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在庫を使って資金調達ができるって本当ですか?

 会社が行なう資金調達には色々なものがありますが、その中の一つに資産を資金に換える方法があります。

色々な資産が資金に変わりますが、本稿でお伝えしたいのは在庫を資金化したり、担保にしたりする方法です。

在庫の活用によって過剰在庫を処分すれば、財務上の様々なメリットが得られます。

また、在庫を担保とした融資も知っておくと資金調達の幅が広がります。

在庫を見直すことの効果

銀行や政府系金融機関からの融資を受けられなかった会社は、資産を活用することによって資金を調達するという方法が考えられます。

資産を売却したり、資産を担保にしたりして資金調達をするのです。

活用できる資産にも色々ですが、その一つに在庫があります。

旧タイプの売れ残り商品や、季節が過ぎて売れ残った商品などを売れずに持て余していたり、あるいは製造しすぎてしまったり、仕入れすぎてしまったりして持て余していたりと、過剰在庫を抱えている場合には、対策を兼ねて活用を考えるべきです。

在庫が過剰である状態は、経営にとって良くない影響をもたらします。

なぜならば、過剰状態となっている在庫も、仕入れや製造によって生じたものだからです。

つまり、現金が過剰在庫に変わっているということです。

在庫を抱えるということは資金が減るということであり、資金繰りを圧迫することになるのです。

貸借対照表に過剰在庫が記載された場合、それは流動資産の一部として計上されると同時に、過剰在庫を抱えることによって債務も増加し、流動負債も多くなります。

逆の見方をすれば、過剰在庫を何らかの形で処分することができれば、貸借対照表における債務も減少します。

このように、過剰在庫の処分は資金調達と同じ価値をもっているのです。

もちろん、製品を製造したり、商品を仕入れたりして、それを販売して利益を出している会社としては、在庫が少なくて品不足の状態になってしまえば、利益獲得の機会を損失することにもつながり、好ましくありません。

だからこそ、「これくらいの在庫があれば大丈夫だろう」という安心を買う意味で在庫を積み増し、過剰在庫に陥るケースが多いです。

そこで、まずは適正な在庫を把握することが重要です。

過去の販売実績や納品サイトなどから、どれくらいの在庫が適正かを割り出し、過剰になっている部分をできるだけ少なくするのです。

そうすることで、

 

  • 資金を多く残せるためキャッシュフローが改善する
  • 過剰在庫の処分で資金調達ができる
  • 貸借対照表の総資産が増加を防ぎ、財務内容を改善することができる
  • 商品や製品の在庫の品質をフレッシュに保つことができる
  • 管理や棚卸のためのコストを削減できる

 
などのメリットを享受することができます。

 

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在庫を担保にする

この他の活用方法として、在庫を担保にして融資を受ける方法があります。

普通、融資に伴う担保に良く利用されるのは不動産であり、在庫などの動産を担保にする融資はあまり一般的な融資方法ではありません。

しかし、不動産を所有していない会社が在庫、売掛債権、機械設備などの動産を担保として融資を受ける方法があります。

これを、ABLと言います。

ABLを使えば、不動産を所有していない会社でも、自社で製造している製品や、工場には機械などを所有しているならば、金融機関にABLを依頼できる可能性があります。

会社は担保に入れた在庫や機械を、今後の営業活動の中で利用する必要があります。

ABLでは、営業活動の範囲内であれば、担保とした動産を利用したり、販売したりできる仕組みになっているので、その点では問題がありません。

ただし、金融機関はABLにあまり積極的ではないというのが正直なところのようです。

と言うのも、ABLによって在庫や機械を担保とし、貸し倒れの際にそれらの動産を差し押さえたとしても、金融機関が在庫や機械を販売できる販路を持っていることは少なく、持て余す可能性が高いからです。

業者に委託して販売しても、二束三文でしか売れないことも多いです。

そのため、在庫などを担保として融資を受ける際には、その在庫が処分しやすいものであることや、会社の経営状況などを精査したうえで、リスクや担保価値に見合う融資が行われることになります。

通常、在庫を担保とした融資では、在庫の価値の30%を上限とした融資が行われます(第三者による客観的な評価証明によって、最大70%の融資を受けられる場合もある)。

 

こんなものもABLに使える

ここまで登場した在庫は、工業的な製品や商品というイメージが強いかもしれませんが、実はABLで担保にできる在庫の幅は広いです。

良い例が、農業や漁業でも使えるということです。

農家が融資を受ける場合、のうちは担保価値が低いため、融資に活用しにくいため、コメや野菜といった農産物を動産担保にすることがあるのです。

他にも、牛や豚といった家畜や、魚や貝・カニなどの海産物も動産担保とすることができます。

 

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動産担保融資の流れ

では、動産を担保にして融資を受ける方法を見ていきましょう。

ここでは、本稿の方向性を踏まえて在庫を担保にする場合を考えますが、設備や売掛債権といった動産を担保にする場合にも、基本的に同じ流れで融資が行われます。

在庫を担保にした動産担保融資は、以下のような流れで進められます。

 

1、融資の申し込み・・・まずは、普段から取引のある金融機関に融資を依頼してみましょう。

プロパー融資や信用保証協会保証付融資など、通常の形で融資が受けられるならばいいのですが、それが難しく担保にできる不動産もないならば、在庫を担保に融資を受けられないかを打診してみます。

 

2、審査・・・決算書や資産状況、在庫などのチェックをしながら審査を進めていきます。

 

3、資産価値の評価・・・審査の結果、融資が問題ないとなれば、融資額や融資条件の決定のために、担保とする在庫の資産価値を評価していきます。

取引先との販売契約資料や、在庫の実物確認によって評価していきます。

外部の調査会社によって評価が行われる場合もあります。

 

4、融資契約・・・融資額や融資条件を決め、その条件で問題なければ融資契約を結びます。

契約形態には、借り手と貸し手の二者間で契約を結ぶ場合、複数の貸し手が共同で融資を行なう場合、信用保証協会の保証を付ける場合などがあります。

 

5、担保資産の登記・・・担保とする動産を譲渡するにあたり、第三者に対抗するために、動産の譲渡登記を行います。

譲渡をすることで所有権が移りますが、一定の要件を満たすことによって、借り手が担保とした動産を経営に利用することができたり、実質的な所有権は借り手に帰属したりなどの形をとることができます。

 
動産担保融資は、上記のような流れによって行われます。

資産の評価が不動産などよりも難しいため、通常の融資よりも融資実行までに時間がかかります。

 

ABL保証

上記の流れの中で、信用保証協会の保証を付けた動産担保融資があると書きました。

これはABL保証いい、正式名称を「流動資産担保融資保証」と言います。

主に中小企業を対象として、会社が保有している動産を担保として融資を行なう時、金融機関に対して信用保証協会が、融資額の80%を上限とした保証を行なう制度のことです。

この制度を使う場合、借り手の会社は担保となっている動産の状況を、3ヶ月に1回以上のペースで報告する義務があります。

 

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まとめ

資金調達方法にも色々あります。

資産による資金調達も、利用によっては大きなメリットが得られる方法です。

過剰在庫を売れば、資金調達と同時に財務内容の改善に役立ちます。

在庫を動産担保にすれば、不動産などを所有していない会社でも、融資を受けられる可能性があります。

営業活動に必要な在庫まで資金調達に利用してしまうわけにはいきませんが、持て余している在庫があるならば、ぜひそれを活用して資金調達をしてみてはいかがでしょうか。

 

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