経営が行き詰った時に「良い破産」を選び、「悪い破産」に至らないために

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※本記事はプロモーションを含みます。

経営が行き詰まり、破産に至る会社は少なくありません。

この時、同じ破産でも「良い破産」と「悪い破産」があります。

良い破産とは、取引先になるべく被害を与えずに破産することであり、悪い破産とは、取引先にたくさんの被害を与えて破産することです。

良い破産を選ぶことができれば、破産後も取引先との関係を続けられる可能性があり、新たな人生を始める際に大きな力になります。

しかし、良い破産を選べる経営者は少なく、立て直しに奔走した挙句に悪い破産に至る会社が多いものです。

これは、破産に対して間違った考えを持っていることも大きな原因です。

そこで本稿では、悪い破産ではなく良い破産を選ぶために、破産に関する正しい知識を身に着けていきましょう。

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「良い破産」と「悪い破産」

破産とは、会社が立ち行かなくなり、取引先や銀行への債務の支払いができなくなり、経営が破綻することを指します。

破産について、このように捉えている人がほとんどだと思いますが、詳しく考えてみると、破産にも二種類あることが分かります。

すなわち、次の方法です。

  • 債務の支払いができなくなった時、早めに見切りをつけ、初期の段階で破産する
  • 債務の支払いができなくなっても、何とか経営を続けようと奔走し、いよいよ手の打ちようがなくなってから破産する

「良い破産」とは?

  • 手形の不渡りがまだ発生していないものの、不渡りになることが明らかな状態
  • あるいは未払金が発生していないものの、近い将来発生することが明らかな状態

このような状態になった時、早めに会社を見切って破産に至ります。

もちろん、これはあくまでも「経営が行き詰った場合」です。

まだ打つ手があるのに破産するということではなく、色々な対処を考え、それぞれの対処をした場合にどのような流れになるのかを予測した結果です。

「色々な対処を考えたが、結局は破産するほかなさそうだ」という結論に至った場合に、早めの破産をすることです。

CFブルー
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このような破産をすれば、取引先に被害を与えることはないのだ。

被害を与えるとしても最小限の被害に止めることができます。

取引先が連鎖倒産してしまうような事態を招くことなく、綺麗に会社をたたむのです。

これは、破産の中でも「良い破産」だと言えます。

「悪い破産」とは?

  • 債務の支払いが不可能になった時、取引先に支払いの延期をお願いする
  • 支払いを延期してもらいつつ仕入れを認めてもらう
  • 親しい会社からお金を借りて支払いを行う
  • 親族や友人からお金を借りる

このように、色々な奔走をするのですが、結局は破産に至るものです。

CFイエロー
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これでは、被害を受ける取引先が増えたり、各取引先の被害が大きくなったりする結果を招くわ。

これは、破産の中でも「悪い破産」です。

悪い破産で取引先は泣き寝入り

会社が破産を申し立てると、会社の資産は差し押さえられ、売却の後に債権者への支払いに充てられます。

不渡りの手形や未払金の支払いに充てられたり、銀行への借入金返済に充てられたりします。

しかし、会社の財産を差し押さえて弁済を図っても、債務の全てを消化することはほとんど不可能です。

それぞれの債権者が回収できる債権は数%程度というのが普通です。

これは、債権の種類に応じて債権者には優先順位が付けられており、優先的に弁済を受けられる債権者と、そうではない債権者に分けられるためです。

この優先順位では、まず破産手続き費用、裁判所費用、破産管財人の報酬などが最優先となっており、これらの費用が先に支払われます。

次いで、従業員への未払い給与や未納状態の税金があるならば、これを優先的破産債権とみなして支払います。

これらを支払った後に、一般の破産債権として、取引先や銀行といった債権者への弁済が行われます。

CFレッド
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一般の債権者に弁済される頃には、様々な費用が差し引かれていることが分かるだろう。

差押えられる資産の内容によっては、よくても債権額の数%、場合によっては全く回収できないこともあり得るわけです。

そうなれば、取引先は泣き寝入りするほかありません。

良い破産を選び、かなり早い段階で見切って破産に至れば、未払状態の債務が少ない状態です。

したがって、被害を与える取引先は少なくなります。

会社の資産もそれなりに残っており、従業員の給与や税金の未払も軽いでしょう。

もし債務が残っていても、弁済に回される金額も大きく、取引先の被害を最小限に止めることができます。

CFイエロー
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しかし、悪い破産ならばどうだろうか。

悪い破産ならば、立て直しのために下手に奔走したことで、債務が大きくなっている可能性が高いです。

また、資産の売却などを通して延命していることでしょうし、従業員の給与や税金も先延ばしにしている可能性が高く、いざ破産して差押えが行われたとしても、弁済に回される金額は小さくなるものと思います。

そうなれば、一般の債権の弁済に回すことができるお金もほとんど残っておらず、たくさんの債権者が泣き寝入りすることになります。

CFレッド
CFレッド
このように考えると、破産は破産でも「良い破産」と「悪い破産」があり、大きく違うことが分かるよ!

良い破産によって、取引先への被害を最小限に食い止めれば、これまで築いてきた信頼を保つこともできるでしょう。

しかし、悪い破産によって、取引先を泣き寝入りさせることになれば、信頼は崩壊します。

どうせ破産するならば、良い破産をした方が良いに違いありません。

もちろん、これまで苦労して経営してきた会社を破産させるのは、非常に苦しいことと思います。

しかし、あえて早い段階で見切りをつけて良い破産をすれば、次なる人生に確実にプラスをもたらします。

第二の人生で、普通に働いていくにしても、信頼を損なわなかったことによって、かつての関係者から就職の世話をしてもらえる可能性があります。

また、新たな会社を立ち上げて再び経営していく場合には、かつての取引先がまた付き合ってくれるかもしれません。

良い破産を選べば、それが可能です。

しかし、悪い破産を選べば、そのようなことは到底不可能です。

だからこそ、経営が行き詰って対処のしようがなくなったときには、下手にもちこたえようとして悪い破産に至るよりも、早めに見切りをつけて良い破産をする方が良いのです。

ただし、見切りをつけることは簡単なことではありません。

破産を躊躇させる大きな理由として、破産したときに自身に降りかかる影響について、誤ったイメージを抱いていることが挙げられます。

良い破産に踏み切るためには、そのような勘違いを改め、破産に対して過度の不安を抱かないことが大切です。

以下に、破産の実態と実際に身の回りに起こる影響などを紹介していきます。

破産の基礎知識

良い破産を考えるにあたり、まずは破産の基礎知識を学んでいきましょう。

よく、「破産=倒産」と考えている人がいます。

確かに、似たようなイメージがある言葉ですが、厳密には異なる意味を持っています。

破産とは、倒産後に行われる手続きのことを指します。

倒産に至った時、その会社は債権者に弁済するための手続きを行います。

この手続きには、法的整理と任意整理があるよ!

法的整理とは、正しくは「法的倒産処理手続き」というものであり、破産法や民事再生法といった法律に則り、裁判所の監督で倒産を進めるものです。

一方任意整理とは、正しくは「任意倒産処理手続き」というものであり、倒産した会社と債権者の協議によって、財産の処理を進めていくものです。

私的整理とは、裁判所や法律によることなく、債務者である会社と債権者が協議することによって債務を処理していきます。

裁判所という中立で強力な機関が間に立たずに進めるため、債権者同士の利害から話がまとまらないことも多いです。

このため、法律という絶対的な基準をもとに、確実に、安全に倒産を進めていくためには、法的整理の方が好ましいと言えます。

CFレッド
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法的整理はさらに再建型と清算型に分けられるよ!

再建型とは、会社の再建を目指して行うものであり、民事再生や会社更生がこれに当ります。

一方、清算型とは、破産や特別清算など、清算を目指して手続きを進めるものです。

出資者を得られる場合には、民事再生によって倒産処理を進め、会社を存続させることも可能です。

ただし、破産手続きは手続き費用や弁護士費用で300万程度必要となります。

一方、民事再生は1000万円程度かかるため、この点で大きく違うと言えます。

同じ法的整理でも、再建型は倒産状態にある会社を存続させつつ、債権者への弁済を図ります。

しかし、清算型では会社を存続させることなく、倒産状態にある会社の財産を換金して弁済します。

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