どんぶり勘定では資金調達に苦労する!元銀行員に学ぶ抜本的な改革とは

銀行が融資を判断する際には、きちんと回収できるかどうかを最重視します。

当然、会社が潰れてしまっては回収不能となるため、資金繰りが問題なく続いていくことも、融資実行のための条件となっています。

このため、資金繰りに計画性がない、つまり資金繰りがショートする危険性がある会社は、銀行から危険視され、融資交渉が難航することが多いです。

そのような会社が立て直しを図るためには、資金繰り計画の抜本的な改革が求められます。

このことについて、元銀行員に尋ねてみました。

どんぶり勘定はなぜ嫌われる?

―――資金繰りに計画性がない社長は、銀行も警戒すると思うのですが、一口に計画性といっても色々あると思います。

元銀行員:計画なんて考えたこともない、必要だとわかっていてもどう計画していいかわからない、計画性をもってやっている“つもり”など、程度は色々でしょうね。

大きく言えば、社長自身が会社のお金の流れをざっくりとでも把握しておき、

  • 資金繰りが安定しているかどうか
  • この先資金不足が生じるならば、いつ頃にどれくらいの不足が生じるのか

といった程度の計画性があれば、銀行も特に問題視はしないでしょう。

計画によれば、何か月後に何万円の不足が出そうだ、今のうちから銀行に相談しておこう・・・と、こういう計画ができればいいですね。

相談を受けた銀行も、余裕をもって検討できますから。
もし断られても、別の銀行に相談する時間はたっぷりありますしね。

 

―――問題視するとすれば、どのような社長が危ないと言えますか?

元銀行員:資金の流れをあまり把握していなくて、気づいた頃にはまもなく資金不足になりそうだとわかった、慌てて銀行に融資をお願いした・・・こういう社長は嫌われますね。

もし、銀行がそれに応じなければ、資金繰りが回らなくなります。計画性のなさが、会社をつぶしてしまうわけです。

いわゆる「どんぶり勘定」ですね。会社のお金がどうなっているかほとんど把握していない状態です。

超好景気な会社や業界であれば、需要は安定しているわけですから、どんぶり勘定でもバカバカお金が入ってきて、資金繰りが回っていくこともあります。

しかし、そんな景気はいつまでも続きませんから、そのうち回らない時が来ます。

回らなくなった時、銀行の貸し倒れリスクは高まりますからね。だから嫌われるのです。

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どんぶり勘定で融資交渉に苦労した社長

―――計画性のない社長といえば、具体的にどんな人でしょうか。銀行員時代の、特にひどかったエピソードなどあれば聞いてみたいのですが。

元銀行員:特にひどいと言えば、道路工事会社のY社なんかが参考になるかもしれません。ウチがメインバンクとしてお付き合いしていた会社です。

―――どのようにひどかったのでしょうか。

元銀行員:びっくりするかもしれませんが、Y社の社長は、取引先から入金されるまで受注額も知らなかったんです。

資金繰りがどう回っているかをあまり把握していない、だから計画性もないといったレベルではありませんでした。

 

―――Y社への支援について、詳しくお聞かせください。

元銀行員:Y社については、業績がかなり安定していたため、それほど注意していませんでした。

ウチがメインバンクでしたが、準主力以下4行との付き合いも安定していて、どこも積極支援という感じでしたし。

銀行では、定期的に異動があって、担当も変わりますよね。

私もあるときY社を担当することになったのですが、危険な兆候もありませんし、好景気のようだし、他行との取引も安定しているし、あまり注意していませんでした。

それで、融資を依頼されたときにも、割と簡単に融資を出してしまったんです。大手ゼネコンから新規に受注したことで、立替費用が必要とのことでした。

このような資金使途ならば合理的ですし、今後の業績も伸びていくでしょう。ぜひ融資すべきだと思ったんです。

危険な兆候もありませんし、保証協会の保証付き融資でしたし、ここで慎重になる銀行員は少ないでしょうね。

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―――なぜ、資金繰りのまずさに気づいたのでしょうか。

元銀行員:運転資金を融資した翌月、また融資依頼があったからです。これって、すごくおかしなことですよね。

ある程度の間隔が開いていれば納得もできるのですが、2か月連続での融資依頼です。

普通なら、2か月連続で融資交渉するのも面倒ですし、1回でまとめて融資をお願いすればいい話でしょう。

そこで、どんぶり勘定なんじゃないかな、と思ったわけです。

 

―――どのように交渉を進めたのでしょうか。

元銀行員:まず、社長にヒアリングしました。資金繰りはどうなっているのか、聞いてみる必要がありましたから。

「正直にお話しください、でないと稟議を進められません」というと、社長は「いつもこの時期は資金が不足しがちなんです」と言いました。だから私は、「それなら、先月の融資の時にまとめて借りればよかったでしょう」と言ったんです。

このように話していくと、会社の実態について色々わかってきました。

なんでも、Y社は非常な好景気でしたから、いつでも100件以上の工事を抱えていたらしく、社長がそれらの進捗を把握できていなかったんです。

どの工事がどのように進んでいて、どこで、どれくらい立替資金が必要になって、いつ、いくら資金が不足するのか、そういうことが全然分かってなかったんですね。

だから、先月はいくら足りないから融資してくれ、今月はいくら足りないから融資してくれ、という依頼になっていたんです。

 

―――なるほど、そういうことであれば、融資依頼が細切れになるのも無理はなさそうです。

元銀行員:とはいえ、銀行としては資金繰りを不安視せざるを得ません。

だって、資金繰りが把握できていないのですから、ある時にまとまった資金不足が発生して、融資でカバーすることも難しくなって、資金繰りがショートするということもあり得ますからね。

それに、それぞれの案件を把握していないものだから、社長は入金当日になるまで入金額を知らなかったって言うじゃないですか。どこから、いつ、いくら入金かわからない状態です。

これでは、計画的に資金繰りをするなんて、とても不可能です。どんぶり勘定になって当たり前といった感じでした。

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―――そんな状況で、Y社はどのように支援を取り付けたのでしょうか。

元銀行員:私のアドバイスに沿って、資金繰りに計画性を持たせていくことを約束してくれたからです。

社長には、まず工事や入金の状況を整理するようにお願しました。それができない以上、稟議は絶対に通らないからお願いします、と。

工事の進捗にしても、受注金額が大きいものから優先的に把握して、資金繰りに影響の大きいものからコントロールしていく方針を立てました。

それができると、資金繰りの見通しもかなり立てやすくなりますから、稟議の可能性も見えてきます。

 

―――取引が多くて資金繰りが混乱している会社にとって、受注額が大きいものから整理していくというのは良い方法ですね。

元銀行員:それは、状況を整理する際のポイントだと思います。

このようにお願いすると、社長は各現場の担当者から早急に報告を集めて、1週間で整理して、資料を持参してくれました。

報告を聞いてみると、思った通り、請求できるのに請求していなかったところもたくさんあったようで、早急に請求することでかなり整理も進んでいました。

この1週間、私も上司に報告済みでした。

社長の報告資料を受けて、再度上司と協議したところ、2000万円の融資を出せばY社の資金繰りは当分問題ないことが分かり、稟議も無事に通りました。

資金繰りには問題がありましたが、そもそも好業績な会社です。私のアドバイスも受け入れて、どんぶり勘定も随分改善されましたから、まさに鬼に金棒です。

その後、Y社が無計画に融資をお願いしてくるようなことはなくなりましたよ。

融資を依頼してくるときは、きちんと資金繰り計画に基づいた依頼でしたから、安心してお付き合いできるようになりました。

 

―――どんぶり勘定の社長は、それを改めることで銀行との付き合いがうまくいくのですね。

元銀行員:そうですね。
金繰りに計画性を持たせるなら、できるだけ早いほうがいいでしょう。

どんぶり勘定の会社は、どんぶり勘定でも成り立っている会社、現段階ではそれなりに儲かっている会社が多いんです。

早い段階で財務にメスを入れることで、強い会社に生まれ変われることもありますから、ぜひ早めの取り組みをお勧めします。

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まとめ

どんぶり勘定で成り立っている会社もありますが、それはどんぶり勘定でも成り立つ環境だからこそ、成り立っているのです。

いつまでもその状況が続くとは考えにくく、いずれ資金繰りが破綻する可能性が高いです。

そのような会社は、一度会社の財務面を整理してみて、資金繰りに計画性を持たせることで、銀行交渉がかなりスムーズになることが多いです。

安定して資金を調達するためにも、ぜひ改革に取り組んでほしいと思います。

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