けたときも、「現実味のある数値だ」「平均値から考えて明らかに無理な数値だ」などと考えます。

もっとも、感覚的に現実味があるかどうかというのは、あくまでも前提の話です。

それを踏まえて、詳しく数値を見たうえで計画を検討していきますから、経営者は数値の根拠をしっかり説明できなければなりません

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創業計画のケース

日本政策金融公庫などから創業資金を引き出す際にも、計画性は非常に重要になります。

日本政策金融公庫の創業融資では、その計画がいかに実現していき、社会や経済に貢献していくかということを重視しています。

そのため、実現性のある計画でなければ、到底融資を受けることはできません。

したがって、設備投資計画と同じように、創業後にどのような収支計画を見込んでいるのか、それにより資金繰りはどのように回っていくのか、返済はどのように進めていくのかといったことを、数値をもとに説明していきます。

特に、これから起業する会社には何の実績もなく、あるのは計画だけだ。

計画だけが判断の根拠であり、それに現実味がないと思われてしまえば、融資を受けられなくなります。

経営者はしっかりと計画を立て、計画の数値とその根拠を把握しておかなければなりません。

リスケ交渉のケース

リスケとは「リスケジュール」のことであり、従来の条件では返済困難な状態に陥った会社が、返済条件を変更してもらうことにより、経営の立て直しを図るものです。

リスケ交渉は、正確に言えば金融機関から融資を引き出すための面談ではありません。

しかし、リスケの目的は借入金の返済を一定期間猶予してもらうことです。

年間返済が1000万円ある会社ならば、リスケに応じてもらうことによって、資金繰り的には年間1000万円の借入れをしたのと同じ効果があります。

リスケに応じる場合、金融機関は

当初の計画通りに回収できなくなる(当初想定していた収益性を期待できなくなり、資金の運用効率は下がり、業績にもマイナスの影響が生じる)

というデメリットを被ることになります。

とはいえ、これまで通りの返済を求めても返済不可能であり、無理に回収を図れば経営が破綻して貸し倒れという最悪の結末を向かるかもしれません。

そこで、デメリットは承知の上でリスケに応じるのです。

 

しかし、リスケに応じてデメリットも被り、さらに経営立て直しが失敗に終わって貸し倒れになる可能性もあります。

そこで、リスケ交渉では経営改善計画が非常に重要となります

すでに返済困難というマイナスの状況であり、それを前提として交渉していくのです。

このマイナスをカバーできるだけの計画でなければリスケには応じられませんから、計画を慎重に検証し、リスケすべきかどうかを判断していきます。

したがって、リスケを申し入れた会社の面談では、経営者は改善計画を詳細に説明していく必要があります。これも、根拠ある数値によって実現性が高い計画でなければならず、経営者の果たすべき説明のハードルは高いと言えます。

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結局、普段の積み重ねがモノをいう

以上のように、会社の状況や金融機関からの評価、交渉の目的と面談の内容によって、経営者は色々な説明をこなしていく必要があります。

それでも、やはり過度に不安がることはありません。

言ってみれば、面談で求められる説明には難しさやアプローチの方向性で違いがあるものの、結局のところ、提出した資料についての説明でしかありません

銀行員は資料についてある程度把握していますし、何か新しい情報を話す必要はなく、作成した資料の内容や質問に対して説明していくだけです。

つまり、面談までに積み重ねてきた経営努力と、事前に作った資料で決まってしまう部分が大きいのですから、その事前準備をしっかりしておき、会社の現況や資料について確認していくだけのことです。

 

不安や緊張に捉われてしまうと、歯切れの悪い説明になって経営者としての力量を疑われてしまったり、自信なさげに感じられて貸し手に不安を与えてしまったりすることがあります。

ですから、面談には自信をもって臨むことが大切です。

もちろん、自信をもって面談に臨むために、普段の経営努力によって融資を受けやすい状態を作っておいたり、「この資料を説明するだけでいい」と思えるだけの資料を作っておいたりすることが重要です。

事前準備こそが一番重要であって、副次的な面談であれこれと対策しても効果は薄く、緊張したり、不安になったり、自信を失ったり、表面を繕ったりしたところであまり意味はないのです。

普段から努力していれば、そこに自信をもって、率直で素直な説明をすることができ、面談を難なくクリアできることでしょう。

まとめ

会社の資金繰りに融資は欠かせないものであり、会社の生命線ともいわれます。

融資にあたって行われる面談では、「なんとしてでも融資を受けなければ」と考え、不安になる経営者も多いものです。

しかし、本稿で解説した通り、必要以上に不安がる必要はありません

面談で聞かれるのは提出した資料に関することがほとんどであり、資料について説明していくだけです。

この資料とは、現在の経営状況やそれを踏まえての見通しをまとめたものですから、良い資料を作るためには良い経営が不可欠です。

そのように考えて普段から経営努力を積み重ねていれば、自信をもって面談に臨むことができるでしょう。

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