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売ったら損をする資産でも売ったほうが良い理由

 資産を売却して資金調達をするとき、売却損が出てしまう場合には売却を躊躇してしまうものです。

しかし、使わない資産を思い切って売却してしまえば、総資産が圧縮されて自己資本比率が高まります。

また、それによって負債を減らして財務体質を強化したり、売却損によって節税を図ったりと、様々な効果があるのです。

本稿では、損をする資産でも売却したほうが良い理由を解説していきます。

自己資本比率とは?

資金調達の方法として、自社が所有している資産を売却する方法があります。

しかし、売却すれば損失が出てしまうという理由から、売るに売れなくなっている資産もあることでしょう。

しかし、そのような資産でも、利用しないならば損を覚悟で売るべきです。

なぜならば、不要な資産を売却することによって、自己資本比率を上げることができるからです。

自己資本比率とは、会社の資産のうち自己資本がどれくらいあるかを示す指標であり、財務分析の上で重要な指標です。

銀行の融資審査でも、自己資本比率には必ず注目します。

自己資本とは返済義務がなく自由に活用できるものであり、自己資本比率が高ければ高いほど、企業の安全性は高いと考えることができます。

自己資本比率を計算するためには、貸借対照表における資本を資産で割ることによって算出できます(自己資本比率=資本÷資産×100)。

多くの会社は、会社を設立した当初は自己資本比率が100%の状態です。

設立したばかりですから、融資を受けたり、買掛債務を抱えたりしていないからです。

しかし、その後の経営の中で原材料を仕入れたり、設備投資を行なったりするうちに、自己資本だけでは賄いきれなくなる時が来ます。

その時には銀行から融資を受けたり、取引先に買掛債務を負ったりすることで負債が増え、自己資本比率は下がっていきます。

会社の資産が増えた時に、同時に負債も増えていくことは、会社にとっては好ましくないことです。

負債と資産が同時に増えているならば、資産が効率よく利益を生み出していくことができなければ、負債による負担が大きくなっていきます。

ましてや、所有しているだけで価値が増加していく資産など基本的にはありえないのですから、もし投じた資産が利益を生み出していないならば、損をしてでも売却することが重要です。

売却によって資産が圧縮されれば、自己資本比率は向上します。

 

 

資産処分に欠かせない観点

ただし、利益をもたらさない資産を売るべきと言っても、闇雲に売り飛ばせばいいというわけではなく、合理的に処分していくことを考えるべきです。

合理的な処分は、以下のような流れで進めていきます。

 

1、処分する資産が経営計画に与える影響を考える

処分を検討している資産があるならば、まずはその資産の経営計画への影響を考えます。

その資産を所有し続けることで経営資源としてどのくらい機能するのか、あるいはその資産を所有し続けることでどのようなデメリットが考えられるのかも検討していきます。

その資産を売却すれば多額の資金を調達できるとしても、経営計画に欠かせない経営資源であるとすれば、売却するのは間違いです(その資産を別の資産で代用したり、セール&リースバックによって売却後もリースと言う形で利用できる場合を除く)。

活用できておらず売却の対象となりやすいのは、使われていない建物や土地、売れ残っている在庫、活用されていない社宅、有価証券、利用していないゴルフの会員権や特許権などが考えられます。

ただし、それらの資産の有効性はきちんと吟味することが大切です。

例えば今は価値を生み出していない土地でも、今後の経営計画で欠かせないものとなるならば、資金調達できるというだけで売却してはならないのです。

資金繰りに困っている会社は、「経営計画よりも、まずは会社の延命が重要」と考え、今後の経営計画に必要となる資産まで売ってしまうことがあります。

そのように考えるのは間違いで、その資産を売らずに資金を調達できないか、色々と手を尽くしてみるべきです。

 

2、資金繰りへの効果を考える

次に考えるべきは、その資産を処分することで、資金繰りにどれくらいの効果を与えるかということです。

これを考える際には、資金がどれだけ増加するか、そしてキャッシュフローがどのように変化するかを考えるのがポイントです。

まず、その資産を売却することによって、どれくらいの資金を調達できるかを考えてみます。

次に、その資産を売却したことによって得た利益によって、どのくらいの期間にわたって資金不足を賄えるかを考えます。

この二つの観点から考えると、その資産を売却することによって、とりあえずの資金不足を補う効果しかないのか、今後数年にわたってキャッシュフロー不足を補う効果があるのかなどが見えてきます。

これを明らかにすれば、その資産を売却することでどのような効果が得られるかを、より正確に把握することができます。

 

3、資産処分の難易度を考える

今後の経営計画に重要ではなく、資金繰りへの効果も把握したら、いよいよ具体的な売却を考えていくことになりますが、ここで生じる問題が、資産によって売却の難易度が異なるということです。

売却の難易度が高い資産には、以下のようなものがあります。

 

思い入れがある資産

まず、その資産に思い入れがあるものであると、売りにくくなって売却の難易度が上がります。

例えば、創業当時に使っていた店舗であり、経営者が少ない社員と団結し、苦しい時期も耐え抜いてきたような場合、その店舗に強い思い入れがあったり、「最初にこの店舗で始めたからうまくいったのだ」と縁起を担いだりして、なかなか売れないことがあります。

 

担保が付いている資産

担保が付いている資産は、負債を解消しなければ自由に売却できないものです。

そこで、債権者と交渉して売却を進めていかなければならず、ハードルが上がります。

 

手間がかかる資産

その資産が資金化しにくいものであれば、買手が見つかるまでに時間がかかる可能性が高いです。

緊急に資金需要が発生している場合には、買い叩かれてしまい、不本意な結果に終わってしまうこともあります。

しかし、多少割安でも素早く売却できることは、時間をかけて割高で売却することと同じくらいの価値があります。

 

売却コストがかかる資産

資産売却によって効率よく資金調達するためには、資産売却にかかるコストを把握し、できるだけ抑えていく必要があります。

不動産を売却するならば、売却に伴って手数料や税金の支払いが生じます。

このような資産も考慮に入れて、資産調達効率を最大化することが重要です。

 

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4、節税効果を考える

資産を処分する際には、資金調達や自己資本比率の向上以外にも、節税ができないか考えておくべきです。

このとき、事業の状況と売却損益を合わせて考える必要があります。

 

事業は黒字/売却損

売却年度の事業が黒字ならば、売却損が出ても、それによって法人税が低くなるというメリットがあります。

つまり、資産の売却によって資金を調達し、法人税を節税してより多くの資金を残すことで、二重に資金を調達できることになります。

 

事業は黒字/売却益

売却年度の事業が黒字であり、売却益も出てしまうならば、資金調達はできても法人税が増えてしまい、法人税の増加分の資金を失うことになります。

したがって、よほど資金繰りに行き詰っている場合を除いて、売却は見送った方が良いでしょう。

 

事業は赤字/売却益

売却年度の事業が赤字であり、一方で売却益が出ているならば、売却益と事業の赤字を相殺して、売却益への課税が減ったり、ゼロになったりすることがあります。

これも、売却による資金調達と、売却益への課税の減少という意味で、二重の資金調達になると考えられます。

 

事業は赤字/売却損

売却年度の事業が赤字であり、さらに売却損も出てしまうならば、資産売却による資金調達はできますが、節税効果はありません。

調達した資金をいかに活用して、事業を黒字に持ち込んでいくかが重要となります。

このため、事業計画を綿密に立て、繰越欠損金を活用しながら経営を立て直していきましょう。

 
売却する資産が不動産の場合には、所有期間が5年を境として課税額が大きく変わります。

また、売る相手によっては特別控除制度を使える場合もあります。

したがって、税率を正確に把握し、控除など利用できるものはできるだけ利用して、メリットを最大化していきましょう。

 

5、資産処分後の財務を考える

最後に考えたいのが、資産を処分した後の財務構造はどうなるかとういうことです。

資産処分によって資金を調達しているということは、必要に迫られてそうしている場合が多く、調達した資金の大半は負債の返済に回ることと思います。

また、負債の返済に回せば総資産と負債が減少して自己資本比率が向上するため、そうするのが得策です。

特に、ノンバンクなどで高金利の融資を受けている場合などは、金利が資金繰りを圧迫している可能性が高いため、それを返済すれば財務体質は強化されます。

収益を生み出さず、今後も必要ないとされている資産を処分することによって、資金を調達し、負債を減少させて自己資本比率を高め、財務体質を強化することにつながるのです。

これらのメリットが会社に与える影響は多く、会社の財務を立て直すための大きな足掛かりになったり、利益を増加させるための大きな理由になったりすることもよくあります。

 

【番外編】見えない資産を資金化できないか考える

ちなみに、ここまで目に見える資産の資金化を考えてきましたが、目に見えない資産を売却することも可能です。

営業権や特許権、開発権などがそれに当たります。

会社が、ある地域に密着した営業を続けてきた結果、強力な営業網を構築している場合があります。

その一部を売却することによって、資金調達できる場合があります。

他にも店舗の営業権を一部売ってもいいですし、会社にとってメリットが薄くなった特許の権利を売るのも良いと思います。

映画会社なども、人気映画の放映権をテレビ局に売るなどして、資金を調達することがあります。

このように、目に見えない資産を売ることで、大きく資金調達できる場合があるのです。

 

 

まとめ

会社にとって必要ない資産を売ることで、資金調達が可能です。

現在必要としておらず、将来的にも経営に影響を与えない資産ならば、売却してしまうのが良いでしょう。

それによって売却損が出ても、それによって節税メリットが得られる場合もあります。

また、売却によって調達した資金によって負債を減らせば、自己資本比率が高まり、財務体質の強化につながります。

当然ながら、銀行からの評価も高まり、その後の融資にも良い影響をもたらしてくれます。

ぜひバランスシートを見直して、売れる資産がないか検討してみると良いでしょう。

 

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