事業によって利益を得た会社は、相応の税金を納める必要があります。
適切な節税を行ったとしても、一定レベルの税金は納めないといけません。
本記事では、納税資金を銀行融資で準備したいと考えている人に向けた記事です。
納税資金の融資は比較的受けやすいため、ぜひ本記事を参考に交渉してみてください。
【注目】銀行融資が難しい場合はファクタリングがおすすめ

※上記の図解は2社間ファクタリング
ファクタリングとは、「債権買取り」を意味しています。
法人がファクタリングにおいては、保有している売掛債権(=請求書)を売却することで現金を得る資金調達方法の一種として認識されています。
企業は、ファクタリングを利用すれば、売掛債権の予定日よりも早く現金を受け取れます。
ファクタリングは売掛債権の売買で資金調達を行うため、銀行からの借入とはことなり融資にはあたりません(調達した資金の返済は不要です)。
融資ではないため金利はありませんが、利用時にファクタリング業者に手数料を支払います。
下手な節税より納税を

会社の資金繰りをコントロールするために、重要となる要素はいくつか考えられます。
そのうち、中小企業の経営者が意識的に取り組んでとしても、度々逆効果を生んでしまうものがあります。
それは、「節税対策」です。
簡単に言えば、何らかの方法で利益を減らし、納税すべき税金も減らすという方法です。
せっかく稼いだお金を国に取られるのは馬鹿らしいと考え、せっせと節税に取り組んでいる経営者は少なくありません。
しかし、素人が中途半端な知識で行う節税は非常に危険です!
1.役員報酬による節税
役員報酬は損金になるため、ここを調整すると経営者個人の所得を増やしつつ、会社の納税額を減らすことができます。
経営者個人の所得税は増えますが、その増加分が会社の納税額の減少分より小さければ、全体では得をすることになります。
2.保険加入による節税
保険も大きな損金を計上できるため、よく節税に利用されています。
しかし、保険の返戻金は加入年数によって変動し、返戻率がピークの時に解約しても、100%戻ってくるわけではありません。
お金を積み立てる先としてはあまり好ましくないでしょう。
また、保険解約時に受け取る返戻金は利益として計上されるため、結局は税金を課せられることとなります。
多額の退職金が必要になる時期に返戻率がピークになるように設計すれば、返戻金と退職金をぶつけることで損金とすることもできます。
しかし、積立額は目減りした状態でもどってくるため、そのような面倒な策をするより、最初から定期預金などで積み立てておく方が賢明でしょう。
3.その他の経費による節税
その他の経費として、経営者の個人的な交際費を事業経費として計上するような方法もあります。
節税方法を見直そう

節税にも正しく効果的に行えるものがあります!
たとえば、例年に比べてたくさんの利益が出ると、納税額も例年より増える見込みになります。
その場合、例年より稼ぎすぎた部分を本当に事業に必要なことに投入するのが効果的です。
- 翌期予定の設備メンテナンスを今期に行う
- 在庫整理を実施する(翌期以降に過剰な在庫を持ち越さない) など
このような手段であれば、利益をきちんと活用しつつ減らし、納税額を減らすことができます。
本来節税というものは、利益をコントロールするためにあるものです。
「稼ぎすぎた利益を活用しながら税金も減らしていく」というアプローチが適切だと言えます。
銀行融資で苦労するかも!?
本記事の後半で詳しく解説しますが、銀行は利益が出ている会社には積極的に融資しますが、利益が出ていない会社には慎重です。
中小企業では、税金を支払わないために節税と称して利益を使い込み、利益がほとんど出ていない決算内容になっている会社も多いです。
そのような会社は恐らく銀行から融資を受けるのに苦労するでしょう。
手元に資金を残すことも難しくなる
税率30%の場合で考えてみると、30万円の税金をゼロにするためには100万円の支出が必要となり、30万円のメリットのために100万円の支出をすることになります。
黙って税金を支払っていれば、手元には70万円のお金が残る計算です。
これをせずに、利益を流出させ続けていれば、いつまでたっても手元資金は蓄積されていかず、いざという時にお金が足りずに困ることになります。
その際、銀行との融資交渉にも苦労すると、資金繰りは危険な状態に陥ります。
会社の資金繰りを考えると、必要以上に節税をせず、手元資金を確保して融資交渉もスムーズになるようにしておくという考えもあります。
納税資金は銀行融資で対応しよう

納税のためにはまとまった資金が必要なため、それをすぐに準備できない会社も多いです。
その場合には、納税資金を銀行融資によって賄っていくのが良いでしょう。
プールした手元資金から支払うのが一番ですが、しっかりと事業に取り組んでいれば融資分も問題なく返済できるはずです。
納税資金の融資は出やすい?

上記でも触れた通り、納税資金は融資が出やすいことが多いです。
それは、納税資金は他の資金使途に比べて、銀行が嫌うリスクが少ないという特徴があり、融資交渉もしやすいからです。
具体的には、以下のような理由によって、納税資金は融資しやすいと判断されます。
1.利益が出ていることが好印象
そもそも、なぜ納税資金が必要になっているのかと言えば、利益が出ているからです。
銀行は、基本的に利益が出ている会社に好意的な姿勢をります。
利益が出ている会社は返済力があり、利益が出ていなければ返済力はないと考えるからです。
銀行は安定した利益を出している会社なら、稼いだ利益から安定的に返済され貸し倒れのリスクが少なくなると考えます。
このような会社からの納税融資なら通りやすいです。
もちろん、同じ納税融資でも、赤字や黒字を繰り返す不安定な企業に対する融資は簡単には通りません。
安定していない業績への懸念が大きくなる可能性があります。
2.資金使途も明らか
資金使途は大きくわけると、「運転資金」、「一時資金」、「設備資金」、「その他」というわけ方ができます。
- 運転資金:経常運転資金、増加運転資金、減産資金など
- 一時資金:季節資金、つなぎ資金、賞与資金、納税資金など
- 設備資金:生産力増強のための設備資金など
資金使途を細かく求める理由は、お金が必要になっている理由を正確に知りたいからです。
資金使途のはっきりしない会社に融資すると、赤字の補填に使われるなどして回収に支障を来す可能性があるからです。
資金使途を明確にすることができれば、融資した資金がきちんと事業に使われるか、無事に回収できるか知ることができます。
その点、納税資金は資金使途が明らかです。
資金使途がはっきりしていることも、銀行が融資を検討しやすい理由となっています。
3.短期融資が基本
納税資金は短期融資になるのが一般的です。
多くの場合、6ヶ月以内の返済になります。
会社としては、毎回の返済額が少ない方が資金繰りは安定するため、長期で融資してほしいと考えると思います。
それでも、納税資金は必ず短期融資です。
なぜならば、納税は毎年のことだからです。
1年間の利益に対する課税ですから、融資で賄うとしても短期で返済して当然と考えられています。
また、なぜ1年ではなく6ヶ月以内の返済なのかといえば、前回の納税が次回の納税時期に被らないようにするためです。
短期融資の納税資金は銀行の抱えるリスクが小さいことからも、融資しやすいものとなっています。
納税資金の融資交渉のポイント

融資しやすい案件といっても、銀行はリスクに敏感な組織ですから、適当に交渉しても簡単に借りられると思ってはいけません。
きちんとポイントを抑えて交渉することで、融資を引き出せるようにしましょう。
いつも依頼している銀行で
融資を申し込む際には、既に取引のある銀行にお願いするのが通常です。
その中でも納税資金を借りたことがある銀行に依頼するのがベストです。
特に理由がない限り、毎回別々の銀行に申し込むのではなく、毎回同じ銀行で申し込んだ方が融資はスムーズになります。
同じ銀行に納税資金を申し込んでいると、銀行は「今年も、あの会社から納税資金の要請があるだろう」と考えることができます。
このため、融資を申し込まれればスムーズに応じることができます。
逆に、別の銀行に納税資金を申し入れると、「なぜ今年はウチに依頼したのだろう」などと疑う余地が生まれてしまいます。
銀行からの信頼が高まる
毎年納税資金の融資を申し入れていると、銀行は会社に対し「毎年しっかり利益を出している会社だ」という印象を抱きます。
そのような印象は、融資交渉に確実なプラスとなります。
このような信頼があれば、異常資金が紛れ込んでいるのではないかという疑いの目も持たれにくくなり、交渉がスムーズに進みやすくなります。
融資と返済を繰り返すことで信頼は高まり、銀行と良い関係を築くことも期待できます。
試算表で納税額を明らかに
次に大切なのが、「試算表」を提出し納税額をきちんと伝えることです。
納税資金は、納税額が確定してから交渉を始めていたのでは納付が間に合わなくなるため、決算の整備段階で申し入れるのが通常です。
この段階では、決算書が出来上がっておらず、詳細な納税額も明らかになっていません。
しかし、どれくらいの納付額になるのかについては、試算表からある程度説明することができます。
銀行が警戒するのは、納税資金として融資したものが、別の資金使途で使われてしまうことです。
そのため、納税額と同じだけの金額をしっかりと融資することを重視しています。
スムーズな交渉のためには、試算表によっての大体の納税額を明らかにしたうえで交渉しましょう。
紐づけを意識する
銀行が気にしているのは、融資した納税資金が正しく使われるかどうかであり、試算表や納税令書の確認だけでは不十分です。
それらを確認し、必要額をきっちり融資しても、それが他の目的に流用される可能性があるからです。
そこで銀行は、融資した納税資金の動きを監視するために、納税資金は自行の口座から納付することを求めてきます。
そうすれば、融資した納税資金が間違いなく納付に使われたことを確認できるため、銀行は安心できるというわけです。
会社によっては、色々な支払いを特定の銀行に集約していることもあるでしょうから、納税資金もその銀行から支払いたいと思うこともあると思います。
そのような事情があるならば、支払いを集約している銀行に納税資金を申し込むか、他の銀行に申し込む場合にはその銀行の要求を受け入れるようにしましょう。
消費税は考慮しない
最後に気を付けたいのが、融資できない税金もあるということです。
法人税や事業税は融資を受けることができますが、消費税は融資を受けることができません。
なぜならば、消費税は販売先から会社が預かっているものだからです。
預かっている消費税を納付できないならば、預かった消費税をどこかに流用したということになってしまいます。
そのため、銀行は消費税については融資の対象外としています。
納税資金の融資交渉の具体例

ここまで書いてきたように、納税資金の融資交渉はスムーズに進めやすいものであり、融資担当者との面談も難しくありません。
もちろん、業績や財務などに何らかの問題を抱えている会社が納税資金を申し入れる場合には、融資が難航することもあります。
その問題によっては、納税資金の貸し倒れリスクが高くなるからです。
ここでは、納税資金の融資交渉をシンプルに考えるため、特に問題がない会社が納税資金を申し入れるケースで考えます。
- 業績は安定した推移となっている
- 利益が出たため納税資金が必要となった
- 財務的にも問題はないが、最近は資金繰りが忙しいため、いつも納税資金を依頼している銀行に今年も依頼した
経営者と融資担当者による面談の例




(試算表を提出)
今期は法人税と事業税を合わせて500万円の納税になる見通しです。

手元資金からの納付はお考えにならないのですか?

手元資金は確保しておきたいなと思って。








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