メインバンクに頼りすぎるのは危険?融資を断られたらどうする?

メインバンクは、その会社にとって最も付き合いが深く、最も支援を受けやすい銀行です。

このため、資金調達の際にはメインバンクに相談することが多くなるのですが、メインバンクに頼りすぎてしまうと、思わぬ困難を招くことがあります。

本稿では、メインバンク以外の銀行ともバランスよく付き合う重要性、そしてメインバンクに支援を拒否されたときに他行から融資を引き出す方法について、元銀行員から話を聞いていきます。

メインバンクが融資を断るとき

―――会社が取引する銀行のうち、最も取引が深い銀行をメインバンクと言いますね。

メインバンクは、どうして積極的に支援してくれるのでしょうか。

元銀行員:メインバンクは、会社にとって最も付き合いが深い銀行ですよね。

融資残高も一番大きいでしょうし、メインの預金先になっているのが普通です。

入出金取引や為替取引など、融資以外の取引も活発に行われます。

メインバンクとしては、主力先の会社は「稼がせてくれる会社」でもあります。

だから、できるだけ積極的に支援して、他行にシェアを奪われないようにするんです。

また、メインバンクが見放せば資金繰りが回らなくなることも多いです。

そうなると、一番多く融資しているのですから、貸し倒れによる被害も一番大きくなるため、そういう意味でも積極的に支援します。

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―――会社にとっては、中心的に付き合っていく銀行となりますね。

元銀行員:それはそうですが、メインバンクに頼りすぎるのも危ない考え方ですよ。

メインバンクが支援してくれなくなった時、会社が立ち行かなくなるかもしれません。

 

―――メインバンクが見放すのは、どんな時でしょうか。

元銀行員:それはもちろん、支援し続けるリスクが高いと判断したときです。

メインバンクだという理由だけで、無条件に支援し続けることはできません。

無条件で支援し続けて、結局倒産したとなれば、支援し続けた分だけ損失は大きくなるのですから。

経営困難な会社ならば、メインバンクといえども支援を拒否することがありますね。

それ以上支援を続けるのは危ないと考えて、早めに損切りするわけです。

その場合、メインバンクに見放された危険な会社というレッテルを張られますから、他行からの支援もかなり困難になります。

 

―――メインバンクが支援を断るのは、経営困難な場合だけでしょうか。

元銀行員:基本的にはそうでしょう。

経営困難でなければ、支援によって取引を深めていくのが普通です。

しかし、経営困難とは言い切れない場合にも、メインバンクが支援を断ることはあります。

例えば、メインバンクからの借入比率が大きすぎる場合です。

借入総額が2億円の会社があったとして、メインバンクから8000万円、それ以外の4行からそれぞれ3000万円という形であれば、それほど問題ないでしょう。

しかし、もしこの会社が、メインバンクを中心に資金調達をしていたために、メインバンクから1億4000万円、それ以外の4行からそれぞれ1500万円ならどうでしょうか。

経営困難とは言い切れなくても、このうえさらにメインバンクに融資をお願いしても、担保不足などを理由に断られるかもしれませんね。

 

―――そのような会社は、他行から融資を引き出せるのでしょうか。

非常に危険な状態だからメインバンクが手を引いたという場合には、メインバンクから見放されたことで、他行も慎重になるでしょうね。

支援を取り付けるのは難しいと思います。

しかし、メインバンクが借入比率を理由に断っただけで、経営困難とは言い切れない会社もありますね。

その場合、他行から支援を受けられることもありますよ。

もちろん、決して簡単ではありませんが。

そんな苦労をする前に、メインバンクを中心としながらも、複数行とバランスよく付き合っていくことが大切です。

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メインバンク以外から支援を受ける方法

―――メインバンクからの借入比率が大きすぎて融資を断られたとき、その会社はどのように他行と交渉していくのでしょうか。

元銀行員:なぜ、メインバンク以外から借入れが難しいかというと、理由はいくつかあります。

まず、メインバンクに拒否された会社は、理由はどうあれ危険視されることです。

それほど危なくない会社でも、「メインバンクしか知らない危険情報があるのではないか」と思われるのが普通です。

ですから、まずは準主力以下の銀行と交渉する際、現状と見通しについて具体的に説明して、危険ではないことを知ってもらうことが大切です。

また、メインバンクとの融資交渉の際に、借入比率が原因だとはっきり言われたり、それらしきことを言われているはずですから、それも交渉先の銀行に伝えていいでしょう。

業績も安定していて、借入比率だけを原因に断られているならば、他行から融資を引き出せる可能性も十分にあるでしょうね。

 

―――借入比率のほかに、業績や財務が不安定ならばどうでしょうか。

元銀行員:深刻な状態ならば支援は難しいでしょうね。

それほど深刻でなければ、まだやりようはあると思います。

しかし、メインバンクから拒否された事実と、いくらか不安定な状況を考えると、どの銀行でも保全や取引メリットは欲しいでしょう。

メインバンクに借入れが集中している会社ですから、おそらく担保などは全てメインバンクがおさえていると考えるのが順当ですね。

為替取引や入出金などの取引メリットも、メインバンクに集約されていると思います。

ですから、この担保と取引メリットをどうするかによって、融資を引き出していくことになるでしょう。

 

―――具体的には、どのようにするのでしょうか。

元銀行員:担保はメインバンクに入れていてどうしようもない状況ですね。

となると、取引メリットを提供するほかないでしょう。

とはいえ、これまで融資以外の取引をメインバンクに集中させてきた会社が、準主力以下の銀行に取引を移して融資を受けることは、メインバンクとの関係を悪化させてしまいます。

そこで、メインバンクとの付き合いは現状のまま維持しておいて、今後発生する色々な取引メリットを提供するという条件で交渉するのがおすすめです。

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―――具体例があればお聞きしたいのですが。

元銀行員:私が取り扱った融資案件でも、似たケースがありますよ。

ある会社、ここではE社としておきますが、E社の借入先はほとんどメインバンクのA銀行でした。

A銀行が担保や色々な取引を独占していたのですが、融資額が大きくなりすぎたため、保全不足を理由に融資を断ったんです。

しかしE社は、どうしても運転資金が必要でした。

その時は、増加運転資金でした。

海外の会社から、新規で大型の受注が決まったことで、必要な運転資金が増加したんです。

その受注によって、E社の業績は良くなることが期待できましたが、融資をお願いされた時点ではやや厳しい状況でしたし、担保もない状態です。

無担保で融資するのは難しいので、稟議を通すためには取引メリットが欲しいと考えました。

 

そこで社長に、為替取引をウチに任せてくれるようお願いしたんです。

もちろん、従来の為替取引はメインのA銀行に任せて、今回の大型受注で生じる輸出為替をウチに任せてほしいと。

そうすれば、今まではただ融資していただけの関係から、融資以外でも稼げる関係になりますよね。

それに、為替取引を取り扱うことになれば、ウチでの預金が大幅に増加するでしょう。

その預金の推移を観察すれば、E社の財務状況もある程度把握できるようになります。

預金は正式な担保ではありませんが、預金残高が確保されていることで、それを広義での保全とみなせることもあるんです。

 

―――なるほど、為替取引のメリットを提供し、預金をある意味での担保とみなすことで、融資が可能となったのですね。

元銀行員:そういうことです。

このような融資交渉があることは、あまり知られていないかもしれません。

しかし、銀行が融資を判断する際には、その融資を出すことによって期待できる利益と、予想されるリスクのバランスを考えて判断しているんです。

メインバンクに融資を断られた、業績や財務もそれほど安定しているわけではないという会社は、リスクが結構大きいです。

しかし、そのリスクに見合うメリットを提供することができれば、融資を受けられる可能性があります。

融資交渉を考える上では、とても大切なポイントです。

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まとめ

E社のように、メインバンクに頼りきりになっていると、メインバンクが支援を拒否したときに困難な状況に陥ります。

そのため、メインバンクを中心としながらも、複数の銀行とバランスよく付き合っていくことが大切です。

また、メインバンクから支援を拒否されても、メリットを提供することで、メインバンク以外の銀行から融資を受けられる可能性もあります。

これも、緊急時の交渉手段として知っておくと役立つと思います。