好調な会社ほど危ない?増収に隠れた倒産のリスクを知る

会社を経営する大きな理由の一つは、利益を得ることにあります。

売上を伸ばしていくことは、どの会社でも目指していることと思います。

しかし、売上を伸ばせば経営がうまくいくということではなく、倒産した会社の業績を見てみても、増収にもかかわらず倒産しているケースが非常に多くみられます

この理由をよく知るためには、資金繰りを正しく理解する必要があります。

本稿で、増収に隠された倒産リスクからを学び、資金繰りへの理解を深めていきましょう

経営の原点は資金繰りにある

当サイトでは、最近、銀行交渉についての記事を書くことが多かったのですが、なぜ銀行交渉が重要なのかという原点に返って考えてみると、それは言うまでもなく、

銀行から融資を受けることで資金繰りが安定する(銀行から融資を受けられなければ、資金繰りは非常に厳しくなる)」からです。

融資交渉について色々と書いてきたのも、全ては資金繰りを安定させるためです。

しかし、いくら銀行から融資を引き出すことができても、資金繰りがよくわかっていなければ、それほど資金繰りに役立てられないことも多いものです。

だからこそ、当サイトの情報から融資交渉も深く学んでほしいと考えると同時に、その根底にある資金繰りについても、しっかりと理解してほしいと考えています。

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中小企業の倒産する確率

なぜ、それほどまでに資金繰りが重要なのでしょうか。

それは、資金繰りを誤った会社の末路を見れば、よくわかると思います。

創業・起業された会社が5年以内に倒産する可能性は約80%と言われており、その狭き門を潜り抜けて生き残った20%でさえ、そこからさらに5年以内に約半数が倒産します。

会社を立ち上げる時、創業者は自分なりに勝算があるからこそ企業しているものです。

また、創業資金を融資などによって賄うことがほとんどですが、そこでは創業計画も審査の対象となっており、計画に実現性が認められなければ融資は受けられず、創業することは困難となります。

つまり、経営者が「これならいける」と考えて起業を志し、金融機関からも創業計画の実現性があると認められているにもかかわらず、10年以内に90%が倒産してしまうということです。

高確率で倒産する理由

なぜ、このような高確率で倒産してしまうのだろうか。

倒産したとはいえ、この90%の会社の経営者自身も、融資のプロも実現性を見込んでいたわけですから、順調に経営していけるならば、当初抱いていたビジョンを実現できた可能性は充分にあったはずです。

もちろん、創業融資も受けて起業したものの、当初から上手くいかずに倒産していく会社もたくさんありますが、生き残っていく可能性が十分にあった会社が、資金繰りの破綻によって倒産してしまうことが非常に多いのです。

なぜ、事業の実現性が高いと目されていた会社が、順調に経営していけなくなったのかと言えば、それは資金繰りが順調にいかなかったからです。

 

少なくとも、10年後に生き残っている10%の会社は、ほぼ例外なく資金繰りをしっかりコントロールしてきた会社であることだけは、間違いありません。

経営者の思惑通り、商品やサービスがしっかりと売れていくならば、事業は成り立って行くように見えますが、実際の経営はそれほど単純なものではありません。

商品やサービスの売上を運転資金にしようと思っていたところ、代金を予定通りに回収することができず、運転資金が不足し、銀行への返済や仕入れ先への支払いができなくなり、黒字倒産するケースも非常に多いのです。

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増収増益の会社が黒字倒産しているデータ

資金繰りの仕組みを知らない人にとっては、黒字の会社が倒産する理由がよく理解できないことも多く、嘘みたいな話に感じるかもしれません。

しかし、資金繰りの仕組みから考えると、黒字の会社で資金繰りが回らなくなることは十分に考えられることです。

これは、単に理論的な意味で倒産しやすいということではなく、実際のデータからも明らかよ。

信用調査会社の大手である東京商工リサーチの報告によると、2015年に倒産した会社は計565社であり、そのうち43.4%が増収でありながら倒産しています。

2016年のデータを見ても、この年に倒産した544社のうち37.9%が増収であったことが分かっています。

もちろん、過半数は業績が振るわない状態で倒産に至っているわけですが、このパターンについては難なく理解できると思います。

売上が落ちて赤字になれば、赤字を補填するために手元資金を使ったり、不利な条件で資金を調達して資金繰りがさらに厳しくなったりするため、「業績が悪かったから倒産した」というならば、非常に分かりやすい話です。

しかし実際には、業績が好調でありながら倒産してしまう会社が全体の4割程度を占めており、経営が一筋縄ではいかない事実を証明しています

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なぜ資金繰りが回らなくなるのか?

上記でも少し触れたことですが、売上が出ているのに資金繰りが回らなくなる理由を具体的に説明していきましょう。

黒字である、つまり損益計算書ではきちんと利益が出ているのに、支払いや返済ができなくなって黒字倒産してしまうのは、損益計算書の内容とお金の実際の動きが異なるためです。

取引によって発生した売上は、発生した時点で損益計算書に計上されます。

しかし、いくら損益計算書に売上代金が計上されたからといって、会社の金庫にその代金が入ってくるわけではなく、入金のためにはいくらか時間がかかります(現金商売を除く)。

売上が計上されたかどうかによって会社の資金状況をイメージしていると、イメージの中の資金状況と、実際の現金である手元資金という意味での資金状況が乖離してしまうこととなります。

このため、「売上は順調で金はたっぷりある」と思っていたところ、支払い時期になってその売上がまだ回収されていないならば、「売上は順調なのに、手元には金がない!」ということになり、資金繰りが破綻してしまうわけです。

これが資金繰りの本質であり、「資金繰りが回っていくかどうか」ということは、「資金繰りを回していくだけの現金が手元にどれだけあるか」にかかっているともいえます。

資金繰りは急激に悪化することも多い

信用調査会社の大手である東京商工リサーチの報告によると、2015年に倒産した会社は計565社であり、そのうち43.4%が増収でありながら倒産しています。

2016年のデータを見ても、この年に倒産した544社のうち37.9%が増収であったことが分かっています。

じわじわと資金不足になっていくパターンについては、何となくイメージしやすいと思います。

単純に、資金繰りをよくわかっていない経営者が資金繰りっぽいことをやってみても、結局は「お金の使い方・コントロールが下手」という状態になりなすから、じわじわと資金不足になっていきます。

また、経営が上手くいかずに赤字になれば、収入より支出の方が上回ってしまいますから、赤字の分だけ資金繰りが悪化していくことは目に見えています。

しかし、一気に資金繰りがショートするパターンについては、イメージしにくい人も多いと思います。

 

では、急激に資金繰りが悪化するのはどのような場合でしょうか。

これは、入ってくるはずのお金が入ってこなくなった、つまり売掛金の貸し倒れなどによって起こることが多く、特に貸し倒れの金額が自社にとって大きい場合には、資金繰りが急激に悪化することとなります。

具体的な例で説明してみよう。

A社では、会社を立ち上げて間もなくの頃、1000万円の売上を確保しており、このとき900万円の費用が掛かっていました(経費率80%)。

起業して間もなくですから、徐々に業績を伸ばしていくのが普通ですが、A社の技術力に着目したB社が1000万円の取引を持ち掛けてきました。

これを受注することで、A社の売上は2000万円に増やすことに成功し、社長は大きな取引をしてくれる顧客ができたことを非常にうれしく思っていました。

しかし、2000万円の売上を得るためには、経費率80%では1800万円の費用が掛かり、従来の経費の2倍かかっていることがわかります

しかも、この売上はまず仕入れ、次に販売、その後に回収という流れで代金を回収するものであり、まだ回収していない段階で様々な費用を負担する必要があります。

1000万円の売上のために900万円の経費を負担していた頃は、資金繰りに大した問題がなかったとしても、売上増加に伴って経費も増加したことで、資金繰りはかなり厳しくなることでしょう。

資金繰りに余裕がなくなってからも、売上さえ回収すれば経営は回っていくと信じて経営を続けていたところ、取引したB社の資金繰りが回らなくなり、支払い期日通りに回収できなくなってしまいました。

 

すでに非常に厳しい資金繰りを強いられており、さらに非常に大きい売掛金の回収が遅れたのですから、資金繰りは急激に悪化してしまいます。

このような場合、遅れても回収すれば何とか資金繰りが回っていくことも多いですが、結局貸し倒れになってしまうこともよくあります。

B社に対する1000万円の売掛金が貸し倒れになれば、1000万円の売上のためにかかった経費900万円が丸ごと赤字になってしまうわけですから、本来1000万円の売上から+200万円の黒字を見込んでいたものが、一転して-900万円の赤字になってしまいます

しっかり売上があったにもかかわらず、代金の回収遅れや貸し倒れによって資金繰りが破綻する「黒字倒産」は、このように起こるのです。

売上好調な会社ほど危ない?

これが分かれば、黒字倒産の会社が多い理由もわかるだろう!

このような流れで資金繰りが急激に悪化し、黒字倒産に至るケースは意外なほど多いのです。

特に危険なのは、上記のA社のように起業後に思いのほかうまくいって、業績が急激に伸びている会社です。

売上が好調であれば、損益計算書にはたくさんの売上代金が計上され、上出来だと感じる経営者も多いと思いますが、実際には資金繰りが厳しくなります。

例からもわかる通り、売上が伸びるということはたくさん販売しているということであり、販売する商品の仕入れやその他の費用も多く必要となり、運転資金は増加していくからです。

資金繰りを理解していないと、この増加分を考慮せずに資金を回していくこととなり、「業績はいいのに資金繰りがなぜか苦しい」と悩むことになります。

 

業歴が浅く、金融機関との付き合いも少なく、資産も乏しく、資金調達余力はそれほど高くない状況でありながら、業績が右肩上がりに伸びるにしたがって、必要となる運転資金の額は大きくなり、売掛金の額も大きくなり、資金繰りはどんどん厳しくなっていきます。

このような理由により、外から見れば非常に好調な会社でも、中身を見てみれば資金繰りは非常に苦しい状況であり、いつ資金繰りが破綻してもおかしくないような会社は非常に多いものです。

そのような会社は、売掛金の回収が少し狂っただけで、資金繰りショートの危機に見舞われることになります。

その段階になって銀行に駆けこんでも、すでに手遅れの可能性も高いです。

 

業歴も浅く業容も小さく、さらに資金繰りショート寸前の会社への融資は、メリットよりもリスクの方がはるかに大きいため、融資してくれる銀行など見つからないのが普通です。

この会社も、経営者が資金繰りをよく理解していれば、10年後に生き残る10%の会社になれたかもしれません。

売上増加に伴う費用の増加分をしっかり調達して資金繰りを安定させる、あるいは自社の業容に見合った取引をしながら徐々に業績を伸ばしていくなどの計画性があれば、黒字倒産に至る危険性は大きく引き下げることができます。

逆に、それができない会社が急速に売上を拡大すれば、倒産リスクも急速に高まることとなるのだ!

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まとめ

本稿の内容から、なぜ倒産する会社が多いのか、そしてなぜ資金繰りが重要なのかが理解できたと思います。

つまるところ、会社が倒産する理由は、計画的な経営ができず、キャッシュが足りなくなり、資金繰りが回らなくなってしまうからです。

逆に考えると、倒産を避ける方法もわかります。

倒産を避けるためには資金繰りをしっかりと回していく必要があり、そのためにはキャッシュ不足を未然に防ぐ必要があり、そのためには計画的な経営が必要だということです。

それさえできていれば、たとえ赤字に陥ったとしても、資金繰りが回っていく限り倒産することはありません。

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