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【少人数私募債】中小企業でも活用できる完全マニュアル

 中小企業の資金調達方法は、融資や出資だけではありません。

比較的新しい資金調達方法として、少人数私募債という方法があります。

これは、中小企業が小規模の社債を発行することによって、資金調達をするというものです。

しかし、少人数私募債には、単に資金調達を可能にするだけではなく、それに付随する様々なメリットがあります。

それをよく理解し、最大限に活用していくのがポイントです。

本稿では、少人数私募債の仕組みやメリット、活用の具体例などを解説していきます。

少人数私募債とは?

中小企業の資金調達方法には、金融機関やノンバンクからの融資、個人投資家やベンチャーキャピタルからの出資などが代表的な方法ですが、それ以外にもいくつかの方法が考えられます。

本稿で解説するのは、社債の一種である少人数私募債です。

そもそも社債とは、会社が有価証券である債券を発行し、それをもとに不特定多数の人々から長期間にわたって多額の資金を借り受けるものです。

銀行などから融資を受けると、返済スケジュールを立てて返済していくのですが、社債は償還期に元金を一括で償還するという特徴があります。

返済期間が長く、なおかつ特定の返済時期に一括で支払う借入金のようなものだと考えると良いでしょう。

上場企業では、社債発行という手段が普通に使われています。

証券会社などで募集されている社債を確認してみると、色々な会社の社債募集をよく目にします。

上場企業の社債発行残高は年々増加しており、資金調達のためのファイナンス戦略としてポピュラーなものであることが分かります。

 

公募と私募の違い

上場企業が社債を発行するときには、広く一般に対して募集をかけます。

証券会社を通して募集され、誰でも応募できることからもそのことが分かるでしょう。

発行市場も国内・国外を問いません。

これを「公募」と言います。

公募にあたっては、財務省に対して書類を提出したり、投資家に対して目論見書を作成したり、色々な手続きが求められます。

発効条件にも規制が多く、コストもかかります。

大企業が100億円の社債を発行し、証券会社に依頼すると4000万円以上の手数料がかかるとされています。

中小企業が社債を発行するにあたって、このような手間とコストをかけるのは現実的ではありません。

だからこそ、少人数私募債が活用されるのです。

少人数私募債とは、上場企業の公募債とは違い、その名の通り私募によって発行される社債のことです。

公募債と私募債の違いは、金融商品取引法で明確に定められており、主に発行する社債の引受人の数で区別されています。

不特定多数に対して募集される社債ならば公募債、特定少数に対して募集される社債ならば私募債と区別されます。

ここでいう「特定少数」とは、社債を発行する中小企業の関係者に限られます。

特定の関係者が引受人となることが、少人数私募債の条件とも言えます。

関係者の範囲は、発行会社の取締役や社員、利害関係人、知人、親族などを指します。

その会社と利害関係にある組織は色々あるでしょうが、金融機関は含まれません。

確かに、融資やその他の付き合いがあり、利害関係にあるに違いありませんが、金融機関が引受人になると目論見書の作成が必要になるからです。

もっとも、金融機関で働いている個人ならば問題ありません。

このように、少人数私募債の引受人は、発行する会社に縁故ある人々だと言えます。

だからこそ、少人数私募債は「縁故債」と呼ばれることもあるほどです。

 

私募債の条件は49人

私募債の特徴は、引受人が特定であると同時に、少数であることが条件です。

この少数とは、社債の購入者が50人未満、つまり49人以下でなければならないということです。

もちろん、取引先など会社が引受人となることもありますが、この場合には1社を1人としてカウントします。

引受人が50人以上になると、金融商品取引法上の分類によって、私募ではなく公募に分類されてしまいます。

そうなると、発行のための手間とコストがかかり過ぎてしまうため、49人の枠を守る必要があります。

ちなみに、この49人の枠は6ヶ月単位で判定されていきます。

ある特定の日に49人を引受人として社債を発行したならば、その日から6ヶ月を経過すると、再び新たな49人を引受人とした社債の発行が可能になるのです。

 

1口あたりの最低金額の決まり

このほかの決まりとして、社債の1口の最低金額が、発行総額の50分の1以上であることも条件となっています。

もし発行総額の50分の1以下となると、社債管理のための社債管理会社が必要となり、手間とコストが生じます。

例えば、社債の1口を100万円に設定するならば、発行総額は4900万円以下でなければならないということです。

 

引受後の譲渡は禁止

企業の特定の縁故者に対して社債を発行してから償還期限までの間、その特定者から別の第三者に社債が譲渡することはできません。

そのため、譲渡制限付きで社債を発行するなどの予防策が必要となります。

 

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少人数私募債の内容は自由に決められる

少人数私募債は公募債と同じく、募集要件を発行者自らが決めていくことができます。

もちろん、上記のように引受人の人数や1口当たりの金額には定めがありますが、それ以外では自由に決めていくことができます。

具体的には、以下の事柄について自由に決めていきます。

 

募集総額

社債発行にあたっては、その目的(資金需要)に応じて募集総額を決めなければなりません。

上記の通り、少人数私募債は1口当たりの最低金額が発行総額の50分の1以上であり、なおかつ引受人の上限は49人であることから、その点を踏まえて1口当たりの金額と募集総額を同時に決めていくことになります。

 

引受人

私募は、公募のように不特定多数に募集するものではなく、特定少数に発行するものですから、引受人も会社が決めていくことになります。

引受人の資金力に応じて1口当たりの金額を決めていくことになるため、引受人の選定は重要となります。

 

1口の金額

1口の金額の決定は、少人数私募債の最大のポイントと言えるでしょう。

少人数私募債は縁故者を引受人とするものですが、引受人となる縁故者の経済事情を踏まえて、例えば1口10万円に設定したとすれば、49人で490万円の調達しかできません。

したがって、会社がどれくらいの資金を調達したいと考えて社債を発行するのか、そのためには1口あたりどれくらいの金額が必要となるのか、そのためには引受人はどのような人物であるべきかというように、それぞれの条件を紐付けながら決めていく必要があるのです。

中小企業の少人数私募債の実際のケースを見てみると、1口あたりの金額は100~200万円となることが多いです。

引受人を上限の49人まで集めた場合には、1口100万円ならば4900万円、1口200万円ならば9800万円の調達が可能です。

 

利率と利息支払日

上場企業が社債を発行する場合には、格付機関の格付けをもとに利率を決定していきます。

これに対して中小企業は、格付機関が格付けをしません。

そこで少人数私募債を発行する場合には、投資家が引き受けてもよいと考えるかどうかということを基準にして利率を決定していきます。

利率を決めるポイントは、金融機関の預金利率よりも高く設定することで、引受人が「それならば、銀行に預けているよりも儲かるし、人助けにもなるし、引き受けてもいいか」と考える利率に設定することです。

もちろん、発行する会社の負担になる利率ではいけませんから、利率は2.5~6%くらいになるのが一般的です。

もちろん、これ以上の利率に設定することもできますが、利息制限法という法律の定めによって、元本が100万円未満の場合には18%、100万円以上の場合には15%の利率が上限となっています。

また、償還期限が長くなればなるほど、利率を高く設定するのが一般的です。

同時に、利息の支払日も決めておかなければなりません。

これも会社の裁量によって決めることができ、3ヶ月に1回、半年に1回、1年に1回など様々な形が考えられます。

 

償還方法と期限

上記の通り、社債の償還方法は特殊です。

借入金ならば、返済スケジュールに沿って返済していき、一定期間内に徐々に返済していくものです。

さらに、金利は前払いですから、借入日に差し引かれているのが普通です。

しかし社債は、償還期日まで元金を一切償還しません。

償還期間は会社の裁量で決めることができるため、社債として集めた資金を投資し、どれくらいの期間で回収可能であるかという視点で決めていく必要があります。

多くのケースでは、5年を満期としています。

しかし、発行の目的や発行総額に応じて変化させることができますから、3年で満期としたり、10年で満期としたりと色々です。

その償還期間で引受人が納得すれば問題ないと言えます。

もし償還期限の時点で、償還に充てるべき資金が準備できていなかったとすれば、償還は不可能となります。

その場合には、新たに少人数私募債を発行して償還に充てることで、実質的に償還期限を延長することも可能です。

また、引受人の経済事情から、満期を迎える前に中途解約を申し入れられることもあります。

少人数私募債の引受人は縁故者ですから、この申し入れを断ることは、会社の信用や経営者の個人的な信用を大きく損なうことになります。

そのため中途解約には必ず応じるべきですし、中途解約の条項を定めた上で募集すべきです。

 

申込期間と払込日

社債を募集して引受人が決まったら、払込期日を「〇年○月〇日」と定めます。

資金調達の必要があって社債を発行しているわけですが、資金が必要となる期日よりやや余裕を持たせて、1週間前くらいを払込期日とするのが良いでしょう。

また、払込期日が利息の支払日になるため、できるだけ月末に設定するのが好ましいです。

例えば、払込期日を1月31日とし、利息の支払いを3ヶ月に1回とした場合には、最初の利息支払いは4月31日になり、このようにしたほうが管理がしやすいでしょう。

利率の計算は、払込日の翌日から始まります。

これは、払込期日より以前に払い込まれた場合にも同様です。

このように払込期日を決めていきますが、その払込期日の1ヶ月くらい前から申込期間となるのが普通です。

不特定多数を対象とする公募債ならばもっと余裕を持たせるべきでしょうが、縁故者ゆえに申し込みがスムーズに進むため、1ヶ月くらいで問題ないことがほとんどです。

ただし、申込期間中に募集総額に達したならば、その時点で申し込みを締め切ることができます。

逆に、申込期間中に募集総額に達しなかった場合には、集まっただけの金額を今回の募集総額とすることができます。

 

自由ゆえに不自由になることも

少人数私募債は、以上の事柄を決めながら発行するものです。

一定の制限はありながらも、多くの事柄を会社が決めて発行するものであることが分かるでしょう。

それだけに、会社の経営により都合の良い社債を組み立てていくことも可能です。

ただし、自由に決められることが足かせになってしまうこともあります。

これまで融資などで資金調達をしてきた会社は、金融機関との関係があって融資の可否と条件が決まり、自由な資金調達はできないことに慣れていることが多いです。

そのような会社は、全てが自由に決められることに戸惑ってしまうのです。

これは、無理もないことです。

これまでは金融機関に対して融資を申し込み、借りられる金額や金利、返済期間などの決定は金融機関に主導権があったのです。

しかし少人数私募債では、募集総額も、金利も、償還期間も、すべて会社が決めていくのです。

したがって、最初は色々なことを自由に決めていくことに戸惑うかもしれませんが、自社で率先して決めて進めていける会社になるべく、一つの試練と捉えて取り組んでいくべきでしょう。

 

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少人数私募債のメリット

少人数私募債の歴史はまだ浅く、1991~92年に法改正により社債発行の限度額が撤廃されたことで、少人数私募債の発行が認められるようになりました。

まだまだ歴史が浅いことから、中小企業の経営者の中には少人数私募債をあまり縁がないものと考え、資金調達といえば金融機関から融資を受けるものと思い込んでいる人も少なくありません。

少人数私募債が認められてから20年以上も経った今では、さすがに徐々に浸透してきていますが、それでも一般的と言えるレベルではないでしょう。

しかし、少人数私募債のメリットを知れば、中小企業がもっと積極的に利用したほうが良いことが分かると思います。

 

発行が簡単である

少人数私募債を敬遠している理由として案外多いのが、手間がかかりそうだという理由です。

しかしこれは、多くの場合、未知なるものであるからこそ、理解をするところから始めなければならないために、手間がかかりそうだと思い込んでいるのです。

少人数私募債の発行自体は非常に簡単なものです。

少人数私募債は、事務手続きが容易であり、資金調達までにかかる時間も少なく、コストもかかりません。

少人数私募債を発行する際は、取締役会の普通決議だけで発行が完了します。

この普通決議も、少人数私募債を発行する理由、発行総額、1口当たりの額面、発行時期、償還期間、利率といった情報を確認するだけです。

公募債とは異なり、官庁に何らかの届け出をする必要もありませんし、小規模ゆえに社債管理会社も必要ありません。

公募債ならば、発行総額が1000万円以上になる場合には、財務局への手続きが必要となります。

私募債にこの必要がないのは、少人数私募債が募集行為に当たるとはみなされないからです。

このほか、社債券の発行も会社の裁量で決めていくことができるため、社債券を発行するために作成や発行の管理をする必要もなくなります。

 

調達コストが安い

多くの資金調達では、コストがかかることを覚悟する必要があります。

最もポピュラーな、金融機関からの借り入れにしても、借入当日あるいは翌月から金利を支払っていくことになります。

これは、別の見方をすれば、調達した資金の中からこれらのコストを負担していかなければならないということです。

また、金融機関では金利支払いを1ヶ月前払いするのが基本ですから、調達時点で1ヶ月分の金利が差し引かれて入金されており、ここでも既にコストがかかっていることが分かります。

このほか、担保を差し入れて融資を受けるほか、経営者が保証人になるのが基本です。

また、信用保証協会の保証をつけて融資を受けているケースもあるでしょう。

この場合、担保設定のために司法書士に支払う手数料や、登記のための費用がかかっています。

信用保証協会にも、借入期間分の保証料を前払いすることになります。

このように、金融機関からの融資を受けた場合には、様々なところで調達コストがかかってしまい、負担大きいことが分かると思います。

しかし、少人数私募債ではこのような調達コストが極めて小さいです。

まず、少人数私募債は償還期限に一括で償還するものですから、償還期間中は全額を活用することができます。

これによって、返済スケジュールを立てて資金繰りする必要がなくなるため、資金繰りの見通しが立ちやすく、経営に大いにプラスになります。

もちろん、少人数私募債でも、設定した利率で利息を支払っていく必要があるのですが、利息の支払いスパンは会社が決めることができ、多くは1年後との後払いとなっています。

常に後払いになっているのですから、調達した資金を活用して利益を生み出し、その利益を利息支払いに充てていくことができます。

また、少人数私募債は無担保債であるため、担保を差し入れる必要はありませんし、担保設定にかかるコストもありません。

公募債は、種類によっては担保付社債などがあり、担保設定をすることがありますが、少人数私募債ではそれがありません。

このほか、少人数私募債は縁故債ともいわれる通り、会社や経営者そのものを信頼して引受人になってくれている人に対して発行しますから、信用保証協会の保証を受けるという概念がありません。

したがって、保証料もかかりません。

このように、少人数私募債は調達コストが極めて低いというメリットがあります。

このメリットがあるからこそ、金融機関の借入金利より多少高い利率で募集したとしても、十分に採算が取れるのです。

また、金利を支払うのは縁故者ばかりなのですから、身内を儲けさせているという気持ちで利息を支払うことができます。

これにより、心理的な負担もかなり軽いです。

 

株式発行と比べたメリット

株式を発行して増資することによっても資金調達は可能です。

少人数私募債も株式も、どちらも有価証券を発行して資金調達をするという意味では違いがありません。

特に、株式の場合には自己資本比率が高まって財務の安全性が増し、さらに償還する必要もないのですから、非常に有利な方法に思えることでしょう。

しかし、社債と株式には、以下のような明らかな違いがあり、双方にそれぞれ異なるメリットがあります。

 

  社債 株式
返済義務 あり なし
自己資本比率 低くなる 高くなる
議決権 なし あり
損金算入 できる できない

 

この表から見て、まず株式は返済義務がなく、自己資本比率が高くなり、大きなメリットがあります。

しかし同時に、増資した投資家が議決権を持つようになるため経営の自由を失い、さらに損益算入できない配当金を支払う必要があります。

一方社債は、返済義務があり、自己資本比率が低くなるというデメリットがあると同時に、引受人に議決権はありませんし、引受人に支払う利息は損益算入できますから、節税効果を持ちます。

中小企業にとっては、株式を与えて議決権を持たせ、また損金算入できない配当金を支払うよりも、社債を発行したほうが良いケースもかなり多いと思います。

もちろん、これは社債の引受人でも同じことが言えます。

増資を引き受けて資金を提供した場合、その会社から配当金を受け取ったり、将来的に上場した際に大きく利益を得られる可能性がありますが、それは確定していないことであり、利益を得られない可能性も十分にあります。

それよりも、社債を引き受けて確実に利息を受け取った方が良いことが多いのです。

 

意識改革になる

少人数私募債のメリットを語るうえで欠かせないのが、少人数私募債の発行によって意識改革が始まることです。

少人数私募債を発行する会社は、最もスタンダードな資金調達方法である金融機関などからの融資が上手くいかなかったために、その他の方法として少人数私募債を検討するケースが多いのですから、会社の経営状況は芳しくない状態であることが多いです。

会社の経営状況が悪化する前提として、社内での意識が低いことが多いです。

自社が何のために存在しているのか、何のために今後も事業を継続していくのかといった基本的なビジョンさえも明らかになっていないことが多く、だからこそ社内での意識が低いままとなり、上下の意思疎通もうまくいかずに業績が悪化していくのです。

しかし、少人数私募債を発行することで、その悪い流れを断ち切るきっかけになります。

少人数私募債の引受人は、社債を通して会社とつながりを持ち、自分の提供した資産で会社を守っていこうという意識が芽生えるからです。

社債の引受人に社員や社員の縁故者が含まれている場合にはなおさらでしょう。

それ以上に意識が変化するのは、発行する側です。

少人数私募債を発行するということは、身内に支援をお願いするということであり、もし償還できなければ多大な迷惑をかけることにもなり、必死さが芽生えます。

期待にもしっかりと応えていかなければ、今後の支援も期待できなくなります。

これまでは好き勝手に経営してきた会社でも、支援者の目を気にするようになり、良い経営へと近づいていくことができます。

意識が変わって第三者の目を気にするようになるというのは、非常に大きな影響をもたらします。

会社の財務体質を向上するための努力を払い、安定性や成長力を高めることにもなるでしょう。

そうなれば、金融機関からの評価も自然と上がり、いずれ融資を活用していくことも可能になります。

このように、少人数私募債は資金調達方法であると同時に、経営を改善するための薬になる可能性もあるのです。

 

引受人にもメリットがある

最後に、少人数私募債は引受人にもメリットがあります。

第一に、少人数私募債は預金利率よりも高く設定されるため、銀行に預けているよりもたくさんの利息を受け取ることができます。

利率が良いとされている定期預金の現状を見てみると、2018年1月現在、最も高い利率でもじぶん銀行の0.200%に過ぎず、まさに雀の涙です。

メガバンクのみずほ銀行では0.01%での提供となっており、どの銀行も五十歩百歩の状況です。

これに比べて、少人数私募債の引受人になれば2.5~6%程度の利率になっており、銀行の数百倍の利息を受け取ることができるのです。

もちろん、最悪の場合には償還されない可能性もあり、リスクのある方法です。

しかし、倒産しないであろうと考えて引受人になったならば、銀行に預けておくのではなく、支援したい会社の社債を引き受けることによって、満足のいく結果を得られることと思います。

このほか、場合によっては節税になるというメリットもあります。

社債の引受人になって利息を受け取ると、それは利子所得の扱いとなり、課税は20%が上限となります。

日本の所得税法は累進課税ですから、高所得者ほど課税率は高くなり、最高で45%もの課税となります。

そこで、社債を引き受けることで利子所得を分離し、20%の課税に留めておくことは、大いに節税になるのです。

少人数私募債を検討するにあたっては、自社にとってのメリットだけを考えるのではなく、引受人に生じるメリットも知り、発行者も引受人も共に栄えていくという考え方が大切です。

 

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少人数私募債の発行・管理手順

ここからは具体的に、少人数私募債の発行から管理までの手順を見ていきましょう。

 

少人数私募債を発行の理由を明確に

これは手順以前の話になるかもしれませんが、少人数私募債を発行する際には、何の必要があって発行するのかを明確にしておくことが重要です。

それが明確でなければ、発行に苦労する可能性が高まります。

例えば、工場の生産力を高めるために設備投資をしたいと考え、3000万円の資金調達が必要になったとします。

この時に明確にすべきは、本当にその設備投資は必要かどうか、そして設備投資した際に、どれくらいのリターンを得られるかということです。

これを明らかにしなければ、社債発行はうまくいきません。

そもそも、相見積もりも行わずに発行を検討していることもあり、「本当は5000万円必要であった」「本当は3000万円もいらなかった」などといった混乱に陥ることもあるのです。

また、投資の内容とリターンに関しても、特に細かく考えることなく社債発行を検討することがあるのですが、これは大問題です。

もし、その設備投資が妥当なものではなく、大したリターンも期待できないものであれば、償還できるかどうかが怪しくなってきます。

そのような私募債に応じる縁故者は少ないでしょうし、応じてくれたとしても後々迷惑をかけることになりかねません。

これを明確にしておけば、「自社は~~の理由で〇万円の資金が必要である。それによって設備投資を行い、~~のリターンを見込むことができる。したがって、少人数私募債を発行することがベストである」と考えることができ引受人にも理解しやすい形を整えることができます。

 

取締役会議事録の作成

少人数私募債を発行する意図が明確になったならば、取締役会を開くことによって、具体的に進めていくことになります。

取締役会を開くことによって、法律的な裏付けも作ることができます。

取締役会では、上記で明確にした社債発行の意図を確認し、決議することが目的です。

出席する取締役のうち、過半数が社債発行に賛成したならば、少人数私募債を発行することが決定されます。

ただし、中小企業では同族経営ということも多いため、ほとんどの場合で賛成多数となります。

もっとも、何の抵抗もなく少人数私募債が決定された場合でも、取締役会の内容を議事録として記録しておく必要があります。

そもそも、取締役会の目的は、法律的な裏付けを得ることにあるのですから、議事録がなければ法的根拠もなくなり、取締役会の目的を果たせなくなってしまいます。

もちろん、引受人に対する説明が必要になった場合にも、取締役会の議事録のコピーを資料として提供することによって、少人数私募債の内容と発行の意図などを示しつつ、取締役会によって決議されたことを証明することができます。

 

申し込みから入金まで

取締役会は、少人数私募債の様々な募集要項の概要を決めた上で開かれるものです。

したがって、取締役会で決議されたならば、それをもとに募集要項を作成していくことになります。

募集要項は、社債申込証の裏面に記載する形で作成します。

引受人は、裏面の募集要項を見て、少人数私募債の意図に了解したならば社債申込証にサインをし、引受の意思を表明します。

この社債申込証には、引受人の署名と住所のほか、申し込み口数なども記載されます。

社債申込証により申し入れを受けたら、申し込まれた社債の額面と口数、振込口座を記載した募集引受通知書を送付します。

この時に指定する振込口座は、日常の取引に使っている口座とは異なるものとし、社債専用の口座を用意するべきです。

そうすることによって、管理が容易になります。

これが、申し込み受付の基本的な流れとなります。

この後、申し込みを受け付けた金額を計算していきますが、この総額が当初の発行予定総額に満たなかった場合、新たな引受人を探していきます。

この時、縁故者を訪問することもあれば、縁故者を集めて説明会を開くこともあります。

この辺は、足りない額に応じて決めていくと良いでしょう。

申し込まれた金額が発行予定総額を超えた場合には、超過した金額の引受人には辞退してもらいます。

この時、次回の社債発行の際には真っ先に声をかけるなどと文書によって説明し、辞退してもらうのが通例です。

引受人から入金を受けたら、社債申込預かり証を発行します。

中小企業の少人数私募債では、社債券が発行されないのが普通であるため、社債申込預かり証が社債を引き受けたことの証明になるわけです。

 

社債の管理

社債の管理も重要です。

少人数私募債では、社債券を発行しないのが普通ですし、社債管理会社を置くことはないため、社債原簿を作成して管理していくことになります。

社債原簿に記入すべき項目は、

 

  • 引受人の氏名
  • 引受人の住所
  • 引受人の振込先口座
  • 社債の取得年月日
  • 社債の額面
  • 社債の取得金額
  • 社債番号
  • 譲渡先の住所、氏名、譲渡年月日

 

となります。

これらを記載した社債原簿があれば、社債利息の支払いが間違いなく行われますし、満期日にも間違いなく社債の償還が可能となります。

万が一、償還日での償還が不可能になった場合には、償還日の2ヶ月後に社債権者集会を開き、その場で全額を一度に償還することも可能です。

もっとも、償還日に払えないものを2ヶ月後に払えるケースは少ないため、新たに少人数私募債を発行し、継続して引き受けてもらうようにお願いするのが通例です。

このようなやり方は、引受人が縁故者だからこそできることだと言えるでしょう。

 

引受人との付き合い方

少人数私募債を発行した会社は、社債の引受人に対して、決算内容などを説明する義務はありません。

ただし上記のように、少人数私募債によって意識改革が行われていること、あるいは縁故者との信頼関係を維持するためにも、ほとんどの会社では決算内容などを伝えるようにしています。

確かに法律的な義務はないにせよ、縁故者との信頼関係によって成り立っている特殊な形の債券ですから、経営内容はオープンにし、少なくとも今期の決算と来期の事業計画くらいは説明するべきだと言えるでしょう。

 

少人数私募債活用の実例

以上で、少人数私募債の仕組みや利用方法などの解説は終わりです。

では、少人数私募債のメリットを活用することで、実際にどのような資金調達が可能となるのでしょうか。

本稿の締めくくりに、少人数私募債活用の実例を見ていこうと思います。

 

オプションを活用したA社

A社は、ホテル業を営む中小企業です。

ただしA社は、自社で土地を所有し、ホテルを建てて経営しているのではなく、地主に依頼して土地にホテルを建ててもらい、賃借する形でホテルを経営しています。

中小のホテル業者にはこのような形がしばしばみられますが、このような営業形態では賃借のために多額の保証金を支払う必要があります。

A社は、この保証金を少人数私募債によって賄いました。

ホテルをよく利用するお得意様(出張族のサラリーマン)などを含めた利害関係者が引受人となりました。

そこでA社は、社債の償還期限を5年、利率を3%としました。

それに加えて、ホテルの稼働率に応じて金利が上乗せされるオプション付きの設計としました。

引受人がお得意様なのですから、このようなオプションを設定しておくと、引受人がそのホテルを積極的に利用するようになり、A社と引受人の双方にメリットがある仕組みにしたのです。

A社のように、会社と引受人の双方に対して、より大きなメリットが生じるような仕組みにすれば、社債を引き受けてもらいやすく、引受人にも喜んでもらえ、会社の利益にもなり、引受人と会社の関係が深まり・・・と、一石三鳥にも四鳥にもなるのですから、このようにオプションを設定するのも良いアイデアです。

 

節税に利用したB社

B社には2000万円の借入金があったのですが、これは社長個人から貸し付けが行われているものでした。

なお、社長はそれによる利息を受け取ると、その利息は雑所得となって給与と合算され、所得税が高くなってしまうため、利息を受け取ってはいません。

借入金の利息を支払うと、会社側は支払利息を損金扱いにして節税を図ることができますが、社長の支払う税金が高くなっては意味がありません。

そこでB社では、2000万円の少人数私募債を発行し、そのすべてを社長本人が引き受け、調達した資金によって社長からの借入金を全額返済しました。

これによって、借入金が社債に変わったのです。

どちらも負債に違いありませんし、社長も2000万円を出している状態は変わりません。

しかし、社長の貸し付けていたお金は、今や単なる貸付金から社債に変わっています。

したがって、年利を5%に設定しているならば、2000万円の社債では年間100万円の利息が発生します。

この利息にかかる金利は20%ですから、それが差し引かれて80万円の利益が残ります。

そしてB社は、100万円の支払利息を損金として計上し、節税に役立てることができるのです。

このように、節税に利用するメリットが大きい場合にも、少人数私募債を活用すると良いでしょう。

 

意識改革に利用したC社

C社は、新規事業の展開のために資金需要が発生しました。

この資金調達のためには銀行などを利用することもできたのですが、敢えて少人数私募債を利用しました。

なぜならば、社員に少人数私募債を引き受けてもらうことで、意識改革を促したいと考えたからです。

そこで1口10万円として30口、計300万円の私募債を発行しました。

もちろんこの時、社債を引き受けるかどうかは任意であり、無理強いはありませんでした。

ちなみにC社の社員は30名でした。

その結果、全員が1口ずつ引き受け社内の一体感は以前よりも格段に強くなりました。

自分たちが会社を支えているという意識が、肌で感じられたためです。

もちろん、300万円の調達だけでは新規事業の展開は不可能です。

そこで、足りない分は銀行から融資を受けて、新規事業の展開に取り掛かりました。

 
以上のように、少人数私募債の活用方法は色々です。

オプションをつけて引受人のメリットを増やすのもいいでしょうし、節税目的で発行して財務体質強化に役立てるのも良いでしょう。

またC社のように、敢えて少額の私募債を発行して、社内の結束力を高め、意識改革に活用するのも良い方法だと思います。

 

まとめ

少人数私募債は、手続き的にもコスト的にも発行が容易であり、会社の裁量で発行要件を決められることも大きなメリットとなります。

また、縁故者に依頼するというところが公募債との大きな違いであり、それによって社内の意識改革につなげることもできます。

少人数私募債を利用するならば、資金調達という目的を達成するのはもちろんのことですが、少人数私募債のメリットをできるだけ活かすためにも、資金調達プラスαで活用していく方法を模索し、最大限に活用していくことをおすすめします。

 

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