銀行員は、経営者の金銭感覚を注意深く見ています。
計画性のない、どんぶり勘定な資金繰りを危険視するのはもちろんのこと、事業とは直接関係がなさそうな部分での金銭感覚も、時に疑いを持たれることがあります。
本稿では、元銀行員へのインタビューから、社長のどのような部分に注目して金銭感覚を量るのかを聞いていきます。
高級品を身に着ける社長は嫌われる?
まず、資金繰りの計画性でしょう。
融資面談のときには社長から資金繰り的なことも聞く必要があります。
そのとき、会社の財務について理解していない、資金繰りに計画性がない社長は、少し話しただけでわかります。
そんなどんぶり勘定の社長は、いずれ資金繰りに行き詰る可能性も高いですから、どうしても融資が難しくなりますね。
あります。例えば、分不相応なブランド品のスーツや腕時計、カバンなどを身に着けているとか、分不相応な高級車に乗っているとか、そういう社長だと「ん?」と思いますね。
社長が個人的に身に着けているものですから、趣味もあるでしょうし、贅沢だから融資しないといった極端なことではありません。
ベンツに乗っていても、ロレックスの腕時計をつけていても、返済力がある会社には貸しますし、なければ貸さないというのが基本的なスタンスです。
しかし、社長個人が贅沢できるほど、会社がしっかりと稼いでいるケースはそれほど多くありません。多少無理している、一時的な豊かさにぼけていると感じることがほとんどです。
そのように高級品で身を飾る社長ほど、会社の業績が次第に悪化していくという傾向は確かにあるように思います。
そう考えている銀行員は、案外多いのではないでしょうか。

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まず、会社の業績がいい時に、節税といって役員報酬を多くすることがありますね。
それで高級品などを買うわけですが、見方によっては会社に留保されても良かった利益が、社長の趣味にすり替わっているとも言えますよね。
その意味において、経営にはマイナスにこそなれプラスにはなっていないのですから、良い評価はしにくくなります。
それに、会社の業績がいい時に社長個人が贅沢をすることから、社長個人のあまりよくない金銭感覚も見えてきますね。
「会社の業績が良くて、社長個人も潤ったから贅沢をする」わけでしょう。
これは案外、「会社の業績が良くて、会社の財政が潤ったから贅沢をする」ことにもつながりやすいです。
業績がよくなって資金に余裕が出たばっかりに、コスト削減への意識がゆるんだり、与信管理が甘くなったり、無駄な節税による資金の流出が増えたり、計画性のない投資や新規事業に手を出したり・・・。色々な弊害が出てくることがあります。
ご存知の通り、会社の業績はずっと右肩上がりというわけにはいきません。
一時的に良いだけということも多いです。そのタイミングで引き締めれば、しっかり手元資金を積んでいくことができますし、いずれ業績が悪化したときにも打つ手がたくさんと思います。
しかし、それをせずに贅沢や無駄遣いをする。いずれ業績が悪化したときに苦労して、だめになっていくんですね。
社長の身に着けるものや乗用車は、事業には何の関係もないように見えるんですけど、意外と関係があるんです。
問題ないといえば語弊がありますね。やはり、贅沢している社長に対して、周りの目がありますから。
もちろん、それもあります。
社長が個人と事業をしっかり分けていれば、銀行員は一安心しますけれども、それはプラスマイナスゼロにすぎません。
マイナスに捉える銀行員もいますし、プラスには捉えられにくいですから、交渉にマイナスになることも多いです。
しかし、それだけではありませんよ。取引先をはじめ、事業で関係する色々な人の目もありますから、そこでも悪影響が出てきます。

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例えば、社長が高級品を身に着けて、高級車を乗り回していれば、それをみた取引関係者はどう思うでしょうか。
「見栄っ張りな人だな」と思う人もいるでしょうし、嫉妬する人もいるでしょう。
それだけでも好ましくないのに、お金に余裕がありそうだからと、条件の悪い取引を持ち掛けてくる人もいると思います。
契約にあたっての交渉でも、自社に有利な条件を引き出すのは難しくなるでしょう。
「おたくは儲かっているんだから、ちょっとくらい大目に見てよ」と、相手側に好ましい条件でなければ、契約が成立しにくくなることもあります。
そんな関係で、自社に有利な条件を強く引き出そうとすれば、取引先に逆恨みされる可能性も高まります。
色々な取引先とこのような交渉を受けていれば、社長がどれだけ個人と事業を区別したところで、よくても現状維持くらいのもので、取引条件は徐々に悪化していく可能性が高いでしょう。
もちろん、業績にも悪影響がありますね。
社長の贅沢が、周りの人の心理に微妙な影響を与えたことで、それが積もり積もって業績に響く。これが実際にあるんです。
考えていれば、多少贅沢するにしても分相応を意識すると思います。
無駄に贅沢をして、その実情はあまり余裕がなくて、けれども深く考えずに得意満面で・・・という社長は多いですよ。
そうですねぇ・・・。プラスはあまりないような気がします。マイナスのほうがずっと大きいでしょうね。
あえて言えば、その高級品に資産価値がある、信用を与えることもある、人脈につながることがある、といった感じでしょうか。

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メリットといっても、大したことはないですよ。
まず、高級腕時計や高級車には資産価値がありますから、いざという時に換金することで資金調達に役立つという考え方があります。しかし、これは詭弁ですよね。
いざという時に換金するために高級品を買うより、いざという時にすぐ使えるように現金として持っておくほうが、どう考えてもいいでしょう。換金の際に値下がりすることも多いわけですから。
次に、信用につながることがある点ですが、確かに接待で使う社用車が高級車であったり、接待に使うお店が高級店であったりすれば、お金に余裕がある会社とみなされ、心理的な信用につながることもあるでしょう。
しかし、実態を伴わない信用では何の意味もありませんから、分不相応な贅沢で得た信頼はもろいものです。
分相応で、そこそこのクオリティならば、相手に不信感を与えることはありません。それでいいのではないでしょうか。
最後に、人脈につながることですが、これは富裕層では特に当てはまるでしょう。
富裕層のコミュニティでは、ある程度身の回りのものにお金をかけなければ、見くびられてしまいます。
そこでしっかりお金を使っておくと、それが信用を生んだり、話題につながって人脈が生まれたりすることもあります。
しかし、中小企業の社長にとっては、あまり縁のない世界です。
贅沢をして見栄を張る社長は、そのような世界にあこがれて贅沢する人も多いですが、いくら背伸びしたところで、たいしてプラスにはなっていないのです。
そうです。贅沢に足を引っ張られるような社長は、経営全般でも銀行交渉でもあまりいいことはありませんよ。

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まとめ
本稿では、中小企業の社長が贅沢をすることについて、銀行員がどのように見ているのかを聞いていきました。
社長にとっては、あくまでも個人的な趣味でちょっとした贅沢をしているだけのつもりでも、銀行員や取引先はそう捉えず、思わぬマイナスをもたらすことがあるのです。
個人的な欲求によって、経営にマイナスをもたらさないよう気を付けておきましょう。
※このほかにも、社長の贅沢がマイナスになることがあります。
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