銀行融資では金利条件が設定され、これによって毎回の支払利息が変わります。
金利自体はそれほど高いものではありませんが、借入額が大きければ支払利息も馬鹿にならないため、金利は低いに越したことはありません。
そこで、融資交渉で金利の引き下げをお願いする必要があるのですが、銀行が金利を決定している背景を踏まえて交渉しなければ、交渉は失敗する可能性が高いです。
金利条件に影響している要素はいくつかありますが、銀行の規模による影響も無視できない要素です。
本稿では、銀行の規模と金利の関係と、金利交渉のポイントについて解説していきます。
※なお、本稿における大手金融機関と地域金融機関は、
大手金融機関
みずほ銀行、みずほ信託銀行、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行、新生銀行、あおぞら銀行によって構成される主要9行
地域金融機関
主要行以外の地方銀行、信用金庫、信用組合
を表すものとします。
銀行の規模と金利の関係
借入金利を考えるとき、借入先の銀行の規模は決して無視できない要素です。
なぜならば、銀行の規模によって金利は確実に変わるものであり、大きな銀行ほど金利は低くなりやすく、小さな銀行ほど金利は高くなりやすいからです。
なぜ、銀行の規模によって金利が変わるのでしょうか。
それには、以下のようにいくつかの理由が考えられます。
資金力の違い
まず、大きな理由として考えられるのが、資金力の違いです。
大手金融機関の場合
規模の大きい大手金融機関は資金力が大きく、規模の小さい地方金融機関は資金力も小さいのが普通です。
これにより、大手金融機関は多額の融資を求める大企業に大口の融資を行うことができます。
低めの金利に設定していても、融資額が大きければ十分な収益が期待できます。
また、大企業は中小企業と比較して安定しているため、貸し倒れリスクも低く、低めの金利でも問題ありません。
地域金融機関の場合
一方、地方金融機関の資金力は小さいため、大口融資に対応すれば多くの顧客に対応することができなくなります。
少数の顧客に対して大口融資を出すよりも、多数の顧客に対して小口融資を出したほうが融資先は分散され、リスクも分散されます。
しかし、小口融資を低い金利で実行すれば、収益性が低くなってしまいます。

このため、高めの金利に設定することで収益性を確保する必要があるんだ。
また、地域の中小企業が主要な顧客となります。
大企業に比べて安定性に欠ける中小企業に融資するため、貸し倒れリスクに備えるためにも、高めの金利に設定されています。

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提案力の違い
次に、提案力の違いが挙げられます。
これは、資金を必要としている会社に対して、資金調達方法を提案する能力のことです。
大手金融機関の場合
大手金融機関は、グループ企業として機能している場合が多いです。
グループ企業として機能していれば、グループ内の証券会社とのつながりを利用して、様々な資金調達方法を提案することができます。
例えば、大手グループの証券会社を利用して、社債を発行したり、新株を発行したりして市場から資金を調達することができます。
このため、大手金融機関は資金を必要とする会社に対して、融資以外の提案によっても対応することができます。

つまり、融資することで利息収入を得るだけではなく、他の提案によって収益を得ることもできるため、低めの金利に設定することができるんだ。
地域金融機関の場合
一方、地域金融機関はグループ企業としての機能に乏しく、グループ力を活かした提案ができません。
融資以外の提案が困難であり、会社の資金需要に対応するためには融資ありきとなります。
このため、融資によって得られる利息収入の重要性が高く、高めの金利に設定して収益性を確保する必要があります。

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金利交渉のポイント
以上のように、大手金融機関と地域金融機関では、その規模の違いから金利の重要性に大きな差があります。
これが、銀行の規模によって金利が異なる理由です。
これを踏まえて、金利交渉のポイントをまとめていきましょう。
規模を無視した交渉はNG
すでにお分かりでしょうが、規模の大きい金融機関ほど金利が低く、規模の小さい金融機関ほど金利が高くなります。
したがって、規模を無視した金利交渉は避ける必要があります。
例えば、
といった交渉です。
このような交渉をしても、信用金庫がメガバンク並みの金利で融資することは困難であり、失敗は目に見えています。
無理な要求、非常識な交渉をしてくる社長と思われ、銀行員から疎まれる可能性もあります。

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大手金融機関は望み薄
規模の観点から考えると、金利を低くしたければ大手金融機関から融資を受けるべきだと言えます。
しかし、メガバンクは資金需要が非常に大きい大企業・優良企業を囲い込んでいるため、中小企業の資金需要に対応しないのが普通です。
1000万円の短期融資を希望する中小企業よりも、1億円の短期融資を希望する大企業に融資したほうが儲かるため、中小企業との取引は非効率と考えるのです。
したがって、中小企業が大手金融機関に融資を求める場合、金利交渉以前に借りることが難しいでしょう。
できるだけ規模の大きい金融機関へ
しかし、大手金融機関からの借入れが難しいとしても、地域金融機関の中で規模が大きい銀行に金利交渉することは可能です。
会社の規模が小さくとも、業績や財務に大きな問題がなければ、地方銀行、信用金庫、信用組合など色々な金融機関から融資を受けることができます。
これらの地域金融機関の規模は、基本的には「地方銀行>信用金庫>信用組合」という関係になっています。
そこで、これまで信用組合をメインで付き合ってきた会社ならば、信用金庫や地方銀行との付き合いを深めていくことで、信用組合よりも低い金利で借りられる可能性が高まります。

信用金庫と深く付き合ってきた会社ならば、地方銀行との付き合いを深めていくのよ。
地方銀行と深く付き合ってきた会社ならば、それ以上の規模が見つからないかもしれません。
しかし、その地域に2つ以上の地方銀行があるならば、他の地方銀行(できればより規模の大きい地方銀行)と交渉することで、金利を下げられる可能性があります。
また、そのように複数の銀行と付き合っていけば、複数の銀行の中から一番金利が低い銀行を選ぶことによって、金利を引き下げることもできます。

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まとめ
金融機関の規模は、金利条件にかなり影響します。
そのため、金利交渉の際には、交渉先の金融機関の規模をよく考えて交渉することが重要です。
自社の規模から考えて、良い付き合いができている金融機関を複数選び、その中からできるだけ規模の大きい相手に絞って交渉すれば、金利交渉がうまくいく可能性は高まります。

もちろん、自社の経営状態や信用状態、金融機関との付き合いの長さ・深さも影響してくるので、その点もしっかりと考慮して交渉を進めてほしい!
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