今さら聞けないバランスシートの基本と銀行からの見られ方

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※本記事はプロモーションを含みます。

会社の財務内容を知る最も基本的な資料に、バランスシートがあります。

バランスシートは、どの会社でも決算期に必ず作成しているものですが、その意味や意義をきちんと理解されていないことも多いです。

財務内容を表すものですから、それをきちんと見ることによって、会社の現状と改善の方向性が見えてきます。

また、銀行に融資を希望した際には、必ずバランスシートを見られます。

そのため、銀行の見方を知っておくと、融資にも役立ちます。

本稿では、バランスシートを経営に役立てていくための知識をお伝えしていきます。

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バランスシートとは?

皆さんは、バランスシートについてどれくらい理解しているでしょうか。

貸借対照表とも呼ばれるこの資料は、会社の財務状況を示すものです。

会社の財務状況をきちんと把握し、財務状況が悪い場合には改善方法を考えていくにあたって、非常に重要な資料となります。

また、会社の資産状況を表していることから、銀行融資にも大きな影響を与えます。

融資の希望を受けた銀行は、バランスシートによって資産状況を確認します。

返済能力を把握したうえで、融資の可否を決定していくのです(もちろん、その他の色々な要素が審査の資料となります)。

バランスシートは、資産の部、負債の部、純資産の部で構成されています。

左側には資産の部、右側には負債の部と純資産の部があり、左右の合計が必ず一致していることが、バランスシートと呼ばれるゆえんです。

資産の部には、会社の保有している様々な資産(例えば土地や不動産、車両、有価証券などが記載されている)負債の部と純資産の部は、その資産を得るために集めたお金を示しています。

銀行からの借入や、株主からの出資、事業で得た利益などがそれに当たります。

バランスシートの基礎知識

では、バランスシートの構成をもう少し詳しく見ていきましょう。

資産の部

CFレッド
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資産の部は、流動資産を固定資産に分けられるよ!

流動資産とは、1年以内に現金化できる資産のことです。

現金や預金はもちろんのこと、数ヶ月先に入金が予定されている手形や売掛金が含まれます。

このほか、有価証券なども比較的すぐに現金化できますから、流動資産に分類されます。

固定資産は、1年以上保有している資産です。

土地や建物なども、その気になれば1年以内に現金化が可能ですが、基本的には頻繁に売買することなく、数年、数十年と保有し続けるものですから、固定資産となります。

工場で使う機械や営業などで使う車両も同じです。

これらの、物理的な現物がある固定資産を「有形固定資産」と言います。

一方、固定資産の中には、商標権や特許権、著作権と言った形のない固定資産もあります。

これを「無形固定資産」と言います。

流動資産と固定資産の意味を知れば、会社を回していくために使われる資産は、流動資産であることが分かるでしょう。

既に現金であったり、現金化が容易な資産ですから、会社を実際に回していくための資金に充てられます。

固定資産は、基本的に現金化には向いていませんから、運転資金にはなりにくいです。

もちろん、会社の緊急事態において、固定資産を売却したり、セール&リースバックしたりすることによって、運転資金を捻出することはあり得ます。

CFイエロー
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しかし、運転資金となるのは流動資産が基本よ!

したがって、会社の資産が大きくとも、流動資産の割合が極端に少ない場合には、運転資金にも乏しいということです。

資金繰り困難に陥る可能性が高まります。
財務的に安定している会社とはいいがたいです。

負債の部

CFブルー
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負債の部も、資産の部と同様に、流動負債と固定負債に分けられ、その分類もまた似ているよ!

流動負債とは、1年以内に支払わなければならない負債のことです。

買掛金や支払手形の支払いはもちろんのこと、銀行への短期的な借入金などがそれに当たります。

固定負債は、支払いまでに1年以上の猶予がある負債のことです。

銀行からの長期借入金や社債などがあります。
負債が大きい会社は財務が不安定だと言えます。

しかし、同じように負債が大きい会社でも、短期的な支払いである流動負債の割合が高い会社はより危険度が高く、負債は大きくとも固定負債の割合が高い会社は、ある意味でうまくやりくりできているとも言えます。

純資産の部

純資産とは、資産から負債を差し引いたものです。

これは、返済の必要がなく、会社の裁量で活用できるお金のことです。

純資産には、資本金と利益余剰金の二種類があります。

資本金とは、会社を設立するときに用意したお金のことであり、設立者自身が用意したお金や、株主から出資してもらったお金です。

利益余剰金は、事業で得た利益をプールしたものです。

純資産は、負債のように返済の必要があるお金ではありません。
そのため、負債を他人資本、純資産を自己資本とも呼び分けます。

自己資本と他人資本を合計したとき、合計額に占める自己資本の割合を「自己資本比率」と言います。

自己資本比率が高いということは、自由に使えるお金が潤沢だということになりますから、安全性の高い会社だとみられます。

CFレッド
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銀行が、融資審査の際に自己資本比率に注目するのも、ここに理由があるのだ。

流動比率を見てみよう

バランスシートによって、会社の安全性を簡単に判断したいならば、まず見ていきたいのが流動比率です。

流動比率とは、流動資産と流動負債の比率を表したものであり、

流動資産÷流動負債×100=流動比率となります。

流動資産と流動負債が同じならば、流動比率は100%です。
流動資産が流動負債の2倍ならば、流動比率は200%となります。

つまり、流動比率が大きいほど手元資金も多くなるため、資金がショートする可能性は低く、会社の安全性は高いと言えます。

逆に、流動資産が流動負債を下回っていたとすれば、流動比率は100%を切ることとなり、資金ショートに陥る可能性は高まります。

銀行がバランスシートを見る際には、必ず流動比率も確認します。

流動比率によって、会社の返済能力を見て、融資の可否の判断に役立てるのです。

銀行から見た時、次のように判断とされます。

  • 流動比率200%以上→理想的
  • 流動比率150%以上~200%未満→優秀
  • 流動比率130%以上~150%未満→健全
  • 流動比率100%以上~130%未満→普通
  • 流動比率100%未満→危険

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バランスシートから運転資金を見る

銀行がバランスシートを見た時には、運転資金を必ず確認します。

運転資金とは、仕入れた商品を販売し、売上を回収するまでの期間と、仕入れた商品の支払うまでの期間のズレを補うための資金です。

運転資金を見るということは、つまり月商、回収サイト、在庫を見ているということでもあります。

例えば、次のような社があったとします。

  • 月商→3000万円
  • 回収サイト→平均3ヶ月
  • 仕入原価→月商3000万円のうち1500万円
  • 支払いサイト→平均2ヶ月

この会社では、月の売上に当る3000万円を回収するには3ヶ月を要します。

回収に3ヶ月かかるということは、事業を途切れさせないためには、常時3ヶ月分の在庫が必要となります。

また、その売上を上げるためには1500万円の原価を負担しています。

そして、仕入の支払いは平均2ヶ月であり、売上の回収よりも先に支払いが発生することが分かります。

回収が先にくれば、回収した売上の中から支払えばいいのですが、この場合は支払いが先に生じています。

そこで、支払のために運転資金を準備しなくてはなりません。

このことから、運転資金は以下の計算式によって算出されることが分かります。

売掛債権+在庫-買掛債務=運転資金

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運転資金は銀行からの短期借入によって賄うのが普通よ!

運転資金を減らすには?

銀行からの借入によって賄う運転資金は、あまり多額になってしまうのは好ましくありません。

借入によって資金繰りを回しているのですから、多額の借入によって資金繰りを回すよりも、できるだけ少ない借入によって回しているほうが、資金繰りがいいと言えるのです。

運転資金の基本的な構造を理解していれば、資金繰りをよくするための方法も分かります。

すなわち、運転資金は、売上の回収よりも早く訪れた支払いに対処するためのものなのですから、単純に支払いよりも早く売上の回収が訪れる状態にするか、あるいは回収と支払いのズレを小さくすればよいのです。

そのためには、回収サイトを短くするか、支払いサイトを遅くするかの二通りの方法が考えられます。

上記の例で言えば、平均回収サイトが3ヶ月、平均支払いサイトが2ヶ月のところを、平均回収サイトを2.5ヶ月に早め、また平均支払いサイトも2.5ヶ月に遅らせることができれば、両者のずれはなくなるため、運転資金はほとんど不要になります。

もちろん、平均回収サイトが2ヶ月、平均支払いサイトが3ヶ月というように、売上を回収してから、そのお金で支払えるようにしておけば、銀行から運転資金を借り入れる必要はなくなります。

これは、より少ない資金で事業を回せるようになったということです。
借金をする金額が減り、資金がショートするリスクも減ります。

ここぞという時、例えば新規事業への進出や販路拡大、設備投資などのために、多額の資金を必要とした際には、財務内容の良さを認められ、銀行からも好条件で融資を受けることができるでしょう。

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銀行は会社の実態を見る

バランスシートの重要性が、だんだんわかってきたのではないでしょうか。

ただ、ここで一つ気を付けておきたいのが、融資などの際には銀行からバランスシートを見られますが、銀行はその数字を鵜呑みにすることはないということです。

銀行は、会社が提出したバランスシートや損益計算書などの資料を見ながらも、会社の実態をより重視します。

しかし、「会社の実態を見ている」といわれても、具体的にはどう見られているのかが分からない人もいるでしょう。

バランスシート上の数値と会社の実態をどのように見比べられるのか、どのように対策していけばいいのかを知っておくと、バランスシートをよりよく活かせるようになるでしょう。

売掛債権

まず、流動資産における売掛債権に対し、バランスシートと実態にズレがないかを見られます。

融資の相談を受けた時、銀行員は売掛債権として掲載されている売掛先の会社について確認していきます。

この時、帝国データバンクなどの情報機関を利用したり、売掛先と取引がある自分の銀行の他の支店に聞き込みをしたりして、売掛債権の経営状態や回収条件などを調べていきます。

そして、入金状況や取引期間などから、不良債権とみなせるものがあれば、バランスシートに記載されている流動資産の中から、不良債権とみなした金額分が差し引かれることになります。

これに対策するためには、取引先の回収サイトや月商を常に把握しておき、経営状態に注意を払っておくことが重要です。

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不良債権をみなされるものができるだけないようにしておこう。

在庫

流動資産における在庫も、バランスシートと実態のズレを注目されやすいです。

在庫が多ければ、バランスシート上の流動資産も多く計上されますが、もしそれが過剰在庫であるならば、銀行はその実態に照らし合わせ、過剰な分だけ差し引こうとします。

銀行員は、その業種のプロではないため、それぞれの会社の適正な在庫を判断することはできません。

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そのため、その業種の平均的な在庫を基準に判断していくことになるよ!

例えば、ある会社では2ヶ月分の在庫を保有しており、バランスシートにもそれが計上していたとします。

しかし、その会社の属する業界では、在庫量は1ヶ月分が平均値となっているならば、銀行員はバランスシートの流動資産から、1ヶ月分の在庫を差し引いてみます。

このように、平均値で判断されることが多いことを知っておきましょう

もちろん、自社の特別な事情によって、業種における平均的な在庫数よりも多く保有しておく必要があるならば、その理由を納得できるように説明すれば問題ありません。

もし、自社の在庫が平均値より多く、特別な理由もないならば、自社における適正値を探り、過剰な在庫は現金化してしまいましょう。

この時、在庫によっては仕入れ値を下回る価格でしか処分できない可能性もあります。

過剰な在庫がそのまま放置される理由の最たるものですが、そのまま放置しておいたところで銀行は評価してくれず、しっかり流動資産から差し引いて審査するため、放置しておいても効果はありません。

それよりも、資金化して在庫を適正値に保ち、処分によって現金を厚くしておいた方が良い評価を得られます。

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また、適正値に保てば、在庫を確保するためのスペースは縮小されるわ。

倉庫を借りて在庫を保管しているならば、小さく賃料の安い在庫に返ることで、固定費用を削減することも可能です。

バランスシートに余分な在庫がないかどうかを調べ、必要な在庫だけ持つようにすることは、とても大切なことなのです。

買掛債務

買掛債務も、銀行はしっかりと見てきます。

バランスシートだけを見れば、買掛債務にそれほど問題がないように見えたとしても、詳しく調べていく中で、意外な実態が見える場合があります。

よくあるのが、焦げ付きが露見することです。

バランスシート上では、単に未払いの買掛金として記載されていたものが、詳しく調べてみると支払いが遅延しているというケースがあります。

この他にも、取引先の無理な要求を飲まされた結果、支払いサイトが短くなっていたり、不利な条件での取引になっていたりする場合があります。

平均仕入高や支払い状況を調べるうちに、不要な仕入れをさせられている実態が見えることもあります。

そのような実態が見えてくると、銀行は確実にマイナスに判断します。

したがって、買掛金と売掛金のバランス、平均仕入高や支払い実績のバランスなどを確認しながら、アンバランスな状況が生まれないように注意しなければなりません。

以上のように、銀行がバランスシートを見る際には、バランスシート上の数値を見ると同時に、会社の実態も必ず見ます。

そして、バランスシートと実態に違いがある場合には、実態の方を優先することを知っておきましょう。

銀行はどこを見る?

バランスシートや損益計算書は、期末に決算書として作成されるものです。

しかし、ならば期末までは何もしないのかというと、そうではありません。

バランスシートや損益計算書の数値は、試算表として月単位で試算していきます。

月単位での数値を試算しておくと、粗利益、経費などの変動を細かく把握していくことができます。

つまり、会社の財政状況や業績が現時点でどうなっているかを把握し、問題点を見つけるのにも役立つのです。

銀行は、審査にあたって決算書の他、試算表も重視します。

なぜならば、銀行が決算書しか求めなかったとすれば、決算後の状況の変化を把握できないからです。

決算から時期が経てばたつほど、決算書は頼りないものとなっていきます。

そこで、決算後の推移の把握のために、試算表が求められます。

決算書や試算表の中で銀行が重視するのは、以下の項目です。

この項目に関しては、銀行から質問がなされることも多いため、経営者はしっかりと理解しておかなければなりません。

現金

現金は、色々ある項目の中でも、帳簿上の数字と実際の価値が同じです。

したがって、普通に記載されている分には、銀行もそれほど気にかけることはありません。

 

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しかし、現金が多いと感じた場合には、銀行は粉飾決算を疑うよ!

中小企業が手元資金として持っておく現金は、多くても月商の1~2ヶ月分が相場です。

それより多い場合には、銀行は疑いの目を向けてくるでしょう。

銀行が抱く疑問は、「これだけの現金を、なぜ現物として持っているのだろう?銀行に預けない理由は?」というものです。

釣銭などのために現金を保有しておく必要がある小売業ならばまだしも、多くの業種では多額の現金を保有しておく必要はありません。

むしろ、銀行はできるだけ多く預けてほしいと考えていますから、手元に資金を残しすぎるよりも、銀行に預けておいた方が融資にも有利に働きます。

現金と預金は、どちらも帳簿上の数字と実際の価値が同じ項目です。

このうち、預金は残高証明書によって確認が可能ですが、現金は現物を見ない限り分かりません。

試算表では確認ができませんから、何らかの方法によって証明し、納得してもらう必要があります。

有価証券

流動資産の中に有価証券がある場合、銀行はどのような銘柄を持っているかを見るものです。

事業に関係のある銘柄ならば、それほど問題視されることはありません。

取引先との関係の中で、株を保有することもありますし、説明がつけば何ら問題はありません。

しかし、事業と全く無関係の銘柄を保有していた場合には、銀行は好ましくないと考えます。

その会社が、株によって投機的な儲けを狙っていると考えるからです。

その銘柄で利益が出ているとしても、本業に関係がないことをやっている時点で、銀行はマイナスに見なします

また、有価証券の時価が、決算時点よりも低くなっている場合には、その分だけマイナスして考えます。

さらに、その銘柄の会社が債務超過状態に陥っている場合には、その有価証券の価値はゼロとみなされます。

借入金

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銀行は、短期借入金や長期借入金の残高の動きを確認するよ!

会社が赤字に陥ったときなどには、その赤字をカバーするための借入をするケースも多いものです。

そうなると、複数の銀行から運転資金以上の借入をすることになるわけですが、銀行はそれを細かく把握しようとします。

会社としては、借りている銀行と借入額、残高くらいは把握していると思います。

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しかし、それが一体どのような性質の借入であるのか、内訳を詳細に把握できていないことも多いだろう。

借入金には色々な種類があり、正常な借入金もあれば、危険時の借入金もあります。

借入金の種類によって、返済原資が売掛金であったり、営業収入であったりの違いがあります。

銀行では、借入金の内訳を把握し、返済原資がどのような状況であるかを知ることで、融資の判断に役立てています。

会社も、借入金を「短期借入金」「長期借入金」というようにざっくりと把握するだけではなく、その内訳を詳細に把握し、銀行との交渉に役立てていくことが大切です。

その他

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その他のチェック項目も簡単に見ておきこう!

仮払金・立替金・貸付金

この三項目は、銀行から資産価値ゼロとしてみなされます。

なぜならば、これらは会社の利益に貢献することなく社外に出て行くお金であり、それらが回収できないことも多いからです。

土地・建物

土地や建物は、本業で使用していない場合には投機のための資産とみなされ、帳簿価格よりも時価が低ければ含み損が差し引かれます。

本業に使用している土地は、その土地に事務所や工場が建っている場合にはすぐに売却することができません。

そのため、含み損は考慮されません。

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4期分のバランスシートを見よう

以上で、バランスシートに関する基礎知識は全て押さえたと言えます。

では、ここからは4期分のバランスシートを準備し、その推移を確認しましょう。

確認するべきことは、純資産の推移、現金預金の推移、売掛金と買掛金の推移、棚卸資産の推移、借入金の推移です。

純資産の推移

前期よりも利益が増えた場合、純資産が増加します。

純資産の推移を確認した時、順調に増加しているならば、利益を継続的に出していることの証明になります。

逆に、純資産が減少しているならば、利益を出せていないことが分かります。

利益を出せずに純資産が減少していながらも経営が破綻しないのは、これまで積んできた利益や資本金を崩して穴埋めしているからです。

そのまま自己資本が減っていけば銀行融資に不利になりますし、最悪の場合には破産に至ります。

したがって、すぐに原因を調べて対策する必要があります。

現金預金の推移

現金預金は、運転資金に充てられます。

それがゼロになってしまうと経営が回らなくなります。

利益が出ていれば、現金預金は増えていくのですが、減少する理由は必ずしも利益が出ていないからではありません。

そのほかにも、変動費や固定費が増加していたり、回収サイトが長引いていたり、支払いサイトが短くなっていたり、借入金の返済負担が大きくなっていたりと、色々な理由が考えられます。

そのような状況を察知したら、経費の見直し、回収サイトや支払いサイト改善のための取引先との交渉、銀行へのリスケの交渉などが必要となります。

売掛金と買掛金の推移

売掛金の増減を見た時、売上が伸びたために売掛金が増えていれば良いのですが、回収サイトが長くなったために売掛金が増えていることもあります。

後者の場合には、資金ショートのリスクが高まります。

買掛金の増減を見た時、仕入が増えた、支払いサイトが長引いている、支払いが滞っているなどの現認が考えられます。

支払いが遅延している場合には、取引先からの信頼を著しく損なうため、早急に対策が必要となります。

棚卸資産の推移

棚卸資産の推移を見た時、棚卸資産が増加しても売上や利益が横ばいであれば、過剰在庫が生じている可能性が高いです。

その場合には、すぐさま資金化を図り、適正な在庫を保つようにしましょう。

借入金の推移

計画的な融資と返済ができていれば、借入金は徐々に減少していきます。

しかし、借入金が増えているならば、追加融資を受けているということになり、元利返済額が増えていき、財務を圧迫するようになります。

やむを得ず増えた借入金は仕方ないのですが、できるだけ圧縮できないか検討していきましょう。

まとめ

バランスシートの見方を知ると、会社の財務状況を正しく把握できるようになります。

これまで、曖昧にしか把握してこなかった経営者も、しっかりと把握することができ、より正しい視点で経営に臨めることと思います。

また、銀行融資の際にも、バランスシートの知識は必ず役に立ちます。

資金調達を円滑に進めるためにも、積極的に知識をつけていきましょう。