銀行からの借入金を返済できなくなり、銀行が回収は困難だと判断した場合、債権はサービサーに譲渡されることになります。
この時、サービサーに一生懸命支払う社長も多いのですが、それは間違いです。
サービサーの基本的な構造と回収の態度を知れば、その事が良くわかります。
また、支払を圧縮するための方法も分かるでしょう。
そこで本稿では、サービサーの構造や業務、圧縮の方法などを解説していきます。
サービサーとは?
サービサーとは、民間の債権回収業者であり、国から認可を受けた業者です。
銀行のサービサー処理と言えば、銀行が回収不能となった不良債権を、サービサーに譲渡することを言います。

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サービサーの買取額と回収額
サービサーが銀行から債権を買い取る時の金額は、公表されているデータはありませんが、一説によると債権額の3%程度だと言います。
これは、根も葉もない噂話ではなく、非常に妥当な数字だと思います。
つまり、1億円の不良債権があったとすれば、サービサーは300万円程度で買い取っていることになります。
そして、サービサーが回収する金額は、債権総額の5~15%です。
1億円の債権ならば、500~1500万円と言ったところです。
500万円で回収しても、サービサーには200万円の利益が出ることになります。
しかし、債権額の5~15%といえば、かなりの差があると言えます。
なぜ、このような差が生じるのかと言えば、それはサービサーが、債務者の支払能力次第で回収額を決めているからです。
例えば、債務者である社長に十分な資産があったり、会社が元気で社長にも支払いが行われていたとすると、サービサーはたくさん回収しようとします。
その後、会社の業績が回復したら、もっと回収しようとするでしょう。
しかし、債務者である社長に資産がなく、会社も潰れ、どこからも取れないような状況になっているとすれば、サービサーは回収目標額をかなり引き下げ、少しだけでも取ろうという態度になります。
つまり、サービサーは最初からかなり割安で買い取っているため、回収額がかなり少なくても利益が出るような状況であり、債務者の支払能力に応じて柔軟に回収目標を変えられるということです。

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サービサーへの返済を頑張らない
これを逆に利用しない手はありません。
サービサーが5~15%程度を回収してこようとするならば、回収額をできるだけ5%に近づけ、できるならばそれ以下に下げるように工夫するのです。
しかし、多くの社長はここを勘違いしてしまいます。
たとえサービサーが15%を回収目標に据えたとしても、銀行に対して負っていた1億円の借金が1500万円になったと、天にも昇るような気持ちで、その債務を履行しようと考えるのです。
その結果、30万円の50回払い、15万円の100回払いと言うように、支払いを頑張ろうとするのです。
上記の通り、そもそもサービサーはかなり割安で買い取っているのですから、5%でも10%でも、回収できれば満足です。
ならば、高いパーセンテージで頑張って支払おうとせずに、できるだけ少なくなるように工夫すべきです。

せっかく、大切な取引先である銀行と戦い、債権を放棄させるところまで成功したのです。
それなのに、銀行より重要度が低いサービサーへの返済を頑張らなければならない理由はどこにもありません。
サービサーへの支払いは、可能な限り圧縮するように努め、いち早く会社を再生させることを考えるべきです。

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サービサーを諦めさせる対応
では、サービサーを諦めさせるには、どうすればよいのでしょうか。
それは、サービサーが「この人から取るものはない、どうやったって、回収は難しい」と思う状況を作るのです。
いわば、死んだふりをすると考えてください。
会社がつぶれて収入はない、社長個人の財産もない、会社はあってもお金は入ってこないといった状況を作り出すのです。
取られるものがないとなれば、サービサーにとってかなり厄介なことになります。
なぜならば、その状況が本当ならば、債務者が自己破産をするのは時間の問題であり、いかにスピーディに回収するかがカギとなるからです。
しかし、スピーディに回収すると言っても、取るものがなければどうしようもありません。
そこで、債務者が1億円の債務に対して、

などと言えば、サービサーは安い金額で一括処理して、債務を終わらせるように運びます。
サービサーとしても、自己破産されて1円も回収できなくなれば赤字なので、500万円でも取れたほうが良いのです。
以上のように、サービサーに対しては、交渉次第で支払金額をかなり圧縮していくことができます。
そのためには、時には不誠実とも思われるような対応をすることもありますが、社長個人の生活や会社の再生のためには、それが最も良い選択になるのです。
サービサーには、できるだけ支払わなくてよいように考え、交渉を心がけてみてください。

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まとめ
本稿によって、サービサーの仕組みが分かったと思います。
まず、サービサーは買取の際に額面の3%程度というかなり割安な価格で買い取っているため、最悪の場合、かなり低い回収目標で動くことがあります。
社長が狙うべきはそこです。
サービサーがお手上げ状態になる状況を作り出し、自己破産の懸念があると思わせ、ごく少額で回収完了としてもらうのです。
このようなテクニックを知っておくと、サービサーを過度に恐れる必要はなく、むしろできるだけ減額になるよう、前向きに再生の道を歩めることと思います。