資金を必要としているものの、融資を受けられない会社は多いと思います。
決算の内容が悪い会社に対しては融資しないと判断する銀行も多いからです。
そのような会社が担保を差し出したり、信用保証協会の保証を受けたりすることで融資を受けられることもありますが、それでも融資を受けられないケースもあるでしょう。
そのような場合には、資産から資金を作り出す方法を考えてみてはいかがでしょうか。
本稿では、資産から資金を作り出す考え方について解説していきます。
資産を資金に換える方法とは?
資金調達の方法を考える時、多くの人は銀行からの融資を考えるでしょう。
もちろん、銀行からの融資をスムーズに受けられるならば、それに越したことはありません。
融資を有効活用しながら、効率的な経営を目指していけばよいでしょう。
しかし、銀行からのプロパー融資を受けられず、信用保証協会保証付融資や日本政策金融公庫などからも借りられないとなれば、ノンバンクからの融資は躊躇するものですし、融資による資金調達が困難になってきます。
出資を受けることによる資金調達も考えられますが、その会社がよほど将来性豊かな会社でない限り、出資は期待できません。
単に融資も受けられないだけの会社に対して、出資したいと思う投資家や機関がいるはずがないのです。
ならば、融資も出資も受けられないならば、そこで経営に行き詰ってしまうのでしょうか。
そんなことはありません。
まだ「資産を資金化する」という資金調達方法が残っているからです。
この方法は、うまく利用することによって、財務内容の改善にもつながる方法です。
財務内容が悪いために融資を受けられなくなっている会社ならば、特に活用していきたいものです。

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必要ない資産を所有しているケースが多い
今、手元に貸借対照表がある人は、借方の欄を見てみてください。
そこに計上されている資産の中には、必ずしも必要ないものや、眠っていて活用されていないものがあるはずです。
それらの資産を何のために所有しているのかを見直してみると、資金調達に役立てることができるかもしれません。
もちろん、健全な経営がなされているならば、それらの資産は何らかの理由があって購入されたものでしょう。
理由もなく購入し、それゆえに眠っている資産というものは、あまり考えにくいものです。

実際に中小企業の財務内容を見てみると、眠っている資産が相当に所有されているケースが多いのです。
例えば、資産の購入にあたっては、経営者や重役が会議をし、熟考を重ねた上で購入したでしょう。
当時はそれが最良の判断であったものの、当時とは経営環境が変わってしまい、その資産が不要になってしまうことがあります。
また、同業者の勧めで購入や投資に踏み切ったものの、効果が得られなかったというケースもあります。
このほか、そもそもあまり考えずに買った結果
- 何の効果ももたらさずに眠っている
- 早期に処分しておくべき資産をなかなか処分できなかった
- 売りたくても適当な売り方が分からずに所有し続けている
などの場合もあるでしょう。
以上のような理由で、資産を眠らせている会社が少なくありません。
現在の資金難も、眠っているだけの資産に資金を投じ、長期にわたった所有コストを支払ってきたことが、多少は影響しているものと思われます。
会社が所有している資産は、それを所有していることで経営に何らかのメリットをもたらしてこそ、初めて価値が生じます。
しかし、価値のない資産を所有しているケースは往々にしてあるものです。

価値を生み出しているものと生み出していないものを区別し、「価値を生み出す・生み出さない」程度によっても仕訳けてみましょう。
これによって、資産を資金化することもできますし、資産内容を見直すことを通して会社全体を見直し、経営再建の足掛かりとすることもできます。
このように、資産を見直し、資産を資金化していくことをアセットファイナンスと言います。

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資産を資金化する手順
アセットファイナンスは、具体的にはどのように進めていくことになるのでしょうか。
まず、アセットファイナンスは、対象となる資産の現在価値、つまり時価にもとづいて資金化を進めていくことを知っておいてください。
その上で、以下のような手順で進めていきます。
無駄な資産を現金化する
ここでいう無駄な資産とは、「何の価値も生み出さない無駄な資産・将来的に価値を生み出す可能性があるもののいつ生み出すか分からない遊休資産・その他の不良・不明資産」などのことです。
バランスシートの左側には、流動資産や固定資産が記載されています。
決算書には、それぞれの資産の詳細な内訳も記載されていることでしょう。
詳しく見ていけば、その中に現状の経営に役立っていない無駄な資産が見つかるはずです。
具体例を挙げるならば「取引がなくなった会社の株式・使っていないゴルフ会員権・会社が所有している遊休地」などです。
取得に関して今の経営者はノータッチであるものの、先代以前の経営者が購入し、何の価値も生み出していない資産が見つかるケースがしばしばあります。

なぜ、そのような遺物をいつまでも所有しているのかといえば、取得時よりも現在のほうが価値が下がっており、売却すれば損失が出るからです。
しかし、売却すれば損失が出ても、早めに売った方が良いでしょう。
今後、それらの資産の価値が上がる可能性もないわけではありませんが、さらに下がっていくと考える方が合理的だからです。
したがって、取得時から考えると損失になるかもしれませんが、それでも資金化し、現在の経営に役立てていくべきなのです。
「過去において価値があった資産であるかどうか」ではなく、「現在価値がある資産であるかどうか」を基準に判断していくのです。
必ずしも無駄ではない資産を資金化する
資産の仕分けによって無駄な資産を資金化すると、必ずしも無駄ではない資産が残ります。
よく見られるのが在庫です。
- 型が古い商品の在庫
- 売れ残っている在庫
- 季節を過ぎてしまった季節性の在庫
などが余っているのですが、それらを売ると損をするため、なかなか売れずに抱え続けているケースが良くあります。
このような資産も資金化できるものです。
所有し続けるためのコストや、そこから将来的に得られる収益などから考えて、十分に採算が取れるならば、所有し続けても良いと思います。
しかし、戦略的に考えた結果、早期に資金化したほうが良いと判断した場合には、ぜひ資金化したいものです。

正常な取引先の売掛債権ならば、資金化せずとも近い将来現金に変わります。
しかし、回収が遅れている売掛債権は、取引条件を再度交渉したり、分割して回収したり、あるいは資金化したり」することを考えるべきです「
このような資産を抱えていることも多いものですから、「将来的に価値があるかもしれない資産」を戦略的に見直して、現在その資産を保有することが適正であるかどうかを考えることがポイントです。

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必要な資産のリースバックを考える
現在にスポットを当てて、過去並びに将来に価値を有する資産を整理整頓したら、現在の経営に必要ない資産は全て処分することができます。
これだけでも、経営がかなりスリムになり、相応の資金も調達できたことと思います。
ここで残っているのは、会社経営に必要な資産だけです。
この資産を失えば困ってしまいますが、これらの資産を外部に売却し、再び借り受けることで資金を調達する方法があります。
これを、リースバックと言います。
例えば、多くの会社では自動車を所有していると思います。
その自動車を売却して資金化し、そのままその車両をリースバックするという資金調達は、ごく一般的に行われている方法です。
リースバックは車両だけではなく、店舗全体や機械設備、内装設備などでも行なうことができます。
債権や資産の証券化
リースバックまで行なってしまえば、それ以上の資金調達は不可能にも思えます。
しかし、特定目的会社を利用し、不動産や売掛債権、著作権などを証券化することによって、資金調達が可能です。

資産の証券化を行なうことによって、資金を調達できるのはもちろんのこと、資産を圧縮することができ、その結果としてROA(総資産経常利益率)を向上させ、企業価値を高めることもできます。
ただし、証券化にかかるコストを負担しなければならないため、中小企業ではまだあまり一般的とは言えない方法です。
金融機関から融資を受けられず、出資も受けられずに資金繰りに困っている会社でも、これらの方法を進めていくことによって、経営効率を向上させつつ、資金も調達することができます。

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まとめ
融資を受けられなければ、それで経営が頓挫するというものではありません。
資金調達の方法は多く、知識があればあるほど多様な資金調達が可能になるのです。
資産の資金化も、非常に様々な方法がありますから、それらを活用していくことによって、融資を受けられない会社でも資金調達が可能です。
融資を受けられないからと言って、資金化できる資産を抱えたまま倒産に至る会社もあります。
そうならないためにも、当サイトで色々な資金調達方法を学んで欲しいと思います。