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融資を利用することなく資金繰りを改善する色々な方法

 資金繰りに行き詰まったとき、ともかく経営を継続するためと考えて対策を行うと、どうしてもその場しのぎに陥ってしまい、資金繰りがより悪化していくことも少なくありません。

会社の資金繰りを考える際には、できるだけ恒常的な資金繰りの改善が見込める方法を選んでいくべきなのです。

では、その具体的な方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

本稿では、直接的に資金繰りを改善してくれる方法から、結果的に資金繰りを大きく改善してくれる方法まで、色々な方法を紹介していきます。

資金調達プロ

直接的な方法

直接的な方法とは、売掛金回収期間を短くしたり、支払いを伸ばしたり、リースを活用したりすることによって、資金の流れを変えることで資金繰りを改善するものです。

収入を以て収支を図るためには重要なことであり、早期に効果が得られる方法でもあります。

 

売掛金回収期間を短縮する

直接的な方法として最初に挙げたいのは、売掛金回収期間を短縮することです。

これは、取引先に支払いサイトを早めてもらうように交渉し、売掛金回収までにかかる期間を短縮するという方法です。

売掛金は、実際に販売を行ったものの、未だ支払いが行われていない状態のお金です。

その売掛金の発生に当り、会社は仕入れや製造、在庫管理、販売などに様々なコストを負担しており、売掛金が入ってくるまではマイナスの状態で経営を続けなければなりません。

この期間が長期化すればするほど、資金繰りが悪化することは言うまでもありません。

売掛金回収期間が短くなれば、それだけで資金繰りに直接的な改善をもたらします。

例えば、月末締め翌々月末払いの取引先は月末締め翌月末払いに、月末締め翌月末払いの取引先は月末締め翌月20日払いに変更してもらうだけで、資金繰りは大幅に改善します。

もちろん、取引先にも資金繰り事情があります。

売掛金回収期間が短縮されることは、自社にとっては資金繰り改善効果がありますが、取引先にとっては資金繰り悪化につながってしまいます。

それだけに「取引先に迷惑をかけるから、支払いサイトの交渉など考えたこともなかった」という経営者も多いものです。

たしかに、取引先に交渉したところで、受け入れてくれない相手も多いことでしょう。

それでも、全ての取引先が受け入れてくれないとは考えにくいです。

取引先全てに対して交渉したところ、数社が応じてくれる可能性は十分にあります。

思いのほか受け入れてくれる取引先が多かった、などということもあるかもしれません。

数社が応じてくれただけでも、資金繰りは確実に改善することになります。

このとき、成功するかどうかは自社と取引先の力関係によるところが大きいです。

自社との長い付き合いを望んでいる取引先ならば、交渉が成功する可能性は高いです。

しかし、相手の会社は規模が大きく、多くの取引先を持っているような場合、交渉が成功する可能性は低くなります。

したがって、力関係において自社が明らかに弱い場合には、交渉というよりも打診程度にとどめておき、力関係が対等な取引先や、自社が強い立場がある取引先には積極的な交渉をしていくなどの判断が必要となります。

このほか、今後新規に取引する会社に対しては、こちらが希望する支払いサイトをできるだけ呑んでもらうように交渉する、という姿勢で契約に臨むようにしましょう。

既存の取引先ならば、これまで取引してきた経緯から、なかなかこちらの希望を呑んでもらえないことも多いのですが、新規取引先ならばこちらの希望をそのまま呑んでくれる可能性があります。

売掛金回収期間短縮のために、既存の取引先には粘り強く短縮を交渉し、新規の取引先には初めから呑んでもらうように交渉することによって、全体での平均的な売掛金回収期間は次第に短くなっていきます。

売掛金回収期間短縮の交渉は、早期に資金繰り改善効果があり、継続して取り組むことによって恒常的な資金繰り改善効果も望めるのです。

 

前入金にしてもらう

上記の売掛金回収期間の短縮は、資金繰り改善に役立つ方法です。

しかし、それ以上に役立つ方法があります。

それは、支払条件を前入金にしてもらうことです。

前入金をしてもらえるならば、売掛金回収の必要はなくなります。

支払いサイトを短くしてもらうことを考える必要もありません。

前入金で受注している限り、貸し倒れが発生することもありませんし、受注量がいくら増えようとも、それによって資金繰りが悪化することはありません。

ただし、新規取引先に対して、取引条件を前入金にしてもらったり、既存の取引先の取引条件を前入金に変更にしてもらったりすることは、それなりにハードルが高いです。

こちらの資金繰り改善効果が高い分、取引先の資金繰りは悪化してしまいます。

支払いサイトの短縮ならば、まだ支払いまでの猶予期間があるため交渉もしやすいのですが、前入金ともなれば取引の前提として現金が必要になりますから、資金繰りが大幅に悪化してしまうのです。

もし、何の工夫もなく前入金を求めたならば、取引先も相応の条件を出してきます。

よくあるのが、前入金をする代わりに値引きしてほしいというものです。

このため、前入金という条件が好ましいのは分かり切っているけれども、それによって売り上げが落ちてしまうのは好ましくないために交渉していないという会社も多いことでしょう。

 

競合優位性の高い商品に限定する

そこで、前入金を認めてもらうためには、何らかの工夫が必要です。

例えば、自社の競合優位性が高い商品だけを前入金にしてもらえるように交渉するなどの工夫が考えられます。

自社がいくつかの商品を取り扱っており、そのうちの一部は業界でも品質に定評があるものであったり、自社の独自技術を使っている人気商品であったりする場合があります。

そのような商品は、「この商品は人気があり、受注量が増えすぎて資金繰りに影響が出てしまうため、前入金限定での受注に変更することにしました」といった塩梅で交渉します。

取引先としては、前入金は避けたい条件ではあるけれども、その商品は前入金してでもぜひ取り扱いたいと考え、前入金を受け入れてくれる可能性が高いです。

同時に、人間の心理として、前入金限定でなければ提供できないほどに人気があるという印象を受けると、より積極的な条件を引き出しやすいというメリットもあります。

 

利益率の高い商品を値引きする

しかし、競合優位性のない商品は前入金の見込みがないかといえば、そうとも限りません。

そのような商品も、値引きすることで前入金にしてもらえる可能性があります。

もちろん、それによって売上は下がってしまいます。

しかし、元々の利益率が高い商品であれば、多少値引きしても十分に採算をとれることもあるでしょう。

この場合、多少売上が下がっても資金繰り改善効果を取るか、支払いサイト短縮の交渉くらいに留めておくか、この両者のうちどちらが経営へのプラスが大きいかによって判断していきます。

 

支払いサイトを延長する

売掛金回収期間の短縮や前入金での受注が、自社にとって大きな資金繰り効果をもたらすことが分かれば、取引先への支払いサイトを延長することができれば、これもまた資金繰り改善に役立つことが分かるでしょう。

したがって、既存の取引先に対して支払いサイトの延長を交渉し、新規の取引先にはより長い支払いサイトでの契約を心がけてみましょう。

例えば、月末締め翌月末払いであれば、月末締め翌々月末払いにできないか、あるいは月末締め翌月20日払いであれば、月末締め翌月末払いにできないかを交渉してみるのです。

もちろん、これをやれば取引先の資金繰り悪化につながるのですから、交渉が難しいこともあるでしょう。

そこで、相手が条件を呑んでくれるように、取引先にもメリットのある条件を提示する必要があります。

例えば、取引先との関係が相互に仕入れをしている関係ならば、自社が提供する商品を値引きするなどが代表的な例です。

 

シンプルにお願いする

もし、取引先との関係が良好であり、さらに取引先の資金繰りが非常にうまくいっているような場合には、シンプルにお願いすることも大切です。

その際には、自社との今後の関係を悪化させないためにも、経営状態が悪いと感じさせない交渉が重要です。

例えば、

最近、受注が増えて売上は伸びているのですが、その関係で売掛金回収までの資金繰りが苦しくなってきています。

そのため、各取引先に少しずつ買掛金の支払いを延長してくれるようお願いしているのですが、よければ少しだけ延ばしてもらえないでしょうか。

といった交渉です。

取引先としても、可能ならばその要求を呑みたいと考えるものです。

なぜならば、その要求を呑まなかったために取引が縮小したり、なくなったりしてしまえば、取引先としても困ったことになるからです。

資金繰りがうまくいっている取引先ならば、このような交渉によって支払いを延期してくれる可能性があります。

 

仕入先の切り替えを検討する

支払いサイトが短く設定されており、資金繰りが圧迫されている取引先があれば、仕入先の切り替えを検討することも重要です。

別の業者からの営業を受けた際に、

もし、支払いサイトをこれくらいにしてくれるなら、この商品の仕入れは全て貴社に任せてもいいです。

などと交渉してみるのです。

営業をかけてきた会社は、営業コストをかけて顧客開拓をしています。

コストをかけても、顧客開拓はなかなかうまくいかないものなのですから、多少条件が厳しくなっても呑んでくれる可能性があります。

また、営業マンとしても成績につながりますから、その支払いサイトを呑むべく上司に相談してくれることでしょう。

 支払いサイトの延長も、取引先との力関係によって結果が左右されます。

もし、取引先からの仕入れが営業上不可欠なものであり、力関係において自社が明らかに弱いような場合には、無理にお願いして関係が悪化してしまうような事態は避けるべきです。

逆に、昔からの付き合いだけで仕入れをしているような場合には、多少酷かもしれませんが、支払いサイトの延長を交渉し、うまくいかなければ支払いサイトの長い他社に切り替える決断も必要となります。

 

 

経費の支払いを法人カードで行う

会社では、色々な経費を支払っていると思います。

例えば、

 

  • レンタルオフィスの家賃支払い
  • オフィス機器やオフィス家具の購入費用
  • 通信費の支払い(インターネット回線の支払い、ドメイン費用の支払い、社内電話回線の支払い、従業員の携帯電話の支払いなど)
  • 公共料金の支払い(オフィスの電気代、ガス代、水道代など)
  • 資料の購入費用
  • 消耗品の購入費用
  • 交通費(社用車のガソリン代、ETC料金、新幹線代、飛行機代など)
  • 社員の出張の際のホテル代
  • 接待に利用したレストランの支払い

 

などがあり、これらの支払いを現金で行なっている会社もあると思います。

このような現金による支払いを法人カードに集約すれば、〇日締め翌々〇日払いといった形で支払いを延長し、資金繰りを改善することができます。

こまごまとした経費も多いかもしれませんが、それらをまとめるとそれなりにまとまった金額になるものです。

経費を全て洗い出し、現金や短い支払いサイトで支払っているものを法人カードでの支払いにまとめましょう。

また、法人カードでも分割払いや据え置き1回払いなどに対応していることもあるため、それらを有効活用すれば、資金繰りをより改善できるかもしれません。

また、法人カードに集約すれば、それらの経費が特定の日に法人口座から引き落とされるため、経費処理も簡略化され、業務の効率化にも役立ちます。

ただし、法人カードを作って社員には社員カードを持たせる場合には、不正利用がないように厳しくチェックする必要があります。

例えば、社用車にガソリンを入れるふりをして個人の車にガソリンを入れたとか、マイルを勝手に使われたなどのケースがあり、それが横領事件に発展することもあります。

そのようなリスクがあることを知っておくことも大切です。

 

過剰在庫を減らす

資金繰りを短期のうちに改善する方法として、過剰在庫を減らすことも忘れてはなりません。

過剰在庫とは、販売量に見合わない在庫のことです。

過剰在庫を抱えているということは、売上につながらないものを仕入れたり、製造したりしているということであり、それを削減すれば現金を残すことができるため、資金繰りが改善します。

また、過剰在庫を抱えていると、本来不要な在庫管理コストも発生します。

そのほか、販売までに時間がかかっていると、そのうちに流行が移ってしまったり、商品の品質が落ちてしまったりして、在庫処分のためにかなりの値引きをしなければならないこともあります。

そうなれば、資金繰りの悪化を招きます。

このことから、過剰在庫を削減することができれば資金繰りが改善され、同時に資金繰り悪化を未然に防ぐことにもなります。

在庫削減のためには、過剰在庫が発生した原因を特定することが大切です。

その原因の多くは、以下のようなものです。

 

  • 在庫分析に時間をかけたことがなく、知らないうちに過剰在庫が発生していた
  • 在庫管理の責任の所在が曖昧であり、現場では過剰在庫が発覚していても対策が行われていない
  • 過剰在庫が発覚していても上層部の認識が甘く、経営会議で在庫の確認と削減の方針策定が行われていない
  • 商品別の在庫保有日数が明確にされておらず、本来過剰なものを適正だと誤認している
  • 返品が多く、図らずも過剰在庫が発生している
  • 品切れによる販売機会の損失を過大に捉え、在庫を抱え過ぎた結果、過剰在庫に陥っている
  • 発注ロットを下げると単価が上がってしまうため、大きいロットで発注した結果、在庫が過剰になっている
  • 売れ行きに過度な期待を抱き、在庫を抱え過ぎた結果、過剰在庫に陥っている。

 

その後も過剰在庫が適切に売れることを期待し、在庫削減の取り組みもしていない
 
まずは自社において、上記のような事象が発生していないかどうかを調査してみましょう。

そして、そのような事象が見られれば注意深く在庫を確認し、過剰在庫が発覚すれば削減に努めます。

過剰在庫を削減するためには、まず商品別の売れ行きから分析し、過剰となる在庫数を数字で定義します。

その上で、現状の在庫を洗い出し、過剰在庫を把握します。

そして、過剰になっている在庫は早期に処分し、それ以降は過剰在庫発生しないように、定義とした在庫数を超えないようにします。

同時に、社内での認識のズレを正すことも大切です。

例えば、上層部は過剰在庫削減によって資金繰りを改善したいと考えていても、現場の社員は在庫不足によって売上が減少したり、顧客からクレームをつけられたりすれば、上層部から叱られるのではないかと考えていることがあります。

そこで、上層部と現場で意見をすり合わせ、適正な在庫数を明確に設定して指示を出し、その上で売り切れたならば、むしろそれによって売り切れによるブランディングを図るなどの方針を共有しましょう。

 

リース・レンタルを活用する

必要な設備や機械をリースすることでも、資金繰りの改善が可能です。

例えば、オフィスには必ずコピー機があるでしょうが、それを購入するのではなく、毎月のリース料金を支払ってリースすることによって、資金繰りを改善できるのです。

もちろん、社用車やその他の設備・機械もリースが可能です。

これらの設備を、リースではなく購入してしまうと、その資産は貸借対照表に資産として計上されることになります。

しかしリースの場合は、損益計算書に経費として計上されます。

これによって、貸借対照表のスリム化が可能となり、自己資本比率が向上するため、融資なども受けやすくなります。

これだけならば、早期に資金繰りを改善することはできません。

しかし、セール&リースバックを活用すれば、早期に資金繰り改善効果があります。

この方法では、保有している資産を売却し、その資産をリース契約によって借り受けて利用する方法です。

これによって、月々のリース料金を支払う必要があるものの、資産の売却によって資金を得ることができ、資金調達をすることができます。

セールによって資金調達をし、リースバックによって経営環境に変化が生じず、さらに財務状況がよくなって資金調達が容易になります。

これをきっかけに財務をスリム化し、金融機関などから資金を調達することにつながれば、大幅に資金繰りが改善します。

 

資産の売却を検討する

もちろん、リースバックを受けない場合にも、使っていない資産を売却することによって資金繰りを改善することは重要なことです。

資産を洗い出してみると、使っていない機械、使っていない店舗、使っていない土地など、使っていない資産が色々と見つかると思います。

このような資産の中には、使っていないものの、持っているだけでマイナスになる資産もあります。

そのような資産は、どんどん売却していきましょう。

そうすることで保有コストの削減につながり、しかも早期に資金を調達することができます。

 

 

間接的な方法

間接的な方法とは、主に利益を伸ばしたり、利益率を高めたりすることによって、長期的に資金繰りを円滑にしていくものです。

もちろん、直接的な方法で解説した方法によって、収入と収支と流れを整えておかなければ、せっかく利益は増えても資金繰りの効率が悪くなってしまうため、まずは直接的な方法に取り組み、間接的な方法を漸次進めていくことが肝要です。

 

不良債権の発生を防ぐ

不良債権とは、本来回収すべき期日までに回収することができず、回収の遅延が起きたり、回収が不可能になってしまった売掛債権のことです。

通常の会社では、抱えている売掛債権のうち1~5%が不良債権となっています。

その理由の多くは、取引先が倒産して支払えなくなった、取引先とトラブルを起こして支払われなくなった、取引先が入金を忘れているなどです。

不良債権が発生すれば、当然ながら資金繰りは悪化します。

売掛金回収期間が長期化し、場合によっては完全な貸し倒れとなってしまうのですから当然のことです。

不良債権の発生を完全にゼロにすることは不可能です。

しかし、できる限り発生を防ぐことは、資金繰りを改善するために非常に重要なことです。

そのためには、以下のような方針で不良債権に臨む必要があります。

 

  •  既存の取引先に対し定期的な与信調査を行い、危険を察知したら取引を縮小したり、場合によっては取引を中断したりする(与信調査を怠れば、本来取引すべきではない会社と取引を続けて不良債権につながる)
  • 新規の取引先に対し入念な与信調査を行い、危険を察知したら与信限度額を小さく設定したり、場合によっては取引を見送る(与信調査を怠れば、本来取引すべきではない会社と取引を開始して不良債権につながる)
  • 入金予定日に備え、確実に請求を行う(請求書を送らなければ自社の落ち度ともなり、取引先が忘れた場合に言い逃れの余地を与えてしまう)
  • 入金予定日の入金確認を徹底し、入金がなければその日のうちに取引先に連絡する(入金がないときにすぐに連絡しない会社は、多少入金が遅れても大目に見てもらえると思われ、回収遅延が起きがちになる)
  • 1週間以上にわたって支払いが行われない場合には、毎日督促を行う(遠慮してあまり督促しない会社は、回収遅延が長引く可能性がある)
  • 度重なる督促に対して支払いがなければ、内容証明を送る(内容証明を送ることは最後通告のようなもので、これをしなければ自社の覚悟を示せず、「まだ何とかなる」という甘えを許してしまう)
  • 内容証明送付後、取引先の支払い意思がなければ訴訟を検討する(ここまでのタイミングで支払いを行われない場合、相手は支払い意思があっても支払えない、あるいは支払い意思がない可能性が高い。前者の場合には協議によって分割での回収や代物弁済などを検討する。後者の場合には訴訟を起こす手続きを早期に開始する。)

 

これらの内容を徹底することによって、不良債権の発生率は確実に低下します。

これらの一連の流れをきちんきちんと行える会社は、取引先も「あの会社は支払いにはうるさいから」と考え、資金繰りが厳しい時も他社より優先して支払ってくれる可能性が高まるからです。

そして債権回収率の上昇は、資金繰り改善に大きな効果をもたらします。

不良債権の発生は利益率低下につながるのですから、それを低く抑えることで利益率を高く維持できるのです。

 

利益率を高める

長期的に良好な資金繰りをしていくためには、何といっても利益率を向上させることが大切です。

利益率が高くなれば、手元に残る利益は大きくなるからです。

そのためには、

 

  • 販売価格を上げる
  • 販売コストを削減する
  • 利益率の低い商品の取り扱いをやめる
  • 利益率の高い商品を積極的に取り扱う

 

という方法が考えられます。

販売価格を上げるためには、取引先との交渉が必要です。

これは、増税や原価の上昇など、値上げに合理的な理由があれば、納得してもらいやすいです。

逆に、このような場合にも無理に価格を維持しようとすると、利益率の低下を受け入れたり、商品の品質低下を招いたり、経費削減のために無理な圧迫が生じたりするため、デメリットも大きいです。

そのため、価格を上げる交渉が必要となる場合もあります。

販売コストの削減は、無理なく利益率を上げられる方法です。

経費を洗い出し、仕入れ値を下げたり、製造や在庫管理を効率化したり、営業マンを教育したりすることで、販売までにかかるコストを削減することができれば、利益率は高まります。

考えなければならないのは、利益率による商品の選択です。

利益率の低い商品も取り扱う会社には、そこに合理的な理由があって取り扱い続けている場合があります。

例えば、

  • ニッチな商品を販売することで、同時に他の商品の販売につながっている
  • 今は利益率が低くとも、今後市場が拡大していくと考えており、その場合に利益率が伸びる可能性があるため取り扱っている
  • 会社の伝統的な商品であり、その商品によって会社の存在が世間に認知されるため取り扱っている

などです。

このような戦略があるならば、利益率の低い商品を取り扱うのも良いと思います。

しかし、

  • 放漫経営のためにダラダラと取り扱っている
  • 販売数量が大きいために取り扱いをやめたら売上が大きく下がるからやめられない
  • 先代の社長が好んで取り扱っていた商品だから引き続き取り扱っている

などの理由から、取り扱い続けているケースもあります。

資金繰りが苦しい会社は、このような商品の取り扱いを中止し、それまでその商品にかけられていた様々なコストを高利益率の商品に注ぐことによって、会社全体の利益率を高めることができます。

また、新商品や新技術の開発コストに注ぐことでも、会社の成長を促すことができます。

もちろん、これによって金融機関の評価が高まり、融資を受けやすくなる可能性もあります。

 

評価基準を売上基準から利益基準に変更する

利益率を高める方法には、商品そのものの利益率を高める方法だけではなく、利益率が高まるような営業をするよう、社員に努力を促すという方法もあります。

特に、評価基準が売上にある場合には、社員はとにかく売上を上げることばかりを考えます。

その結果、利益率が低くなっても売上につなげようとしたり、売り上げるためにたくさんの宣伝コストをかけたり、利益率は低いものの売りやすい商品ばかり開発したりすることになります。

しかし、このようなことをしてしまうと、営業ごとの利益率が下がったり、広告費が営業利益を圧迫したり、利益率の低い商品ばかり取り扱うことになったりすることになります。

その結果、会社全体での利益率は下がっていき、それに反して売り上げは伸びていき、原価や仕入れ、人件費などが増えてしまい、しかし手元に残る利益は少なく、資金繰りは悪化していきます。

そこで、評価基準を売上から利益に換えることを検討してみましょう。

すなわち、より多くの利益を出した営業マンや、より多くの利益を出した部署を評価するのです。

そうすることによって、利益を犠牲にしてでも売上を増やすという意識をなくし、利益率を高めていくことができます。

評価の基準を変更したならば、それを社員に周知する必要があります。

稼いだ利益がどのように給料に反映されるのかを明確にし、公開することによって、社員の意識の変革を促しましょう。

 

アウトソーシングを活用する

今の時代、何でもアウトソーシングできるようになっています。

これを有効活用することは、経営資源を有効活用することにほかなりません。

社員コストとアウトソーシングのコストを比較し、アウトソーシングのコストの方が安ければアウトソーシングするのです。

その業務を社員がこなすことによって、却って安上がりになったり、会社や社員に優れたノウハウが残る場合には、アウトソーシングする必要はありません。

しかし、必ずしも自社で行う必要がないものならば、アウトソーシングしたほうが良い場合が多々あります。

例えば、給与計算や会計といった業務は、社員が行ったとしても、アウトソーシングでこなしたとしても、結果に何ら違いは生じません。

なんの違いもないことに、貴重な社員の労力を使うのは効率的ではないため、アウトソーシングするのです。

また、アウトソーシングした場合には、支払いを月末締め翌月末払いなどに設定することができます。

これも、アウトソーシングできる社員を業務に当らせ、給与として支払うよりも、資金繰りでメリットがあります。

自社の競合優位性を作るために必要な、営業や開発といった業務はアウトソーシングするべきではありませんが、そうではない部分ではアウトソーシングに丸投げすることによって、資金繰りに役立てていきましょう。

 

社内預金制度を設ける

社内預金制度も、資金繰りのために役立つものです。

これは、従業員が会社に預金できるシステムのことです。

社内預金制度の利率は、厚生労働省によって加減を0.5%に定められています。

仮に0.5%に設定したとしても、銀行やビジネスローンから融資を受けるよりもかなり金利が低くなります。

社員にとっても、普通預金の金利が0.001~0.02%程度、定期預金でも0.1~0.2%であることを考えれば、かなり好条件で預金できることになるためメリットがあります。

この社内預金を給料から天引きできるようにすれば、資産形成のために依頼する社員は少なくないでしょう。

そうなれば、給与による現金の流出を小さく抑えることができるため、資金繰りが改善します。

もちろん、会社に不安がある場合には、従業員は社内預金制度を利用したいとは考えませんから、あまり意味のないことになってしまいます。

その場合には、従業員と会社との信頼関係を作るためにも、経営情報を積極的に公開して安心させたり、金利を多少高めに設定してメリットを大きくすることで、社内預金制度を利用してもらえるように工夫する必要があります。

 

 

まとめ

資金繰りのためには、金融機関からの融資ばかりを考える経営者も多いものですが、本校で紹介したように、色々な方法によって資金繰りを改善することができます。

また、融資に頼りきりになってしまうのではなく、これらの取り組みを積極的に行っていけば、恒常的に資金繰りを改善することも可能です。

本稿では、各方法を手短に述べていきました。

当サイトでは、これらの各方法について具体的な解説もしているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

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