助成金を不正受給した時の罰|不正受給しない為に悪質なコンサルに注意を

助成金を活用していくにあたって、注意しなければならないことの一つに、「不正受給をしない」ということがあります。

不正受給は犯罪ですから、「不正受給をしない」などといえば至極当たり前のことなのですが、悪質な代行業者の指導によって、図らずも不正受給を問われるケースも増えています。

本稿では、助成金の活用とは対極にある不正受給を犯さないためにも、不正受給のペナルティ、不正受給のリスク、実際の事例などを紹介していきます。

助成金の不正受給は犯罪行為

助成金の活用を思い立ち、ネットなどで情報を集めていると、しばしば「不正受給」というキーワードを見かけると思います。

「不正受給」とは、書類の偽造などによって、助成金を不正に受け取ることをといいます。

助成金は、各事業主が支払った雇用保険料から支給しているものです。

したがって、「不正受給」は紛れもなく「公金の詐取」であり、詐欺罪に問われる犯罪行為です。

受給しなくても不正受給にる

不正受給には、次のことが該当します

  • 元々もらえる状況にない会社が、書類を偽造して受給する
  • 書類の数値を水増しするなどして、本来の受給額よりも多額に受給する
  • 実際に受給に至らずとも、不正に受給しようとする

つまり、受給したかどうかに関わらず、不正受給を試みただけでも不正受給とみなされます。

このことは、厚生労働省が注意喚起を促す文面でも、明記されています。

「事実どおりに申請すると全く助成金を受給できなかったり、期待した額の助成金を受給できないことになるのをおそれ、もともと存在しなかった書類や実態と異なる書類を作成して提出し、助成金を受けようとすることは、不正受給に当たります。実際に助成金を受給しなくても、申請するだけで不正受給になります。」

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不正受給のペナルティ

不正受給とみなされた場合には、以下のようなペナルティが課せられます。

助成金を返還しなければならない

助成金の支給決定後に不正受給が発覚した場合、助成金を返還しなければなりません。

返還にあたっては、受給した日の翌日から返還を終了する日までの期間に対し、年5%の 延滞金が課せられるほか、返還額の20%が違約金として請求されます。

例えば、300万円の助成金を不正受給しており、1年後に不正受給が発覚して返還を求められた場合、延滞金15万円と違約金60万円がプラスされ、計365万円もの返還をしなければなりません。

公表により信用が失墜する

不正受給を理由に支給決定を取り消された場合、都道府県労働局によって、事業主名等を公表されることになります。

公表について同意していない場合、助成金を受給することはできませんから、支給後に取り消しを受けた会社は必ず公表に至るということです。

このように公表されることで、経営に様々な悪影響を受ける可能性があります。

例えば、金融機関に悪質な会社とみなされ、融資を受けるのが困難になるでしょう。

また、取引先が公表を目にする、あるいは信用調査会社に依頼して不正受給の事実を知る事もあります。

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信用を失い、今後の取引に支障をきたす可能性もあるわ。

助成金を活用できなくなる

不正受給をした会社は、その後の3年間にわたって、助成金を受給できなくなります。

働き方改革が推進されており、それに伴う助成金制度も充実しているのです。

不正受給によって助成金を活用できなくなり、助成金による支援がない状態で働き方改革に対応していくとなると、経営が困難になる会社も多いはずです。

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不正受給は困難

不正受給はできるか、できないかということで言えば、決して不可能なことではないでしょう

不可能ではないからこそ、実際に不正受給をやっている会社があるわけで、上記のようなペナルティも設けられているのです。

したがって、できる・できないでいえばできるのでしょうが、数十万円から数百万円という助成金を不正受給するために、上記のようなペナルティを課せられるリスクを負うのは、割に合わないでしょう。

それに、不正受給は失敗に終わる可能性も高く、ましてや何度も繰り返して不正受給をすることは不可能です。

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厚生労働省では、不正受給を防止するために、厳しい対応を取っているぞ!

各助成金制度のパンフレットなどを見ても、「不正受給防止のための留意事項」などの欄を設けています。

実際に不正受給を防止するために、以下のような取り組みを行っています。

実地調査

まず、助成金の支給決定にあたって、予告なく実地調査を受ける場合があります。

実地調査では、総勘定元帳などの書類や、法定帳簿の確認などを求められます。

不正受給を計画していた会社では、実地調査を拒否したり、求められた書類の提示を拒否するかもしれませんが、調査に協力しない場合には助成金を受給することはできなくなります。

提出書類について

原則として、助成金の受給の可否の審査は、提出した書類によって審査します。

不正受給を防止するために、一度提出した書類は、会社の都合などで差し替えや訂正を行うことはできません。

したがって、書類を偽造して支給を申請していたことが後でわかって、慌てて差し替え・訂正を求めても、それは認められないということです。

また、支給要件に照らして申請書や添付書類の内容に疑問があると判断されれば、その都度追加書類を求めたり、書類の補正を求めるたりすることがあります。

このとき、指定された期日までに提出がない場合、助成金を受給することはできなくなります。

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以上のように、実地調査や提出書類で問題があり、助成金を受給できなかったとしても、「受給していなければ不正受給にはならない」と思うかもしれません。

 

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しかし、すでに述べた通り、不正受給とは「不正に受給しようとする」行為そのものも含まれるのだ!

その結果、今後3年間は助成金を利用できない、不正受給したことが公表されて会社の信用を大きく損なうなどのペナルティが課せられる可能性があります。

あくまでも、「支給を受けていなくとも、不正に受給しようとしただけで、不正受給が成立する」ことに注意が必要です。

また、詐欺罪として刑事告発を受ける可能性もあるため、自社では軽い気持ちで不正受給をやっていても、取り返しのつかない事態になるかもしれません。

悪質なコンサルタントに騙されても問われるのは会社

会社が、不正受給になるとわかっていながら申請し、その上で不正受給を問われてペナルティを与えられるならば、それは当然の報いです。

厄介なのが、会社は不正受給になるとわかっておらず、悪質なコンサル会社などの指導で手続きを進めた結果、不正受給に陥ってしまう場合です。

この場合、会社に一切の悪意はなく、責められるべきは騙したコンサル会社なのですが、厚生労働省はそうとはみなしません。

会社の真意がどうであったかを証明するのは困難ですから、「ともかく不正受給をした会社には罰を」という一律の対応となっています。

コンサル会社に言われるままに不正受給に至った会社では、

  • 「専門家の助言に従っただけで、不正受給とは思わなかった」
  • 「たくさんお金をもらえる、かしこい方法のつもりだった」

などと釈明するでしょうが、詐欺罪を問われるのは不正受給とみなされた会社です。

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したがって、悪質なコンサル会社などの誘いに乗らないことが大切よ!

悪質なコンサル会社の手口(事例)

悪質なコンサル会社の手口として、厚生労働省が注意を喚起している被害の事例には、以下のようなものがあります。

事例1:領収書の水増し

事例1は、領収書の水増しです。

経費助成を受けられる助成金では、助成上限額に達していない限り、経費の金額が大きいほど受給額も多くなります。

A社では、経費助成の申請にあたって、助成対象経費の領収書の写しを提出する必要がありました。

この時、コンサル会社から、次のように助言を受けました。

「発注先に依頼して、実際に支払った金 額よりも額面の大きい領収書を発行してもらいましょう。
普通、助成金に取り組むとき、どの会社でもこのように賢くやっていますよ」

その結果、A社では本来受給できる金額より多額の助成金を受給しました。

コンサル会社の成功報酬も、本来の成功報酬より大きくなり、コンサル会社の狙いはここにあったことが分かります。

後日、会計検査院の調査をうけたことで、領収書の水増しが判明したため、A社は助成金全額と延滞金・違約金を返還し、今後3年間、雇用関係助成金を利用できなくなりました。

さらに、労働局から詐欺罪で刑事告発され、警察の捜査を受けて書類送検されました。

事例2:出勤簿の偽造

事例2は、出勤簿の偽造です。

助成金を利用するためには、現在の待遇に重大な違反がないことが前提となります。

そのほか、改善前の待遇と改善後の待遇を比較する必要もあるため、出勤簿によって出勤時間や出勤日数を確認する必要があります。

B社でも、助成金の申請にあたって、対象労働者の出勤簿の写しの提出が必要でした。

しかし、B社ではもともと出勤簿を作成しておらず、助成金を受給できる状態にありませんでした。

そこで、助成金の申請手続きに詳しいというコンサル会社に相談し、出勤簿を作成してもらいました。

作成した出勤簿の写しを添付して支給申請したところ、記載内容が実際の出勤状況と違うことがわかりました。

おそらく、コンサル会社は最初から成功報酬をあてにしておらず、着手金やコンサル料金などが目的だったのでしょう。

B社では助成金を受給することができず、さらに助成金を3年間利用できなくなりました。

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まとめ

本稿で解説した通り、不正受給防止のための審査は厳しく、ほとんどの不正受給は見抜かれてしまいます。

それによって課せられるペナルティは非常に大きく、不正受給はかなりリスクの高い犯罪と言えます。

このため、まともな感覚であれば不正受給をしようとは思いません。

しかし、不正受給をしているという認識がなく、不正受給を問われる会社があるのも事実です。

そのような失敗に陥らないためにも、怪しげなコンサルタントの助言には乗らない、怪しいと思ったら労働局に問い合わせるなどの対処を心掛けましょう。

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