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よく聞く、売掛債権流動化を簡単に説明してください!

「売掛債権流動化」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

これは、簡単にいうならば、本来ならば数ヶ月先にしか資金として得られない売掛債権を、流動性を高めることによって、決済期日前に資金化してしまうことです。

しかし、売掛債権流動化にあたっては、備えるべき要件やリスクへの理解も求められます。

本稿では、それらのことも含めて、売掛債権流動化を解説していきます。 

売掛債権流動化とは?

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本稿をご覧のみなさんは、多かれ少なかれ売掛債権の有効活用に関心があると思います。

売掛債権の有効活用にあたって、よく登場する言葉の一つに「売掛債権流動化」というものがありますが、これはどういう意味なのでしょうか。

簡単にいってしまうならば、流動化とは流動性を高めることですから、売掛債権流動化とは読んで字の如く、売掛債権の流動性を高めることによって、資金繰りに活かすことです。

売掛債権は、貸借対照表の上では資産の部に記載され、その中でも流動資産に分類されるものです。

貸借対照表の資産の部では、その資産の性質によって、流動資産と固定資産に分けられています。

流動資産とは、一年以内に資金として活用可能な資産のことであり、現金及び預金、受取手形及び売掛金、有価証券、商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品、繰延税金資産、貸倒引当金などが記載されています。

現金及び預金はすぐに資金として活用可能であり、受取手形及び売掛金は一般的に数ヶ月後に回収することで資金として活用可能です。

有価証券はその時の時価で資金化することができます。

商品及び製品は販売することによって資金となります。

仕掛品は製造過程にある製品のことですから、これも製品に仕立てて販売することで、一年以内に資金になる可能性が高く、原材料及び貯蔵品にも同じ性質があります。

繰延税金資産は、将来的(一年以内)に税金が減算されることによって回収されますから、これも流動資産です。

貸倒引当金とは、債権の回収不能見込み額として充当されるものであり、回収状況によって資金に回すことができるものです。

しかし、実際の経営においては、流動資産は必ずしも流動性が高いとは言えない状況が多々あります。

確かに、現金や預金は流動性が非常に高いといえますが、受取手形や売掛金といった売掛債権は数ヶ月後でなければ活用できないため、資金繰りが厳しい企業にとっては必ずしも流動性が高いとは言い難い資産であるといえます。

商品・製品は、それを販売した上でさらに売掛債権の回収までの期間があるわけですから、流動性はさらに低くなります。

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仕掛品・原材料などに至っては、一層流動性が低いことは言うまでもないでしょう。

このように、会計上では一年以内に活用可能な資産を流動性の高い資産として記載しているのですが、それは流動性が低い固定資産と比較した場合のことなのです。

流動資産の中でも流動性が低い資産があり、その流動性をいかに高めていくかということは、企業の資金繰りにおいて非常に重要となります。

売掛債権ならば、支払サイトが必要以上に長引かないように契約を結ぶ必要があるでしょうし、回収も円滑に進めなければなりません。

商品・製品・仕掛品・原材料などの流動性を高めるためには、製造工程を効率化したり、営業力を高めることで、流動性も高まっていくことでしょう。

流動資産のなかでも、特に売掛債権の流動性を高めることを、売掛債権流動化と言います。

上記の通り、支払サイトの短縮を交渉することや回収を円滑に進めるのも効果的な方法ですが、そればかりが流動性を高める方法ではありません。

むしろ、特に「売掛債権流動化」という場合には、売掛債権流動化のための既存のシステムを活用することによって、売掛債権の流動性を高めることいいます。

売掛債権流動化を利用すれば、売掛債権の決済期日が到来する前に、保有している売掛債権を第三者機関に譲渡したり、担保にしたりすることによって資金調達が可能となります。

そもそも売掛債権は、企業が売掛先に商品・製品やサービスを提供したときに発生するものです。

そして、契約において決めた決済期日に、売掛先が代金を支払うことで消滅します。

一旦、決済期日を決めたならば、決済期日前に支払いが行われることは基本的にありません。

しかし、売掛債権流動化を行えば、決済期日を待たずに売掛債権を資金化することができるのです。 

 

 

売掛債権流動化の三つのタイプ

では、実際に売掛債権流動化をする際には、どのような方法によって行うのでしょうか。

その方法には三つあり、売掛債権証券化、ファクタリング、売掛債権担保融資を利用することになります。

それぞれを簡単に説明するならば、以下の通りです。 

 

売掛債権証券化

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売掛債権証券化とは、売掛債権を証券化することによって資金化するものです。

この方法では、企業は保有している売掛債権を、SPVという特定目的法人に譲渡します。

譲渡を受けたSPVは、売掛債権の信用力に応じて対価を支払います。

形としては、企業がSPVに売掛債権を譲渡することになりますが、実質的には売掛債権の買い取りが行われているといえます。

売掛債権は、基本的には決済期日になれば満額を受け取ることができるものですから、SPVはその代金を裏付けとして証券を発行し、投資家に販売します。

このように、売掛債権証券化では、SPVが企業と投資家の媒介役を果たしてくれるのです。 

 

ファクタリング

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ファクタリングとは、売掛債権を譲渡することによって資金を受け取るものです。

ファクタリングは売掛債権証券化とは異なり、SPVではなくファクタリングサービスを提供しているファクタリング会社(ファクターともいう)に譲渡し、証券化を行うこともありません。

ファクタリング会社は、売掛債権の信用力に応じて買取率を算定し、買取料として差し引くことによって、売掛債権の本来の額よりも割安で買い取ります。

そして、決済期日になると額面通りの代金を得ることによって、利益を得ているのです。 

 

売掛債権担保融資

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売掛債権担保融資は、売掛債権を担保とすることによって、金融機関から融資を受けることです。

売掛債権証券化とファクタリングは実質的に売掛債権の買い取りであるのに対し、売掛債権担保融資はあくまでも融資であるという特徴があります。

融資であるということは、当然ながら返済の必要があります。

仮に返済できなくなった場合には、担保としている売掛債権によって弁済を行うことになります。 

以上のように、一口に売掛債権流動化といっても、三つの異なる方法があります。

どの方法によって売掛債権流動化を行うかということは、企業ごとのおかれている状況や業種によって異なります。 

 

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売掛債権流動化の要件

売掛債権流動化を利用すれば、流動性の低い売掛債権の流動性を高めることができます。

もっとも、売掛債権流動化を円滑に行うためには、いくつかの要件を備えなければなりません。

 

売掛債権のデータ管理

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最も重要となるのは、売掛先の企業データや売掛債権のデータの管理をしっかりと行っておくことです。

上述の通り、売掛債権流動化では、流動化を行う売掛債権の信用力が重要な指標となります。

売掛債権を譲渡するSPVやファクタリング会社、売掛債権を担保にすることで融資を依頼する金融機関にとっては、売掛債権の信用力の評価を適正に行ってこそ取引を成立させることができるため、売掛先や売掛債権に関するデータが非常に重要となるのです。

具体的には、売掛先の企業データ、決済期日、決済金額などのデータが必要となり、これらが整然と管理されていることによって、はじめて売掛債権流動化をスムーズに進めることができます。

もしこれらのデータがしっかりと管理されていなければ、譲渡する(あるいは担保とする)売掛債権の特定ができずに、売掛債権流動化の手続きが難航する可能性があります。

そうなれば、スムーズに資金調達ができないのですから、結果的に売掛債権の流動性を高めることも難しくなります。

より根本的にいうならば、売掛債権のデータをきちんと管理していなければ、自社での回収の際にも問題が起きますから、売掛債権流動化をするかどうかにかかわらず、これらのデータ管理はきちんと行わなければならないといえます。 

 

対抗要件の具備

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次に、対抗要件の具備も必要なことです。

なぜならば、対抗要件の具備を満たしていないならば、売掛債権を譲渡しても売掛債権に関するリスクの切り離しにつながらないからです。

対抗要件の具備のためには、売掛先から承諾を得ること、売掛先に通知を送ること、法務局で登記を行うことなどの業務が必要となります。

売掛先と売掛債権に関するデータが管理されていなければ、対抗要件の具備にも支障をきたしますから、このことからもデータ管理は非常に大切であることが分かります。 

 

振込口座の変更

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次に、売掛先に対して振込口座の変更を求めることです。

売掛債権を譲渡したならば、譲渡先が指定した口座に振り込む必要があるため、自社の口座ではなく譲渡先の口座に振り込むよう、売掛先に依頼する必要があるのです。

自社の口座に振り込まれた場合、自社の資産と振り込まれた代金を混同してしまい、資金繰りに困っている企業では譲渡先が受け取るべき代金を流用してしまう可能性が出てきます。

そうならないためにも、売掛先に振込口座の変更を求める必要があるのです。

ただし、振込口座を変更することは、売掛先にとっては面倒なことですから、拒否されてしまうこともあります。

その場合には、売掛先から振り込まれる口座を流動化専用の口座にするなどして対処することになります。 

以上の要件を満たすことによって、売掛債権流動化を円滑に進められるようになります。

もっとも、データ管理、対抗要件具備のための諸手続き、振込口座の変更依頼手続きなどには、自社で様々なコストを負担する必要がありますから、そのコストと流動化によって得られる成果を秤にかけながら、売掛債権流動化を行うかどうかを検討する必要があります。

 

 

売掛債権流動化のいろいろなリスク

売掛債権流動化は、SPVやファクタリング会社に売掛債権を譲渡したり、金融機関への担保とすることによって行います。

売掛債権流動化にあたっては、これらの譲受先は相応のリスクを負うことになります。

譲受先としてはそれらのリスクを避けたいのは当然のことですから、自社はリスクが低い売掛債権を提供すれば、より効率的に流動化ができるといえます。

おもなリスクとして、以下の五つのリスクが挙げられます。 

 

デフォルトリスク

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これは、売掛先が倒産してしまうことによって、譲受先が代金を回収できなくなるリスクです。 

 

フロードリスク

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これは、不正取引リスクとも言います。仮に譲渡人である企業が存在しない売掛債権を譲渡していたり、存在していたとしてもすでに第三者に対して譲渡している売掛債権であったりした場合には、譲受先は代金を回収できなくなるリスクがあります。 

 

ダイリューションリスク

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これは、希薄化リスクとも言います。

たとえば、売掛先が商品を返品した場合には、売掛債権の額が当初よりも減少してしまいます。

このように、譲受先は流動化に応じたにもかかわらず、額面通りの代金を回収できなくなるリスクがあります。 

 

コントラリスク

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これは、相殺リスクとも言います。譲渡人である企業が売掛先に何らかの債務を負っている場合、売掛債権と相殺することがあります。

もし、流動化の対象になっている売掛債権が相殺に利用されてしまえば、売掛債権の額が減少してしまい、譲受先は額面通りの代金を回収できなくなってしまうリスクがあります。 

 

コミングリングリスク

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これは、混在リスクとも言います。流動化のために売掛債権を譲渡すると、売掛先は譲受先が新たな債権者となるため、譲受先の口座に直接代金を支払うのが一般的です。

しかし、場合によっては売掛債権をもともと保有していた企業を経由して支払うこともあります。

しかしこの場合には、もともと売掛債権を保有していた企業の資産と、売掛先が支払った代金が混在してしまうことから、譲受先が受け取るべき代金がほかの目的に流用されてしまう可能性があります。

企業が経営難に陥っている場合には、意図的に流用されてしまうこともあるため、このリスクは大きくなります。

譲受先はこれらのリスクを嫌うため、リスクが大きいと判断した場合には額面よりも大幅に低い価値で流動化が行われてしまうことになります。

また、信用補完を行ったり、売掛債権を保有していた企業に関するリスクも評価したりします。

このことから、売掛債権流動化では売掛債権の信用力が重要な指標になるものの、それだけではない場合もあることが分かります。 

 

まとめ

売掛債権流動化というキーワードはよく聞くものですが、表面的にしか理解していない人も多いものです。

リスクや要件まで理解していれば、いざ売掛債権流動化をするとき、より効果的な利用を考えることができると思います。

ぜひ、当サイトの他の記事も参考にしながら、売掛債権流動化を検討してみてください。

 

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