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支払いサイトが長い取引先から、いち早く資金を回収する方法

売掛債権が発生し、その代金の締め日から支払期日までの期間のことを、支払いサイトと言います。

支払いサイトが企業に与える影響は大きく、支払いサイトが長期化すればするほど、企業の資金繰りを圧迫します。

また現在すでに、支払いサイトが長い取引先からを抱えていることによって、資金繰りがうまくいっていないという企業もあると思います。

 そこで、本稿では支払いサイトを長期化させない方法と、さらに支払いサイトが長い取引先からからいち早く資金を回収する方法を解説していきます。

資金調達プロ

支払いサイトが長いことの弊害

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企業が取引先に商品や製品、あるいはサービスなどを販売するにあたって、現金取引が行われることはほとんどないということは、周知の事実であると思います。

現金で取引をすることは、買い手にとっては資金繰り上あまり好ましいことではないため、ほとんどの場合では将来の支払いを約束するものとして手形を振り出したり、支払期日を取り決めた上で売掛金が発生することでしょう。

このようにして発生した受取手形や売掛金を合わせて売掛債権と呼びます。

 売掛債権は、取引契約において何月何日に支払うというように、支払期日を明確に定めた上で発生するものです。

このように、取引代金の締め日から支払日まで、買い手企業にとっては一定期間の猶予期間が設けられるわけですが、この猶予期間のことを「支払いサイト」と言います。

より具体的には、例えば「月末締め翌月末払い」などとして契約を結んでいるならば、猶予期間は30日間となり、この場合の支払いサイトを「30日サイト」と呼ぶこともあります。

さて、支払いサイトにどのくらいの期間を設けるかということは、それぞれの取引契約によって異なってくるところですが、支払いサイトが長いことは好ましいことではありません。

まず、企業間の取引における売り手と買い手の力関係は相対的なものであることを知らなければなりません。

取引内容によっては、売り手も買い手も得をするwin-winの取引が行われることもありましょうが、多くの場合においては相対的な関係にあり、売り手が得をすれば買い手は損をする、買い手が得をすれば売り手は損をするという関係が成り立っています。

簡単に言えば、商品を高く売ることができれば売り手にとっては有利であるわけですが、これを買い手からみれば高く買わされているわけですから、不利な取引であると言えるのです。

支払いサイトについても、同じことが言えるでしょう。

支払いサイトが短ければ、売り手はそれだけ早く商品代金と利益を回収できるのですから、売り手にとっては有利な契約であると言えます。

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しかし、買い手から見てみれば、支払いサイトが短いということはそれだけ短期間に必要となる資金が必要となる、すなわち資金繰りが厳しくなるということでもありますから、買い手にとっては不利な契約といえます。

逆に、支払いサイトが長いということは、売り手にとっては不利であり、買い手にとっては有利なのです。

本稿では、自社が売り手の立場であることを前提として書いていますから、売り手の自社としては支払いサイトが長期化することは避けなければなりません。

支払いサイトが長期化してしまうと、自社の資金繰りは厳しくなってきます。

なぜならば、支払いサイトが長期化するということは売掛債権の回収が長期化するということであり、自社の負担を増やす結果となるからです。

 そもそも、売掛債権の発生にあたっては、自社は様々なコストを負担しています。

製品を販売した結果として売掛債権が発生しているならば、その製品を製造するための原材料の仕入れコスト、製造のためのコスト、製造した製品の在庫管理コストなどがかかっていることは明白です。

その製品が自社で開発した製品であるならば、研究開発費も売上の中から回収していかなければなりません。

つまり、売掛債権が発生するにあたって、すでに自社では様々なコストを負担しているのです。

 また、それらのコストを支払うために借り入れなどをしていれば、支払いサイトが長期化するほど利息支払もかさんできます。

原材料その他によって買掛債務があるならば、その支払いのための資金も必要となりますが、支払いサイトが長ければそのための原資をなかなか確保できず、資金繰りはどんどん厳しくなっていきます。

以上のような理由から、支払いサイトが長期化するということは、売り手企業にとっては軽視できない問題であるといえます。

 

 

支払いサイトが長引く原因から考える

本稿は、タイトルの通り支払いサイトを短縮する方法を検討しているわけですが、その方法を検討するためには、支払いサイトが長くなる原因から考えるのが分かりやすいでしょう。

支払いサイトが長期化する原因の多くは、取引先ではなく自社にあります。

このようにいうと、支払いサイトで困っている会社は驚くことが多いものです。

取引先が悪いから支払いサイトが長期化しているのだと思い込んでいるのです。

しかし、自社における取り組みによって原因を解消していけば、多くの場合において支払いサイトの長期化は防ぐことが可能です。

 支払いサイト長期化の原因は、主に以下のようなことです。

 

無理な営業をしている

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企業には色々な部門があります。

それぞれの部門は人体でいうところの臓器のようなもので、それぞれの部門が協調して機能することによって、初めて健全な経営が維持されます。

人体においても、特定の臓器だけが他の臓器を顧みずに活発に働くというようなことはしばしば健康を害する通り、企業においても特定の部門だけが活発に、あるいは暴走をしたような場合には、企業の健全性を害することになります。

支払いサイトが長期化しているために、資金繰りがうまくいかないという企業を分析していくと、営業部門があまりにも力を持ちすぎているというケースが見られます。

つまり、企業としては売上を伸ばすために営業に力をいれているつもりなのですが、過度に営業部門に力を持たせてしまった、あるいは売上目標を高く設定しすぎたために営業部門が暴走してしまった、というようなケースです。

営業部門が力を持ちすぎてしまうと、他の部門からの抑制が効かなくなります。

売掛債権の管理・回収を視野に入れず、とにかく営業成績を伸ばすことだけを考えて販売を行なった結果、支払い能力の低い企業にも販売してしまうのです。

このような無理な販売をすると、まず不良債権が発生します。

支払い能力の低い売掛先は、本来の支払期日に支払うことができず、支払いサイトが伸びることになります。

あるいは、営業部門が販売を行う時に、売掛債権管理を重視せずに取引契約を結んでしまうと、支払いサイトが長い契約を結んでしまうこともあります。

本来であれば、売掛債権を管理している経理部門が営業部門の暴走に歯止めをかけることで、無理な営業を抑制し、不良債権の発生を防ごうとするのですが、営業部門が力を持ちすぎていると、それができなくなってしまうのです。

したがって、このような企業が支払いサイトの短縮を図るのであれば、企業内のパワーバランスを改善することによって、他部門から営業部門への抑制が効くようにしなければなりません。

また、営業の際には売掛債権管理まで見据えた販売を行うように教育を施すことも大切です。

例えば、それぞれの取引先によって支払期日をバラバラに契約するのではなく、ひとまとめにして管理できるように可能な限り同じ支払期日での契約を結べば、売掛債権管理は容易になります。

支払いサイトが長期化せず、可能な限り短縮を図った上での契約を結ぶことができれば、支払いサイトは短縮されていきます。

 

信用調査不足のまま営業をしている

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取引先との商談を進めるにあたり、営業部門の大切な仕事の一つとして、取引先の信用調査を行うということがあります。

特に、新規の取引先に対しては、取引の可否や与信限度額の設定にあたって、信用調査を行い、支払能力その他を測ることは、非常に大切なことなのです。

もちろん、継続して取引をしている取引先に対しても定期的に信用調査を行う、あるいは信用不安につながる何らかの情報をキャッチした場合には素早く信用調査を行うことも、大切なことです。

営業部門が暴走している場合はもちろんですが、営業部門の信用調査を行う能力が低い場合には、調査が不十分であるとか、調査の結果としての判断を誤る可能性が高まります。

これが、支払いサイトの長期化や不良債権の発生につながります。

信用調査に誤りがあれば、支払能力が低い企業と取引先してしまうかもしれません。

本来ならば取引先を控えるべき企業と取引先をしてしまうのも問題ですが、同時に取引先の信用力以上の与信限度額を設けてしまうのも問題です。

 支払能力が低い企業であれば、取引契約の際には支払いサイトを短くされることを好まないのはいうまでもないことです。

できるだけ長い支払いサイトを設けてもらい、資金繰りが厳しくならないようにするでしょう。

このことから、長い支払いサイトでの取引契約になりがちです。

 また、本来の支払能力以上の与信限度額を設けてしまった場合には、結局代金を支払うことができなくなり、度々督促することになったり、協議の上で支払いを猶予することにもなりかねません。このようにして、支払いサイトが伸びてしまうこともあります。

ですから、取引先との取引の可否や与信限度額を決定するにあたり、信用調査を正しく行うということは、非常に大切なことです。

信用調査の欠陥による支払いサイトの長期化を防ぐためには、営業部門に信用調査に関する教育を施す、専門の信用調査機関を利用するなどの対策が考えられます。

このような対策をすれば、支払いサイトの長期化を防ぐことができ、結果として売掛債権全体における支払いサイトが短縮されるようになります。

 

経理部門の売掛債権管理が不十分である

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最後に、経理部門が原因となっていることがあります。

売掛債権が発生するのは営業部門によってですが、その時に営業部門は営業のことだけではなく、売掛債権管理まで見据えた営業が重要であるといいました。

これは、売掛債権管理を行うと経理部門が、売掛債権の管理や回収を行いやすいように営業すべきである、ということでもあります。

しかし、いかに営業部門が売掛債権管理を見据えた営業を行なったとしても、当の経理部門が売掛債権管理をきちんと行わなければ、何の意味もないわけです。

経理部門が売掛債権管理を怠ると、支払いサイトの長期化を招きます。

売掛債権を回収するにあたっては、それぞれの売掛債権をの支払期日に沿って、経理部門が請求書を発行し、回収を図ります。

ここで、経理部門の売掛債権管理が不十分であれば、請求漏れが発生するのは可能性があります。

請求されなければ売掛金の支払いは行われず、商習慣に照らせば請求しなかった企業の怠慢が悪いとされます。

したがって、請求漏れの結果として支払いサイトが長期化した場合には、経理部門の怠慢こそ責められるべきなのです。

実際に、経理部門の怠慢が見られる企業においては、売掛債権の回収がうまくいかずにいよいよ資金繰りが厳しくなり、売掛債権を調査してみて初めて不良債権のの多発に気づいた、というケースもあります。

したがって、このような企業では、早急に売掛債権管理・回収マニュアルを策定し、全社的な取り組みをする必要があります。

マニュアルの策定によって、

 

  • 営業部門は可能な限り支払期日をまとめるように契約を結ぶこと
  • 支払期日に沿って、確実に請求書を送付すること
  • 請求書の送付から◯日経過しても反応がなかった場合、書面で督促を行うことも
  • 書面での督促から◯日経過しても反応がなかった場合、電話で督促を行うことも
  • 電話での督促から◯日経過しても反応がなかった場合、売掛先を訪問して督促を行うこと
  • 訪問での督促から◯日経過しても反応がなかった場合には、法的手続きを規定の通りに進めていくこと(相談する弁護士も決めておく)

 

などが明確に決められていれば、社員たちはそのマニュアルに沿って仕事をしていくことによって、売掛債権の管理は徹底されます。

請求漏れは無くなるでしょうし、督促もスピーディに行われることから、万が一支払いサイトが長期化した場合にも、長期化する期間を短く抑えることができます。

その結果、支払いサイトの短縮が実現されていくのです。

 

 

支払いサイトを短縮するファクタリング

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ここまで読んで、期待はずれな感じを抱いた読者も多いかもしれません。

なぜならば、本稿のタイトルは「いち早く資金を回収する方法」であり、支払いサイトを短縮する長期的な取り組みが本題ではないからです。

前置きは長くなりましたが、いち早く資金を回収する方法については、ここから解説していきます。

その方法とは、ファクタリングです。

しかし、ファクタリングを解説したとはいえ、支払いサイトが長い取引先からを抱えてしまう原因を除くことができなければ、ファクタリングを実践したとしても場当たり的になってしまい、根本的な解決にはつながりません。

そこで、ファクタリングだけではなく、根本的な改善の手段も合わせて知ってもらいたいと思った次第です。

実際的には、支払いサイトが長い取引先からの売掛債権をファクタリングによって資金化すると同時に整理し、その上で根本的な解決にも取り組むというのが良いでしょう。

さて、ファクタリングの解説に移りましょう。

ファクタリングとは、自社が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却することによって、資金調達をする方法です。

また、単に資金調達に利用できるだけではなく、売掛債権を整理することによって、財務状態を改善する効果もあります。

 

ファクタリングの流れ 

ファクタリングを利用するための流れは、以下の通りです。

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  1. 自社が売掛先に商品を販売し、売掛債権が発生する。
  2. ファクタリング会社に売掛債権の買取を申し込む。
  3. ファクタリング会社は売掛先の信用力を調査して買取率を定める。
  4. 見積もり内容に納得すれば、ファクタリング契約を結ぶ(この時点で売掛債権は自社からファクタリング会社へ譲渡される)。
  5. ファクタリング会社から、買取代金が支払われる。
  6. その後、支払期日には売掛先から自社の口座に代金が振り込まれる。
  7. 自社はそれをそのままスライドさせ、ファクタリング会社へ支払う。

 ここまでの流れで、ファクタリング契約は完結します。

非常に簡易的な流れによって取引が進められていることがわかると思います。

ちなみに、ここで述べた流れは、ファクタリングの契約の中でも特に二社間ファクタリングについて述べたものです。

二社間ファクタリングとは、自社とファクタリング会社の間のみで行われるファクタリング契約のことであり、売掛先にファクタリングの事実を知られないというメリットがあります。

まだ日本ではそれほどファクタリングが浸透していないことから、売掛債権を売却して資金調達をしていることが売掛先に知られれば、財務状況が悪いのではないかと疑われ、取引を見直すきっかけにもなりかねないのです。

そこで、日本におけるファクタリングでは、二社間ファクタリングが一般的となっています。

一方、欧米ではファクタリングが非常に浸透しており、企業の一般的な財務活動として認識されていることから、売掛先に対する配慮がそれほど必要ではありません。

そのため、自社・売掛先・ファクタリング会社の間で三社間ファクタリングが行われるのが一般的となっています。

三社間ファクタリングでは、売掛債権がファクタリング会社に譲渡されたことを売掛先に通知する必要がありますが、そのことによって自社を経由せずに売掛先から直接ファクタリング会社に支払いが行われるため、自社で回収する必要がないなどのメリットがあります。

日本においても、今後ファクタリングが浸透していき、一般的なものとして認識されるようになれば、三社間ファクタリングが広がる可能性があります。

 

償還請求権の問題

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ファクタリング会社とファクタリング契約のを結ぶ際には、償還請求権の有無を決めることになります。

償還請求権とは、ファクタリング会社が譲渡を受けた売掛債権が貸し倒れになったとき、ファクタリングの依頼企業に対して弁済を求める権利のことです。

ファクタリング契約の際に、償還請求権留保で契約を結んだならば、ファクタリングした売掛債権が貸し倒れになった場合には、自社で弁済をしなければなりません。

したがって、支払いサイトが長期化している売掛債権を資金化し、財務状態の改善を図ったにもかかわらず、貸し倒れになって弁済の必要が生じたならば、改善の努力も水の泡となってしまうのです。

そこで、ファクタリング契約を結ぶ際には、特に理由がない限りは償還請求権放棄での契約を結ぶようにしましょう。

そうすれば、ファクタリングした売掛債権が貸し倒れになった場合にも自社で弁済する必要はなく、リスクの移転にもつながります。

もっとも、償還請求権留保でのファクタリングでは、買取率がよくなる場合もあるので、必要に応じて償還請求権をどうするかを決めていくのが良いでしょう。

 

 

まとめ

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支払いサイトが長期化することは、経営に様々な悪影響を及ぼす問題です。

したがって、売掛債権の管理に問題があり、支払いサイトが長期化している企業は、早急に改善に臨んだほうが良いでしょう。

そのための方法として、一旦売掛債権の全体的な整理を図る意味でも、支払いサイトが長期化している売掛債権をファクタリングによって資金化してしまい、その後で売掛債権管理の改善に取り組むのが良いでしょう。

そうすれば、現状において支払いサイトが長期化している売掛債権を処理しつつ、今後発生する売掛債権においても、支払いサイトの長期化を防ぐことができるはずです。

しかし、改善するといってもすぐに効果が出るわけではありませんから、改善の中途で支払いサイトが長い売掛債権が発生すれば、その都度ファクタリングを行い、調整していくのが良いでしょう。

 

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