最近、ファクタリングという言葉を聞く機会が増えてきました。
しかし、この用語の意味があまり理解されておらず、他の資金調達方法と混同されているケースも見られます。
ファクタリングは、他の資金調達方法とは一線を画している、非常に優れた資金調達方法です。
本稿では、その仕組みを詳しく解説し、メリットなども解説していきます。
資金繰り困難の原因
資金繰りが厳しくなっている原因はいろいろあるでしょう。
- 自社の取り扱う商品の競争力が低い
- 世界的な経済の流れから逆風に直面している
- 有力な社員が相次いで退職した
- 銀行から融資を受けられない
- 売掛金の回収がうまくいかない
- 貸し倒れを起こしてしまった
こういったことが代表的な理由です。
原因を解消しなければ、企業の資金繰りはどんどん悪化していきます。
ついには倒産ということにもなりかねません。
これらの原因の中には、一朝一夕には解消できないものと、すぐに解消できるものとがあります。
商品の競争力向上のためには開発への投資が必要であり、非常に時間がかかるものです。
世界経済の流れが原因であれば、それも自社の努力ではどうなるものでもありません。
社員の増強も、これまた時間をかけてじっくりとこなしていくものです。
銀行融資を受けられない場合には、事業成績や財務状況の悪さが原因になっています。
そのため、融資を受けられる状態に持って行くのには時間がかかります。

売掛債権の問題
売掛債権の回収がうまくいかなかったり、貸し倒れになってしまうということは、売掛債権の管理がうまくいっていないということです。
これにもまたいろいろな原因が考えられます。
営業部門が売掛債権管理まで考えずに、売上を伸ばすことだけを考えていたとしましょう。
信用力の低い会社にまでどんどん営業をかけてしまえば、多数の不良債権を生み出すことになります。
経理部門がきちんと売掛債権管理をしていなければどうでしょうか。
各債権の回収管理がうまくいかず、多数の支払遅延を起こすことになるでしょう。
取引先に対する信用調査が不十分な状態で取引をすることにより、過大な与信限度額を設けてしまいます。

このように、一口に売掛債権管理の問題であるといっても、いろいろな原因が考えられます。
これを解消していくためには、原因を洗い出し、全社的な取り組みによって改善していくことが求められます。
したがって、これもだんだんと解消されて行く問題であるといえるでしょう。
- 取り扱う商品の競争力の低さ
- 世界的な経済の影響
- 社員の問題
- 銀行融資の問題
- 売掛債権の問題
こうして考えると、それらのすべてがすぐに解消できるものではないということになります。
しかし、これらの問題を企業に与える影響の大きさという観点から見てみると、また別の事実が分かります。

- 商品の競争力
- 経済的影響
- 社員問題
- 融資問題
これらの問題は、そのような問題がある状況の中で、何とか改善を図りながら事業を継続していけるものです。
しかし、売掛債権の問題となると、「売掛債権の問題がある中でやっていく」ということができないものです。
回収遅延ならまだしも、貸し倒れは一撃で会社に与える影響があまりにも大きい場合があります。
場合によっては一件の貸し倒れから即倒産につながることもあります。
このことは、数字を見てみるとよくわかるでしょう。
たとえば、利益率10%の商品を取り扱っている会社があったとします。
この会社が取引先に1000万円の商品を販売して売掛債権が発生し、それが貸し倒れになったならば、1000万円の損失です。
利益率は10%なのですから、その損失を埋め合わせるためには1億円の販売をこなさなければならないのです。
この会社の資金繰りがぎりぎりの状態であれば、すぐに倒産することも考えられます。
1000万円の売掛債権が発生するためには、次のように色々なコストの支払いがあるのです。
- その商品を仕入れるためのコスト
- (あるいは製品として製造するための原材料の仕入れ)
- 製造コスト
- 在庫管理コスト
つまり、財務的には実質マイナスを抱えるわけですが、それは数ヶ月後に売掛債権を回収して、初めてマイナス分を回収しながら利益を得られるのです。
そこで回収した資金を、再び次の営業につなげていく、つまり事業の継続に充てていくことになります。


このような大きなリスクをはらんでいる売掛債権の問題は、他の諸問題と比較して、一回の失敗でこうむるダメージがあまりにも大きいといえます。

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売掛債権を流動化しながら経営改善を図る
したがって、現在資金繰りに困っている会社はいろいろな問題を抱えていることでしょう。
売掛債権の問題を抱えているならば、それこそ真っ先に解消すべき問題であるといえます。
しかし、上記において、売掛債権の問題もじっくりと腰を据えて解消していくべきものであると述べました。
たしかに、正攻法で問題と取っ組むならば、じっくりと解消していく必要があります。
しかし、売掛債権は企業が保有する資産の一つであることから、これを売却することによって資金調達を行うという方法もあります。
売掛債権を資金化する方法も色々あります。その中から特定の方法を選択的に採ることによって、売掛債権が持っているリスクをうまく移転しながら資金を調達できます。
さらには、根本的な問題の解決にも取り組むことができます。

ファクタリングとは、ファクタリング会社に売掛債権を売却することによって資金調達をすることです。
貸し倒れの際にもリスクがありません。
- 支払期日前に回収できること
- 貸し倒れの影響を受けないこと
この事などから、売掛債権のリスクを移転することができます。
ファクタリングによって資金を調達し、当面の事業を継続しながら、その他の問題に取り組んでいきましょう。
これが最も安全で確実な経営改善の道筋であるといえます。
ファクタリングの基本を押さえる
まずは、ファクタリングの基本から考えていきましょう。
ファクタリングとは、なんでしょうか。
上記でも少し触れましたが、自社が保有する売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことによって、資金調達を行う方法のことです。
売掛債権の性質
一般的には、企業間取引において現金取引が行われることはありません。
これまでの商習慣に基づいて、あるいは取引先の資金繰りの都合から、数ヶ月先の支払いを約束するものとして売掛債権が発生するのが普通です。
売掛債権とは、受取手形と売掛金の総称と考えるとよいでしょう。
売掛債権は、貸借対照表の中では流動資産に分類されるものです。
「流動資産」というと、流動性が高い資産のようなイメージを受けます。
しかし、これはあくまでも「1年以内に資金として活用が可能な資産」のことであす。
数ヶ月後に回収が見込める売掛債権は流動資産に分類されています。
しかし、実際の企業経営においては、数ヶ月先に活用可能な資産を流動性が高いとは言い難い状況もしばしばあるものです。
資金繰りに困っており、すぐにでも資金調達の必要がある企業にとっては、数ヶ月後にしか得られない売掛債権は流動性が低いとも言えるでしょう。


売掛債権の流動化を高めるということは、たとえば「3ヶ月後に回収予定の売掛債権を1ヶ月後に回収する」というように、回収期日を前倒しすることです。
しかし、そもそも売掛債権というものは、取引先の資金繰りの都合で支払いを先送りしているものです。
そのため、簡単に早めることはできないものです。
いくらこちらが「支払サイト(支払期日までの期間)を短縮したい」と頼んだとしても、それを受け入れるということは取引先にとっては資金繰りが厳しくなることです。
拒否されるのが普通でしょう。

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売掛債権の流動性を高める一般的な方法
売掛債権の流動性を高める際に、取引先にお願いすることはできず、他の方法を考えなければなりません。
もうひとつの手段として考えられるのが、自社における売掛債権管理の徹底です。
例えば、自社の営業部が売掛債権管理という概念を持たずに営業をしていたとしましょう。
取引契約を結ぶ際に支払サイトを甘く考えていることがあるかもしれません。
そのような場合には、営業担当者に教育を行って売掛債権管理まで見据えた営業を行うようにします。
そうすれば、それを見据えなかった場合と比較して、取引先の資金繰りを考慮すると同時に、自社の資金繰りも考慮しながら交渉を行う事ができるでしょう。
うまく落としどころを見つけて契約を結ぶことができます。
それ以前と比べて、売掛債権の支払期日は短くなり、流動性は確実に高まっていくことでしょう。
このほか、売掛債権管理が不十分な会社においては、売掛債権の回収管理も不十分であるということが考えられます。


少なくとも、回収管理が徹底しており、請求や督促が厳しい取引先と比較すると、自社のほうが支払いの優先順位が低くなるのは間違いのないことです。
次のような業務を淡々とこなしていけば、取引先にプレッシャーを与えられます。
- 支払期日にあわせてきちんと請求書を送付
- 書面による督促
- 電話による督促
- 対面での督促
- 法的手段
その結果、行き当たりばったりで回収を行っている場合と比べると、支払期日どおりに回収できる可能性が高くなり、売掛債権の流動性は高まります。
このように、売掛債権の流動性を高めるためには、自社における大きな取り組みが必要なことがわかります。
しかし、すぐに資金調達が必要となっている企業にとっては、あまり悠長なことはやっていられません。
- 取引先との交渉によって支払期日を可能な範囲で早めていく
- 回収管理を徹底して支払期日どおりの回収を促していく
これらの効果も無視はできませんが、すぐに資金調達をしなければ資金ショートを起こしてしまう会社は、数ヵ月後に支払われる売掛債権を、明日にでも回収したいと思うことでしょう。


- ファクタリング会社に申し込み
- 売掛先の信用力を調査してもらう
- 信用力に応じた買取額で売掛債権を買い取ってもらう
このように、すぐに資金調達が可能となるのです。
ファクタリングの歴史
さて、ファクタリングという用語は、最近になって少しずつ聞かれるようになってきた言葉なのですが、その歴史はどのようなものなのでしょうか。
そこにも簡単に触れておきましょう。


ファクタリングは、イギリスからアメリカにわたって発展し、1900年代半ばにイギリス以外のヨーロッパにも伝わりました。
そこから東アジアやオーストラリアに広がり、今も世界中に向けて広がり続けています。
日本に伝わったのは50年くらい前のことです。
しかし、なかなか浸透せず、最近になって少しずつ浸透してきました。
これは、日本の商習慣においては手形取引が主流であり、資金調達の方法としてはファクタリングよりも手形割引が主流であったからです。


商業においても、ファクタリングという利便性の高いシステムがあるにもかかわらず、手形割引が根強く残っているのです。
このような現象は携帯電話その他にも見られますが、このことを「ガラパゴス化」とも言います。
ガラパゴス化という言葉自体が進化論におけるガラパゴス諸島の生態系になぞらえた警句であるように、根強く残った独自の文化や市場や習慣も、いずれは淘汰され衰退していくことが前提として考えられています。
実際に、日本では他の地域と比較して、ファクタリングの普及に非常に長い時間がかかりましたが、最近になってようやく認識されるようになってきました。
それと相対的に手形割引の件数はどんどん減少しており、手形割引業者の数も激減しています。
このことから、いずれは手形割引は消滅するか、あるいは手形割引のほうが特殊な資金調達法となり、ファクタリングが主流になっていくことが考えられます。

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ファクタリングの流れ
では、ファクタリングの流れを確認していきましょう。
ファクタリングの流れは、二社間ファクタリングと三社間ファクタリングによって異なります。
- 二社間ファクタリングは、自社とファクタリング会社の間だけで契約が行われる
- 三社間ファクタリングは自社と売掛先とファクタリング会社の間で契約が行われる
本来、三社間ファクタリングのほうが利便性は高いのです。
ファクタリングが浸透している欧米では三社間ファクタリングが主流なのですが、日本では二社間ファクタリングが主流となっています。
これも、日本独自の商習慣が原因となっています。
日本では、まだファクタリングがそれほど浸透していません。
したがって、売掛債権をファクタリングする、つまり売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらって資金調達するということは、日本では異常なこととみなされることが多いのです。
そもそも、取引先にとってはファクタリングの何たるかを知らず、単なる資産の売却による資金繰りにしか見えない可能性もあります。
通常の企業経営においても、資産を有効活用することは多くあります。
- 不動産を担保に銀行融資を受けたり
- 有価証券をよいタイミングで売却したり

ことさら売掛債権を売却していると、そうしなければならないほどに経営状態が思わしくないのか、資金困難に陥っているのかなどと疑われる可能性があります。
そうなれば、取引先は取引を見直すことにもなりかねず、取引の縮小や取引停止という自体に陥ることもあります。
当然ながら、その後の事業継続に影響を及ぼすことになります。
ですから、売掛先にはファクタリングの事実を知られないほうが好ましいということは多々あります。

一方、ファクタリングが浸透している欧米では、ファクタリングをすることによって売掛先に不審がられることもないため、三社間ファクタリングが主流です。
三社間ファクタリングであれば、売掛先も巻き込んでの取引になりますから、ファクタリング会社が直接売掛先からの支払いを受けることができるなどのメリットがあります。
日本でも、今後ファクタリングが浸透していけば、三社間ファクタリングの利用が普通になっていくかもしれません。
では、二社間ファクタリングと三社間ファクタリングの流れを、それぞれ見ていきましょう。
二社間ファクタリングの流れ
- 自社が取引先に商品を販売するにあたり、数ヵ月後の支払期日を定めて契約を結び、売掛債権が発生する。
- ファクタリング会社にファクタリングを申し込み、売掛先の信用力を調査してもらい、買取価格の見積もりを受ける。
- 見積もり内容に納得したならば、ファクタリング契約を結び、買取代金の支払いを受ける。
- 買取後、支払期日になると売掛先から自社の口座に代金が支払われる。自社はこれをスライドさせ、ファクタリング会社に支払いを行う。
三社間ファクタリングの流れ
- 自社が取引先に商品を販売するにあたり、数ヵ月後の支払期日を定めて契約を結び、売掛債権が発生する。
- ファクタリング会社にファクタリングを申し込む。
売掛先の信用力を調査してもらい、買取価格の見積もりに納得したならば、ファクタリング契約を結び、買取代金の支払いを受ける。 - 売掛先に売掛債権譲渡通知を行い、ファクタリングをしたことを知らせ、支払口座を自社の口座からファクタリングの口座へ変更してもらうように依頼する。
- 支払期日になると、売掛先からファクタリング会社の口座に代金が支払われる。
二社間ファクタリングと三社間ファクタリングには、このような違いがあります。
大まかな流れは一緒ですが、違いは次のとおりです。
- 売掛先に通知を行うかどうか
- 支払口座は自社の口座かファクタリング会社の口座か

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ファクタリングのメリットを押さえる
最後に、ファクタリングのメリットを解説することにします。
資金繰りの改善
まず、最大のメリットといえるのが、資金繰りの改善効果です。
これは、ここまででも何度も述べてきたことの重複になりますが、大切なことほど耳にたこができるくらい聞いておかねばならないもの。
そうして耳に残ってこそ、いざ資金困難に陥ったときにぱっとファクタリングが思い浮かぶようにもなりましょう。
ファクタリングは売掛債権を資金化するものです。
中小企業においては、資産の売却による資金調達を考えたとしても、建物や土地、有価証券といった資産には乏しいことも少なくありませ。

数ヶ月間は眠っておかねばならないこの資産を、ファクタリングによって資金化できるとなれば、これを使わない手はありません。
ファクタリングは、売掛債権さえ持っていればどのような会社でも利用することができます。
信用力が低いとみなされ、公的融資や銀行融資を断られた会社でも、問題なく利用することができます。
これは、融資が会社に対する資金の貸付であるのに対し、ファクタリングは貸付ではないからです。

融資を受ける場合には、何らかの担保や保証人を求められるのが普通ですが、ファクタリングは借入ではないため、それらを求められることもありません。
毎月の返済のための資金繰りも必要ではありませんし、利息支払いが負担になることもありません。
確かに、ファクタリングにあたって手数料を支払うことになります。しかし以下の通りメリットの方が大きいと考えて良いでしょう。
- 即座に資金調達ができること
- 数ヵ月間は活用できない売掛債権の流動性が高まること
- バランスシートにおけるメリット
- リスク移転に関するメリット
バランスシートにおけるメリットや、リスク移転に関するメリットは以下に述べます。
回収リスクの移転
ファクタリングの大きなメリットとして、回収リスクの移転も忘れてはいけません。
上記のとおり、売掛債権には常に回収リスクがあり、回収遅延や貸し倒れによって会社に多大な被害をもたらし、最悪の場合には連鎖倒産となることもあります。
しかし、ファクタリングによって売掛債権をファクタリング会社に譲渡すれば、このリスクは完全に移転することができます。

償還請求権とは、譲渡した債権が回収不能になった場合には、譲渡人(自社)に対して譲受人(ファクタリング会社)は弁済を求めることができる権利のことです。
つまり、償還請求権なしでの契約を結んでいれば、売掛先が倒産するなどして売掛債権の支払いが不可能になった場合にも心配は不要です。
そのリスクをすべてファクタリング会社が負ってくれるということです。
ただし、契約の形式によっては償還請求権あり(償還請求権留保)での取引になることもあり、その場合には回収不能の際に弁済を求められることになります。
この契約ではリスクの移転にはなりません。
したがって、契約の際には償還請求権がどうなっているかをきちんと確認しておく必要があります。
バランスシートの改善
ファクタリングを行うと、バランスシートにも様々なメリットがあります。
ファクタリングを行うと、バランスシート上の売掛債権額は減ることになります。
売掛債権額が減ると、売上債権回転率が上がり、売上債権回転期間が短くなります。
まず、売上債権回転率ですが、これを計算するために次の計算式を使います。
売上債権回転率=月商÷売掛債権
売上債権回転率とは、その売掛債権がどのくらいの効率で回収されているかを表すものです。

この数値を大きくするための方法は以下の通りです。
- 月商の数値を大きくする
- 売掛債権の数値を小さくする
- その両方をおこなう
とはいえ、月商の数値は急激に大きくすることはできません。
そこで、ファクタリングによって売掛債権を譲渡して売掛債権額を減らしてしまえば、売上債権回転率は大きくなるのです。
次に、売上債権回転期間を計算するためには、次の計算式を使います。
売上債権回転期間(ヶ月)=売掛債権÷月商
売上債権回転期間とは、売掛債権が発生してから、およそどれくらいの期間で回収できているかを示すものです。
売上債権回転期間の数値が大きれば、売掛債権が発生してもなかなか回収できないということになります。

逆に売上債権回転期間の数値が小さければ、売上債権が発生してから短期間のうちに回収できているということですから、好ましいと考えられます。
売上債権回転期間を小さくするためには、次の方法がございます。
- 売掛債権を小さくする
- 月商を大きくする
これも売掛債権回転率と同様に、売掛債権をファクタリングすることによって達成することができます。
売上債権回転率と売上債権回転期間に好影響をもたらすためには、売掛債権をファクタリングする必要があるわけです。
このときに注意しておきたいのが、必ず償還請求権なしでのファクタリングをしておくことが条件になるということです。
償還請求権ありでのファクタリングであれば、万が一回収不能となれば弁済する必要があることから、ファクタリングをしてもバランスシート上の売掛債権額が減らないのです。
したがって、償還請求権ありならば、売上債権回転率や売上債権回転期間にはなんら影響を及ぼすこともなく、このメリットは得られなくなります。

このほかにも、ファクタリングによって得られた資金を次のように利用することが出来ます。
- 銀行からの借入額を減らす
- 買掛金を減らす
これにより、バランスシートは改善されます。
支払利息も減るため、その後の資金繰りは一層ラクになるといえるでしょう。
また、バランスシートが良好な企業には、銀行も融資を行いやすいものですから、この意味からも今後の資金繰りに役立ちます。
ファクタリングには、このようなメリットもあります。
経営資源の集中
ファクタリングのメリットの中には、経営資源の集中というものもあります。
ファクタリングを利用しなかった場合には、取引先への信用調査、きちんと回収していくための自社における様々な取り組みなどが求められることとなります。
しかし、ファクタリングを利用すれば、長期のファクタリングでは取引先への信用調査を依頼することができますし、回収のための様々な取り組みもファクタリング会社に依頼できます。

このように、ファクタリング会社と契約することによって、本来ならば自社で行うべきであった、売掛債権に関する様々な業務をファクタリング会社にアウトソーシングすることが可能となります。
その結果、人員や資金などの経営資源を本業に集中させることが可能となり、会社の経営はますます改善していくことになります。
まとめ
企業が抱える問題のうち、売掛債権が原因となっていることは非常に多いものです。
そこで、売掛債権をいかに管理し回収していくかということが重要になるのですが、その際にファクタリングは大いに助けになってくれます。
ファクタリングは売掛債権の回収を容易にするだけではありません。
- 回収リスクの移転
- バランスシートの改善
- 経営資源の集中
など、様々なメリットをもたらしてくれます。
経営困難なときにはその原因を追究すると思います。
売掛債権の問題があるとわかった場合には、必要に応じてファクタリングを有効活用し、経営に役立てていただければと思います。