「できるだけたくさん借り入りて手元資金を厚くしよう」と言わた際、中小企業の経営者はどのように考えるでしょうか
「そんなことをすれば借金まみれになる」
「支払金利が重くなる」
このように考える人は多いことと思います。
しかし、手元資金を増やしておくことは、健全な経営のために重要です。
手元資金を厚くしておくことによって得られる効果を考えれば、金利はそれほど心配ありません。
本記事では、手元資金を厚くすることの効果を踏まえて、金利を考えていきます。
カネが無ければヒトを養う事はできない

会社経営において重要となる経営資源は、ヒト・モノ・カネと言われます。
これは、従業員などの人的要素、製品やサービスや設備といった物的要素、そして資金です。
このうち、最も重要なのはヒトといわれます。
従業員がいてこそ、商品を生み出し、製造し、販売することができるのですから、必要不可欠な要素と言えます。
モノも重要ですが、ヒトによって開発され、販売されるものですから、ヒトよりも重要性が劣ると言えます。
カネとヒトでは?
カネとヒトの重要性は甲乙つけがたく、まさに「卵が先か、鶏が先か」のような関係にあります。
カネがなければ人材を雇ったり、給料を支払ったりすることはできないのに対し、ヒトがなければカネも生み出せないからです。
したがって、カネとヒトの重要性は同じくらいであると考えられます。
しかし、会社経営の実務において、特に経営が苦しい場合などには、ある意味でヒトを優先する場合があります。
たとえば、手元資金が100万円しかなく、従業員への給与支払いに100万円、銀行への返済に100万円という使い道が考えられるとします。
ヒトを失うと会社の経営は回らなくなると考えると、ヒトを優先して給与の支払いに回すべきでしょう。
新たに雇う方法もありますが、新規採用した社員を教育するよりも従来の経験ある社員を経営に生かした方が効率的です。
銀行を優先しても必ずしも見返りがあるとは限らない
銀行への返済を優先したとしても、銀行からの融資が継続されるとは限りません。
むしろ、そのような経営状態の会社に対しては、融資を渋るのが一般的です。
このような場合には、カネよりもヒトを優先したほうが、経営のマイナスを小さく抑えることができるでしょう。
以上のように、カネよりもヒトを優先すべきシーンがしばしばありますから、その意味ではヒトはカネよりも重要性が高いと言えます。
売掛金よりも手元資金を厚くしておく大切さ

会社にとって重要なカネの要素は、手元の現金で考えるべきです。
売掛金も会社の資金として見ることが可能ですが、回収には時間がかかりますから、すぐに活用できるものではありません。
また、100%確実に回収できるとも限らず、支払いが遅れたり、最悪の場合には貸し倒れのリスクがあります。
手元資金はすぐに活用できるので安心です。
会社が不測の事態に見舞われ、すぐに支払いが必要になった場合に手元資金を使用していきます。
売掛金がある場合はファクタリングを利用する

※上記の図解は2社間ファクタリング
ファクタリングとは、「債権買取り」を意味しています。
法人がファクタリングにおいては、保有している売掛債権(=請求書)を売却することで現金を得る資金調達方法の一種として認識されています。
企業は、ファクタリングを利用すれば、売掛債権の予定日よりも早く現金を受け取れます。
ファクタリングは売掛債権の売買で資金調達を行うため、銀行からの借入とはことなり融資にはあたりません(調達した資金の返済は不要です)。
融資ではないため金利はありませんが、利用時にファクタリング業者に手数料を支払います。
月商3ヶ月分の手元資金があれば「安全性」が高い

手元資金は、最低でも月商の1ヶ月分は必要です。
銀行融資の審査でも、月商1ヶ月分以上の手元資金が確保されているかどうかを必ず見ると言われています。
月商1ヶ月分の現金さえ確保されていない状態では、何らかのトラブルが生じた場合、対応できずに経営破綻する可能性があります。
また、月商1ヶ月分では、トラブルに対応したことで現金が非常に少なくなり、その後は危険な状態での資金繰りを迫られる可能性もあります。
このため、月商1ヶ月分が最低ラインであるとはいっても、好ましい状態とはとても言えません。
手元資金は余裕をもって確保しよう
手元資金は、できれば月商の2ヶ月分ある状態が望ましでしょう。
月商の2ヶ月分を確保していれば、何らかのトラブルが起きたとしても、大抵のトラブルには対応することができます。
さらに、トラブルによって月商1ヶ月分の出費が生じたとしても、手元にはなお月商1ヶ月分の手元資金が残ります。
残った手元資金を活かし、引き続きある程度余裕のある状態で経営を回していくことができるでしょう。
ただし、月商2ヶ月程度では、トラブル後に大きな規模の取引には対応しにくいです。
月商3ヶ月分も手元資金を確保しているならば、もっとも安全性が高く、好ましい状態だと言えます。
このように手元資金を厚くしておけば、安全性・健全性を高めながら積極的な経営ができるようになります。
安全性が高ければ多方面で大きなプラスとなる

銀行は安全性が高い(=貸し倒れしにくい)会社を優良顧客と考えるため、融資をよい条件で引き出せる可能性が高まります。
取引先の会社も、安全性の高い会社と考えて、積極的に取引をしたいと考えるでしょう。
ほかにも、新規取引を検討している会社や、大きな取引先を探している会社にとっても、積極的に商談を持ち掛けたいと考えるでしょう。
さらに、仕入れのロットを大きくして割引してもらうなど、売上原価を下げるような工夫にも手元資金が役立ちます。
会社にとって手元資金は重要
手元資金は会社にとって非常に重要なものであり、手元資金を厚くしておけば、経営にとって万事有効に働きます。
極端に言えば、経営をラクにしたいならば、手元資金を厚くする一点に注力することがかなり効果的と言えます。
利益を上げるだけでは手元資金は厚くならない

手元資金を厚くするの方法として「利益を上げるだけでは不十分」です。
よほど利益率が高くい商品を販売しているならば、手元資金を利益だけから得られるかもしれませんが、そのような会社は多くありません。
手元資金を利益だけで求める場合、販売→利益獲得→経費支払→販売……と自転車操業に近い形になりかねません。
少しずつ利益を積んでいっても、まとまった手元資金を確保することは難しいです。
手元資金を厚くするためには銀行からの借入が必須

手元資金を厚くするためには、「銀行からの借入が必須」です。
それも、「借りられる時に、借りられるだけ借りておくことが重要」です。
たとえば、実際に2,000万円のお金を必要としている状況では、多くの会社は2,000万円だけを調達することを考えるでしょう。
しかし、それでは手元資金は厚くなりません。
このような「必要な時に必要なだけ借りる」という考え方は非常に危険です。
銀行がいつでも貸してくれるとは限らない

銀行は、リスクが高いと判断した場合には、それまでの付き合いはさほど重視することなく、融資を渋るようになります。
経営をしていれば、一時的な業績の低下や景気の変動など借りにくくなる時期が必ず訪れます。
そのとき、必要なだけ時に必要なだけしか借りていなかった会社は、手元資金が不足していても新規借り入れが非常に難しくなるでしょう。
手元資金が借りられなければ、経営も苦しくなります。
だからこそ、将来的なリスクに備えるためにも、借りられる時に借りられるだけ借りておくことが大切です。
もし、現在の経営が好調ならば、銀行は比較的簡単に融資してくれることでしょうから、このタイミングを逃すのはもったいないです。
資金用途を正直に伝えて手元資金を銀行から借りる

銀行からの借り入れ時は、資金使途を正確に伝える必要があります。
この時、手元資金を厚くする目的の場合どのように資金使途を伝えればいいでしょうか。
この際、設備資金や賞与資金などの名目で融資を受けようとしてはいけません。
伝えた通りの資金使途に使われていなかったことが発覚した場合、非常に面倒なことになります。
資金使途を守らないことは、銀行にとっては重大な背信行為です。
仮に、これを許してしまうと、設備資金として借り入れたお金を、経営者個人の借金の返済に充ててもよいということになってしまいます。
だからこそ、銀行は資金使途に神経質になっています。
手元資金を厚くするという資金使途は問題ではない

手元資金を厚くするための融資では、正直に「手元資金を厚くしたい」と伝えれば問題ありません。
曖昧な資金使途に思えるかもしれませんが、手元資金を厚くすることで不測の事態に備えておくことは、会社の安全性を高めるために重要です。
会社の安全性が高いことは、銀行にとって貸し倒れリスクを低くすることでもありますから、決して問題のある資金使途とは考えません。
手元資金を厚くするという理由で融資を希望し、さらに返済計画に問題がなければ、銀行は融資してくれる可能性が十分にあります。
嘘の資金使途を理由に融資を引き出そうとするよりは、よほど無理なく説明がつきますし、納得も得やすいです。
売上が伸びている会社は「増加運転資金」を理由にする方法もある
特に、会社の売上が伸びている状況ならば、今後も取引が拡大していき、必要となる経費も増えていくことが予測されます。
その場合には、手元資金が減少していくことになりますから、そのための備えとして「手元資金を厚くしておきたい」という理由がかなり説得力あるものとなります。
売上増加に対応するための資金を「増加運転資金」と言い、銀行にとっても印象がよい資金です。
支払金利は倒産しない為の必要経費と考える

「借りられるだけ借りておくと金利が重くならないか?」という懸念が出てきます。
金利の重さを理由に「必要な時に必要なだけ借りる」という判断をしている人も多いです。
たしかに、個人規模での借金ならば、必要な時に必要なだけ借りて無駄な金利を支払わないことが得策です。
しかし、会社経営ではまったく異なります。
手元資金をプールしておくことで、将来のリスクに備えて安全性を高めたり、銀行や取引先からの信頼を得たりできます。
手元資金を厚くするための金利は、手元資金によるさまざまなプラスの効果を得るための必要経費だと言えるでしょう。
会社にとって怖いのはお金がなくなること
会社にとって怖いことは、元金返済や金利支払いの負担が増えることではありません。
手元資金の不足時に銀行から融資が受けられず、経営が破綻することの方が大問題です。
会社は、大きな損失を被ったり、経営悪化によって赤字を抱えたりしても支払いが可能であるうちは潰れることがありません。
支払いができなくなったとき、経営が破綻するのです。
たとえ黒字の会社でも、支払いができなければ黒字倒産に至ります。
手元資金を厚くしておけば、倒産する危険性が低くなります。
【コラム】いざという時の資金調達に備えてGMOあおぞらネット銀行の「あんしんワイド」に申込んでおこう!

GMOあおぞらネット銀行では、事業資金、運転資金、つなぎ資金などに利用できるビジネスローン(=あんしんワイド)が用意されています。
あんしんワイドは一般的なビジネスローンとは異なり、「融資枠型ローン」という仕組みで契約します。
融資枠内の利用であれば、契約者はいつでも借入・返済ができる非常に便利なローン商品です。
融資枠の新規設定時に審査を行うため、借入時の審査はありません。
融資枠(借入限度額)は最大1,000万円、年利は0.9%~と幅広い用途で利用しやすい商品内容です。
毎月の返済以外にも、好きなタイミングで自由に返済できるため、早めに返済できれば実際にかかる利息は少額で済みます。
まとめ:手元資金は厚い方が安心
「たくさん借りすぎるると支払う金利が多くなる」と借入に抵抗を感じている人は多いと思います。
しかし、手元資金は経営のために非常に重要な資源であり、経営の安全性を高めるために不可欠なものです。
手元資金が厚ければ、不測の事態に余裕を持って対処することができ、銀行や取引先からの信頼も得られやすいです。
手元資金を厚くすることで増えた金利も、それほど問題にはなりません。
金利に過敏にならず、手元資金を厚くすることを意識すれば銀行を活用しやすくなると思います。

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