税理士との付き合いの中で、タブーと言われるものはいくつかあります。
税理士との付き合いに悩む経営者は少なくありませんが、経営者側にはそれほど悪意がなかったとしても、税理士側では重大な背信行為と受け取ってしまうタブーを犯していることがあります。
本稿では、よくあるタブーの一つについて、現役の税理士にインタビューを行い、ナマの意見を聞いてみました。
報酬はきちんと支払っている?
何がタブーかといえば、色々あると思いますよ。もちろん、影響度の大小はあると思います。
それは、経営者として非常識なんじゃないかなと思ってしまうような行為だと思います。「いやいや社長さん、ちょっとあまりにも勝手すぎやしませんか・・・」と思ってしまうようなことですね。
一番わかりやすいのが、税理士報酬の未払いじゃないでしょうか。
経営者は税理士に税務処理をお願いして、税理士はそれをこなす。それで報酬が発生するわけですよね。だから、報酬の未払いなんて、あってはならないことなんです。
報酬というのは、対価として支払われるものです。報酬の未払いは、税理士のこなした仕事を認めていないと考えることもできるわけです。

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ちゃんと払って当然のものですから、イレギュラーなケースだと思えるでしょう?しかし実は、報酬の未払いは珍しくないんです。
それは、経営者の甘えだと思いますよ。
税理士は、会社の税務処理を請け負いますね。すると、経営が厳しい会社の場合、その台所事情も分かるわけです。
何の問題もない会社が相手なら、報酬もスムーズに支払われるでしょうし、トラブルは少ないです。
しかし、台所事情が厳しい会社の経営者は、税理士に甘えた感情を抱くことがあります。
財務的に厳しいといっても、販売先や仕入れ先、また銀行にはそんなこと分かりませんし、わからせてしまうと取引関係に支障が出ますから、無理をしても未払いは避けるべきです。
ところが、税理士はそうではありません。
財務状況の厳しさをよくわかっていますし、ビジネスパートナーなのですから、経営者も「分かっていると思いますが、ウチもこういう状況ですから、ちょっと支払いを待ってください」と甘えやすいんですね。
税理士としても、経営のためには税理士よりも取引先への支払いを優先すべきことはわかっています。経営の悪化によって、一時的に未払いが発生したとしても、信頼できる経営者であれば、すぐに関係悪化にはつながらないこともあります。
しかし、中には確信犯的な経営者もいますからね。
いざとなれば、税理士報酬は未払い状態にできる、遅らせていいなら遅らせてやれ、くらいに考える経営者もいるんです。悪質な場合だと、踏み倒そうとする経営者もいますし。
税理士と経営者はビジネスパートナーです。
このような関係になってしまうと、経営者が一方的に得をして、税理士が一方的に損をすることになります。これでは、関係が成り立つはずはありませんね。

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関係悪化の具体例
私の経験をお話ししましょう。
あるとき、経営者から相談を受けたのですが、その経営者は前の税理士と喧嘩別れになったということで、私に依頼できないか、もしくはいい税理士がいたら紹介してくれないかという話でした。
前の税理士と喧嘩別れになった、多くの税理士が違和感を抱くものです。
どのようなトラブルになったかを確認すれば、それが付き合うべき経営者であるかどうか、よくわかります。
税理士側に問題があって、喧嘩別れになることもあります。
税理士が会社のためにならない税務処理をしたり、ごく機械的な税務処理しかしなかったために、銀行との取引に支障をきたした結果、経営者とぶつかってしまうようなケースです。

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しかし、経営者側に問題があるならば、私もそのような経営者とは付き合いたくないので、事情の把握に努めます。
そのため、相談の際に決算書を見せてもらう税理士は多いです。もし、未払い費用がある場合は、税理士報酬の未払いかもしれないと考えて要注意と考えます。
ところが、税理士の紹介を依頼された私は、相手が遠方だったこともあり、事情を詳しく把握しないまま、税理士の紹介をしたのでした。
決算の時です。
いざ決算の時期を迎えて、新任の税理士が前期の決算書を欲しいと伝えると、それがないことが分かりました。
税務署に提出しているはずですから、決算書がないはずはありません。
おかしいと思って詳しく調べてみると、税務署への提出はできているものの、前の税理士に報酬を支払っておらず、決算書を受け取っていないことが分かったのです。
前の税理士に問い合わせてみると、100万円以上の報酬が未払いになっていることが分かりました。
その税理士の話によれば、経営者が支払わずに済ませようとしているのを感じたため、決算書は未払いの限り渡さないようにしたとのことでした。
決算書が手元にない状態では、いずれ経営者が困る可能性が高いです。
経営者の逃げ切りを許さないためにも、決算書は税理士の方で手元に置いておいたわけです。
さらに調べてみると、地域の税理士たちの間で、その経営者は要注意人物として扱われていることが分かりました。
税理士は横のつながりが非常に強いので、要注意人物として名前が知れ渡ると、どの税理士も相手にしてくれなくなるのです。
その後、私が紹介した税理士ともうまくいかなかったようですし、私もどうなったか知りません。
ただ、彼が税理士報酬を未払いにしたことによって、何のプラスにもなかったでしょうし、むしろ大きなマイナスになったことは疑いがないでしょう。
経営者は、このような非常識な行為、税理士への背信行為を決してやってはいけません。

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まとめ
税理士と経営者の関係も、ビジネスにおける取引関係です。
しかし、販売先や仕入れ先、銀行などとの関係とは異なり、税理士はどちらかというと身内の関係にあり、甘えや驕りが生じやすい関係でもあります。
しかし、お金のことでトラブルになってしまえば、信頼関係は簡単に壊れてしまいます。
税理士の十分な働きは期待できませんし、本稿にあった例のように、決算書を受け取れずに困ったり、本当に会社のためになる税務処理が受けられなかったり、色々な問題が起こってしまいます。
税理士への報酬はきちんと支払うよう、気を付けておきましょう。
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