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資金繰りを経理にまかせっきりの会社は資金繰り悪化

資金繰りが悪い会社では、経理部門に対する認識を誤っており、そのために経理部門が完全に機能していないことが多々あります。

それは、経理部門だけに資金繰りを任せきりにしてしまったり、経理部門は単なる金庫番だと考えてしまったりする誤りです。

このような誤りがある場合、それを改善することによって、会社の資金繰りが大幅に改善するケースがあります。

経理部門だけでは資金繰りはできない

本稿を読んでいる人の中には、「資金繰りは経理部門の仕事。しかしウチの経理部門は仕事ができておらず、資金繰りがうまくいっていない」と考えている人もいるかもしれません。

これは、根本的な部分が間違っています。

「資金繰りは経理部門だけの仕事」ではなく、「経理部門は資金繰りの中心機関」と考えるべきです。

経理部門では、資金繰りが上手く回っていくことを計画しますし、現金の出納を取り扱っています。

しかし、経理部門が資金繰りに関わる全ての業務を行うわけではありません。

集金や仕入れなど、資金繰りに関わるものの経理部門の範囲外の仕事はたくさんあるのです。

資金繰りが経理部門だけの仕事ならば、経理部門が資金繰りに関わる諸業務を全てこなさなければならなくなりますが、それは不可能です。

経理部門だけで行うにはキャパオーバーですし、仮にそれが可能であったとしても、単一の部門が資金繰りに関する業務を全てカバーするようになってしまうと、使い込みなどの問題が起こってしまう可能性が高まります。

また、資金繰りを経理部門だけに任せてしまうと、各部門と連携が取れていない、経理部門だけのデータで資金繰りをしてしまうことにもなりかねません。

そうなると、実際の資金繰りとはかけ離れた資金繰りが出来上がってしまうことも多いです。

的確に資金繰りをしていくためには、集金を行う営業部門や、仕入を行う購買部門から生のデータを仕入れ、それによって経理部門が資金繰りを立てていく必要があります。

また、各部門と密に連携を取れていれば、何らかのトラブルが起こったときにも、すぐに経理部門が異常データとして受け取り、資金繰りを立て直したり、対策を図ったりすることができるようになります。

 

 

各部門での連携を密に

経理部門が資金繰りを立てていくためには、営業部門、購買部門、製造部門、物流部門などの各部門が経理部門と密に連携を取り、資料を積極的に提供しなければなりません。

中でも、特に重要となるのが営業部門、購買部門、製造部門です。

 

営業部門との連携

営業部門は、営業部門は売掛金が発生した場合には、売上日報によって売掛金の発生を伝えます。

もちろん、売掛金を回収した場合にも、回収が完了した旨を伝えます。

このほか、滞留債権の回収状況、滞留在庫の処分状況なども経理部門に逐一報告し、経理部門はこれを記録します。

 

購買部門との連携

購買部門は、商品や原材料を仕入れますが、仕入れ日報によって買掛金の発生をこまめに報告し、支払予定日や支払金額も経理部門に報告します。

経理部門はこれを記録し、出費を考慮しつつ資金繰りを立てていきます。 

ちなみに、営業部門が販売する際、あるいは購買部門が購入する際には、取引条件をできるだけ自社に有利になるようにしなければなりません。

営業部門は、回収サイトが短くなるように工夫したり、一部を現金で受け取ったりの工夫をします。

購買部門では、支払いサイトができるだけ長くなるように工夫します。

このような工夫は、経理部門ではなく、部門ごとに努力すべきことであり、その意味でも資金繰りは経理部門だけの仕事ではないことが分かるでしょう。

 

製造部門との連携

製造部門は、製造に関する情報を常に報告します。

特に、コストの削減は資金繰りに役立つため、普段からコスト削減に努め、削減状況を経理部門に報告するのが良いでしょう。

このほかにも、製造部門で設備の導入や修繕に大きな費用が掛かる場合があります。

この時、大きな費用が掛かる場合には稟議書を提出し、承認を受けたらならば、経理部門に稟議決済書類を回すことになります。

この書類を受けると、経理部門は資金を準備するために現金を用意します。

場合によっては、借入交渉を行なうこともあります。 

細かいことまで考慮するならば、色々なことが経理部門の資金繰りに影響します。

だからこそ、色々な情報が経理部門に集約され、各部門が経理部門の資金繰りを助けるような体制でなければならないのです。

各部門が経理部門に提供すべき情報を簡単にまとめると、以下のようになります。

 

営業部門
  • 売掛金発生報告
  • 売掛金回収報告
  • 売掛金残高報告
  • 滞留債権報告
  • 滞留在庫処分報告
  • 異常データ(取引先からのクレームなど)

 

購買部門
  • 買掛金発生報告
  • 買掛金支払報告
  • 買掛金残高報告
  • 異常データ(仕入先の支援要請など)

 

製造部門
  • 生産報告
  • ロス率報告
  • 設備購入稟議書提出
  • 設備修繕報告
  • 異常データ(不良品の発生など)

 

物流部門
  • 入出荷報告
  • 在庫報告
  • 配送記録
  • 滞留在庫報告
  • 異常データ(物流中の事故など)

 

総務・人事部門
  • 人員配置報告
  • 固定資産一覧報告
  • リース資産一覧報告
  • 資産状況報告
  • 異常データ(天災や盗難の発生など)

 
上記のようなことを、あくまでもデータとして報告します。

報告は不定期的に、不規則に行うのではなく、正確なデータを逐一報告していくことが大切です。

そうすることによって、資金繰りの精度が高まっていくからです。

これを読めば、資金繰りは決して経理部門だけの仕事ではないことが分かると思います。

各部門も、部門ごとの仕事に精を入れ、利益を増やしていくのは良いことなのですが、それと同時に各部門との連携が重要となります。

一部門だけ飛びぬけて成績がよく、それで十分と考えて他部門を無視して奮闘することは、かえって資金繰り全体のバランスを崩すことになってしまうのです。

この体制ができてこそ、経理部門は資金繰り管理を正確に行い、各部門を側面から支えることができるようになります。

資金繰りがうまくいかない会社は、経理部門ありきで資金繰りに臨んでいるケースが少なくありません。

あるいは、一見すると部門間の連携が説取れているようでも、実際には不十分ということも多いです。

この場合には、まずは各部門が連携を取れるように意識を持たせることが、資金繰りのために重要となってきます。

 

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経理部門は金庫番ではない

経理部門に対して、資金繰りの悪い会社でありがちな勘違いはもう一つあります。

それは、経理部門を単なる金庫番としてみなしてしまうことです。

確かに、経理部門は資金の出入りを管理していくのですから、金庫番のように見えることもあるでしょう。

しかし、単に資金を出し入れしているのではなく、お金の出入りを通じてお金を活かしていくのが役目であり、決してお金の出入りを見張っていればいいだけの金庫番ではありません。

資金繰りを立て、実行していくのも、お金を活かしていくためです。

経理部門は資金繰りを立て、実際に資金を利益に変えていく各部門を一歩下がったところから冷静に見つめて、資金繰りをこれからどう動かしていくのかを見極めていくのが仕事なのです。

金庫番ならぬ経理部門の役割は、大きく挙げると以下のようなものです。

 

  • 日々の出納を実行し、実際の出納の結果と資金繰り予測を照らし合わせ、大きく異なる場合には原因を調査し、資金繰りの制度の向上に努める。
  • 各部門から提供された資料を基に、資金繰りの安全性を確保すべく、少し厳しめの資金繰りを立てる。
  • 支出の予測は、各部門の資料から予測されるものに加え、不足の出費に備え、やや多めの予測を立てる。
  • 資金不足に陥らないように、資金繰りを厳しく監視する。
  • 売掛金の滞留はないか、在庫の滞留はないか、コストカットできるところはないかなどを監視し、気になる部分があれば各部門に意見する。
  • 資金繰りがよりよくなるように、各部門と協力を図る。
  • 短期の資金繰りと同時に、長期の資金計画も立てていく。

 

以上のように、経理部門は資金繰りを予測し、資金繰りを実施し、チェックし、調整していくための中心機関となります。

決して、単なる金庫番ではないことが分かると思います。

 

 

まとめ

経理部門に対して抱きがちな誤りを改め、経理部門がきちんと機能できるようになれば、資金繰りが大幅に改善されることでしょう。

それができていないならば、今は資金繰りに困っていない会社でも、いずれ困る可能性が高いと言えます。

今資金繰りに困っていない会社も、困っている会社も、経理部門がきちんと機能できるような体制を作っていくことを心がけてください。

 

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