業績回復の道筋を徹底指南。慢性的な赤字から黒字に回復する具体的な流れ 【第5回】業務プロセス改善は効果絶大

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財務の視点・顧客の視点の限界

これまで、財務の視点によって、業績における問題点や改善の方針を考え、そこに顧客の視点を加えることで売上の維持や向上、顧客満足度の改善などを図ってきました。

これによって、一定の業績改善効果が表れることも少なくありません。

しかし、それで黒字転換が実現するとはいいがたいでしょう。

財務の視点と顧客の視点での取り組みは、業績向上のための大きな力にはなりにくいからです。

財務の視点で業績改善を図ったとき、売上アップとコストダウンを中心に考えてきました。

また、それが逆効果を生み出さないために、顧客視点での取り組みを考えてきました。

つまり、これらの取り組みは業績改善のための方針であり、基本的な姿勢といえるものです。

したがって、これによって売上や限界利益が劇的にアップするということにはなりにくいのです。

というのも、赤字の会社には、財務的な問題、集客や顧客満足度での問題だけではなく、社内業務にも大きな問題が潜んでいることが非常に多いからです。

管理会計によって数字の問題を特定し、そこに顧客視点を掛け合わせても、社内の業務で様々な非効率が起こっていたとすれば、赤字はいつまでたっても改善されません。

そこで、財務の視点・顧客の視点に続く第三の柱として、業務プロセスの視点が必要となるわ。

業務プロセスの視点とは?

業務プロセスというと、真っ先に思い浮かぶのが「業務の流れ」のイメージです。

つまり、業務プロセスの視点で業績改善を図るということは、

  • 業務の流れの中で生じている無駄な工程を削減する。例えば、三重チェックが行われている工程を二重チェックに変更することにより、労働時間や労働力当たりの生産量を改善し、売上増加につなげる
  • 製造工程のうち、ミスが起こりやすい工程に人員を割いてミスを防ぐ。これにより、返品やクレームの頻度を減らし、無駄の削減と売上増加につなげる
  • 自社で顧客管理に利用しているシステムを改善し、短時間で顧客情報の入力・変更を可能とすることで生産性をアップさせる
  • A→Bという流れの作業で、Bの作業に当たる従業員がAの工程が終わるまで待たなければならず、無駄が発生している。製造工程を見直すことで無駄を省き、売上高を高める

などの改善策が良く知られています。

これを、「業務フローの見直し」などとも言い、業務改善では欠かせないポイントとなります。

どのような業態でも、フローの改善を図ることによって、長期的に見ればある程度の業績改善効果が得られるものです。

しかし、業務プロセスが含む意味は広く、業務フローのほかにも色々な改善が含まれています。

例えば製造業では、

  • 製造の際に消費する原材料の無駄を省く
  • より効率の良い原材料へと変更する

という改善によって、変動費を削減して限界利益率を高めることができます。

飲食店やスーパーでも、

  • 調理工程や仕入れを見直して廃棄する食材を減らす
  • 調理場や売り場の設備の稼働率を高めて、各設備の収益への貢献度を高める

という改善をすれば、収益を高めていくことができます。

業務フローはしっかり構築されていても、このような無駄が発生している会社は資金繰りが厳しくなります。

そのため、業務プロセスの改善では業務フローの無駄だけではなく、色々な無駄を削減する姿勢で取り組むことが重要です。

このため、業務プロセスの視点業務プロセスの視点で業績改善を図るときには、業務フローの改善のほかにも、

  • 無駄の生まれにくい商品を企画する
  • 仕入計画を見直す(販売予測から適正な仕入れを図る)
  • 在庫管理を見直す

などの改善を図っていくことになります。

これが、会社にイノベーションを起こすことにつながり、赤字から黒字へ転換するための爆発力も期待できるんだ。

また、広義でとらえるならば、業務プロセスの視点と顧客の視点には関連する点が多いことにも注目すべきです。

例えば、飲食店で業務プロセスの改善を図るにあたって、ホールで立っているだけのスタッフに仕事を与えたとしましょう。

このスタッフは、ただホールで手持ち無沙汰に立っているだけに見えるかもしれませんが、顧客が何か困ったときにすぐ対応することができるため、顧客満足度に貢献しているかもしれません。

その場合、業務プロセスを改善したつもりが、実際には顧客の不便につながる可能性があります。

財務の視点で考えるとき、顧客の視点を必ず忘れてはならないと書きました。

それと同じように、業務プロセスの視点で考えるときにも、顧客の視点を忘れてはならないのです。

業務プロセス改善でイノベーションを起こす

ここまでの解説からもわかる通り、業務プロセスの視点では無駄を省いて生産性を高めることを目指しています。

経営者の皆さんもそうですし、従業員一人ひとりもそうだと思いますが、毎日の仕事はだいたい決まった流れで行っているものです。

業務フローはある程度確定されており、それに従って業務を行っているのですから、仕事の内容もやり方も変わらないのが当然なのです。

そのように毎日繰り返している仕事を再検討し、新しい見方で考え、新しい方法で取り組み、新しい価値を見出すのが業務プロセスの視点です。

これが、赤字に苦しむ会社にイノベーションをもたらします。

イノベーションというと、なにやら大変な変革を起こすイメージがあると思います。

馬で移動していた社会から鉄道で移動する社会へ、ガラケーが当たり前の社会からスマホの社会へといったイメージを抱く人もいるでしょう。

しかし、イノベーションを起こす単位は色々で、世界的なイノベーションもあれば、小さな店舗や会社でのイノベーションもあります。

しかし、どのようなイノベーションでも共通するのは、イノベーションには、

  • 商品やサービスによって顧客満足度を高めること
  • 仕事の生産性を上げること

の二つのポイントがあるということです。

商品やサービスによって顧客満足度を高めることについては、第4回の顧客の視点を理解している人にはピンとくると思います。

顧客の視点に立った商品やサービスを提供できていないならば、業務プロセスを改善することで、顧客の満足度を高めるのです。

ここでしっかりと理解しておきたいのは、後者の

「業務プロセスの視点から、仕事の生産性を上げる」

ということです。

この点をしっかりと理解すれば、業績改善の大きな推進力となります。

では、具体的にどのような取り組みをしていくのでしょうか。

スーパーA店のケースを見ながら考えていきましょう。

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