派遣労働者の正社員化はメリット大。助成金の増額を受けつつ人材不足の解消を

キャリアアップ助成金は、中小企業が活用すべき代表的な助成金です。

これにより、人材確保に伴って助成金を受給することができ、様々な負担を軽減することができます。

すでにキャリアアップ助成金を活用している会社もあるでしょうが、やや応用的な使い方として、派遣労働者の正規雇用転換があります。

派遣労働者を正規雇用へと転換した場合、助成金の増額を受けることができます。

このほか、派遣労働者という特殊な立場の人材を正規雇用することで、様々なメリットが得られます

本稿では、派遣労働者を正規雇用に転換するメリットについて解説していきます。

派遣労働者を人材確保に役立てる

人材不足に悩んでいる会社では、人材派遣会社を利用して人材を紹介してもらい、労働力を確保している会社も多いことと思います。

中には、派遣労働者として紹介してもらった人材が、自社の希望にマッチする人材であれば正規雇用することを考えて、紹介予定派遣(自社で直接契約を結ぶことを前提として、6ヶ月以下の派遣を行うこと)を利用している会社もあるでしょう。

紹介予定派遣を活用すれば、当座の労働力は確保できますし、労使間の希望がマッチすれば正規雇用もあり得るわけですから、人材確保に役立つ取り組みと言えます。

しかし、もし紹介予定派遣を利用するだけで、それ以上の取り組みをしていなければ、助成金を活用も検討すべきです。

厚生労働省が実施している助成金制度では、正規雇用を促すためにキャリアアップ助成金を実施しています。

これを活用すれば、派遣労働者の正規雇用によって、人材不足の解消に大変役立ちます。

派遣労働者をうまく使うことで、効率的な人材確保に取り組もう!

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キャリアアップ助成金の正社員化コースについて

キャリアアップ助成金の正社員化コース(以下、正社員化コース)は、

  • 有期契約から無期雇用あるいは正規雇用へ転換
  • 無期雇用から正規雇用へ転換

といった場合に、以下のような助成金を受給できる制度です。

基本的な支給額 生産性が6%向上している場合
有期契約から正規雇用へ転換 1人当たり57万円 1人当たり72万円
有期契約から無期雇用へ転換 1人当たり28.5万円 1人当たり36万円
無期雇用から正規雇用へ転換 1人当たり28.5万円 1人当たり36万円

(※すべての転換を合わせて、1年度1事業所当たり支給申請上限人数は20人まで)

これは、有期契約労働者等の処遇改善を促すための助成金制度であり、転換に伴って多くの助成金を受給することができます。

1年度当たりの支給申請上限は定められているものの、最大で20人まで申請できるため、人材を大幅に増やすときにも活用できる制度です。

特に、成長期の会社では、正社員化コースを使うことで人件費負担をかなり軽減することができるでしょう。

正社員化コースを受給するためには、

  • 労働協約や就業規則に、転換に関する規定を設ける
  • 転換前の処遇(有期契約や無期雇用)で6ヶ月以上にわたって継続雇用する
  • 6ヶ月以上が経過した後、転換を実施する
  • 転換後の待遇で6ヶ月分の賃金を支給した後、助成金の支給を申請する

という流れで取り組みます。

派遣労働者を正社員化した場合の増額

派遣労働者を正規雇用するならば、正社員化コースのメリットはさらに高まります。

正社員化コースでは、派遣労働者を正規雇用労働者として直接雇用した場合に、1人当たり28万5000円(生産性要件を満たしている場合には36万円)の加算を受けられます。

したがって、この場合の助成金は以下の通りに増額されます。

基本的な支給額 生産性が6%向上している場合
有期契約から正規雇用へ転換 1人当たり85.5万円 1人当たり108万円
無期雇用から正規雇用へ転換 1人当たり57万円 1人当たり72万円

転換するのが派遣労働者というだけで、こんなに増額を受けられるんだ!

派遣労働者を正社員化するメリット

派遣労働者を正規雇用することで、会社には様々なメリットが生じます。

具体的には、以下のようなメリットです。

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助成金の増額を受けられる

まず、上記の通り、助成金の増額を受けられるというメリットがあります。

有期契約労働者を雇い入れて正規雇用に転換するよりも、派遣労働者を雇い入れて正規雇用に転換したほうが、受給額は大幅に増額されるのです。

したがって、現在紹介予定派遣の派遣労働者を雇っている会社で、正規雇用の従業員を増やしたいと考えているならば、真っ先に派遣労働者の転換を検討すべきでしょう。

すでに派遣労働者として働いてもらっているだけに、能力や適性もよくわかり、新たに正社員候補の人材を雇い入れるよりも効率的に人材を確保できるはずです。

また、派遣労働者の正規雇用に積極的であれば、派遣労働者もそのように認識し、いずれは正社員として働きたいと考えます。

これによって、派遣労働者の離職率の低下、派遣労働者をスムーズに転換することにつながり、助成金を受給できる可能性も高まります。

助成金は増えるし、適性のある人材を正規雇用できるし、転換しなきゃ損だぞ!

人件費負担も小さい

派遣労働者を正規雇用すれば、人件費負担が重くなると心配している会社も多いと思いますが、実際にはそれほどでもありません。

これは、具体的な数字で考えてみるとよくわかります。

ある一般的な派遣会社の派遣料金の設定を見てみると、1日8時間当たり12464円、このうち派遣労働者への賃金が9552円、差額分は派遣労働者の保険料・有給休暇費用・研修費・福利厚生費・事業運営費用・営業利益となっています。

これを参考として、派遣労働者を毎月20日間雇用した場合の派遣料金は、24万円9280円です。

正規雇用してもしなくても、派遣労働者に毎月これだけの人件費をかけているのです。

この派遣労働者を正規雇用すれば、適用する手当が増えたり、賞与を支給したりするものの、人件費負担はあまり変わらず、増えても微増といったレベルになることが多いはずです。

むしろ、派遣労働者の正規雇用に消極的な会社では、正社員として働きたいと考えている派遣労働者が離職しやすくなるため、いつまでたっても人材不足を解消できず、派遣労働者が入れ替わるたびに能力・適性も変動し、なおかつ派遣料金を支払い続ける必要があります。

このように考えると、派遣労働者を正規雇用したほうが長期的に見て負担軽減につながると言えます。

派遣料金って、意外に負担になっていることも多いよね。

 

職業紹介手数料を助成金でカバーできる

紹介予定派遣の派遣労働者を正規雇用した場合には、派遣元に職業紹介手数料を支払う必要があります。

職業紹介手数料の相場は派遣労働者の年収の10~30%となっており、最も多いのが30%です。

上記の料金を例とすれば、1日8時間あたりの賃金が9552円、月20日あたり19万1040円、年数に換算すれば229万2480円です。この30%相当の金額は68万7744円です。

したがって、派遣労働者を正規雇用すれば、職業紹介手数料の負担が重くなると思うかもしれませんが、これも問題ありません。

有期契約の派遣労働者を正規雇用に転換した場合、基本的な支給額でも85.5万円を受給できますから、この助成金によって職業紹介手数料を十分にカバーできることが分かります。

職業紹介手数料が高い?それは助成金で払ってしまえばいいのだ!

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生産性がアップする

派遣労働者の正規雇用に取り組んだ会社の報告などを見てみると、派遣労働者の意識が高まることによって、生産性アップにもつながるケースが多いようです。

派遣労働者の正規雇用に積極的であれば、正社員として雇用されることを目指して、派遣労働者の主体性や責任感が強くなります

本来であれば、派遣労働者はあくまでも派遣元の会社に所属する人材ですから、派遣先の会社に対して何ら思い入れはなく、責任感も芽生えにくいものです。

派遣先の会社で最低限の働きをして、決まった賃金を受け取れれば良いと考える人も多いです。

しかし、正社員として雇用されたいという思いがあれば、派遣先の会社から良い評価を受けるために、責任感を以て主体的に働く派遣労働者が増えます。

意識の高い派遣労働者であれば、自主的に資格を取得したり、知識を身に着けたりしながら、正社員を目指していきます。

これによって、派遣労働者の貢献度が高まり、生産性がアップします。

職場にも活気がもたらされ、派遣労働者以外の従業員の意識改革にもつながり、これによっても生産性が高まります。

生産性要件を満たせば、様々な助成金の増額対象となるぞ。助成金の財務的メリットを高めよう!

人材確保が加速する

キャリアアップ助成金を活用しながら、派遣労働者の正規雇用に積極的に取り組む会社は、派遣元の会社との信頼関係も強くなります。

 

派遣元としては、正規雇用に消極的な会社では職業紹介手数料を稼ぐことができないため、積極的な会社を「職業紹介手数料を稼げる優良顧客」と考えます。

限られた人材を紹介予定派遣で派遣するならば、言うまでもなく正規雇用に積極的な会社に派遣したいと考えます。

このように信頼関係が強くなれば、派遣元の会社から優先的に人材の紹介を受けられるようになります。

通常、人材確保のためには採用活動をする必要がありますが、派遣会社と良い関係にあれば、派遣会社が人材の供給源となることも期待できます。そうなれば、人材不足に悩むこともなくなるでしょう。

広く一般に人材を求めるよりも、信頼関係にある派遣会社から紹介してもらったほうがミスマッチも減るだろう。

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まとめ

本稿で紹介した通り、派遣労働者の正規雇用に取り組むことで、人件費負担に大きな問題もなく、派遣労働者の貢献度は高まり、優秀な人材を確保できようになります。

まさに会社にとっては至れり尽くせりです。

これらはすべて、派遣労働者を正規雇用することで、キャリアアップ助成金の増額支給を受けられることが出発点となっています。

ぜひ、派遣労働者を人材確保に役立ててみてはいかがでしょうか。

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