会社経営において、「運転資金」への理解を深めることは非常に重要です。
運転資金への理解が浅いために、資金繰りが苦しい原因が運転資金にあると気づかない経営者もいます。
また、運転資金の知識を実際の資金繰りに活かすには「所要運転資金額」の正確なは相も必要です。
本記事では、「運転資金」および「所要運転資金」についての基礎知識を解説します。
これらの知識があれば、資金繰り以外にも銀行交渉をスムーズに進めるにも役立ちます。
【注目】お急ぎの場合はファクタリングがおすすめ
※上記の図解は2社間ファクタリング
ファクタリングとは、「債権買取り」を意味しています。
法人がファクタリングにおいては、保有している売掛債権(=請求書)を売却することで現金を得る資金調達方法の一種として認識されています。
企業は、ファクタリングを利用すれば、売掛債権の予定日よりも早く現金を受け取れます。
ファクタリングは売掛債権の売買で資金調達を行うため、銀行からの借入とはことなり融資にはあたりません(調達した資金の返済は不要です)。
融資ではないため金利はありませんが、利用時にファクタリング業者に手数料を支払います。
運転資金とは?
会社のバランスシートでは、常に資産と負債のバランスがとれている必要があります。
しかし、実際の経営ではそのバランスが崩れる(=資金の収支がズレる)ことがあります。
このズレをカバーするための資金がなければ、資金繰りがショートしてしまう危険性があります。
多くの経営者にとって、「運転資金」は資産と負債のバランスが崩れたときに出てくるものです。
営業の結果、バランスシートには色々な変化が生じます。
▼流動資産で起こる変化(一例)
- 商品を仕入れて現金が減る
- 棚卸資産が増える
- それを販売することで棚卸資産が増える
- 売掛金や受取手形が増える
- 債権を回収して現金が増える
流動負債でも、買掛金や支払手形が増えるなどの変化が起きるでしょう。
このような営業活動において、流動資産と流動負債のバランスが崩れてしまうのは、主に売掛金や棚卸資産、前渡金などが増加した場合です。
なぜなら、仕入れた商品は一定の期間にわたって棚卸資産、売掛金などの形で滞留し、その期間は仕入代金を支払うまでの期間より長いのが通常だからです。
商品を仕入れてから販売する、あるいは売掛金を回収するまでの期間のズレ、そのための資金需要のことを、運転資金といいます。
運転資金の具体例
具体的な例を見てみましょう。
ある人が、卸売業を始めたとします。
この人は、必要な設備を自己資金でそろえて、売るための商品の仕入れも自己資金で支払い、開業しました。
取引先の会社が買ってくれれば、その分だけ売上が入ってきます。
しかし、なぜか慢性的にお金が足りずに資金繰りが苦しい状態でした。
その理由は、設備や商品仕入れによって多額の現金が流出したにもかかわらず、商品販売による現金収入が少なかったからです。
設備や仕入れにかかった多額の支払いを商品販売で回収するにはかなりの時間が必要です。
この例のように、現金として回収するまでに時間がかかる資産を抱え、収支にズレが起こると、資金繰りは苦しくなります。
ズレの正体
今回の例にあげた卸売業者では、700円で仕入れた商品を1,000円で売っていました。
この時、700円の棚卸資産を仕入れたとき、700円の支払手形や買掛金、あるいは前渡金などが発生します。
つまり、仕入値ベースで計上されます。
しかし、商品を売ったときに発生する受取手形や売掛金、前受金などは売値ベースの1,000円で計上されます。
このことから、運転資金には儲けも含まれていることがわかります。
これがズレの正体です。
ズレへの対処を間違えると……
このような苦しい状況の中で、よくある間違いが「がむしゃらにやる」ということです。
苦しい原因を特定できず、ズレを埋めることができず、とにかく売上を伸ばせばラクになるはずだと考えて取り組むのです。
ところが、売上を伸ばすためには、売上の原因となる商品や原材料などの仕入が必要となるのですから、ズレは大きくなります。
つまり、運転資金は増えてしまいます。
ズレへの正しい対処方は?
正しい対処法の1つは、「運転資金を銀行融資によってカバーすること」です。
外部から調達した資金を補充することで、「運転資金は融資でカバーしたので、資金繰りは苦しくない」という状態に改善できます。
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