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【手形割引完全マニュアル】ポイントと注意点をすぐ理解

手形とは有価証券の一種であり、記載された支払期日に額面の金額を支払うと約束したものです。

その手形が不渡りにならなければ、後日現金を受け取ることができるわけですが、資金繰りが厳しくなればその日を待たずに現金を得たいと考えるものです。

本稿では、支払期日よりも早く手形を資金化する「手形割引」について解説していきます。

業者の選び方や仕組みなど、知っておくべき情報をまとめています。 

資金調達プロ

手形を理解しよう

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まずは、手形についての知識をつけていきましょう。

あなたの会社が取引先に商品やサービスを販売するにあたって、現金での取引は多くないと思います。

多くは掛け売りになるはずです。

掛け売りの際には、手形がよく利用されます。

つまり、現時点では現金を用意できないため、後日支払いを約束するものとして手形を振り出すわけです。

取引先にとって、現金支払いはできるだけ先送りにし、現金をプールしておいたほうが経営は何かとうまくいくものです。

そこで、資金繰りを調整するためにも、手形を利用しているのです。

手形での取引をするにあたっては、まず銀行の審査を受け、当座預金口座を開設する必要があります。

そして、振り出された手形の支払期日に、取引先から手形の額面金額が入金されます。

もし入金されなかった場合は、その手形は「不渡り」という状態になり、売り手は回収のために様々な法的措置なども考えなければならず、大変面倒なことになってしまいます。

これだけを見れば、不渡りにすれば買い手だけが得をするようにも見えますが、半年間に2回の不渡りを出してしまうと銀行取引が中止となり、事実上の倒産とみなされるようになります。

また、不渡りを出すような企業とは誰も取引をしたいとは思いませんから、1回でも不渡りを出した時点で、その企業はその後の経営が厳しくなるであろうことは容易に想像できます。 

 

手形の種類

手形には、約束手形と為替手形の2種類の手形があります。両者の違いは以下の通りです。

 

約束手形

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振出人(発行者・支払人)と名宛人(受取人)の二者間でやり取りされる手形のことです。

手形には支払期日や額面金額が記載されており、振出人はそれに沿って支払いを行う義務を負います。

日本国内ではおもに約束手形が利用されており、本稿でも基本的に約束手形の場合を想定して進めていきます。 

 

為替手形

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振出人(発行者)が引受人(支払人)を通して、受取人への支払いを行うものです。

つまり、受取人への支払を引受人に委託できる手形のことです。

三者間でやり取りされる手形であり、名宛人は引受人になります。

振出人は支払義務を負いません。

 

この他、小切手も手形に含まれます。

小切手は、振出人(発行者)が支払人に受取人への支払を委託するもので、この部分では為替手形と変わりません。

しかし、小切手の場合には支払人が銀行になるという点で異なります。

銀行が第三者として仲介に入った形です。

また、約束手形のように支払期日が設けられておらず、受取人はいつでも額面の金額を受け取ることができるようになっています。 

 

手形運用のあれこれ

本稿のメインテーマは手形割引ですが、手形の運用法は割引だけではありません。

約束手形を運用する方法は、大きく分けて手形交換・裏書譲渡・手形割引の三種類があります。 

 

手形交換

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手形交換とは、支払期日まで待ち、手形交換所で現金と交換してもらうことです。

つまり、約束手形による取引の最も基本的なものです。

振出人が指定した期日まで待たなければなりませんが、不渡りにならない限り確実に額面金額を受け取ることができます。 

 

裏書譲渡

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約束手形の裏面に必要事項を記入することで、その手形を支払いに使うことができます。

たとえば、他の会社から仕入れを行いたいとき、現金がなかったならば、約束手形を譲渡して支払いに使用するのです。

これを裏書譲渡と言います。

ただし、裏書譲渡はやや使い勝手が悪い方法です。

自社に信用があったとしても、やはり裏書譲渡を受ける取引先としては、リスクを負わないためにも振出人の調査を行います。

調査自体に時間がかかるほか、調査の結果、裏書譲渡を断られることもあります。

緊急にお金を要していないため支払期日まで待てる、あるいは裏書譲渡が成立するまで待てるという場合には、手形交換や裏書譲渡を利用してもよいでしょう。

しかし、不測の事態によって急に資金が必要になることもあるでしょう。

手形の支払期日を待つことができず、裏書譲渡も断られてしまったような場合に、手形割引が活きてきます。

手形割引は、約束手形を手形割引業者や銀行に買い取ってもらうことによって、資金化する方法です。

期日前に現金化するため、振出人・持込人の信用度や支払期日までの期間を考慮し、額面の金額から引かれた額が支払われることになります。

このとき、額面からいくら差し引くかを決める値を、割引率と言います。

銀行での手形割引は、割引率が低いものの、手続きが面倒であること、多くの書類が必要であることなどから、現金化までに時間がかかってしまいます。

調査が慎重だからこそ時間がかかるのであり、調査の結果割引を断られることもあります。

一方、手形割引業者は割引率がやや高い傾向がありますが、スピーディに現金化を行ってくれます。 

 

 

手形割引の知識

では、手形割引についてより深く理解していきましょう。 

手形割引とは

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上記と重複しますが、手形割引とは、約束手形を銀行や専門業者に買い取ってもらうことで、支払期日前に現金化することです。

手形の信用力や支払期日までの期間によって割引率に応じた額を差し引かれるものの、資金繰りが厳しい企業にとっては救いになる方法です。

このような取引を、手形割引の中でも特に「商業手形割引」といい、商取引で振り出された約束手形を現金化するために行われています。

これと似ているものとして「自己手形割引」がありますが、こちらは自社の手形を担保にして銀行などから現金を借りるというものです。

そのため、一般的に「手形貸付」という呼び方をされ、商業手形割引とは全く異なります。

単に「手形割引」といった場合には、商業手形割引を意味することが多いのですが、インターネットで「手形割引」と検索した場合に自己手形割引、つまり手形貸付の情報が出てくることもあるので、きちんと区別しなければなりません。

手形割引の際には、手形ごとに割引率を適用して割引料を支払うわけですが、これは依頼先によって異なるものです。

特に専門業者に依頼した場合には、業者ごとに大きく変わることもあります。

しかし、金融機関に依頼した場合には、おおむね以下の通りの金利になります。

 

都市銀行・・・1.5~3.0%

普通銀行・・・2.0~3.5%

信用金庫・・・2.5~4.5%

信用組合・・・3.5~5.5%

 

 

一般的に、金融機関で手形割引を行うと、融資の一種としてみなされることになります。

そのため、割引率は手形の信用とうよりは、手形の持込人の信用によるところが大きいといえます。

信用が低いために融資を受けられないような企業では、金融機関で手形割引をできないことも多いものです。

資金繰りに困った企業が、銀行からの融資を受けることができず、ならば手形割引でと考えても、手形割引も通らないことがよくあるのです。

これに対して、手形割引業者は手形割引を融資とみなさず、手形の買い取りとみなしています。

したがって、割引の依頼人の信用状況ではなく、手形の振出人の信用状況によって割引するかどうかを決めています。

したがって、割引率は3.0~20.0%と大きくなるものの、現金化はしやすくなっています。 

 

電子手形の割引

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情報社会の現代においては、手形は紙によるものだけではなく、電子情報としての手形も頻繁に利用されるようになってきています。

このような手形を電子手形と言います。

電子手形は、単に紙の手形の情報を電子化したものではなく、従来の手形において問題とされていたことを解消したものでもあります。

紙の手形と電子手形の違いは以下の通りです。

 

紙の手形

電子手形

作成・交付・保管にコストがかかる

データであるためコストが安い

紛失や盗難のリスクがある

電子債権記録機関が記録を管理するため紛失のリスクはなく、盗難のリスクも大幅に軽減される

分割払いに対応していない

分割払いも可能

 

電子債権記録機関とは、主務官庁が監督する機関であり、一種の登記所のようなものです。 

取引が安全に行われるための体制が構築されています。

電子手形は、現在4種類が流通しています。

みずほ銀行の「電ペイ」、三菱東京UFJ銀行の「電手」、三井住友銀行の「支払手形削減サービス」、全国銀行協会の「でんさい」です。

みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行の電子手形は、グループ企業における取引に利用されるのがほとんどです。

系列のファクタリング会社が、これらの電子手形を割引してくれます。

これらのグループ企業と縁がない企業が電子手形を利用するには、でんさいを利用することになります。

でんさいには全国の金融機関が参加しており、流通性が非常に高いというメリットがあります。

利用のためにはネットバンクを開設しなければなりませんが、それによってでんさいネットにアクセスすることで取引が可能となります。

電子手形を急いで割引したい場合には、電子手形を専門とする手形割引業者もありますから、そちらに依頼するという方法もあります。

紙ではなくデータでやり取りすることから、審査も早く、即日で現金化が可能となることも多いです。 

 

銀行と専門業者、どっちに頼む?

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世界的に見て、手形取引は年々減少傾向にあります。

それに伴い、手形割引業者の数も減少しています。

なぜ減り続けているのかといえば、以下のような理由があります。

 

  • 手形の流通量そのものが減少しており、手形割引業者への申し込みが減った
  • 市中金利が下がり、手形割引で利益が出にくくなった
  • インターネットによって業者間競争が激しくなり、利益が出にくくなった
  • 商工ローンと手形割引を兼業していた業者が、過払い金による利息返還で廃業した
  • 専門性が高く資金調達が容易ではないため、新規参入業者が減った

 

とはいえ、企業にとっては好ましい一面もあることは確かです。

激しい競争にさらされて手形割引業者が激減した結果、優良業者が生き残り、よりよい条件で手形割引が行われることが増えたからです。

また、手形取引の機会が減少したとはいえ、まだまだ日本では手形取引が深く根付いており、手形取引や手形割引が必要になる場面もたくさんあります。

特に、企業にとって以下のようなシチュエーションでは、手形割引の必要性が生じることでしょう。

 

  • 取引先が突然手形取引に切り替えた
  • ビジネスチャンスが予期せぬタイミングで訪れたが資金がない
  • 将来に備えて現金を蓄えておきたい
  • 決算期に向けて現金化しておきたい
  • 黒字倒産のリスクを抱えている

 

手形割引をするにあたり、依頼できるのは銀行か手形割引業者です。

どちらに依頼するのが良いのかを比較してみましょう。

 

 

銀行

手形割引業者

審査基準

受取人(手形割引の依頼人)の信用状況を、決算書などの審査によって判断する

手形と手形振出人の信用状況を審査する(手形の受取人の信用状況は問われない)

審査スピード

遅い(3日以上)

早い(場合によっては1時間以内も)

割引枠

割引枠あり。増枠の場合には担保が必要となる

上限なし。手形ごとに割引率を設定し、割引可能なものはすべて引き受ける

担保

必要(定期預金や不動産抵当権など)

不要

手数料

700~900円(手形取立料と消費税は別)

700~900円(手形取立料と消費税は別)

割引率

基本的に低めの設定。ただし、定期預金や信用力に応じて変動し、高くなる場合もある

銀行よりも高くなることが多い。手形の銘柄によって変動。

対応時間

銀行の営業時間(平日9~15時)

業者によって異なる(通常、夕方まで対応)

 

最大の違いは、審査の方法です。 

銀行では手形割引を融資と考え、受取人の信用状況を審査します。

これに対して、手形割引業者は融資とはとらえないため、手形振出人の信用状況で審査を行います。

以上のことから総合的に判断すると、銀行を利用するメリットは安心感やブランドがあることでしょう。

ただし、審査は厳しく時間がかかることも多いため、「今すぐ資金化したい」というニーズには応えられません。

しかし、手形割引業者では即座に資金化が可能であるため、緊急の場合のニーズに応えてくれます。

どちらに手形割引を依頼するかは、その時の緊急性や資金状況によって異なるといえます。 

 

手形割引の流れ

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では、実際に手形割引を利用すると考えたとき、どのような流れで行われるのでしょうか。

より知られていないのが専門業者との流れですから、ここではそれを押さえておきましょう。

一般的な専門業者との流れは以下の通りです。

 

  1. インターネットや電話で問い合わせを行う。
  2. インターネットや電話・FAXで申し込みを行う。
  3. 専門業者側で審査を行う。一般的に1時間程度で与信調査を行い、割引率などを確定する。
  4. 契約書類を作成する。依頼者の希望により、対面でも郵送でも可能。
  5. 振込や対面で現金を受け取る。

 

手形割引にあたって、あらかじめ必要書類を揃えて問い合わせを行えば、即日審査し、現金を受け取ることも可能です。

ただし、郵送での取引になる場合、業者に手形が到着した当日での振込になるのが一般的です。

その必要書類とは、以下の通りです。

 

法人の場合の必要書類

  • 割引を検討している手形
  • 会社の実印
  • 会社の謄本と印鑑証明書
  • 代表者の身分証明書(運転免許証やパスポート)

 

 個人の場合の必要書類

  • 割引を検討している手形
  • 本人の実印
  • 本人の身分証明書(運転免許証やパスポート)

 

上記のとおり、手形割引業者に依頼する場合には、手形自体の信用度を審査することになります。

だからこそ、法人でも個人でも、依頼主の信用に関する書類は必要ありません。

もちろん融資ではありませんから、銀行のように担保を求められることもありませんし、第三者の保証を求められることもありません。

 

手形が不渡りになったらどうする?

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手形割引の利用に際して不安なのが、手形が不渡りになった場合はどうなるのかということです。

結論からいうならば、手形割引をした手形が不渡りになると、その請求は依頼者に来ることになります。

そもそも、手形割引の場合には、銀行や手形割引業者に手形の額面金額を受け取る権利を譲渡するわけです。

その見返りとして、現金を受け取ります。

手形の譲渡の際には、手形の裏に必要な要件を記入して譲渡が行われます。

つまり、裏書譲渡です。

裏書譲渡によって手形を受け取った人に対して、振出人がお金を支払えなくなって不渡りとなった場合、手形の額面金額を譲渡人(手形を譲渡した人・手形割引の依頼者)に請求できることになっています。

不渡りを出したのですから、振出人が支払える可能性は低いため、譲渡人に請求されることになるのです。

これは、銀行でも専門業者でも同じ対応となります。

手形が不渡りになると、銀行も業者も一括払いで請求を行います。

割引した金額が大きければ、かなり大きな金額が動くことになります。

もっとも、業者によっては分割払いに応じてくれることもあります。

しかし、基本的には一括払いとなっているため、万が一のことを考えれば、あえて分割払いに応じてくれる業者に依頼するというのも一つの手です。

万が一不渡りになった場合には、振出人と早急に連絡を取りましょう。

不渡りを出せばすなわち倒産と考えられることもありますが、実際には厳しい状況であるものの倒産には至っておらず、資産は残っている状態です。

早急に連絡を取ることで、支払の交渉をしたり、担保を取ったりすれば、自社の損失を低く抑えることもできます。

手形の不渡りは、多くの取引先に対して出している可能性が高いです。

そのため、債権者たちが交渉や差し押さえのために殺到することでしょう。

できるだけ他者に先んじて交渉を開始することが大切なのです。 

 

 

手形割引の際の注意点

手形割引を行えば、支払期日を待たずに現金を得ることができます。

しかし、手形割引が難航する場合もあります。

どのような場合に手形割引ができなくなったり、不利な条件での割引になってしまうのかを知っておくことは、とても大切なことです。

 

手形には何が書かれているか

手形の書き方は、「約束手形要件」という法律によるルールが定められています。

もしこのルールが守られていなければ、手形はただの紙切れになってしまうのです。

では、手形にはどのような記載がなされているのでしょうか。

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(※http://money.infobank.co.jp/contents/Y100009.htmより転用)

 

約束手形に記載されていることは、このサンプルを見ればわかると思います。

手形割引に出すためには、約束手形要件を満たした手形でなければならないのは言うまでもないことです。

そこで、手形割引を検討している約束手形が、要件を満たしているかのチェックを行わなければなりません。

チェックするのは以下の事柄です。

 

  • 「約束手形」と印刷されているか
  • 金額が合っているか(チェックライターならばアラビア数字で表記され、支払金額が「¥」と「※」で挟んでいるか。手書きならば感数字で記載され、支払金額が「金」と「円」で挟まれているか)
  • 支払を約束する文言が記載されているか
  • 支払期日は暦に存在する日付か(たとえば6月31日などの暦にない日付になっていないか)
  • 支払期日は振出日は暦に存在する日付か(同上)
  • 名宛人の名前は間違いなく記載されているか
  • 支払場所の銀行名は正しく記載されているか、また実在する銀行か
  • 振出人住所に、本当に振出人の会社や支店・営業所が存在するか
  • 振出人会社名に自署やゴム印や印刷があるか、またそれは銀行届出印か

 

以上のようなことを確認しなければなりません。

チェック項目が多いように感じるかもしれませんが、慣れればすぐにチェックできるようになります。

これらの項目に不備があったり、不自然な点があれば、割引を断られることがあります。

たとえば、

 

  • メインバンク以外から手形が振り出されている
  • 支払地にその銀行がない
  • 印紙が貼っていない
  • 印紙が複数貼られている
  • 月商に比べて支払金額が大きすぎる

 

などです。

特に、支払金額が大きすぎるなどのケースでは、割引業者は支払期日に支払われない可能性が高いと判断し、取引をしないものです。

たとえば、月商1000万円の会社が1億円の手形を振り出していたならばどうでしょうか。

支払期日に支払えない可能性が極めて高いと判断できます。

また、印紙も重要です。

複数の印紙を貼らざるを得なかったということは、普段はその額面での取引をしていないことの証拠でもあります。

だからこそ、手形割引業者はリスクを避けるために、割引をしてくれないのです。

ただし、上記のことが記載されていたからと言って、確実に割引できるとは限りません。

割引を行う業者は買い取った手形の額面金額を支払期日に回収することで利益を得ているわけですから、その手形が良い手形か悪い手形か(つまり振出人の信用がどれほどのものか)ということを重視します。

そのため、ずさんな手形や怪しい手形は割引を断ることもあるのです。

たとえば、

 

  • 支払期日が訂正されている
  • 印鑑が不鮮明だったり、曲がって押されている

 

というようなものです。

ちょっとした記載ミスの場合もあるのでしょうが、会社の姿勢がずさんだからこそ、手形もずさんになっているとも考えられます。

支払期日が訂正されているということは、資金繰りに計画性がないからこそ訂正の必要があったのです。

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印鑑が曲がっているというのも、あまり良い兆候ではありません。

手形割引業者が嫌う手形なのです。

この他のケースとしては、「有害的記載事項」という、手形を無効にしてしまう注意書きをしていたために、手形割引ができないというケースもあります。

よくあるパターンとしては分割払いの記載(「ただし、10回の分割払いとする」など)、免責文句(「振出人は一切の責任を負わないものとする」など)、支払約束文句(「この支払いは商品が到着してから行われるものとする」など)などが記載されるというものです。

手形とは、一見簡単なものに見えて、記載の漏れがあったり、いらぬことを書き足してしまったりすると無価値になってしまうものです。

手形割引をするにあたって、ぜひ覚えておきたいことです。 

 

手形の裏をチェック

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手形を受け取るときには、手形の裏書にも注意しておきたいものです。

手形の表側には、上記のとおり様々な情報が記載されているもので、裏側はあまり目立たないものです。

しかし、約束手形の性質を考えたとき、裏側は無視できるものではありません。

約束手形には、これまでにも述べたとおり、裏書譲渡という利用方法があります。

これは、約束手形を支払いに転用できることを法律が認めたものです。

つまり、A社からB社に振り出された約束手形を、B社は裏書によって他社への支払いに利用できるのです。

約束手形の信用度は、受け取る相手だけで計れるものではありません。

あなたの取引先が一流企業であったとしても、その取引先から出される手形は、実は取引会社や下請け会社が出した手形に裏書したものであるかもしれません。

その場合、手形の信用度は大きく変わるため、その手形を割引に出したときに割引率が高くなるかもしれません。

また、裏書に記載ミスがある場合には、お金を受け取れなくなることもありますし、もちろんそうなれば手形割引にも使えません。

裏書には、会社の名前と代表者の名前と住所を書けば、いくらでも流用が可能です。

しかし、これらの記載に間違いがあれば、その手形に価値はないかもしれません。

したがって、自社が裏書譲渡を受けた時に裏書をチェックし、その手形がたくさんの会社を裏書欄にたくさんの記載があるような場合には、裏書に不備がないかを確認しましょう。

そうすれば、手形割引に出すこともできます。 

 

支払期間と手形割引

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次に、手形の支払呈示期間を説明しましょう。支払呈示期間とは、支払日を過ぎて手形を現金に換えられる期間のことです。

期間は、支払期日を含めて銀行の三取引日以内となっています。

たとえば、12月14日が支払期日であった場合、12月16日までが支払い呈示期間となります。

このときに注意したいのが、振出人が約束手形を作成した銀行と、約束手形を交換した銀行が違う場合です。

約束手形を交換すると、約束手形を作成した銀行に約束手形を呈示・請求しなければならず、それに1日かかることがあります。

したがって、12月16日までに交換しなければならないならば、1日前倒しで15日までには呈示を済ませておかなければならないのです。

これと同様に、地方で作成された手形の場合にも、時間が余計にかかることが多いため、1日前倒しで考えておいたほうがよいでしょう。

支払呈示期間は、法律で定められているものであり、期間を過ぎれば法的な効力はなくなります。

振出人に直接請求して支払いを受けるしかなくなります。

これは、企業間トラブルになりかねないものです。

約束手形をあまり取り扱ったことがない人は、支払呈示期間を知らずに、支払期日後であればいつでも使えると思いこんでいることもあります。

また、支払呈示期間前後に何らかのトラブルが生じ、その処理に追われているうちに呈示期間を過ぎてしまうこともあるかもしれません。

そうならないためには、早い段階から手形交換所に預けておくのもよいでしょう。

ただし、約束手形を銀行に預けておくと手数料が発生するので、手形割引をすることで現金化してしまうのもよいでしょう。 

 

ジャンプした手形の割引率

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取引先が、支払期日に約束手形の支払いができない場合には、その手形は不渡りとなってしまいます。

しかし、そうなると取引先は他社からの信用を失ったり、銀行からの信頼も失うことになります。

それを防ぐための唯一の方法は、支払先に頼んで支払期日を延長してもらうことであり、これを「手形のジャンプ」と言います。

これが受け入れられなければ手形は不渡りとなってしまうのですが、そうなってしまえば手形の支払いが受けられなくなるため、支払先は仕方なく受け入れることになります。

もし、あなたの会社が手形ジャンプを要請された場合にはどうすればよいのでしょうか。

中には、ジャンプをした上で倒産する会社もあるでしょう。

なにしろ、ジャンプを要請してくるということは資金繰りがどうしようもないということであり、ジャンプしたところで支払えないことも多いのです。

また、一度ジャンプした手形は不渡りになる可能性が高いことから、手形割引をする際にも割引率が上昇したり、割引そのものが拒否されることもあります。

そのため、あなたの会社が手形ジャンプに遭った場合、考えられる道は二つしかありません。

それは、

  1. ジャンプした手形を、割引率が高くなってもよいからともかく現金に換えてしまう
  2. ジャンプした上で、取引先の支払いを待つ

1の場合は簡単ですが、2の場合は簡単ではありません。

二つ返事で受け入れるのではなく、財務内容を確認することで資金繰りに苦しんでいる理由をしっかりと調査することは最低限必要となるでしょう。

そのうえで、できるだけリスクを軽減するために、以下のような交渉をしておきたいものです。 

 

利息を上乗せする

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予想していた期日に現金が入らないということは、あなたの会社も財務的にマイナスとなります。

そのマイナスを抑えるために、延長した期日分の利息を請求してみましょう。 

 

裏書人の追加

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その約束手形が振出人から直接振り出されたものならば、裏書人はいません。

そこで、裏書人の追加を依頼しましょう。

そうすれば、その手形が不渡りになった場合、裏書人に額面金額を請求できるようになります。

つまり、これは借金における保証人にあたるものです。

裏書人を用意してもらうことができれば、ジャンプによるリスクはかなり軽減されます。 

 

担保を取る

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担保を取るというのもよい方法です。

取引先に建物・土地・在庫などの物的資産があるならば、それを担保にすることでリスクを軽減することができます。

 一番望ましいのは、ジャンプに応じて相手に恩を売り、その上で不渡りにならずきちんと回収できることです。

相手がこの交渉に応じてくれないようならば、ジャンプを断ってすぐに割引に回してしまうのもよいでしょう。 

 

 

手形割引業者の選び方

手形割引を活用していくためには、信頼できる業者を選ばなければなりません。

そこで、信頼できる手形割引業者の見極め方を紹介していきます。 

 

割引率に惑わされない

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手形の現金化を急いでいると、業者ごとに慎重に比較していくことが難しく、割引率だけで比較してしまうことがあります。

そうすると、割引率の低さだけで業者を選ぶことになりますが、それにはリスクが伴います。

確かに、できるだけ多くの現金を手に入れるためには、割引率が低い業者を選ぶべきであるのは当然のことです。

しかし、手形割引業者の中には、公式サイト上の宣伝文句として非常に低い割引率を謳っているものの、実際にその割引率が適用されるのはほとんどないという業者もあります。

手形割引の審査のくだりでも述べましたが、銀行とは異なり、手形割引業者は割引の依頼人ではなく手形の振出人に審査を行います。

たとえば、超一流企業が振り出した手形を割引する場合、適正な審査能力を持つ業者ならば、大幅に低い割引率になるでしょう。

宣伝文句に使われる低い割引率は、このような場合を想定して謳われていることが多いのです。

しかし、実際にはそのような企業からの手形を持ち込むよりも、一般的な企業の手形を持ち込む機会のほうが圧倒的に多いのですから、あまりあてにはなりません。

本当に他社よりもかなり低い割引率でやっていては、業者側のリスクヘッジがままならなくなり、経営はうまくいきません。

結局、表面的な割引率は低くとも、実際の見積もりでは宣伝よりも随分と高い割引率になる可能性が高いです。

また、割引率は宣伝のとおりに据え置き、調査料や保証料といった名目で請求され、実質的には高くなることもあります。

このような業者を避けるためには、複数の業者に見積もりを依頼して比較することが大切です。

宣伝文句につられて比較せずに申し込むのは避けましょう。 

 

スピードはどうか

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資金繰りに困り緊急に手形割引をしたい会社ならば、スピードを重視するでしょう。

あまり比較せずに、スピードだけで業者選びをすることもあるかもしれません。

しかし、これも間違いです。 

そもそも、手形割引の利用者の多くは、早急に現金が必要となるタイミングで利用しているものです。

そのため、業者としてもスピード対応を謳っている業者はたくさんあります。

注目したいのは、審査時間です。

銀行に手形割引を依頼すると、融資と同じ扱いとなりますから、審査もかなり慎重です。

しかし、手形割引業者ならば、一般的に60分が審査時間の目安とされています。

手形の振出人が設立間もなく情報に乏しい会社であったり、地方の小さな会社で情報が取りにくかったりすると、審査時間は長引くこともあります。

しかし、実績のある手形割引業者は独自ノウハウで調査しますから、大幅に時間が延びることはないでしょう。

特に、全国に複数の拠点を持っている業者ならば、スピードには信頼がおけます。

地方の企業は、地元でなければ情報が集めにくいことも多いのですが、全国に拠点を持っている業者ならばそれも可能です。

理想的なのは全国的に複数の拠点を持っており、さらに東京・名古屋・大阪をはずさないような業者です。

スピードを重視するならば、本来そのような業者を選ぶべきなのです。

しかし、中には「最短15分で審査します」などと謳っている業者もあります。

このような宣伝には、客集めとしてでたらめの宣伝をしている場合と、割引の範囲が狭い場合の二種類が考えられます。

前者は悪質な業者ともいえます。

「最短15分」と謳われれば、利用者は15分で可能と考えるのですが、あくまでも「“もっとも早く審査が終わった場合”15分」であり、15分以上かかったとしても問題はないのです。

騙しに近いのですが完全なる虚偽ではなく、かなりせこい宣伝といえます。

後者の場合は、発行元だけを見て短時間で審査し、優良企業だけを取り扱うという方針の可能性が高いです。

発行元が優良企業であれば割引してもリスクは少ないため割引を受け入れ、調査が必要な発行元は割引を拒否することでリスクを避けるのです。

まっとうに手形割引をしようとすれば、いろいろな時間がかかるものです。

あまりにも短い審査時間を謳う業者は信用しないようにしましょう。 

 

専門性はどうか

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手形割引を行っている業者も色々で、手形割引だけを専門的に取り扱っている業者もあれば、それ以外の複数の金融商品(たとえば不動産担保ローン)なども取り扱っている業者もあります。

お勧めは、手形割引だけを専門的に扱っている業者です。

そのような業者は専門性が高く、知識や経験に裏付けされています。

優良の手形を低い割引率で割引してくれたり、リスクのある手形を高い割引率で割引してくれたり、的確に割引してもらえる可能性が高いです。

逆に、複数の金融商品を取り扱っている業者では、手形割引も行っていたとしても、優良手形しか受け付けていないことがあります。

それだけならまだしも、さまざまな金融商品を勧めてくる場合もあるので、注意が必要です。

たとえば、不利な条件で融資の提案をしてくることがあります。

このような業者に見積もりを依頼すれば、信用情報機関にデータを登録されてしまうことがあります。

複数業者に見積もりを依頼して比較するにしても、事前に規約をしっかりと読んで、信用情報機関に登録されないことを確認したいものです。

もっとも、このように手形割引専門業者と貸金業者を比較してみると、貸金業者を利用する理由はあまりありません。

専門業者に依頼しておいたほうが無難でしょう。

専門業者を探す際、「手形割引専門」と謳っている業者が、実際には他の金融商品を取り扱っていることもあるので、会社情報を確認して本当に手形割引専門かを確認しておくことも大切です。 

 

業者に会うのが望ましい

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上記のいろいろな点を踏まえて手形割引を行う業者を決めていきますが、最終的な判断は業者に直接会ってから下すのが望ましいです。

信頼できる業者のポイントは、割引率が幅広く設定されていること、審査スピードが適切な範囲内で速いこと、手形割引への専門性ですから、それを条件として複数の業者をふるいにかけていき、残った業者に対して担当者に直接会って決めて行くのです。

ホームページの情報と実態が異なることもあるため、直接業者を訪問して信頼度が図ることが大切です。

よくみられるのが、数年前までは手形割引専業であったものの、最近になって事業拡大をして色々な金融商品を取り扱うようになったというケースです。

中には、インターネットや電話や郵送でしかやり取りしておらず、直接会うことをしていない業者もありますが、そのような業者は避けておいたほうが無難です。

信頼の尺度は、以下のようなポイントで見極めることができます。 

 

金額の提示がはっきりしている

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割引率や割引金額がはっきりしており、最終的に支払われる金額を提示してくれる業者というのは、調査能力が高い業者であるといえます。

調査能力が低い業者になると、他社の見積もりを聞いてくるような場合もあり、信用に欠けます。 

 

説明がわかりやすい

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説明がわかりやすいかどうかも重要です。

良い業者ほど、業界ごとに専門の担当者を配置しており、高い専門性をもった上で説明してくれます。

説明を聞いてみて、専門性の低さを感じたような場合、適切な割引率にならない可能性があります。

また、説明がわかりにくければ、わかりにくい説明の中にごまかしが含まれていることもあり得るので、避けたいものです。

 

担当者の人間性

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その業者が信頼に値するかどうかの最終的な判断は、担当者の人間性による部分も大きいことでしょう。

担当者の人柄がすべてではありませんが、業者の方針が現れるのも事実です。

担当者がそれほど親身になってくれなかったり、業務の効率を重視して早めに切り上げようとしたりすることもあります。

担当者が親身になってくれ、丁寧にしてくれる会社は顧客を大切にしてくれる業者であり、よい業者である可能性が高まります。 

 

逆に、信頼できない業者の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。 

 

担当者がよく変わる

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担当者がよく変わる会社は、離職率の高い会社であり、利益第一主義に走っている可能性があります。

顧客のフォローが二の次、三の次になっている可能性があり、信頼できません。 

 

インターネットでの営業に力を入れていない

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情報社会の現代、インターネットに力を入れていない業者は不安です。

何しろ、もはや手形は紙のものだけではなく、電子手形も取り扱われているのです。

ネットに力を入れていないということは電子手形への対応力が低いということであり、専門性の低さがうかがえます。 

 

お金の受け渡しが後日である

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一般的に、手形を受け渡した時に現金を受け取ることができるものです。

しかし、手形を先に受け取って後日現金を振り込むような業者は、絶対に避けるべきです。

資金繰りに余裕がないからこそ、そのような対応になっている可能性が高いからです。

最悪のケースでは、手形の持ち逃げ倒産ということもあり得ます。

 

以上のことを踏まえて業者選びを行えば、大きく誤ることはないでしょう。

良い業者を選び、できるだけ良い条件で手形割引を行なってください。

 

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