資金調達の比較

ファクタリングとサービサー(債権回収会社)の違い|許可制と扱える債権

最終更新 公開 約14分で読めます 執筆:アンドファクタリング運営事務局

広告なし・一次情報にもとづく解説です。編集方針

この記事の要点

  • ファクタリングは、事業者が売掛債権をファクタリング会社に売って支払期日前に資金を得る取引で、金融庁は法的には債権の売買(債権譲渡)契約だと説明している。サービサー(債権回収会社)は、債権管理回収業に関する特別措置法にもとづき、法務大臣の許可を受けた株式会社だけが営める債権の管理・回収の事業である。
  • サービサー法5条は、許可の基準として、資本金の額が5億円以上の株式会社であることと、常務に従事する取締役に弁護士がいることなどを定めている。許可を受けずに債権管理回収業を営むと、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科される(33条)。
  • サービサーが扱えるのは、金融機関や貸金業者などが持つ貸付債権、リース債権、クレジット債権など、サービサー法2条1項が列挙する「特定金銭債権」に限られる。一般の事業会社が持つ通常の売掛金は、条文上、各号のいずれかに当たらなければサービサーに回収を委託できない。
  • ファクタリング(債権の買取)そのものには、サービサーのような許可制度や貸金業のような登録制度はない。ただし金融庁は、実態が貸付けと同じ機能を持つ取引は貸金業に該当するおそれがあるとしている。
  • 支払期日を過ぎて回収できない売掛金は、ファクタリングの対象外とされることがある。60万円以下の金銭の支払請求なら簡易裁判所の少額訴訟を使える(民事訴訟法368条)など、裁判所の手続きや弁護士への相談が回収の選択肢になる。
早わかり表
サービサーの根拠法債権管理回収業に関する特別措置法(平成10年法律第126号、2026年10月時点で施行中)
営業できる者法務大臣の許可を受けた株式会社だけ(サービサー法3条)
主な許可基準資本金5億円以上、常務に従事する取締役に弁護士がいる、暴力団員等が支配していない(5条)
扱える債権特定金銭債権(金融機関・貸金業者などの貸付債権、1年超のリース債権、クレジット債権など。2条1項)
無許可営業の罰則3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または併科(33条)
ファクタリングの法的性質債権の売買(債権譲渡)。債権の買取そのものに許可・登録制度はない
目次
  1. ファクタリングとサービサーの違いとは
  2. サービサー(債権回収会社)とは
  3. サービサーが扱える「特定金銭債権」とは
  4. ファクタリング会社に許可や登録は必要か
  5. ファクタリング会社は債権をどう回収するか
  6. 取立て・回収のルールはどう違うか
  7. 売掛金が回収できないとき、どこに相談するか
  8. 「サービサー」「債権回収」を名乗る連絡を受けたら

ファクタリングとサービサーの違いは、ファクタリングが売掛債権を「売って資金を得る」ための取引であるのに対し、サービサーは他人の債権を「管理・回収する」ための許可制の事業である点です。サービサー(債権回収会社)は、法務大臣の許可を受けた資本金5億円以上の株式会社しか営めません[1]。

この記事では、サービサー法(債権管理回収業に関する特別措置法)の条文をもとに、許可の要件、扱える債権の範囲、取立てのルールを整理し、ファクタリングとの違いを比べます。売掛金が回収できないときの相談先も場面別にまとめます。ファクタリングとほかの資金調達手段の全体像は「ファクタリングと融資の違い」をご覧ください。

ファクタリングとサービサーの違いとは

ファクタリングは債権を持つ事業者が資金を得るための手段で、サービサーは債権者に代わって、または債権を譲り受けて回収する専門業者です。使う人の立場も、対象の債権の状態も、法律上の規制も違います。

金融庁は、ファクタリングを「事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス」であり、「法的には債権の売買(債権譲渡)契約」と説明しています[4]。一方、サービサー法は、特定金銭債権の処理が喫緊の課題となっている状況を受けて、許可制度により、弁護士法の特例として債権回収会社が業として特定金銭債権の管理・回収を行えるようにした法律です(1条)[1]。

比較項目 ファクタリング サービサー(債権回収会社)
目的 売掛債権を期日前に現金化する資金調達 特定金銭債権の管理・回収
法律上の性質 債権の売買(債権譲渡)[4] 委託を受けて回収する営業、または譲り受けて訴訟などで回収する営業(2条2項)[1]
根拠法と許可・登録 債権の買取そのものに許可・登録制度はない サービサー法。法務大臣の許可が必要(3条)[1]
参入の要件 法律上の要件はない(実態が貸付けなら貸金業の登録が必要) 資本金5億円以上の株式会社、常務に従事する弁護士の取締役など(5条)[1]
扱う債権 事業者の売掛債権(請求書・診療報酬など) 2条1項が列挙する特定金銭債権に限られる[1]
債権の状態 支払期日前の債権を買い取る[4] 条文上、延滞しているかどうかは要件ではない
利用する人 売掛債権を持つ事業者 特定金銭債権を持つ債権者(金融機関・貸金業者など)
取立ての規制 業法上の規制はない。実態が貸付けなら貸金業法、悪質な取立ては刑法 威迫の禁止・親族への請求制限などをサービサー法17条・18条で規制[1]
対価の考え方 額面から手数料を差し引いて買い取る 委託なら委託者との契約による報酬、譲受けなら買取価格と回収額の差

たとえば、支払期日が60日後の売掛金100万円を持つ会社がファクタリングを使うと、今日、手数料を引いた金額を受け取り、60日後に売掛先が払う代金はファクタリング会社のものになります。これに対し、銀行が延滞した貸付債権の回収をサービサーに委託する場合、債権者は銀行のままで、サービサーは銀行に代わって債務者と交渉し回収します。

サービサー(債権回収会社)とは

サービサーは、サービサー法の許可を受けた株式会社で、特定金銭債権の管理・回収を業として行えます。サービサー法は1998年10月16日に公布された法律で、2026年10月時点で施行されています。現行の条文は、2025年10月1日に施行された改正(令和5年法律第53号)まで反映されています[1]。

弁護士法73条は、「何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない」と定めています[2]。同法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件の法律事務を扱うことを業とすることを禁じています[2]。サービサー法は、この弁護士法の特例として、許可を受けた会社に特定金銭債権の回収を認める仕組みです(1条)[1]。

サービサー法2条2項は、債権管理回収業を次の2つの営業と定義しています[1]。

  1. 弁護士・弁護士法人などでない者が、委託を受けて、法律事件に関する法律事務である特定金銭債権の管理・回収を行う営業
  2. 他人から特定金銭債権を譲り受けて、訴訟・調停・和解その他の手段によって管理・回収を行う営業
許可の要件(サービサー法5条) 内容
会社の形 資本金の額が5億円以上の株式会社であること(1号)
弁護士の関与 常務に従事する取締役のうちに、職務を公正かつ的確に遂行できる知識と経験を持つ弁護士がいること(4号)
反社会的勢力の排除 暴力団員等が事業活動を支配していないこと、業務に従事させるおそれがないこと(5号・6号)
過去の処分・刑罰 許可の取消しから5年を経過しない会社、サービサー法や弁護士法の罰金刑から5年を経過しない会社などは許可されない(2号・3号)
役員の適格性 拘禁刑以上の刑の執行後5年を経過しない者などが役員にいないこと(7号)
人的構成 債権管理回収業を適正に遂行するに足りる人的構成を有すること(8号)

たとえば資本金3億円の株式会社は、弁護士の取締役がいても5条1号の基準を満たさないため許可されません。許可を受けた会社は、債権管理回収業とその付随業務以外の業務を原則として営めず、兼業には法務大臣の承認が必要です(12条)[1]。許可を受けずに債権管理回収業を営むと、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科されます(33条1号)[1]。弁護士法72条・73条に違反した者も、2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象です(同法77条)[2]。

サービサーが扱える「特定金銭債権」とは

特定金銭債権とは、サービサー法2条1項が1号から22号まで列挙する金銭債権で、サービサーが業として扱えるのはこの範囲に限られます[1]。中心は金融機関などの貸付債権で、リース・クレジット・資産流動化・倒産手続に関係する債権が続きます。

号 特定金銭債権の内容(要約)
1号・2号 預金保険法2条1項の金融機関、農林中央金庫、政府関係金融機関、中小企業基盤整備機構、住宅金融支援機構、農協・漁協などの一部、保険会社、貸金業者などが有する(または有していた)貸付債権
3号 1号・2号の貸付債権の担保権の目的になっている金銭債権
4号 使用期間が1年を超える物品の使用契約(リース)にもとづく金銭債権
5号〜7号の2 クレジットカード・個別クレジット・割賦販売などにもとづく金銭債権
8号〜14号 資産の流動化(特定目的会社・信託など)に関係する金銭債権
15号 1号に掲げる者のうち、事業者から金銭債権を買い取ることを業とする者が、その業として買い取った金銭債権
16号・17号 破産・再生・更生・特別清算などの手続開始決定を受けた者が有する金銭債権と、その者が譲渡した金銭債権
18号 特定調停が成立した特定債務者が有していた金銭債権
19号 手形交換所の取引停止処分を受けた者が、その処分の日に有していた金銭債権
20号〜22号 上記の債権を担保する保証契約の債権、信用保証協会などの求償権、政令で定めるもの

ファクタリングとの関係で読んでおきたいのが15号です。15号は、「第一号に掲げる者であって、商業、工業、サービス業その他の事業を行う者から金銭債権を買い取ることを業として行うものが有する金銭債権(その業として買い取ったものに限る。)」を特定金銭債権としています[1]。1号には貸金業者も含まれるため、条文上は、貸金業者などの1号の者が業として買い取った売掛債権は、サービサーが扱える債権に入ります。

銀行系のファクタリング会社には、貸金業者の登録番号を公表している会社があります。たとえば三菱UFJファクターは関東財務局長(8)第01393号[12]、みずほファクターは東京都知事(3)第31668号[13]を会社概要に記載しています。一方、1号に掲げる者(金融機関・保険会社・貸金業者など)に当たらない会社が買い取った売掛債権は、15号には当たりません。

ファクタリング会社に許可や登録は必要か

ファクタリング(債権の買取)そのものには、サービサーのような許可制度も、貸金業のような登録制度もありません。ただし、取引の実態が貸付けと同じ機能を持つ場合は、貸金業の登録が必要になり、無登録なら違法です。

貸金業を営むには、2つ以上の都道府県に営業所を置く場合は内閣総理大臣、1つの都道府県内だけなら都道府県知事の登録が必要です(貸金業法3条)[5]。無登録営業は禁止され(11条1項)、違反すると10年以下の拘禁刑もしくは3,000万円以下の罰金、またはその両方が科されます(47条)[5]。登録の有無は、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で確認できます[6]。

金融庁は、ファクタリングとして行われ、契約書で債権の売買と定めていても、経済的に貸付けと同様の機能を持つものは貸金業に該当するおそれがあると説明しています。例として、回収を利用者に任せ、回収できなかったときに利用者が債権を買い戻す契約を挙げ、ノンリコース規定の有無などの形式だけでなく実態で判断するとしています[4]。

犯罪収益移転防止法2条2項は、本人確認などの義務を負う「特定事業者」として、銀行や貸金業者(29号)、電子債権記録機関(36号)などを列挙していますが、「ファクタリング(債権買取)業」という類型はありません[7]。銀行系の会社や貸金業の登録がある会社は、その立場で義務を負います。

業態 必要な許可・登録 根拠 確認方法
サービサー(債権回収会社) 法務大臣の許可 サービサー法3条[1] 相手に商号・氏名を明らかにさせる(17条2項)
貸金業者(ビジネスローンなど) 内閣総理大臣または都道府県知事の登録 貸金業法3条[5] 金融庁の登録貸金業者情報検索サービス[6]
ファクタリング会社 債権の買取そのものには制度なし(実態が貸付けなら貸金業の登録が必要) 金融庁の注意喚起[4] 契約書の条項(償還請求権・買戻し)と、貸金業登録の有無

ファクタリング会社は債権をどう回収するか

ファクタリング会社は、買い取った売掛債権の代金を支払期日に回収して、支払った買取代金と手数料を取り戻します。回収の流れは、2社間か3社間かで大きく変わります。

債権の譲渡を売掛先(債務者)に主張するには、譲渡人からの通知か債務者の承諾が必要で、第三者に主張するには確定日付のある証書が必要です(民法467条)[8]。法人が金銭債権を譲渡した場合は、債権譲渡登記をすると、債務者以外の第三者に対しては確定日付のある通知があったものとみなされます[10]。債権譲渡登記の譲渡人は法人に限られ、個人事業主は利用できません[9]。

形態 売掛先が代金を払う相手 売掛先への通知 回収の担い手
3社間ファクタリング ファクタリング会社 売掛先の承諾を得る ファクタリング会社が売掛先から直接受け取る
2社間ファクタリング 利用者(従来どおり) 売掛先に知らせずに行う。法人は債権譲渡登記を使う場合がある 利用者が受け取り、ファクタリング会社へ送金する

たとえば額面100万円の売掛金を2社間で売った場合、支払期日に売掛先は100万円を利用者の口座に払い、利用者はその100万円をファクタリング会社へ送金します。利用者がこれを別の支払いに使うと、契約違反として深刻なトラブルになります。3社間なら、売掛先がファクタリング会社に直接払うため、この問題は起きません。

償還請求権のない(ノンリコース)契約では、売掛先が倒産して払えなくなったときの損失はファクタリング会社が負います。回収の失敗リスクを誰が負うかは契約で決まるため、契約書の償還請求権と買戻しの条項を必ず確認してください(償還請求権(ノンリコース)とは)。通知の方法は「債権譲渡通知とは」、登記は「債権譲渡登記とは」で解説しています。

取立て・回収のルールはどう違うか

サービサーの取立てはサービサー法17条・18条で具体的に規制されています。ファクタリングには取立てを直接規制する業法がなく、実態が貸付けなら貸金業法、悪質な取立ては刑法の対象になります。

サービサー法17条1項は、債権回収会社の業務に従事する者が、人を威迫したり、私生活や業務の平穏を害する言動で困惑させたりすることを禁じています。17条2項は、相手方から請求があれば、会社の商号・自分の氏名などを明らかにする義務を定めています[1]。

サービサー法18条の主な禁止事項 条項
暴力団員等を業務に従事させること 1項
債権回収の確実性などについて著しく事実に反する広告 2項
債権金額などを記載しない委任状(公正証書作成用)の取得 3項
偽りその他不正の手段を使うこと 4項
利息制限法の制限を超える利息・賠償額の支払を求めること 5項
貸金業者からの借入れなどで弁済資金を用意するよう、みだりに求めること 6項
債務者の親族や従業員などに、代わりに払うよう、みだりに求めること 7項
弁護士への委任などの通知後、正当な理由なく訪問・電話で支払いを求めること 8項

たとえば、サービサーが債務者である会社の従業員に対し、会社に代わって払うよう求めることは、18条7項が「債務者等が雇用する者」へのみだりな要求として禁じる行為の典型です[1]。

ファクタリング会社の取立てについて、金融庁は、権利の実行であっても社会通念上許される程度を超えれば違法となり、恐喝罪や脅迫罪が成立しうると説明し、被害は警察に相談するよう呼びかけています[4]。ファクタリングを装った貸付けの場合は、貸金業法の規制も問題になります。

売掛金が回収できないとき、どこに相談するか

支払期日を過ぎても払われない売掛金は、まず自社で督促し、それでも払われなければ裁判所の手続きか弁護士への相談に進みます。ファクタリングは期日前の債権の資金化が中心で、延滞した債権の回収手段にはなりにくく、サービサーも条文上は特定金銭債権しか扱えません。

ファクタリング会社には、回収の見込みが低い債権を対象外とする会社があります。たとえばビートレーディングは、「給与債権・不良債権・売掛先が個人事業主の売掛金の買取は行っておりません」と明記しています[11]。

裁判所の手続きでは、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払請求なら、簡易裁判所で少額訴訟による審理を求められます。ただし同じ簡易裁判所で同じ年に利用できる回数には制限があります(民事訴訟法368条1項)[3]。金銭の支払を求める請求では、債権者の申立てにより裁判所書記官が支払督促を発する手続きもあります(同法382条)[3]。

取引先が倒産して売掛金が回収できなくなった場合は、日本政策金融公庫の「取引企業倒産対応資金(セーフティネット貸付)」を確認してください。倒産した企業に50万円以上の売掛金債権などを持つ方が対象で、融資限度額は別枠3,000万円、返済期間は10年以内(うち据置期間3年以内)です[14]。

状況 次の行動 根拠・備考
支払期日を数日過ぎた 電話・メール・書面で督促し、支払予定日を確認 記録を残す
督促しても払われない(60万円以下) 少額訴訟・支払督促を検討 民事訴訟法368条・382条[3]
督促しても払われない(60万円超) 支払督促・通常訴訟を検討し、弁護士に相談 同上
取引先が倒産した 倒産手続の内容を確認し、日本公庫の取引企業倒産対応資金を検討 売掛金債権50万円以上などが要件[14]
期日前の別の売掛金で資金が必要 ファクタリングや融資で資金繰りをつなぐ 融資とファクタリングの比較

売掛先が支払わなくなったときの契約別の対応は「売掛先が倒産・支払遅延したら」で解説しています。裁判所の手続きの選び方や、自社の債権がサービサー法の特定金銭債権に当たるかどうかなど、個別の判断は弁護士に相談してください(弁護士への相談)。

「サービサー」「債権回収」を名乗る連絡を受けたら

「サービサー」や「債権回収」を名乗る連絡を受けたら、支払う前に、相手の商号と担当者名を確かめ、請求の根拠となる債権を特定してください。サービサー法17条2項は、相手方から請求があれば商号や氏名などを明らかにする義務を定めています[1]。

債務者が債務の処理を弁護士などに委託した旨の通知をした後は、サービサーは正当な理由なく訪問や電話で支払いを求めてはなりません(18条8項)[1]。親族や従業員に代わりに払うよう、みだりに求めることも禁止されています(18条7項)[1]。

身に覚えのない請求で、相手が商号や債権の内容を明らかにしない場合は、支払わずに相談してください。ファクタリングに関係するトラブルや詐欺の相談先は「ファクタリング詐欺の手口と相談先」にまとめています。

ファクタリング会社そのものの安全性を見分ける方法は「悪質なファクタリング業者の見分け方」と「ファクタリングは違法?」で解説しています。

よくある質問

Qファクタリング会社とサービサーは同じですか?

A同じではありません。ファクタリング会社は、事業者から売掛債権を買い取って支払期日前に代金を払う資金調達の担い手です。サービサーは、サービサー法にもとづき法務大臣の許可を受けた株式会社で、特定金銭債権の管理と回収を業として行います。ファクタリングには許可制度がなく、サービサーは資本金5億円以上などの許可基準を満たす必要があります。

Q取引先が払わない売掛金の回収をサービサーに頼めますか?

A条文上は、サービサーが業として扱えるのはサービサー法2条1項が列挙する特定金銭債権に限られます。金融機関や貸金業者の貸付債権、リース債権、クレジット債権などが中心で、一般の事業会社が持つ通常の売掛金は、各号のいずれかに当たらなければ対象外です。自社の債権が当たるかどうかは、弁護士に確認してください。

Qファクタリング会社には国の許可や登録が必要ですか?

A債権の買取そのものについて、サービサーのような許可制度や貸金業のような登録制度はありません。ただし、償還請求権(買戻し義務)があるなど実態が貸付けと同じ機能を持つ取引は、貸金業に該当するおそれがあると金融庁は説明しています。貸金業には内閣総理大臣または都道府県知事の登録が必要で、登録の有無は金融庁の検索サービスで確認できます。

Qサービサーを名乗る会社から支払いを求める連絡が来たらどうすればよいですか?

Aまず相手の商号と担当者の氏名を確認してください。サービサー法17条2項は、債権回収会社の業務に従事する者に、相手方から請求があれば商号や氏名などを明らかにする義務を課しています。身に覚えのない請求や威圧的な取立てがあれば、支払う前に弁護士や警察相談専用電話(#9110)に相談してください。

Q支払期日を過ぎた売掛金をファクタリングで売れますか?

A支払期日を過ぎた売掛金は、買取の対象外とする会社があります。ファクタリングは支払期日前の債権を買い取る取引で、たとえばビートレーディングは不良債権の買取は行わないと明記しています。期日を過ぎた売掛金は、督促や裁判所の手続きで回収を図り、取引先が倒産した場合は日本政策金融公庫の取引企業倒産対応資金などの制度を確認します。

Qサービサーは取立てで何をしてはいけないのですか?

Aサービサー法17条・18条が禁止行為を定めています。人を威迫したり私生活や業務の平穏を害する言動で困惑させること、偽りその他不正の手段を使うこと、親族などに代わりに払うようみだりに求めること、債務者が弁護士に処理を委任した旨の通知を受けた後に正当な理由なく訪問や電話で支払いを求めることなどが禁止されています。

Q少額の売掛金を回収する裁判所の手続きはありますか?

A訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払請求なら、簡易裁判所で少額訴訟による審理を求められます(民事訴訟法368条)。ただし同じ簡易裁判所で同じ年に利用できる回数には制限があります。金銭の支払を求める請求では、裁判所書記官に支払督促を申し立てる方法もあります(同法382条)。

出典・参考資料

  1. e-Gov法令検索「債権管理回収業に関する特別措置法」
  2. e-Gov法令検索「弁護士法」
  3. e-Gov法令検索「民事訴訟法」
  4. 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
  5. e-Gov法令検索「貸金業法」
  6. 金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」
  7. e-Gov法令検索「犯罪による収益の移転防止に関する法律」
  8. e-Gov法令検索「民法」
  9. 法務省「債権譲渡登記制度について」
  10. e-Gov法令検索「動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」
  11. 株式会社ビートレーディング「ビートレーディング(買取の対象外となる債権)」
  12. 三菱UFJファクター株式会社「会社概要(貸金業者登録番号)」
  13. みずほファクター株式会社「会社概要(貸金業者登録番号)」
  14. 日本政策金融公庫「取引企業倒産対応資金(セーフティネット貸付)」

出典のURLと内容は2026年10月22日時点で確認しています。

この記事の更新履歴

  •  公開
  •  サービサー法の施行状況の基準時点を2026年10月に更新(早わかり表・本文)。三菱UFJファクターの貸金業者登録番号(関東財務局長(8)第01393号)を公式サイトで再確認

内容の誤りや古くなった情報にお気づきの場合は、お問い合わせからご連絡ください。確認のうえ訂正し、この欄に記録します。

この記事を引用するとき

記事・図表・データは、出典を明記していただければ引用できます(引用のルール)。出典は次のように記載してください。

アンドファクタリング「ファクタリングとサービサー(債権回収会社)の違い|許可制と扱える債権」(https://factoring.co.jp/compare/servicer/、2026年10月22日更新)