貸借対照表のキホン!右から左にお金の動きをチェック

貸借対照表は、お金の流れを表すものです。

右欄に集めたお金を記載し、左側に使ったお金を記載することで、「集めたお金をどのような流れで使ったか?」を見ることができるのです。

本稿では、貸借対照表のこの基本的な見方について解説していきます。

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貸借対照表はお金の動き

経営者の中には、貸借対照表を見た時、「なんだかわかりづらい」「数字は苦手なんだよな」といった意識を持ち、敬遠してしまう人も少なくありません。

しかし、貸借対照表は非常に重要な資料です。

なぜならば、貸借対照表を見れば、お金の動きが見えるからです。

したがって、貸借対照表の見方が分かれば、損益計算書よりもむしろ貸借対照表のほうが気になってくるはずです。

貸借対照表によってお金の動きを把握できるようになれば、お金の流れが好ましくない状況になりつつあるとき、それをすぐに察知して対策していくことができます。

これができなければ、資金繰りがかなり悪くなってもまだ気づかないという状況にもなりかねません。

したがって、貸借対照表を見ることができるようにしておくということは、経営者として非常に重要な能力の一つになるとも言えます。

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貸借対照表は右から左に読む

では、貸借対照表を見るポイントを解説していきましょう。

まずここで、例としてひとつの表を提示しておきます。

(単位:百万円)

科目 前期 科目 前期
現預金売掛金棚卸資産 30 買掛金未払費用流動負債長期借入金固定負債 40
40 20
100 60
流動資産 170 130
建物設備土地貸付金 50 130
20 負債合計 190
10 資本金利益剰余金 20
固定資産 80 40
純資産 60
資産合計 250 負債・純資産合計 250

この表のように、貸借対照表は右と左に分かれています。

そして、右には集めたお金、左には使ったお金を記載するものだと覚えておいてください。

そのため、右から左に読んでいくと、貸借対照表が分かりやすくなります。

また、右上に記載されている負債は、どこからか借り入れていたり、取引先に支払いを猶予してもらったりしているお金ですから、他人資本と言います。

買掛金も借入も、他人から借りたお金であることから、他人資本というわけです。

右下には純資産が記載されていますが、これは自己資本を表しています。

自分のお金であり、他人から借りたお金ではありませんから、返済の義務もありません。

純資産には株主が出した資本金、利益をプールしている利益剰余金の二つから作られます。

もし、負債と純資産を比較した時、純資産が多い会社は、安定性が高いと言えます。

なぜならば、返済の必要がなく、自由に使える自己資本の方が多いからです。

自己資本が潤沢で負債より大きければ、負債を返済できずに倒産することも考えにくいですから、銀行からの借入も比較的簡単になります。

一方、左側の資産の部は、集めたお金をどう使ったかを示すものです。

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この左の部分が、貸借対照表を理解する上で最も重要な箇所となる!

例の表では、負債が190百万円、純資産が60百万円あり、全体で250百万円を集めていることが分かります。

次に左を見ると、資産の中でも棚卸資産が最も大きく100百万円もあることが分かります。

集めているお金の5分の2ほどが棚卸資産に使われているのですから、使い過ぎだということが分かるでしょう。

長期借入金が130百万円あることを見ると、おそらく棚卸資産が長期借入金を膨らませる原因にもなっていることが分かります。

在庫を圧縮し、長期借入金を減らすことができれば、自己資本率(自己資本と他人資本の比率)も改善され、もっと財務内容は良くなるはずです。

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資産は借金の原因だ

資産というと、多ければ多いほどいいように感じると思います。

しかし、貸借対照表の見方が分かれば、資産は事業のための投資であると同時に、借金の原因でもあることが分かると思います。

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資産は、少なければ少ないほど有利なのだ!

これは、流動資産だけではなく、固定資産にも同じことが言えます。

固定資産が大きすぎる会社は、得てして分不相応な自社ビルを購入していたり、活用できていない土地を持っていたりするものです。

それらの取得のためには、やはり長期的な借入をしていることでしょうから、資産と同時に負債も増えることになります。

それが売上や利益に結び付き、確実に回収していけるならば、それも必要な投資だったと言えるでしょう。

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しかし、分不相応な自社ビルや活用できていない土地のための借入は馬鹿げていわ。

新規の投資をするならば、そのようなものではなく、新製品を開発するための設備とか、新店舗展開のための設備とか、利益率の高い商品を増産するための設備とかに絞るべきなのです。

例外的に、資産の中で多ければ多いほど良いのは、現預金です。

現預金はすぐに資金繰りに使えるお金ですから、多ければ多いほど安定性が増します。

現金以外の資産は負債の原因でもあると心得て、できるだけ圧縮していくことが重要です。

それも全て、貸借対照表を読めなければ見えてこない視点です。

貸借対照表を見る時には、このように集めたお金と使ったお金、すなわち右欄と左欄を紐づけてみていくと、色々な現実が見えてきます。

問題点も見えてくるでしょう。

銀行員もこのような見方をしていますから、銀行員目線で自社のお金の流れを見るにもつながります。

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まとめ

貸借対照表の見方をもっと詳しく言えば、数期分の貸借対照表をどう見比べるとか、財務分析にどう生かすかとか、色々な見方があります。

そのような応用の解説は別の機会に譲るとして、今回は基本の基本を押さえてもらえればと思います。

貸借対照表は右から左に読むという見方が分かれば、資産と負債の関連性が良く見えてきます。

そこから、負債が多くなっている理由が棚卸資産に見つかったり、売掛金の回収遅延に見つかったりと、結構大きな問題が見えてくることもあります。

貸借対照表になじみがなかった経営者も、まずは直近1期の貸借対照表を眺めてみてはいかがでしょうか。