銀行交渉で有利な立場に立つための借り方・預け方

銀行から好条件で融資を引き出せば、会社の資金繰りはラクになります。

したがって、融資の際にはできるだけ交渉すべきなのですが、そのためには自社に有利な立場を築くことが重要です。

この時に有効なテクニックとして、借り方と預け方を工夫するというものがあります。

普段、何気なく借りたり、何気なく預けたりしている会社は、この二点を工夫することによって、融資交渉に有利になる可能性があります。

交渉で有利になる借り方

銀行から融資を受けるにあたり、融資をスムーズに受けるため、できるだけ良い条件で融資を受けるためには、有利な立場に立って交渉できる環境を作っていくことが大切です。

そのためには、色々なテクニックがありますが、これまで自社がとってきた借り方と預け方を工夫することで、簡単に有利な立場を築ける場合があります。

まず借り方について見ていきますが、借り方では複数の銀行から借りること、それに加えて手元資金を交渉のカードにすることが挙げられます。

複数の銀行から借りて交渉を有利に進める

複数の銀行から融資を受けることの重要性は、当サイトでも繰り返し述べていることですし、既に知っている人も多いかもしれません。

しかし、一行取引に陥ってしまっている会社は少なくありません。

これは、一行取引の危険性があまり知られていない、あるいは危険性を知っていても複数の銀行と取引することを難しいと考えている会社が多いのでしょう。

複数の銀行、具体的には最低でも3行以上の銀行と取引をすることは、融資交渉を有利にするための最低限の条件と言えます。

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一行取引をしている場合、交渉の余地はないわ!

会社にとって、融資を受けられる相手は一行しかなく、その銀行から借りられなければ資金繰りが行き詰まることになります。

そのため、なんとしてでも融資を受ける必要があり、そのためならば多少悪い条件でも受け入れようと考えます。

銀行としても、会社がそのような立場にあることを十分に知っています。

そのため、銀行側にできるだけ有利な条件で融資することを考えます。

例えば、保証協会付き融資でなければ融資しなかったり、担保や保証人をできるだけとろうとしたり、高い金利や短い返済期間での融資を考えるのです。

これにより、保証協会の保証をつけるための保証料を始めとした、資金調達コストが大きくなってしまいます。

会社にとっては資金繰りに好ましくない影響を受けることになりますが、銀行は交渉の余地がないことを見抜き、このような対応をするのです。

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逆に言えば、複数の銀行と付き合っていれば、交渉の余地があるということだ!

銀行にとって融資は事業であり、融資を出した相手から元金を回収しつつ利息を受け取ることによって、利益を得ています。

このため、銀行は貸せる相手にはできるだけ貸したいと考えます。

複数の銀行と取引している会社は、どの銀行から借りるかを考えられる立場にあります。

ぜひ自行から借りてほしいと考える銀行は、他行よりもよい条件を提示することで、自行から借りてもらおうと考えます。

このため、プロパー融資が出やすくなったり、担保や保証が求められにくくなったり、金利や返済期間などの融資条件が会社側に有利になりやすいのです。

以上のことから、複数の銀行と取引することは、融資交渉を有利に進めるための必須の条件となるのです。

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借入残高より手元資金が大きい状態をつくる

複数の銀行と取引をするためには、新規取引銀行を開拓する必要があり、相応の苦労もつきものです。

とはいえ、新規融資の際に銀行は慎重になるものですが、一旦融資を出してしまえば、取引に積極的になるのが普通です。

というのも、上記の通り銀行にとって融資は事業であり、会社が借りてくれるからこそ利益が得られるからです。

融資しても大丈夫だと考え、ある程度の信用を以て貸し付けているのですから、そのような信頼できる相手に対しては、危険の低い範囲内でできるだけ多く貸し付けます。

必要に応じて追加融資も検討し、銀行が会社に融資している状況を途切れさせないことによって、長く利息を得られる状況を作っておきたいのです。

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つまり、銀行は融資を全額返済されてしまうことを嫌うということだよ!

融資交渉を有利に進めるためには、交渉に有利な立場を作ることが大切です。

自社にとって有利な状況は、ある意味で銀行にとって不利な状況とも言えます。

そのため、複数の銀行と取引すると同時に、全額返済できる状況を作っておくと、自社に有利な状況を作ることができます。

全額返済できる状態とは、銀行の借入残高以上の手元資金を持つということです。

例えば、ある銀行から2000万円の融資を受けているならば、3000万円なり4000万円なりの手元資金を持つのです。

A銀行から2000万円、B銀行から2000万円、C銀行から1000万円の融資を受けたとしましょう。

この時、全ての銀行に対して一括で完済可能な状況、すなわち5000万円以上の手元資金を常に保有し続けることは困難かもしれません。

しかし、例えば融資を受けた5000万円のうち3000万円の手元資金を確保しておけば、全ての銀行に対して「いつでも完済できる状況」を作ることができます。

できるだけ長く取引したいと考え、完済されることを嫌う銀行は、完済できる資金を確保している会社に対して、完済されずに取引を続けることを考えます。

融資交渉にあたって、このような状況を作っておくことにより、良い融資条件を引き出しやすくなります。

交渉の手順としては、融資を受けている複数の銀行のうち、融資額が少ない銀行から交渉していくのが良いでしょう。

融資額が少ない会社は、いつでも完済できる状況を作りやすいものですし、その銀行が今後取引を拡大していきたいと考えているならば、会社側の立場が強くなります。

これにより、融資額の小さい会社から、よい条件で追加融資を引き出すことができれば、それによって手元資金をより大きくできます。

融資額が大きい銀行に対してもいつでも完済できる状況を作り出し、有利に交渉を進めていくことができるのです。

ゆくゆくは、このアプローチによって、取引しているすべての銀行に対して、よい条件を引き出していくこともできるかもしれません。

手元資金を潤沢にしておけば、銀行交渉が有利になることはよく知られていますが、手元資金は利益で作るものと考えている人もいます。

しかし実際には、融資を受けて作った手元資金でも、交渉に役立てていくことができます。

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交渉で有利になる預け方

借り方だけではなく、預け方によっても融資交渉を有利に導くことが可能です。

借り方を工夫すると同時に、預け方も工夫することを学びましょう。

実質融資額から預け方を考える

預け方で有利な立場を築くためには、銀行特有の考え方の一つである実質融資額について知る必要があります。

融資を受ける側である会社にとっては、例えば3000万円の融資を受けている場合には、借入額は3000万円に過ぎず、それ以上でもそれ以下でもありません。

しかし、銀行の考え方はやや異なります。

融資した銀行は、その全額が自行に預金されることで自行内に止まっている場合、銀行から資金が出ていないと考え、実質的には融資していないものと考えます。

もちろん、融資した資金の一部が預金として残っている場合にも、実質的な融資額は小さいものとみなします。

このように、融資額から預金額を差し引いた額を実質融資額と言い、銀行は実際の融資額よりも実質融資額を重視する場合があります。

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実質融資額を前提として預金を考えることで、自社に有利な立場を築くことができるよ!

例えば、3000万円の融資を受け、そのうち2000万円が自行に預けられていれば、実質融資額は1000万円となります。

この時、金利2%で3000万円の融資を受けていたならば、年間の利息は60万円となるわけですが、実質融資額は1000万円なのですから、実質融資額を基準とした年利は6%にもなり、銀行にとって効率の良い融資となるのです。

また銀行は、返済に困難な兆候が見られた場合、預金をロックすることによって保全を図ります。

この意味からも、預金が大きく実質融資額が小さいことは、銀行にとって好都合なのです。

複数の銀行から融資を受けている場合には、融資を受けた資金を特定の銀行に集中させるのではなく、メインバンクには偏ることがあっても、なるべく各銀行の融資額に応じて預金することで、公平にしておくのがマナーとされます。

これも、融資額と預金額の比率によって、実質融資額による銀行のメリットが変わるからです。

以上のことから、預け方を工夫することで、以下のように有利な立場を築くことができます。

銀行に貸している状況を作る

メインバンクの口座では、売上の回収や支払いが行われるため、他の銀行に比べて預金額が大きくなるのが一般的です。

中には、メインバンクからの融資額以上に預金していることもあるでしょう。

実質融資額を基準に考えれば、これは会社が銀行に貸しているのと同じ状況です。

例えば、メインバンクから3000万円借りており、他の銀行からもそれぞれ融資を受け、融資を受けた資金をメインバンクにある程度集中させます。

さらに売掛金の入金などもメインバンクの口座に行なわれた結果、メインバンクの口座に3000万円以上の資金が預金される場合があります。

仮に、メインバンクの口座に4000万円の預金がなされているならば、実質融資額は3000万円から4000万円を差し引いた—1000万円となり、実質的には会社から銀行が1000万円を借りていると見なせるのです。

実際に会社が銀行に貸しているわけではありませんが、実質融資額の観点からはそれと同じ状況であり、交渉に有利な状況なのです。

もちろん、銀行に貸している状況を作れなかったとしても、できるだけ預金額を増やして銀行にメリットを与えることによって、融資交渉に有利になるものです。

このため、預金をどうするかということを交渉カードにすることができます。

銀行と交渉する際には、預金を増やすことを条件に交渉することを検討してみましょう。

「メイン口座」を交渉カードにする

預金額を増やすことに加えて、メイン口座を交渉カードとすることにより、もっと踏み込んだ交渉が可能となります。

銀行にとって、メイン口座に指定してもらうことは、非常に重要なことです。

メイン口座は、売上の回収や色々な支払いに利用されるため、多くの振込手数料が期待できます。

色々な取引に利用されれば預金額は大きくなるため、実質融資額は小さくなります。

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そうなれば、保全のためにも効果的なのだ!

さらに、メイン口座として使ってもらうことにより、メインバンクと会社の付き合いの中で、社員の給与振込口座としての利用も見込めます。

そうなれば、会社の口座から給与分が目減りしたとしても、同じ銀行内の口座に移るだけですから、銀行内に止まる資金には変化がありません。

このように、銀行にとって、メイン口座として利用してもらうことは、その他の銀行という括りで利用されるよりも大きなメリットがあります。

したがって、メインバンク以外の銀行に対して「融資条件を良くしてくれればメイン口座としての利用も検討します」と交渉する、あるいはメインバンクに対して「融資条件があまり良くないので、メイン口座を別の銀行で検討します」と交渉することで、銀行からよい条件を引き出せる可能性が高まります。

このような交渉によって、メインバンクが金利を引き下げたとすれば、それ以外の銀行もメインバンクに合わせて金利を引き下げることが期待できます。

メインバンクは、その会社の大きな後ろ盾であり、メインバンクの支援によって会社の資金繰りが成り立つならば、融資条件の良くないサブの銀行から借りる必要はありません。

そのため、サブの銀行はメインバンクの融資条件にできるだけ揃えるのが普通なのです。

もちろん、メイン口座はころころと変えられるものではありませんし、メイン口座から外された銀行との関係が悪化する危険もあるため、いつでも利用できる方法ではありません。

しかし、少なくとも、融資を受けていない銀行や、融資額が少ない銀行をメイン口座に指定するような状況は避けましょう。

よい条件での融資を引き出すため、そしてできるだけ大きい融資が良い条件になるためにも、メイン口座を交渉カードにすることを心がけてください。

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返す必要のない、助成金で資金調達する方法もあります。

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日本政策金融公庫を活用しよう

銀行にいつでも完済できる状況を作るためには、手元資金が必要となります。

また、実質融資額では銀行に貸している状況を作ったり、あるいは実質融資額ができるだけ小さい状況を作ったりするためには、預けるための資金が必要となります。

このような状況を作るために活用したいのが、日本政策金融公庫です。

日本政策金融公庫は、融資をするものの預金を持ちません。これは、融資のための財源が税金だからです。

これに対し、銀行は融資のための財源を預金に求めるため、融資と預金の両方の機能を持っています。

このため、日本政策金融公庫から融資を受けた場合、その資金は日本政策金融公庫に預けることはできず、どこか銀行へ預けることになります。

すなわち、手元資金を増やす効果があると同時に、預金を増やす効果もあるのです。

したがって、日本政策金融公庫から融資を受けた資金を戦略的に預金することで、実質的に銀行に貸している状況を作ったり、ほとんど借りていない状況を作ったりすることが可能です。

例えば、借入額3000万円、預金額2500万円の銀行に対し、公庫から借り入れた1000万円を預金すれば、実質的には会社から銀行へ500万円貸している状況となります。

借入額3000万円、預金額2000万円ならば、実質的には全く借りていない状況を作れます。

このように、日本政策金融公庫特有の性質を利用することによって、融資をスムーズに引き出したり、融資条件を会社に有利にしたりすることができるのです。

借り方・預け方を工夫するにあたって、ぜひ覚えておくべきテクニックです。

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まとめ

融資交渉は、借り方と預け方を工夫するだけでも、思いがけない効果が得られるものです。

会社の中には、とにかく借りられれば良いと考えて、借り方を工夫しなかったり、借りた後の預け方を工夫しなかったりすることも多いものですから、ぜひこの点を工夫しておきたいものです。

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