競合の影響で収益が大きく低下、借入れは増大・・・打開策はあるか?

融資を受けられない会社の特徴には色々ありますが、業績が低下している会社は融資交渉が難しくなります。

特に、それが明らかな理由によって、会社の収益力が下がっているような場合には、銀行は将来の貸し倒れを懸念して融資謝絶、早期回収に動き出すこともあります。

この場合、会社はどのように銀行の支援を引き出していくべきなのでしょうか。

具体例とともに、元銀行員に話を伺ってみました。

収益性の低下は大問題

―――収益性が悪化している会社は、当然銀行からの融資も難しくなるでしょうが、特に難しいと言えばどんなパターンでしょうか。

それは、収益性が悪化していて、なおかつその原因が根深い場合でしょう。

景気の変動や業界の動向によって、影響を受けてしまうことは仕方ありません。

しかし、それとは関係なく、企業努力が足りずに時代の変化についていけない、あるいは競合から売上を奪われて収益が低下・・・といった場合には、銀行の評価もかなり悪いですね。

―――それは、返済力がどこまでも減っていくから、ということですね。

そうです。稼ぐ力が弱くなっていけば利益は小さくなって、返済原資はどんどん乏しくなっていきます。やがて返済に耐えられなくなったら、リスケや貸し倒れに至ります。

―――収益性が下がって深刻な会社でも、融資を引き出すことは可能なのでしょうか。

ケースバイケースですが、かなり難航する場合も多いですね。融資が絶対に不可能ということはありませんけれど。

当たり前のことですが、収益性が回復する見込みがあって、なおかつ何らかの保全があれば融資できることもあるでしょう。

銀行は収益力低下によって、将来的な貸し倒れを嫌っているのですから、担保によってそのリスクを軽減するのはかなり効果があります

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融資が厳しい典型例

―――そのような具体例を教えてください。

小売業のA店を例にしてみましょう。

A店はかなり規模の小さなお店でしたが、業歴も古く、地元ではよく知られたお店でした。競合店もありませんでしたから、売上も安定していました。悪

く言えば、それほど企業努力をせずとも、当たり前にやっていれば売上も利益も確保できていたんです。

しかし、大手チェーンが近隣に出店しましてね。これまで企業努力をしてこなかったA店には、戦略なんて何もありません。

海千山千の大手チェーンと競合すれば、勝てる見込みはほぼないでしょう。

案の定、その年から急激に売上が落ちていきました。競合店のほうが品ぞろえもよく、安く、流行も抑えて、ニーズにマッチしているのですから、当然客はそっちに流れます。

―――それは、収益低下も酷かったでしょう。

もちろんです。売上や利益が落ち込むのは当たりまえですが、まったく手の打ちようがないんです。A店にはノウハウも蓄積されていないわけですからね。

―――融資もかなり厳しそうです。

ウチがメインバンクだったんです。取引歴も長く、その状況でも数年にわたって支援を続けました。

打開策がなく、収益は落ち込み、借入れでなんとか回しているような状況ですから、やがて借入総額は年商とぼぼ同じ水準に達してしまいました

―――年商と同水準となると、かなり危険ですね。

その通りです。私が担当していたものですから、今後はどうなっていくんだろうとかなり心配しましたね。

なんとか手を打たなければならないと思っていたところ、A店から融資の申し入れを受けました。数百万円の申し入れだったので、普通、メインバンクならば割と対応しやすい案件です。

しかし、状況が状況です。融資残高はひどく多いし、今後改善の見通しも立っていないのですから、融資謝絶もやむを得ないかなと思いました。

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それでも融資が出た理由

―――それが融資に至ったのは、どういう流れだったのでしょうか。

後日、社長と面談したんですが、私がA社を訪問して面談しました。

正直言って融資は難しいことを話しました。社長はもうある程度の年齢でしたし、お店をたたんで土地を売れば、残債を全て返済できそうでした。そのようにしてはどうか、という提案もしました。

しかし、A店には今でも長年にわたって付き合ってきた顧客がいました。競合店に行くのは不便だから、あえてA店を使い続けているという高齢者も相当いました。

社長が言うには、地元のためにお店をたたみたくないということだったんです。

そんなこと言われても、融資できるかどうかはまた別の話ですが、銀行員も人間ですからね。ズバッと切り捨てるんじゃなくて、なんとか融資できる方法はないか、考えてみようと思いました。

―――そういう話を聞くと、社長の人柄はやはり融資に影響するんですね。

大切だと思いますよ。詳しい話を聞いてみるまでは、ぬるま湯につかっていたために収益悪化の対処もできず、どうしようもない会社だな、というイメージだったんですよ。

でも、社長と面談してみると、社長なりの思いがあって踏ん張っていたんだなと。

銀行員によりけりですが、もうすこし考えてみようと思う場合も多いでしょうね。

 

―――その後、どうなったのですか?

社長と面談してみて、資金使途を聞いてみると、返済負担に耐えられないから復元資金(これまで返済した借入金を再度融資するもの)を出してほしいということだったんです。

社長には、数百万円の復元資金といっても、稟議は厳しいと伝えました。稟議を通すだけの材料が必要ですから、色々話を聞きながら、探っていくことにしました。

収益性が下がっている、売上を伸ばすのは難しいから、利益率をなんとか上げていきたい、そのために仕入れ値を押さえることはできないか・・・といった話になったとき、現金で仕入れるならば割引が受けられて、利益率も上がりそうだとわかりました。

あと、なんとか改善しようとして始めた宅配サービスは、競合店にはないもので、それが少しずつ伸びていたのもポイントでした。

それで収益性が大幅に改善するわけではありません。しかし、売上を維持するのが精いっぱいの状況ですから、改善策の一つとしては有効です。

また、複数行から借り入れていたものを、ウチですべてまとめることによって、返済負担を減らすことも検討してみました。

その結果、原価を抑えて返済負担を減らせば、なんとか資金繰りが回っていきそうだとわかりました。

うまくいけば、今後、復元資金を出し続けて自転車操業することもなくなり、返済も進んでいきそうだと思ったんです。

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―――なるほど。やはり、収益性改善のための具体策は必須ですね。

はい。こうすれば収益性がこうなる、だから資金繰りが回っていくという計画がなければ、まず無理ですね。

もちろん、これは計画でしかありませんから、銀行は保全を求めるでしょう。A店でも貸し倒れリスクは高いわけですから、計画だけでは借り換えは不可能です。

私も計画が立ったことで、稟議を何とか通そうとやる気になっていました。

仕入方法を変えることで収益性が回復する、資金繰りも改善する、ウチで借り換えに応じて返済負担も減らせば経営は改善し、結果的に回収は進むという論理です。

それに加えて、稟議を後押しするために社長に担保の提供をお願いしました。

A店には担保資産はありませんでしたが、社長のお父さんがアパートを持っていました。もうかなり高齢でしたから、近い将来には社長が相続するものです。

社長に検討してもらい、この不動産を担保とすることに決定しました。

これによって、計画では見通しが立っており、計画が頓挫してもリスクは低いという流れで稟議をすすめ、借り換えと一時的な運転資金による支援が決定しました。

―――当初のお話では、A店は救いようがない状況でしたが、そのような流れで支援が受けられることもあるんですね。

そうです。まずは収益性が回復する見込みを、具体的な計画で明らかにすること、それに加えて何らかの保全。難しい融資案件でも、このような流れで支援に至ることがあります。

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まとめ

本稿では、収益性が大きく悪化し、改善の見通しも立っていない会社が例になっており、普通ならば融資を受けられない状況です。

しかし、そのような会社でも、融資を受けられる可能性がゼロではないことを知ってほしいと思います。

誰もが無理だと思う状況ですが、あきらめずに向き合い、銀行員ともしっかり話し合って模索していけば、会社を存続させる道が見つかることがあるのです。

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