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手形・でんさいの統計|手形交換高と電子記録債権の推移【毎月更新】

最終更新 公開 約20分で読めます 執筆:アンドファクタリング運営事務局

広告なし・一次情報にもとづく解説です。編集方針

この記事の要点

  • 全国の手形交換高は1990年の4,797兆円がピークで、2025年の電子交換所の交換高(小切手・手形・その他の合計)は1,998万枚・69兆249億円と、ピークの約1.4%まで縮小した。
  • 電子交換所で交換された手形は、2026年8月に10.5万枚・2,065億円で、前年同月と比べて枚数は64.5%、金額は67.6%減った(全国銀行協会の統計から当サイト算出)。
  • でんさいネットの発生記録請求は2025年度に1,000万7,855件・50兆915億円となり、サービス開始以来初めて年度で1,000万件を超えた。2026年9月末の利用者登録数は58万5,095社である。
  • 紙の手形・小切手の電子交換所での交換は2027年3月31日で終了する。多くの金融機関は手形・小切手の最終振出期限を2026年9月30日に設定しており、その期限はすでに過ぎた。
  • 全国銀行協会の2025年度の調査では、手形を振り出している企業は17万3,179社で、そのうち53.1%がでんさいを契約しておらず、21.0%は契約していても使っていなかった。
手形・でんさいの統計 早わかり表(2026年10月22日時点)
手形交換高のピーク4,797兆円(1990年)/4億3,486万枚(1979年)
電子交換所の交換高1,998万枚・69兆249億円(2025年、小切手・手形・その他の合計)
直近月の手形の交換10.5万枚・2,065億円(2026年8月)
でんさいの発生記録1,000万7,855件・50兆915億円(2025年度、初の1,000万件超)
でんさいの利用者登録数58万5,095社(2026年9月末)
手形を振り出している企業17万3,179社(2025年度調査)
紙の手形・小切手の交換終了2027年3月31日(多くの金融機関の最終振出期限だった2026年9月30日は経過済み)
目次
  1. 次回の公表予定と更新の方針
  2. 手形交換高はどれだけ減った?(ピークから2025年まで)
  3. 電子交換所の月次の交換高は?(直近12か月)
  4. 手形・小切手・その他の内訳は?
  5. でんさいの利用はどれだけ増えた?(年度の推移)
  6. でんさいの月次の推移は?(直近13か月)
  7. 手形とでんさいの利用状況は?
  8. 手形廃止までのスケジュールは?
  9. 手形・でんさいの統計でよくある誤解は?
  10. 手形・でんさいを受け取った企業が期日前に資金化する方法は?
  11. このページの引用について

全国の手形交換高は1990年の4,797兆円がピークで[5]、2025年の電子交換所の交換高は69兆249億円と、ピークの約1.4%まで縮小しました[1]。一方で、手形に代わる電子記録債権「でんさい」の発生記録は、2025年度に1,000万7,855件・50兆915億円でした[3]。年度で1,000万件を超えたのは初めてです。

紙の手形・小切手の交換は2027年3月31日で終了します[8]。このページでは、電子交換所とでんさいの月次・年度の推移を、出典付きで毎月更新します。

次回の公表予定と更新の方針

このページの月次の数字は、電子交換所が2026年9月分、でんさいが2026年10月分から次に更新されます[2][4]。公表予定は次のとおりで、当サイトは公表後に更新します。

指標 次回の対象 次回の公表予定日 公表主体 出典
電子交換所の交換高(手形・小切手・その他) 2026年9月分 原則として翌月24日に掲載(2026年10月24日は土曜日) 全国銀行協会 [2]
でんさいの請求等取扱高(発生・譲渡・分割・支払不能など) 2026年10月分 予定日の告知なし(9月分は2026年10月15日に掲載) でんさいネット [3][4]
手形・小切手機能の電子化状況に関する調査報告書 2026年度版 告知なし(2025年度版は2026年3月27日に公表) 全国銀行協会 [7]

手形交換高はどれだけ減った?(ピークから2025年まで)

手形交換高は、金額では1990年の4,797兆円、枚数では1979年の4億3,486万枚がピークでした[5]。2025年の電子交換所の交換高は1,998万枚・69兆249億円で、金額はピークの約1.4%です(当サイト算出)[1]。

年・年度 交換枚数 交換金額 集計の範囲 出典
1979年(枚数のピーク) 4億3,486万枚 ― 全国の手形交換所 [5]
1990年(金額のピーク) ― 4,797兆円 全国の手形交換所 [5]
2021年 3,588万枚(前年比12.29%減) 122兆9,846億円(前年比8.39%減) 全国107か所の手形交換所(最後の通年) [6]
2023年 3,186.7万枚 93兆4,228億円 電子交換所(算出) [1]
2024年 2,622.6万枚 80兆9,279億円 電子交換所(算出) [1]
2025年 1,998.3万枚 69兆249億円(前年比14.7%減) 電子交換所(算出) [1]
2023年度 3,009.4万枚 88兆9,377億円 電子交換所 [1]
2024年度 2,516.9万枚(前年度比16.4%減) 78兆3,197億円(前年度比11.9%減) 電子交換所 [1]
2025年度 1,774.2万枚(前年度比29.5%減) 63兆1,125億円(前年度比19.4%減) 電子交換所 [1]

電子交換所の数字には、手形だけでなく小切手とその他の証券が含まれます[1]。さらに、電子交換所の統計は行内交換(同じ銀行の中での交換)を含むため、2022年10月までの手形交換所の統計とは厳密には連続しません[1]。長期の比較をするときは、統計が切り替わったことを必ず添えてください。

「交換高が69兆円まで減った」ことは、「手形の利用が69兆円」という意味ではありません。2025年の交換高のうち手形は14兆5,034億円で、全体の約21%です(次の節の内訳を参照)。

電子交換所の月次の交換高は?(直近12か月)

2026年8月の電子交換所の交換高は58.7万枚・2兆3,063億円で、金額は前年同月より49.3%減りました[1]。手形だけを見ると10.5万枚・2,065億円で、金額は前年同月比67.6%減です(算出)[1]。

月 交換枚数(合計) 交換金額(合計) 金額の前年同月比 手形の枚数 手形の金額 手形の金額の前年同月比(算出) 出典
2025年9月 167.9万枚 6兆2,607億円 -10.5% 66.3万枚 1兆4,250億円 -37.8% [1]
2025年10月 146.4万枚 5兆1,294億円 -9.3% 43.9万枚 9,176億円 -38.9% [1]
2025年11月 111.7万枚 4兆1,590億円 -12.1% 24.7万枚 5,080億円 -42.4% [1]
2025年12月 165.6万枚 5兆2,930億円 -17.0% 40.6万枚 8,484億円 -43.7% [1]
2026年1月 115.6万枚 4兆1,850億円 -35.2% 36.7万枚 7,665億円 -65.2% [1]
2026年2月 110.1万枚 3兆6,097億円 -29.6% 34.4万枚 7,238億円 -54.9% [1]
2026年3月 130.5万枚 4兆1,779億円 -33.7% 43.1万枚 9,025億円 -37.9% [1]
2026年4月 91.9万枚 2兆4,440億円 -59.8% 24.1万枚 4,919億円 -62.6% [1]
2026年5月 71.1万枚 4兆3,298億円 -37.4% 12.6万枚 2,581億円 -65.8% [1]
2026年6月 92.3万枚 3兆2,947億円 -55.2% 23.7万枚 4,735億円 -72.0% [1]
2026年7月 84.0万枚 1兆9,993億円 -63.0% 13.3万枚 2,634億円 -76.9% [1]
2026年8月 58.7万枚 2兆3,063億円 -49.3% 10.5万枚 2,065億円 -67.6% [1]

2026年1〜8月の累計は、合計で754.2万枚・26兆3,470億円、手形だけで198.4万枚・4兆865億円でした(算出)[1]。前年同期(2025年1〜8月)と比べると、合計の金額は45.3%減、手形の金額は62.2%減です(算出)。

手形の減り方は、2026年1月から一段と大きくなりました。2026年1月1日には取適法(中小受託取引適正化法)が施行され、対象取引では2026年1月1日以後の発注に係る代金を手形で支払うことが禁止されています[11]。ただし、統計から減少の原因を特定することはできないため、「取適法の施行と時期が重なる」という読み方にとどめてください。

月ごとの数字が大きく振れるのはなぜ?

全国銀行協会は、実際の交換枚数は月末が休日かどうかで変動すると注記しています[7]。枚数と金額の動きが食い違う月もあり、たとえば2026年5月は、合計の枚数が前年同月比52.0%減なのに、金額は37.4%減にとどまりました[1]。単月の増減だけで傾向を判断せず、累計や年度で確認してください。

手形・小切手・その他の内訳は?

2025年の電子交換所の交換高1,998万枚のうち、手形は670万枚、小切手は746万枚でした[7][1]。残りの約582万枚は、定額小為替証書(335万枚)や株式配当金領収証(60万枚)などの「その他」の証券です[7]。

区分 2025年の枚数 2025年の金額(算出) 2025年度の枚数 2025年度の金額 出典
手形 670.4万枚 14兆5,034億円 543.4万枚 11兆6,351億円 [1]
小切手 745.8万枚 36兆1,253億円 659.3万枚 31兆6,585億円 [1]
その他(定額小為替証書など) 582.1万枚 18兆3,960億円 571.6万枚 19兆8,188億円 [1]
合計 1,998.3万枚 69兆249億円 1,774.2万枚 63兆1,125億円 [1]

全国銀行協会は、2025年の手形・小切手の交換枚数(その他の証券を除く)を1,416万枚と報告しています[7]。前年からの削減は551万枚で、2024年の501万枚より増えました[7]。ただし、目標の984万枚(2026年度末までの2年間で毎年均等に削減する前提)には届いていません[7]。

指標 数値 対象期間 調査主体 出典
手形・小切手の交換枚数(その他の証券を除く) 1,416万枚(手形670万枚、小切手746万枚) 2025年 全国銀行協会 [7]
同 前年からの削減枚数 551万枚(目標984万枚) 2025年 全国銀行協会 [7]
同 前年の交換枚数と削減枚数 1,967万枚(削減501万枚) 2024年 全国銀行協会 [7]
月間の交換枚数 約100万枚 2025年12月 全国銀行協会 [7]
月間の交換枚数 約77万枚(1月)、約73万枚(2月) 2026年1〜2月 全国銀行協会 [7]
全国銀行協会の試算による月間の交換枚数 約6.8万枚(2026年12月)→ 0枚(2027年4月) 試算 全国銀行協会 [7]

全国銀行協会の試算は、最終振出期限を設定した金融機関の割合などに仮定を置いたものです[7]。報告書は、2025年12月に約100万枚が交換されている状況から、2026年度末に交換枚数ゼロを達成するのは容易ではないとしています[7]。

でんさいの利用はどれだけ増えた?(年度の推移)

でんさいの発生記録請求は、サービス初年度の2013年度に24万5,518件・1兆8,773億円でした[3]。2025年度には、1,000万7,855件・50兆915億円に増えています。年度末の利用者登録数は、2013年度の36万1,334社から2025年度の56万9,854社になっています[3]。

年度 発生記録請求の件数 発生記録請求の金額 件数の前年度比 金額の前年度比 年度末の利用者登録数 出典
2013年度 24万5,518件 1兆8,773億円 ― ― 36万1,334社 [3]
2014年度 73万9,732件 5兆6,330億円 +201.3% +200.0% 41万3,445社 [3]
2015年度 119万8,188件 8兆7,457億円 +62.0% +55.3% 43万5,736社 [3]
2016年度 171万2,134件 12兆671億円 +42.9% +38.0% 44万7,958社 [3]
2017年度 224万6,915件 15兆6,851億円 +31.2% +30.0% 45万5,573社 [3]
2018年度 280万2,918件 19兆3,256億円 +24.7% +23.2% 45万8,045社 [3]
2019年度 326万3,584件 21兆7,769億円 +16.4% +12.7% 45万6,241社 [3]
2020年度 376万670件 22兆6,675億円 +15.2% +4.1% 45万7,740社 [3]
2021年度 486万1,410件 28兆8,020億円 +29.3% +27.1% 46万7,180社 [3]
2022年度 592万7,503件 35兆4,889億円 +21.9% +23.2% 48万2,853社 [3]
2023年度 717万7,502件 40兆7,304億円 +21.1% +14.8% 49万5,151社 [3]
2024年度 836万1,327件 44兆9,798億円 +16.5% +10.4% 52万3,122社 [3]
2025年度 1,000万7,855件 50兆915億円 +19.7% +11.4% 56万9,854社 [3]

年度の件数・金額は、でんさいネットの月次CSVを4月〜翌年3月で合計した値です(算出)[3]。でんさいのサービス開始は2013年2月18日で[14]、2012年度(2013年2〜3月)の値は表から除いています。

1件あたりの金額はどう変わった?

でんさい1件あたりの平均金額は、小さくなっています。件数の伸びが金額の伸びを上回っているためで、小口の取引でもでんさいが使われるようになったことを示しています。

2025年度の発生記録のうち、中小企業が請求したものは715.9万件で、全体の71.5%を占めました(算出)[3]。ここでの中小企業は、資本金2,000万円〜1億円の「中小企業1」と、「中小企業2・個人事業主」の合計です。

譲渡・分割・支払不能(不渡り)の件数は?

でんさいは、受け取った企業が自社の支払に回したり(譲渡)、必要な額だけに分けたり(分割)できます[14]。2025年度の譲渡記録は192万4,216件・9兆3,481億円でした(算出)[3]。

指標 2024年度 2025年度 出典
譲渡記録請求 162万266件・8兆9,747億円 192万4,216件・9兆3,481億円 [3]
分割記録請求 29万9,601件・1兆2,796億円 36万4,634件・1兆4,161億円 [3]
支払不能でんさい 516件・2,122百万円 1,071件・2,237百万円 [3]
取引停止処分 33件 69件 [3]
年度末の残高 13兆9,290億円 14兆5,413億円 [3]

支払不能でんさいの件数は、2024年度の516件から2025年度の1,071件へ、ほぼ倍増しました(算出)[3]。取引停止処分も33件から69件に増えています。件数はでんさい全体の発生記録(2025年度に1,000万件超)と比べればごく一部ですが、支払企業の資金繰りの悪化を映す指標として毎月確認しています。

支払不能でんさいは、支払期日に決済されなかったでんさいで、紙の手形の「不渡り」に近い位置づけです。同じ2025年度の電子交換所の統計では、不渡情報の登録が3,093件(前年度比12.0%減)・64.0億円、取引停止報告が395件でした[1]。紙の手形の不渡りが減る一方ででんさいの支払不能が増えているのは、決済手段が紙からでんさいへ移っていることと整合します。

2025年度 でんさい(支払不能) 紙の手形・小切手(不渡情報の登録)
件数 1,071件[3] 3,093件(前年度比12.0%減)[1]
金額 22.4億円[3] 64.0億円[1]
取引停止 取引停止処分69件[3] 取引停止報告395件[1]

でんさいの金額はでんさいネットの月次CSVから当サイトが集計した値です[3]。2つの統計は集計主体も対象も違うため、合計して「日本全体の不渡り件数」とすることはできません。

でんさいの月次の推移は?(直近13か月)

2026年9月のでんさいの発生記録請求は86万8,956件・3兆9,714億円で、前年同月と比べて件数は8.9%増、金額は5.9%増でした(算出)[3]。月末の残高は14兆9,538億円、利用者登録数は58万5,095社です[3]。

月 発生記録の件数 発生記録の金額 件数の前年同月比(算出) 金額の前年同月比(算出) 月末の残高 利用者登録数 出典
2025年9月 79万7,909件 3兆7,491億円 +21.9% +11.6% 14兆54億円 54万4,460社 [3]
2025年10月 88万8,333件 4兆5,097億円 +23.1% +14.7% 14兆3,797億円 54万8,830社 [3]
2025年11月 88万6,695件 4兆4,987億円 +23.3% +14.5% 14兆9,566億円 55万2,377社 [3]
2025年12月 93万16件 4兆6,036億円 +23.2% +12.3% 15兆3,055億円 55万6,977社 [3]
2026年1月 89万678件 4兆5,297億円 +19.4% +10.8% 15兆6,604億円 56万563社 [3]
2026年2月 77万2,755件 3兆5,679億円 +11.0% +2.0% 14兆9,499億円 56万4,496社 [3]
2026年3月 85万581件 4兆1,135億円 +12.9% +4.5% 14兆5,413億円 56万9,854社 [3]
2026年4月 89万9,269件 4兆6,214億円 +13.8% +4.9% 14兆7,857億円 57万3,136社 [3]
2026年5月 87万9,137件 4兆3,181億円 +12.2% +6.2% 15兆1,099億円 57万5,396社 [3]
2026年6月 85万2,355件 3兆8,098億円 +11.2% +3.4% 14兆9,317億円 57万8,018社 [3]
2026年7月 91万3,644件 4兆4,257億円 +10.7% +6.2% 15兆395億円 58万437社 [3]
2026年8月 89万4,916件 4兆3,599億円 +8.4% +3.9% 15兆2,843億円 58万2,488社 [3]
2026年9月 86万8,956件 3兆9,714億円 +8.9% +5.9% 14兆9,538億円 58万5,095社 [3]

2026年1〜9月の累計は782万2,291件・37兆7,178億円で、前年同期比で件数は12.0%増、金額は5.4%増です(算出)[3]。件数の最高は2025年12月の93万16件、金額の最高は2026年4月の4兆6,214億円です[3]。

電子交換所の統計がそろう2026年1〜8月で比べると、手形の交換金額は前年同期より約6兆7,175億円減りました(算出)[1]。同じ期間のでんさいの発生記録の金額は、33兆7,463億円で約1兆7,050億円(5.3%)の増加にとどまっています(算出)[3]。

手形の減少額に対して、でんさいの増加額は4分の1程度です。手形の支払がすべてでんさいに移ったわけではないことが、数字から読み取れます。中小企業庁の調査では、支払手段が「現金のみ」という回答が87.5%まで増えました[18]。

手形とでんさいの利用状況は?

全国銀行協会の2025年度の報告書に載っている調査では、手形を振り出している企業は17万3,179社で、前回より4万6,225社減りました[7]。そのうち53.1%はでんさいを契約しておらず、21.0%は契約しているのに使っていません[7]。

指標 数値 対象期間 調査主体 出典
手形を振り出している企業数 17万3,179社(前回比4万6,225社減) 2025年度調査 でんさいネット調査(全国銀行協会の報告書に掲載) [7]
うち、でんさいを契約していない企業 9万1,919社(53.1%) 同上 同上 [7]
うち、契約はあるが使っていない企業 3万6,378社(21.0%) 同上 同上 [7]
自主行動計画を策定済みの業界団体 91団体(2025年2月末は78団体) 2026年1月末 全国銀行協会(中小企業庁のフォローアップを引用) [7]
地域内の金融機関の連携を公表した地域 36地域(2024年度末は6地域) 2026年3月19日時点 全国銀行協会 [7]
でんさいライトを利用できる金融機関 263金融機関(利用契約は累計7,000件超) 2026年3月時点 全国銀行協会 [7]
支払手段が「現金のみ」の割合 87.5% 2026年3月の価格交渉促進月間 中小企業庁 [18]
支払期日が60日を超える取引の割合 6.6% 同上 中小企業庁 [18]
手形等で支払を受ける企業のうち、割引料等(ファクタリング手数料を含む)を負担している割合 24.3% 同上 中小企業庁 [18]
手形割引料を下請に負担させている元請(建設業) 27.7% 2024年7月〜2025年6月の取引 国土交通省・中小企業庁 [19]

でんさいライトは、インターネットバンキングの契約がなくてもでんさいを使えるサービスで、2024年11月に始まりました[7]。手形からの移行先について、全国銀行協会の自主行動計画は電子記録債権とインターネットバンキングによる振込を位置付けています[7]。報告書は、このほかに法人クレジットカード、ファクタリング、口座振替も決済手段として想定されるとしています[7]。

手形廃止までのスケジュールは?

紙の手形・小切手の電子交換所での交換は2027年3月31日で終了し、電子交換所での交換そのものも2029年6月末(6月29日)で廃止されます[8]。その前に、多くの金融機関が2026年9月30日を手形・小切手の最終振出期限に設定し、その期限はすでに過ぎました[11]。

日付 出来事 状態(2026年10月22日時点) 出典
2021年7月19日 全国銀行協会が自主行動計画を制定。2026年度末までに電子交換所での手形・小切手の交換枚数ゼロを目標に 制定済み(2026年3月27日改定) [23]
2022年11月 全国の手形交換所が11月2日で交換業務を終え、11月4日から電子交換所へ移行 移行済み [2]
2024年11月1日 サイト(交付から満期までの期間)が60日を超える手形等を、下請法上の指導の対象に 運用開始済み [22]
2025年3月26日 全国銀行協会が、2027年度初から電子交換所での手形・小切手の交換を廃止すると決定 決定済み [9]
2026年1月1日 取適法が施行。対象取引では、1月1日以後の発注に係る代金の手形払いを禁止 施行済み [21][11]
2026年6月18日 全国銀行協会が、交換廃止日を2027年3月31日と明確化 公表済み [8]
2026年9月2日 公正取引委員会と中小企業庁が、事業者団体・金融機関に支払の適正化を要請 公表済み [11]
2026年9月30日 多くの金融機関が設定した手形・小切手の最終振出期限 経過 [11][10]
2027年3月31日 電子交換所での紙の手形・小切手の交換が終了 未到来 [8]
2027年4月1日 支払告示が施行。取適法の対象外でも、製造委託等の代金を受領から60日を過ぎて払わないことを禁止 未施行 [24]
2029年6月末(6月29日) 電子交換所での交換を廃止 未到来 [8]

最終振出期限を設けた金融機関では、原則として2026年10月1日以降、手形・小切手を使った当座勘定からの支払ができません[10]。金融庁も、2026年度末の交換枚数ゼロの目標と2027年度初からの交換廃止を案内しています[12]。制度の詳しい解説は約束手形の廃止はいつ?と取適法とファクタリングをご覧ください。

手形・でんさいの統計でよくある誤解は?

手形とでんさいの統計は、集計の範囲が分かりにくいため、誤った形で引用されやすい数字です。よく見かける書き方と正しい理解を並べました。

よく見かける書き方 正しい理解 出典
「約束手形は2026年に法律で廃止」 誤り。手形法は廃止されない。電子交換所での交換終了は2027年3月31日。多くの金融機関が設定した最終振出期限(2026年9月30日)は経過済み [8][11]
「2025年の手形交換高は69兆円」 69兆249億円は小切手・その他の証券を含む電子交換所の交換高。手形だけでは14兆5,034億円(算出) [1]
「手形交換高は2021年の122兆円から2025年は69兆円に半減」 2021年は手形交換所、2025年は電子交換所の統計で、行内交換の扱いが違うため厳密には連続しない [6][1]
「でんさいは譲渡しても譲渡人に責任が残らない」 原則として譲渡保証記録がされ、譲渡人は保証人になる(譲受人が不要とすれば記録しないこともできる) [15]
「でんさいはいつでも譲渡できる」 支払期日の2銀行営業日前から、支払期日から3銀行営業日を過ぎるまでは譲渡記録を請求できない [16]
「取適法でファクタリングが禁止された」 取適法が禁止するのは、委託事業者が支払期日までに満額の現金化が難しい支払手段を使うこと。受託事業者が自分の売掛債権を売ることを禁じる規定ではない [21]

「約束手形は2026年に廃止」と書かれていることがありますが、正しくは「電子交換所での紙の手形・小切手の交換が2027年3月31日に終了する」です[8]。全国銀行協会は、2027年4月1日以降も手形・小切手そのものが使えなくなるわけではないと説明しています[8]。ただし郵送などの相対決済になるため、取扱いが金融機関の判断で変わる可能性があります。

手形・でんさいを受け取った企業が期日前に資金化する方法は?

手形やでんさいを受け取った企業が期日前に現金を得る方法は、手形割引、でんさいの割引・譲渡、ファクタリングの3つが中心です。費用と条件は方法ごとに違うため、統計と制度の両面から比べてください。

方法 仕組み 公的資料で確認できる点 詳しい解説
手形割引 満期前の手形を金融機関などに譲渡して現金化する 貸金業法は「手形の割引」による金銭の交付を貸付けに含めている[25]。手形割引業者の平均約定金利は8.51%(2025年3月末)[20] ファクタリングと手形割引の違い
でんさいの割引 でんさいを期日前に金融機関に買い取ってもらう でんさいネットは、期日前の譲渡・割引ができると説明している[14] でんさいの割引・譲渡のやり方と手数料
でんさいの譲渡 受け取ったでんさいを自社の支払に回す 原則として譲渡保証記録がされ、譲渡人は保証人になる[15]。必要な額だけ分割できる[16] でんさいの割引・譲渡のやり方と手数料
ファクタリング 売掛債権をファクタリング会社に譲渡して現金化する 全国銀行協会の報告書は、手形の移行先の決済手段としてファクタリングも想定している[7] でんさいとファクタリングの違い

中小企業庁の調査では、手形などで支払を受ける企業の24.3%が、期日前の現金化にかかる割引料やファクタリング手数料を自社で負担していました[18]。取適法の対象取引では、支払期日は受領から60日以内で、支払期日までに満額の現金を得にくい支払手段は原則として使えません[21][11]。

このページの引用について

このページの数値や表は、出典として「アンドファクタリング」とページのURLを記載すれば引用できます。その際は、元データの出典(全国銀行協会、でんさいネットなど)もあわせて記載してください。当サイトが月次値を合計・換算した数値は、「アンドファクタリング算出」と添えてください。

市場規模や倒産件数など、ほかの統計はファクタリングの市場規模と統計にまとめています。当サイト全体の引用ルールは利用規約に掲載しています。

よくある質問

Q手形交換高はどのくらい減りましたか?

A全国の手形交換高は1990年の4,797兆円がピークでした。2025年の電子交換所の交換高は69兆249億円で、ピークの約1.4%です。電子交換所の数字には小切手とその他の証券も含まれ、手形だけでは2025年に670万枚・14兆5,034億円でした(全国銀行協会の月次統計から当サイト算出)。

Q約束手形はいつ廃止されますか?

A電子交換所での紙の手形・小切手の交換は、2027年3月31日で終了します。多くの金融機関は、手形・小切手の最終振出期限を2026年9月30日に設定しており、その金融機関では10月1日以降、原則として手形・小切手による当座勘定からの支払ができません。手形法が廃止されるわけではなく、2027年4月1日以降は電子交換所を通さない相対の決済になり、取扱いは金融機関の判断によります。

Qでんさいの利用件数はどのくらいですか?

Aでんさいネットの発生記録請求は、2025年度に1,000万7,855件・50兆915億円で、初めて年度で1,000万件を超えました。2026年9月の1か月では86万8,956件・3兆9,714億円です。2026年9月末の利用者登録数は58万5,095社です。

Q手形を振り出している企業は何社ありますか?

A全国銀行協会の2025年度の報告書に載っている調査では、手形を振り出している企業は17万3,179社で、前回より4万6,225社減りました。そのうち9万1,919社(53.1%)はでんさいを契約しておらず、3万6,378社(21.0%)は契約していても使っていませんでした。

Q電子交換所と昔の手形交換所の統計は比べられますか?

A厳密には比べられません。2022年11月に始まった電子交換所の統計には行内交換(同じ銀行の中での交換)が含まれるため、全国107か所の手形交換所の統計とは連続していません。長期の推移を示すときは、統計が切り替わったことを添えてください。

Q2027年4月以降、手形は使えなくなりますか?

A手形そのものが法律で使えなくなるわけではありません。全国銀行協会は、2027年4月1日からは電子交換所を介さない決済になり、各金融機関が郵送などの相対決済を行う必要があるため、取扱いが金融機関の判断で変わる可能性があると説明しています。なお、取適法の対象取引では、2026年1月1日以後の発注分の代金を手形で支払うことが禁止されています。

Q手形の代わりにどんな支払手段が使われていますか?

A中小企業庁の2026年3月の調査では、支払手段が「現金のみ」という回答が87.5%、「手形の利用あり」が3%、「電子記録債権・ファクタリング等」が9.5%でした。全国銀行協会は、約束手形の移行先として電子記録債権とインターネットバンキングによる振込を位置付けています。

Qこのページの統計はいつ更新されますか?

A全国銀行協会の電子交換所の統計は、原則として翌月24日に掲載されます(2026年9月分の掲載予定日の10月24日は土曜日)。でんさいネットは公表予定日を告知していませんが、2026年9月分は10月15日に掲載されました。当サイトは、公表後に数値を更新します。

出典・参考資料

  1. 全国銀行協会「電子交換所における手形交換高などの統計(Excel、2022年11月~2026年8月)」(2026年9月掲載)
  2. 全国銀行協会「手形交換高などの交換所統計」(2026年10月22日確認)
  3. でんさいネット(株式会社全銀電子債権ネットワーク)「でんさいネット請求等取扱高(2026年10月15日版、CSV。2026年9月分まで)」(2026年10月15日)
  4. でんさいネット(株式会社全銀電子債権ネットワーク)「統計情報」(2026年10月22日確認)
  5. 全国銀行協会「手形・小切手機能の電子化に関する検討会 中間報告」(2018年7月26日)
  6. 全国銀行協会「全国手形交換高・不渡手形実数・取引停止処分数調(2021年中)」(2022年1月24日)
  7. 全国銀行協会「手形・小切手機能の電子化状況に関する調査報告書(2025年度)」(2026年3月27日)
  8. 全国銀行協会「電子交換所の交換廃止時期の決定および手形・小切手交換廃止時期の明確化について」(2026年6月18日)
  9. 全国銀行協会「手形・小切手の電子化に関する中間的な評価を踏まえた抜本的な取組み等について~2027年度初からの電子交換所における手形・小切手の交換廃止等~」(2025年3月26日)
  10. 全国銀行協会「紙の手形・小切手利用廃止へ(特設サイト)」(2026年9月18日確認)
  11. 公正取引委員会「約束手形の利用廃止を踏まえたサプライチェーン全体での支払の適正化について」(2026年9月2日)
  12. 金融庁「手形・小切手機能の全面的な電子化について」(2026年7月24日更新)
  13. 東京商工リサーチ TSRデータインサイト「紙の手形・小切手の交換廃止まで、あと1年 手形交換高は過去最低でも、でんさい額の1.4倍」(2026年4月6日)
  14. でんさいネット(株式会社全銀電子債権ネットワーク)「でんさいとは」(2026年9月18日確認)
  15. でんさいネット(株式会社全銀電子債権ネットワーク)「よくあるご質問(譲渡保証記録)」(2026年9月18日確認)
  16. でんさいネット(株式会社全銀電子債権ネットワーク)「よくあるご質問(分割譲渡・譲渡記録の請求期間)」(2026年9月18日確認)
  17. e-Gov法令検索「電子記録債権法」(2026年9月18日確認)
  18. 経済産業省(中小企業庁)「価格交渉促進月間(2026年3月)フォローアップ調査の結果を公表します」(2026年6月26日)
  19. 国土交通省・中小企業庁「令和7年度下請取引等実態調査の結果について」(2026年3月31日)
  20. 金融庁「貸金業関係資料集(業態別貸付金利)」(2025年11月28日)
  21. e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)」(2026年9月18日確認)
  22. 公正取引委員会「手形が下請代金の支払手段として用いられる場合の指導基準の変更について」(2024年4月30日)
  23. 全国銀行協会「手形・小切手機能の全面的な電子化に向けた自主行動計画」(2021年7月19日制定・2026年3月27日改定)
  24. 公正取引委員会「製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法(支払告示)」(2026年6月18日告示)
  25. e-Gov法令検索「貸金業法」(2026年9月18日確認)

出典のURLと内容は2026年10月22日時点で確認しています。

この記事の更新履歴

  •  公開
  •  電子交換所を2026年8月分(58.7万枚・2兆3,063億円、うち手形10.5万枚・2,065億円)、でんさいを2026年9月分(86万8,956件・3兆9,714億円、利用者登録58万5,095社)に更新し、累計と手形・でんさいの比較を2026年1〜8月(でんさい単独は1〜9月)で再計算。次回の公表予定を更新し、2026年9月30日の最終振出期限を「経過」に変更。あわせて、電子交換所9月分の公表予定日を「原則翌月24日(10月24日は土曜日)」に修正し、電子交換所の交換廃止を「2029年6月末(6月29日)」と全国銀行協会の原文どおりに明記。よくある誤解の表とチェックリストの最終振出期限を経過済みの表現に修正し、支払不能でんさいの説明を「不渡りに近い位置づけ」に改めた

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この記事を引用するとき

記事・図表・データは、出典を明記していただければ引用できます(引用のルール)。出典は次のように記載してください。

アンドファクタリング「手形・でんさいの統計|手形交換高と電子記録債権の推移【毎月更新】」(https://factoring.co.jp/data/notes-densai-statistics/、2026年10月22日更新)