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放置しがちな小口債権を回収して資金調達する方法

 資金調達の必要がある場合には、融資を真っ先に考えそうなものですが、財務内容を確認してみると、未収のまま放置されている小口債権がたくさん見つかることがあります。

その場合には、多少の手間はかかりますが、小口債権を回収するのがおすすめです。

小口といえども、それらをまとめればそれなりに大きな資金になる可能性がありますし、財務改善や、売掛債権管理体制の改善のためにも役立つ取り組みとなります。

小口債権の放置はリスクが大きい

資金繰りに困っている会社の中には、「利益は出ているのに資金が足りない」というケースもあります。

そのような会社では、金額が数十万円程度の小口債権によって、経営が圧迫されていることもあります。

小口債権は、どの会社にでも存在するものです。

しかし、小口債権を回収するためのノウハウがなく、また数十万円の債権のために手間をかける気にもなれず、放置されているケースがかなりあります。

確かに、小口債権の一口当たりの債権額は小さいでしょう。

しかし、それが増えてくると必ず経営に悪影響をもたらします。

例えば、小口債権を放置しておくと、以下のようなリスクが考えられます。

 

風評リスク

小口債権の金額は小さなものですが、その風評リスクは小さくありません。

少額の再建だからと言って、未回収のままに放置している会社は、そのような噂が業界内に広まる可能性があります。

そうなると、小口の取引ならば踏み倒せると考える、質の悪い取引先が寄ってくることがあり、取引の質の低下につながります。

 

社内不正リスク

小口債権が見過ごされる体質の会社は、言い方を変えれば、小さな金額には頓着しないということでもあります。

このことによって、小口債権を回収できなかったと報告し、着服する社員が出てくる可能性があります。

 

コスト拡大

債権額自体は小口でも、その利益を生み出すためには多くのコストがかかっています。

例えば、利益率が10%の商売をしている会社が、50万円の小口債権を未収となった場合には、その50万円の損失を回復するためには、500万円分の取引をしなければなりません(50万円÷10%=500万円)。

 
このようなリスクを抱えている状態では、とても健全な経営ができているとは言えません。

資金調達とリスク回避を兼ねて、ぜひ小口債権をまとめて回収することを考えてみるべきです。

 

 

小口債権を回収する

小口債権を回収するためには、債務者に対して支払いを請求する必要があります。

しかし、それに先立って、回収対象となる債権の内容を詳しく確認することが大切です。

すなわち、

 

  • 債権の種類
  • 債権額
  • 支払時期
  • 利息
  • 遅延損害金
  • 保証人の有無

 

について確認していきます。

売買の際に交わした契約書を見れば、これらの情報を確認することができます。

契約書を交わしていなければ、これらの情報の確認ができないのはもとより、取引の内容や取引があった事実を確認するのが難しくなるため、どれだけ小口の取引でも、契約書や書面による取引をすることが大切です。

長期にわたって取引する取引先には、取引基本契約書を作成しておくのが便利でしょう。

また、契約書を交わしていない場合にも、その他の書面(注文書、請書、受領書、納品書など)から確認していくことが可能です。

 

時効に注意

小口債権の回収にあたり注意しておきたいのは、未収期間によっては時効が成立し、債権が消滅してしまうことです。

これは、一定の期間が経過しており、なおかつ債務者が債権の消滅を主張することが条件となっています。

債権の種類を確認する際には、その種類と取引の時期から考えて、債権が消滅していないことも確認しなければなりません。

この時効期間は、以下の表の通り、債権の種類によって変わります。

 

債権の種類 時効期間
・手形の裏書人から他の裏書人への請求権
・小切手の所有者から、小切手上の債務者への請求権
6ヶ月
・飲食店、旅館などの代金
・約束手形の所有者から、裏書人に対する請求権
1年
・生産者や卸売業者、小売業者などの売掛金 2年
・約束手形の所有者から、振出人に対する請求権
・工事の設計や思考に関する債権
3年
・商行為によって生じた債権 5年
・民事上の一般債権
・裁判の和解や調停などで発生した確定債権
10年

 

回収を進めていく上で知っておきたいのが、時効の中断というものです。

これは、債権の消滅が成立していない状態で時効が経過していた場合に、それまでに経過した時効を無効とし、その時点から新しく時効を設けるものです。

この手続きのためには、

 

  • 債務者が債務を認めていること(債務者が債務の一部でも支払えば成立)
  • 請求(裁判による請求、支払督促の申し立て、破産手続き参加、和解・調停の申し立て、催告など)
  • 差押え、仮差押え、仮処分

 

のいずれかの手続きが必要となります。

 

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回収のポイント

小口債権の多くは、業務の忙しさや取引先への遠慮から、最初の請求で無反応だった取引先への対策を怠ったことによって発生しています。

債権というものは、大口・小口を問わず、このような態度で回収に臨んでいると、回収に失敗する可能性が高いです。

債権回収で重要なのは、債務者に債権の存在を認識させ、支払う意思を持たせることです。

請求書を送るだけでは不十分であり、請求書に反応がなければ電話連絡を入れるなどして、支払い交渉をしていく必要があります。

もっとも、小口だからと言ってうやむやにしてしまおうと考えている、あるいは資金繰りが苦しくて小口債権を後回しにしているなどの理由から支払ってくれない取引先が多いので、交渉をしても支払ってもらえないことがよくあります。

だからといってすぐに諦めてしまったのでは、相手の思うつぼですから、粘り強く取引していくことが大切です。

そのような厄介な取引先への債権回収のためには、以下のような手段が効果的です。

 

一部だけでも支払ってもらう

一部だけでもいいので払って欲しい」と交渉すれば、一部だけ支払ってくれる会社は多いものです。

しかし、たとえ一部でも取り立てることは大いに意味があります。

なぜならば、債務者が債務を負っていることを認識しているからこそ支払ったということになり、時効を中断することができるからです。

 

債務確認書を取り付ける

一部だけでも支払ってくれない場合には、債務確認書を取り付けるのが良いでしょう。

債務確認書とは、自社と取引先の間で債権債務の関係があることを確認する書類であり、この書類によって、取引先が債務を認めた形を作ることができます。

これも、時効の中断事由となります。

 

債務者の債権を譲渡してもらう

債務者が抱えている売掛債権を譲渡してもらうのも効果的です。

売掛債権は、支払期日が来れば現金に変わるものですから、それを譲渡してもらうことで支払いの代わりとするのです。

現金がない取引先でも、この提案には応じてくれるかもしれません。

 

自社が取引先に抱えている買掛債務と相殺する

自社が取引先に対して100万円分の商品を販売しており、逆に取引先からも自社に対して原材料などを100万円分仕入れていたとすれば、自社と取引先の間で、どちらも100万円ずつの債権と債務を持っていることになります。

これを相殺することで、債権回収の代わりとすることができます。 

以上の手段によって交渉を進めることで、時効を中断したり、現金を回収できなかったとしても、売掛債権の譲渡、自社の債務との相殺といった形で、不良債権の解消を進めることができます。

また、この交渉の際には、債務者の取引先や取引銀行を聞き出すこと、取引先の資産(特に動産[在庫・機械・車両など])を確認しておくことが重要です。

回収が難航して強制執行に至ったとき、財産を素早く差し押さえられるように情報を収集しておくのです。

差押えが必要な段階になれば、取引先に対して複数の債権者が回収に乗り出しているものですから、そこで資産の調査を一からしているようでは、差し押さえるべき財産を他の債権者に取られてしまいます。

上記の交渉を実践してもなかなか回収できない場合、あるいは債務者が最初から支払う意思がない場合には、内容証明郵便による請求を行ないます。

内容証明郵便は、法的手続きの第一歩であり、それを送ることによって「本気で取り立てる気だな」と取引先にプレッシャーをかけることができます。

逆に言えば、内容証明郵便を送ると、こちらの覚悟を示すことにもなり、その会社との今後の取引はなくなる可能性が高いです。

今後も大切にしたい取引先に対しては、慎重に回収を進めていき、どうにもならない場合に内容証明郵便という手段に踏み切ります。

内容証明郵便は、取引先が受け取ったことを郵便局が証明してくれるものです。

したがって、内容証明郵便を送っておくと、後になって取引先が「請求を受けていない」という言い訳ができなくなり、時効を主張することもできなくなります。

 

 

債権回収方法を決めるために

具体的に債権回収に乗り出すためには、債権回収方法を決める必要があります。

債務者の支払意思や支払能力によって、回収方法が変わってくるからです。

もっとも小口債権は債権額が小さいため、支払能力よりも支払意思の方が重要となります。

小口債権を回収する際には、債務者の支払意思を確認し、支払意思がある場合には公正証書を作成して請求し、支払意思がない場合には支払督促もしくは少額訴訟によって回収していきます。

より具体的な回収は、以下のように進めることになります。

 

債務者に支払意思がある場合

まず、債務者に支払意思がある場合には、以下のようなソフトな方法によって解決を目指すことになります。

 

公正証書の作成

公正証書とは、法務大臣に任命された公証人が作成する公文書であり、法的な証明力と執行力を持った文書のことです。

債務者に支払意思があり、債務の支払方法も話し合いで決まったならば、公正証書で債務承認弁済契約書を作成します。

この契約書には、合意の内容はもとより、債務者が支払えなかった場合に強制執行が可能となる条項(執行認諾条項)を入れておくと、回収不能の際に訴訟なしでの強制執行が可能となります。

 

訴え提起前の和解

財産上でいざこざがあったものの、債務者に支払意思がある場合には、訴訟や調停に至ることはなく、債務者と債権者の話し合いで解決できる場合があります。

この場合、訴え提起前の和解といって、裁判所で和解する場合があります。

この手続きは、簡易裁判所に当事者が和解申し立てを行い、和解が成立すると裁判所によって和解調書が作成されます。

この方法は裁判所が介入するため、かなり強力な手段となるものの、和解までに時間がかかるのがデメリットです。

 

民事調停

債務者に支払意思があるものの、話し合いによる解決が難しい場合には、簡易裁判所に申し立てて民事調停を行います。

民事調停では、調停委員会によって債権者と債務者が話し合い、合意すれば調停証書が作られます。

裁判所に双方が出頭する必要があるため、債務者に支払意思があり、なおかつ協力的でなければ成立しません。

民事調停では、当事者双方が妥協し合うことで落としどころを見つけるという建前があるので、債務者に全額支払ってもらえなくなる場合がほとんどです。

 

債務者に支払意思がない場合

債務者に支払意思がない場合は、以下のような強い姿勢で臨むことになります。

 

支払督促

債務者が債務の存在を認めているものの、支払意思がない場合があります。

この場合には、支払督促を行います。

支払督促を行なう時は、債務者の住所を管轄している簡易裁判所に、債権者側から申し立てることになります。

支払督促のメリットは、請求に妥当な理由が認められる場合には、裁判所書記官から債務者に意見を一切聞かずに支払督促を発することです。

支払督促を債務者に送達し、その後2週間以内に異議が申し立てられなかった場合、30日以内に仮執行宣言が行われます。

仮執行宣言とは、請求を強制執行できることを宣言するものであり、裁判所が強制執行を認めるということです。

しかし、債務者が異議を申し立てた場合には、通常の訴訟に移行していきます。

このため、遠隔地の債務者に対して支払督促を利用するのは得策ではありません。

 

少額訴訟

小口債権の定義はあいまいですが、一般的に数十万円の債権を指す場合が多いです。

そこで、民事訴訟のうち、60万円以下の金銭トラブルを解決するための少額訴訟を利用するのがおすすめです。

少額訴訟は、迅速に解決を目指す場合に特に有効です。

少額訴訟では、簡易裁判所に申し立てた後、裁判官とテーブルについて法廷で審理を行います。

原則的には、1回の審理で判決が言い渡されます。

そのためには、審理当日に判断が可能な証拠書類や証人を用意する必要があります。

ただし、少額訴訟で支払い命令が出たとしても、分割払い、遅延損害金の免除、支払いの猶予などが認められる可能性があるため、債権の全額をすぐに回収できるとは限りません。

また、債務者が少額訴訟の判決に不満があるならば、裁判所に異議申し立てを行なうことが可能であり、それによって判決が長引くこともあります。

 

強制執行

上記の様々な手続きは、非常に煩雑に思えることでしょう。

しかしこれは、支払意思のない債務者から、法的な強制力をもって債権を回収するためには必要となる段取りなのです。

いざ強制執行となったならば、強制執行の手続きは非常に複雑なので、専門家に依頼したほうが確実です。

 

まとめ

正しい手続きを踏むことによって、債権回収の糸口は見えてくるものです。

取引先が倒産した場合などは、他の債権者との回収競争になるため、全額を回収するのは難しいものです。

しかし、小口ゆえに債務者が支払いに消極的であり、また債権者も回収に消極的であったために、回収できるのに回収できていない小口債権は多いと思います。

多少の手間はかかりますが、それらの小口債権を一つ一つ回収していけば、全額は回収できなかったとしても、かなりまとまった資金調達になる可能性があります。

資金繰りに困っている会社は、まずは財務内容を見直し、小口債権がどれくらいあるかを確認してみましょう。

そして、それらを確実に回収していくことは、資金調達のためにも、財務内容改善のためにも、今後の不良債権発生防止のためにも効果的です。

 

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