社員一人当たりの生産性を高めよう。収益性は改善され、助成金ももらえる!

会社が盛っているヒト・モノ・カネの経営資源のうち、特に有用なものはカネです。

全て欠かすことができないものですが、カネが回らなくなれば、会社は倒産するほかありません。

そこで、手元資金を確保するために、儲けを高めていくことが重要です。

儲けを高めるためには、自社における社員一人当たりの生産性を把握し、これを高めることによって儲けを増やしていくことが大切です。

本稿では、生産性向上によって会社の収益性を高め、さらに助成金まで獲得する方法についてお伝えします。

売上拡大走るのはNG!社員一人当たりの生産性に目をむける

経営者が把握しておくべき、会社に関する数字には、色々なものがあります。

流動資産と流動負債の流れ、資金繰りの様子、利益率など、当たり前に把握しておくべき数字はひとまず置いて考えると、「社員一人当たりの生産性」を数字で把握しておくことは、経営において極めて重要です。

そもそも、儲かっている会社であれば、資金繰りには困っていないはずです。

もちろん、極端などんぶり勘定をしていれば、黒字倒産することもあるでしょう。

しかし、そのような間違いがなく、ある程度の計画性があれば、儲かっている会社は力強く経営を続け、成長していけるものです。

CF ブルー
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儲かっている会社は、儲けによって資金繰りを回していくこともできるのだ!

儲けが伸びることによって運転資金が増加しても、返済に充てるべき利益がしっかり出ているのですから、銀行も好条件で融資してくれる可能性が高いです。

資金繰りが厳しく、人件費負担にも悩んでいるならば、その原因の多くは単純に儲かっていないからです。

「そんなことはわかっている」と思う人も多いはずですが、案外的外れな思い込みをしている人も多いものです。

例えば、経営が苦しい会社の経営者は、「売上が少ないから資金繰りが厳しい」と考え、売上拡大に舵を切ることがよくあります。

しかし、「売上=儲け」ではなく、「売上拡大=儲け拡大」ではありません。

確かに、売上も伸びて儲けも伸びるのが普通です。

売上拡大を考えるあまり、薄利多売を進めるでしょう。

しかし、売上だけが伸びて儲けは伸びず、売上が伸びただけ運転資金も大きくなり、資金繰りがますます厳しくなった、というようなケースもよくあるのです。

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返す必要のない、助成金で資金調達する方法もあります。

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社員一人当たりの生産性の計算方法

そこで重要となるのが、「社員一人当たりの生産性」をしっかりと考えることです。

社員一人当たりの生産性と儲けの関係は、計算式を見ればよくわかります。

社員一人当たりの生産性は、粗利益を社員数で割って求めます。

なお、粗利益の計算式は、

売上-売上原価(売上の源泉となる商品の仕入費用や外注費用)=粗利益(売上総利益)

であるため、これを

粗利益÷社員数=社員一人当たりの生産性

と計算します。この計算式を見れば、社員一人当たりの生産性と儲けの密接な関係が分かるでしょう。

粗利益が増える、あるいは社員を減らすことにより、社員一人当たりの生産性は高まります。

無駄な社員を解雇したり、無駄な残業や休日出勤を減らしたりすると同時に、売上原価を削減することによって粗利益を高めていけば、社員一人当たりの生産性は高まります。

売上をアップさせた場合にも、社員一人当たりの生産性は高まります。

しかし、売上は簡単に伸ばせるものではなく、そもそも売上原価に問題があれば売上をアップさせても大きな改善効果が期待できません。

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まずは売上原価の削減に狙いを定めるのだ!

生産性改善のシミュレーション

A社の月商は1000万円、売上原価は500万円であり、社員数は10人です。したがって、粗利益は

粗利益=1000万円-500万円=500万円

となり、社員一人当たりの生産性は、

社員一人当たりの生産性=500万円÷10人=50万円

となります。

なお、一般的に粗利益の半分以上は人件費に充てられます。

A社で、粗利益の6割を人件費に充てていたならば、粗利益500万円のうち300万円が給料となり、A社の手元には200万円が残ります。

もちろん、この200万円から販売管理費の支払い、買掛金の支払い、銀行への返済、固定費の支払いなどをしていかなければならず、資金繰りは非常に厳しくなります。

CF イエロー
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社員一人当たりの生産性が低い会社で、経営者が資金繰りや人件費負担に悩むのも当然のことなのよ。

社員一人当たりの生産性を考えられない経営者は、単に売上が伸びないから資金繰りが苦しいと考えます。

売上が伸びないことを社員のせいにして、社員の給料を下げる、ボーナスをカットするなどの対策によって、なんとか利益を確保する会社もあります。

そのような会社には、当然ながら良い人材が集まりません。

会社が社員を搾取しているのですから、嫌気がさして辞めていく社員も多いでしょう。

経験を積んだ社員が、キャリアアップのために転職してしまい、会社の弱体化は待ったなしです。

社員一人当たりの生産性を無視して経営改善を考えていくと、売上低下に歯止めをかけるきっかけはつかめず、むしろさらに悪化する可能性が高いです。

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生産性の目標を設定する

社員一人当たりの生産性を求める方法はすでに示しましたが、目標はどれくらいに据えるべきなのでしょうか。

中小企業では、年間1000万円の生産性を目標とすべきです。

中小企業の平均的な社員一人当たりの生産性は、年間700万円程度です。

年間1000万円の生産性を確保できれば、平均的な中小企業よりも、かなり良い状態と言えるでしょう。

さらに、社員一人当たりの生産性が年間1000万円あれば、会社の手元に残る利益は多くなり、社員の給料に充てられる資金も潤沢になります。

同業・同規模の他社よりも10~20%程度高い給料を支給することも可能となるのです。

人材の流出を防ぐこと、優秀な人材を集めること、社員のモチベーションをあげることなどにつながり、さらなる経営改善効果も望めます。

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社員一人当たりの生産性を上げることによって、確保できる利益は増えるよ!

これを目標とすれば、売上拡大一辺倒ではなく、粗利益を増やすことを考えながら取り組むことができます。

前述の通り、社員一人当たりの生産性を圧迫している大きな原因は、売上原価が粗利益を圧迫していることです。

つまり、社員一人当たりの生産性が低く、資金繰りが苦しい会社では、

  • 仕入れ条件が悪く、原材料費や仕入費が高い
  • 計画的な仕入れができず、在庫が過剰気味である
  • 製造工程におけるミスが多く、原材料のロスが発生している
  • 不良品の返品を減らす努力を怠っており、ロスが発生している

などによって、粗利益を圧迫していることが多いのです。

このような問題に一つずつ対処していくことによって、社員一人当たりの生産性は徐々に改善されていきます。

生産性の向上といえば、社員がなまけないように締め上げたり、能力アップのために教育を施したりすることばかり思い浮かぶかもしれません。

これらも、売上アップのためには欠かせないことですが、それよりもまずは無駄を省くことで、粗利益を早急に高めていくことが大切です。

社員の業務改善についても、できる限り進めていきたいものです。

勤務中、何も生産していない時間があれば、その稼働ロスを削減していくことによって、残業や休日出勤を減らすことができます。

無駄なコストを削減することができ、本来は何も生み出していなかった時間が売上につながります。

労働力の配分を適正化することも効果的です。

5人分の労働力が必要な現場に6人分の労働力を投入したり、4人分の労働力しか投入しなかったりすれば、生産性は下がります。

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これを適正化することでも、社員一人当たりの生産性はアップするわ。

社員に直接働きかけるアプローチは、社員自身が生産性向上の意識を持つことにもつながり、それも経営改善に効果があるでしょう。

このような取り組みによって、A社の業績が月商1000万円から1200万円、売上原価が400万円へと改善されたとしましょう。

この会社は年商1億4400万円に対して売上原価は4800万円・粗利益は9600万円になります。

社員は10人ですから、社員一人当たりの生産性は960万円となり、目標にかなり近づくことが分かります。

月間の社員一人当たりの生産性は80万円ですから、この半分の40万円を給料とすれば、社員の月収は生産性改善前より10万円もアップします。

社員の幸福度は高まりますし、儲けが大きくなれば自分たちにもしっかり還元されることが分かり、会社への信頼や忠誠、モチベーションなども高まるでしょう。

そして、売上原価と給料を支払っても、会社には400万円のお金が残り、資金的余裕は改善前の2倍になっています。

これによって、資金繰りが改善されることは言うまでもありません。

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助成金がもらえるのも大きなメリット

社員一人当たりの生産性を改善するメリットは他にもあります。

それは、助成金を受給できることです。

経済成長の増進や労働環境の整備を目的として、厚生労働省は助成金制度を実施しています。

生産性を向上した会社や社員の給料をアップした会社に対して、助成金を支給しています。

A社の場合、社員一人当たりの生産性が60%も上昇しています。
また、社員の給料も33%上昇しています。

厚生労働省は、人材確保等支援助成金という制度を実施しており、社員の給料を2%上げた会社に50万円の助成金、さらに申請が認可されてから3年後に生産性が6%向上していた会社には、追加で80万円の助成金を受給することができます。

キャリアアップ助成金が利用できる場合も

また、キャリアアップ助成金も利用できる可能性があります。

A社が待遇を改善した10人の社員の中に、長期・無期契約社員が含まれており、生産性改善に伴って正社員雇用に切り替えている場合には、以下の条件で助成金を受給できます。

基本的な支給額 生産性が6%向上している場合
有期契約から正規契約へ転換 1人当たり57万円 1人当たり72万円
有期契約から無期契約へ転換 1人当たり28万5000円 1人当たり36万円
無期契約から有期契約へ転換 1人当たり28万5000円 1人当たり36万円

また、有期契約社員の給料をアップしていた場合には、以下の条件でも助成金をもらえます。

【有期契約雇用者全員の賃金をアップした場合】

対象労働者数 有期契約労働者全員に2%増額の場合
基本的な支給額 生産性が6%向上している場合
1~3人 1事業所あたり9万5000円 1事業所当たり12万円
4~6人 1事業所あたり19万円 1事業所当たり24万円
7~10人 1事業所あたり28万5000円 1事業所当たり36万円
11~100人 1人当たり2万8500円 1人当たり3万6000円

 

対象労働者数 有期契約労働者全員に3%増額の場合
基本的な支給額 生産性が6%向上している場合
1~3人 基本的な支給額に加えて
1人当たり1万4250円の加算
基本的な支給額に加えて
1人当たり1万8000円の加算
4~6人
7~10人
11~100人

【有期契約雇用者の一部のみ、賃金をアップした場合】

対象労働者数 有期契約労働者の一部に2%増額の場合
基本的な支給額 生産性が6%向上している場合
1~3人 1事業所あたり4万7500円 1事業所当たり6万円
4~6人 1事業所あたり9万5000円 1事業所当たり12万円
7~10人 1事業所あたり14万2500円 1事業所当たり18万円
11~100人 1人当たり1万4250円 1人当たり1万8000円

 

対象労働者数 有期契約労働者の一部に3%増額の場合
基本的な支給額 生産性が6%向上している場合
1~3人 基本的な支給額に加えて1人当たり7600円の加算 基本的な支給額に加えて1人当たり9600円の加算
4~6人
7~10人
11~100人

このように、キャリアアップ助成金も活用しやすい助成金ですから、生産性改善に伴って受給できる状況になれば、その都度申請していくようにしましょう。

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まとめ

本稿では、社員一人当たりの生産性が会社にもたらす影響を詳しく解説しました。

これから生産性の改善に取り組みたいと考えた人は、せっかくならば助成金を受給できるように、助成金の申請を出したうえで取り掛かるのが良いでしょう。

厚生労働省が実施している助成金制度は、全部で50種類程度あるため、自社が利用できる制度も色々と見つかると思います。

また、現時点では利用できるものがなくとも、いずれ利用できるタイミングが来るでしょうから、助成金のことを頭の片隅に置いておくと、ふと役立つときが来るはずです。

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