決算書は、融資の結果を大きく左右するものです。
借りやすい決算書があれば、借りにくい決算書もあり、これは多くの経営者が知っているところだと思います。
しかし、自社の決算書が果たして借りやすいものか、借りにくいものか、もし借りにくいならばどう改善していくべきかについては、知らない経営者が多いでしょう。
借りやすい決算書への改善は、それほど難しいものではありません。
本稿では、改善のポイントを二点に絞って解説していきます。
借りやすい決算書とは?
融資を受ける際には、決算書の内容が大きく影響します。
決算書で全てが決まるわけではないものの、決算書の内容が悪ければ融資は受けられません。
決算書の内容に大きな問題がないことは必須条件であり、その上で隠れた問題がないか、数字に表れない部分で評価すべき点はないかといった判断をしていくのです。
したがって、自社で作っている決算書が、借りやすい決算書であるか、借りにくい決算書であるかによって、資金調達の難易度が左右されます。
借りやすい決算書であるために、注目すべきポイントは次の3点です。
- 流動資産と流動負債の関係(流動資産>流動負債)
- 固定資産と資本金の関係(固定資産<資本金+固定負債)
- 総資産と資本金の関係(資本金/総資産>30%)
この条件をクリアしている会社では、融資交渉がうまくいく可能性が高くなります。
逆に、この条件に当てはまらない会社は、融資交渉に苦労します。
したがって、現時点で借りにくい決算書になっている会社では、借りやすい決算書になるべく、決算書の内容を改善していく必要があります。

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借りやすい決算書に改善する2つのポイント
では、具体的にどのような改善を図るべきなのでしょうか。
そのためにやるべきことはたったの二つです。
資産の部における取り組み
一つ目は、資産の部における取り組みです。
資産の部では、大きく分けて流動資産と固定資産によって構成されます。
上記の通り、借りやすい決算書であるためには、
- 流動資産と流動負債の関係(流動資産>流動負債)
- 固定資産と資本金の関係(固定資産<資本金+固定負債)
がポイントとなるのですから、流動資産は大きくすること、固定資産は小さくすることによって、借りやすい決算書に近づけることができます。
具体的には、次のような取り組みです。
- 無駄な節税をやめて利益を残し、現預金を増やし、流動資産を厚くする
- 設備を購入ではなくリースで導入することによって、固定資産の増加を防ぐ
- 既存の設備をリースバック(リース会社に売却した後、リースする)することによって、固定資産を減らす

特に、経営に貢献していない固定資産、例えば遊休不動産などを売却するというアプローチは、固定資産が減少すると同時に流動資産が増えます。
このため、借りやすい決算書への改善を大きく進めることが期待できます。

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負債・資本の部における取り組み
二つ目は、負債・資本の部における取り組みです。
以下のような場合、全てにおいて改善を図ることができます。
- 流動資産と流動負債の関係(流動資産>流動負債)
- 固定資産と資本金の関係(固定資産<資本金+固定負債)
- 総資産と資本金の関係(資本金/総資産>30%)
流動負債を減らすこと、固定負債を増やすこと、資本金の割合を増やすことによって、借りやすい決算書に近づけることができます。
具体的には、次のような取り組みが重要です。
- 融資交渉の際には、できるだけ長期の借入れができるように交渉し、短期借入金を減らすことによって、流動負債を減らす
- できるだけ長期借入金で借り入れることにより、固定負債を増やす
- 売上を高めること、利益率を高めることなどによって利益を増やし、自己資本比率を高める
- 無駄な節税を辞めて利益を確保し、自己資本比率を高める

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節税の見直しは急務
特に、節税を辞めて利益を残すことは、流動資産を増やすことにつながるだけではなく、自己資本を増やすことにもつながります。
無駄な節税をやっていると、この両面において悪影響となり、良くない決算書に近づいてしまいます。
必要な節税は、税金を減らして利益を残すことに役立ちますが、節税によって利益を垂れ流しの状態にしてしまえば本末転倒です。
実際、節税に励んだ結果、どんどん「借りられない決算書」になっていき、借りられずに資金繰りが破綻するという会社は多いです。
このため、税金は何が何でも減らすというスタンスでは、決算書の改善は困難です。
税金はある程度支払うものと捉えて、財務を改善していくことを考えるべきです。

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まとめ
本稿の解説を読めば、「借りにくい決算書」から「借りやすい決算書」に改善していくことは、非常に簡単に見えると思います。
その見方は間違いではありません。
借りやすい決算書への改善は、重要なポイントに注力していけば、意外と簡単なものなのです。
難しく考えて、いつまでたっても借りにくい状態の会社は多いものです。
ぜひ、借りやすい決算書のポイントを知って、スムーズな借入れを実現してほしいと思います。
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