2回目以降の障害者雇用では障害者トライアル雇用助成金を使おう!普通のトライアル雇用助成金との違いは?

障害者を初めて雇用するとき、特定求職者雇用開発助成金の障害者初回雇用コースを利用するのがおすすめです。

障害者初回雇用コースは初回限定のものであり、2回目以降は利用できません。

2回目以降の利用では、障害者トライアル雇用助成金を利用することになります。

最近では、障害者トライアル雇用助成金に拡充措置が取られており、助成金を多めに受給できる可能性もあります。

障害者雇用の際にメリットが大きい助成金ですから、本稿で詳しく見ていきましょう。

障害者雇用と助成金

日本の抱える様々な問題に対処すべく、政府は働き方改革に力を入れています。

これにより、特に雇用に関する法律の改正が相次ぎ、企業を取り巻く環境は色々に変化しています。

法改正によって、最近大きく変わったことをざっと挙げてみても、

  • 有給休暇の付与が義務化された
  • 時間外労働時間に上限規制が設けられた
  • 外国人労働者の在留資格に「特定技能」が新設された
  • 最低賃金の引き上げが加速している

といった変化が起きています。

今後、数年以内にさらなる変化が起きる可能性は高く、高年齢者を70歳まで継続雇用することが義務付けられたり、障害者の雇用義務が拡大したり、様々な改正が予定されています。

障害者の雇用義務拡大は、2021年に予定されています。

これまでも、障害者雇用促進法の雇用義務制度により、民間企業には常用従業員に対して法定雇用率2.2%で雇用する義務が課せられていました。

改正後は、法定雇用率が2.3%に引き上げられるようです。

障害者雇用率は、これまでも引き上げられてきました。

2018年3月までは2.0%であったものが、2018年4月以降は2.2%へ引き上げとなり、さらに2021年には2.3%への引き上げです。

障害者の数は増加を続けており、2000年から2018年の間だけでも約2倍に増えています。

企業に対する雇用義務を拡大しなければ、このような状況に対応することはできません。

今後も、障害者の数が大幅に減少するとは考えられず、むしろ増加を続けると考えられます。

法定雇用率の引き上げにうまく対応できるよう、早いうちから取り組むべきです。

使える助成金は色々

障害者を雇用するとき、利用できる助成金には色々なものがあります。

法定雇用率の引き上げによって、これまで障害者を雇用する義務がなかった会社でも、雇用義務が生じる可能性があります。

したがって、初めて雇用する際に利用すべき助成金として、

  • 特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)
  • 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

の二つはぜひ押さえておくべきでしょう。

また、障害者を雇用するのが初めてではない企業でも、助成金を受給することができます。

雇用経験に関わらず、障害者雇用では、

  • 障害者トライアル雇用助成金

を使うのがおすすめです。

なお、障害者トライアル雇用助成金は特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コースと併給が可能となっています。

2人目以降の雇い入れでも使える障害者トライアル雇用助成金について、以下で詳しく見ていきましょう。

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普通のトライアル雇用助成金と障害者トライアル雇用助成金の違いをしっかり理解しておこう!

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返す必要のない、助成金で資金調達する方法もあります。

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障害者トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金について、すでに知っている人は多いと思います。

就労経験に乏しい人材を試験的に雇用する際に利用できる助成金であり、3ヶ月のトライアル期間を経て常用雇用に切り替えたとき、1ヶ月あたり4万円、最大12万円を受給できる助成金です。

一方、障害者トライアル雇用助成金は、対象労働者を障害者に限定したトライアル雇用を実施するものです。

障害者トライアル雇用助成金の意義

障害者トライアル雇用では、トライアル期間を設けて障害者を雇い入れ、実務を通して適性を見たうえで判断することができます。

障害者を雇用するならば、障害者トライアル雇用助成金の活用は必須でしょう。

障害者は能力的にばらつきがあることが多く、

できる作業・できない作業

あるいは

会社でサポートできること・できないこと

などを判断するのが難しいです。

障害者を雇用することは、社会的に意義があることです。

また、雇用義務制度に対応するためにも必要です。

しかし、その結果として自社の負担が大きくなることは避けるべきです。

負担が大きくなれば、「障害者の雇い入れは厳しい」と感じ、積極的に障害者を雇い入れていこうとは思えないはずです。

そのような会社が増えていけば、障害者と健常者の共存共栄は難しくなり、障害者の促進は進まず、政府は仕方なく法改正によって対処することとなり、企業の負担はますます大きくなり・・・という悪循環に陥ります。

そうならないためには、トライアル雇用期間を設けて雇い、自社の業務内容や職場の雰囲気にマッチする障害者を雇い、また助成金を受給して負担軽減を図ることが重要です。

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障害者に対するトライアル雇用は、健常者に対するトライアル雇用以上に重要だ。

使いやすくなった障害者トライアル雇用助成金

以前、この助成金制度は「障害者トライアル雇用奨励金」という名称で実施されていました。

障害者トライアル雇用助成金に比べて、受給要件が厳しく設定されていました。

障害者トライアル雇用奨励金では、受給できる会社について、

“現在障害者を雇用しておらず、障害者雇用に関するノウハウが乏しい事業所の事業主であって、就職が困難な障害者を受け入れることについての不安感等を除去し、以後の雇用に取り組むきっかけ作りを進めるためにトライアル雇用を行うことが効果的であると認められる事業主であること”

となっていました。

特定求職者雇用開発助成金の障害者初回雇用コースのように、

これまで障害者雇用の経験がない

という条件ではないものの、

現在障害者を雇用していない

ということが条件となっていたのです。

このため、すでに1人以上の障害者を雇用している会社では利用できず、障害者をトライアル雇用するならば、一般のトライアル雇用助成金を利用せざるを得ませんでした。

しかし、現在の障害者トライアル雇用助成金は、対象となる会社の条件を大幅に改善しています。

以前のように、「現在障害者を雇用していない」という条件はなくなり、既に障害者を雇用している会社で、さらに雇用する時に使える設計となりました

障害者トライアル雇用奨励金の条件しか知らなければ、障害者トライアル雇用助成金を使うという発想にはなりにくいでしょう。

両者の違いを知り、しっかり活用していきましょう。

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対象となる事業主や労働者の変更によって、受給しやすくなることがある。障害者雇用も同様だ。

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通常のトライアル雇用と障害者トライアル雇用の違い

次に、通常のトライアル雇用助成金と、障害者トライアル雇用助成金の違いを見ていきましょう。

トライアル雇用期間の違い

まず、トライアル雇用期間が違います。

通常のトライアル雇用助成金では、トライアル雇用期間を3ヶ月間としています。

この期間は有期契約として雇います。

障害者トライアル雇用助成金でも、トライアル雇用期間は原則3ヶ月となっています。

しかし、精神障害者を初めて雇用する会社では、トライアル雇用期間を最大12ヶ月まで設定することができます。

このほか、トライアル雇用助成金と障害者トライアル雇用助成金のどちらも、トライアル雇用期間の週所定労働時間は20時間以上であることが要件となりますが、それが難しい精神障害者や発達障害者を雇用する場合には、週10~20時間で雇うことができます。

この場合にも、トライアル雇用期間は最大12ヶ月間に設定することができます。

トライアル後の扱いの違い

次に、トライアル雇用期間が終了した後の扱いの違いを見てみましょう。

通常のトライアル雇用助成金では、トライアル後に常用雇用(期間の定めのない雇用。無期雇用や正規雇用)に切り替えなければ受給することはできません。

しかし障害者トライアル雇用助成金では、トライアル後に継続雇用(雇用保険の被保険者であれば、有期契約でもよい)することで、助成金を受給することができます。

有期契約として継続雇用する場合、継続して雇用する期間は1年以上となっています。

もちろん、トライアル後に常用雇用に切り替えても受給には問題ありません。

しかし。トライアル期間中には分からなかった問題が出てくることも考えられるため、とりあえず継続雇用として考えておくのが無難でしょう。

支給額の違い

最後に、助成金の支給額が違います。

通常のトライアル雇用助成金では、3ヶ月で最大12万円の助成となっています。

障害者トライアル雇用助成金でも、普通は最長3ヶ月のトライアル雇用となっており、助成金額も最大12万円です。

しかし、精神障害者を初めて雇用する場合には、最大6ヶ月36万円の助成金を受給できます。

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このような違いを理解することが、正しい活用につながるのね。

精神障害者の初回雇用に役立てよう

通常のトライアル雇用助成金と、障害者トライアル雇用助成金の違いを見てみると、精神障害者の初回雇用が優遇されていることが分かると思います。

近年、精神障害者の数が急速に増加しています。

これは、精神疾患者の数が増え続けていることや、発達障害が認知されてきたことが原因と考えられます。

精神障害は精神性の障害であるのに対し、発達障害は脳の機能性の障害です。

現時点では、先天的に脳の機能が健常者と大きく異なり、社会生活に支障をきたすこともあるとされています。

このため、発達障害は精神障害とは異なり、かといって知的障害とも区別すべき微妙なものです。

しかし、健常者から見た場合、発達障害の特性には精神障害と類似するものもあり、また発達障害を原因とする二次障害によって精神障害を抱える人もいます。

研究が進むにつれて、発達障害の認知は広がり、発達障害者として診断を受ける人が急速に増加しています。

これを受けて、政府は2018年4月に障害者トライアル雇用助成金が拡充し、

  • 精神障害者の初回雇用では、トライアル雇用期間を最大12ヶ月とすること
  • 精神障害者の初回雇用に対する助成金は、3ヶ月のトライアル雇用に対して月額8万円・最大24万円、それ以上のトライアル期間であれば、そのうちの3ヶ月に対して月額4万円・最大12万円を支給すること(最大36万円を支給すること)
  • 精神障害者のトライアル雇用では、週所定労働時間を10~20時間としてもよいこと(この場合の助成金は月額4万円・最長12ヶ月・最大48万円)

などの優遇がされているのです。

対象となる障害者を雇い入れる会社は、積極的に活用を検討しましょう。

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政府は力を入れたい取り組みについては、助成内容を拡充することがある。
時期を見て従来の仕組みに戻されることも多いから、拡充されているタイミングで活用していこう!

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障害者トライアル雇用助成金のコース

障害者トライアル雇用助成金は、

  • 障害者トライアルコース
  • 障害者短時間トライアルコース

の二つのコースに分けられています。

上記の内容を整理するためにも、ここでまとめておきます。

障害者トライアルコース

障害者トライアルコースは、障害者トライアル雇用助成金のスタンダードなコースです。

対象労働者

会社側と障害者側が、双方ともに障害者トライアル雇用制度を希望している場合に利用することができます。

対象となる障害者は、障害者雇用促進法の規定により、

    1. 身体障害者を持つ身体障害者
    2. 身体障害者手帳の1・2級を持つ重度身体障害者
    3. 療育手帳を持つ知的障害者、または知的障害者判定機関の判定書を持つ知的障害者
    4. 療育手帳を持つ重度知的障害者、または知的障害者判定機関の判定書を持つ重度知的障害者
    5. 精神障害者保健福祉手帳を持っており、症状が安定し、就労が可能な状態にある精神障害者(発達障害者を含む)

該当しなければならない。

該当しない障害者は対象外となります。(発達障害の診断を受けているものの、手帳の発行を受けていないなど)

さらに、該当する障害者が全て利用できるわけでもなく、ハローワークなどから紹介を受けた日を基準として、

  • 紹介日時点で、パートやアルバイトを除き、就労の経験がない
  • 紹介日から過去2年以内に、離職または転職が2回以上ある
  • 紹介日時点で、離職している期間が6ヶ月以上である
  • 重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者のいずれかである

のいずれかに該当している障害者を対象とします。

トライアル期間と支給額

障害者トライアルコースでは、トライアル期間を原則3ヶ月としています。

この場合、支給額は月額4万円、最大12万円です。

ただし、精神障害者を初めて雇用する場合には、最大12ヶ月間のトライアル期間を設けることができます。

この場合、最初の3ヶ月間は月額8万円・最大24万円の支給となり、それ以降の延長期間でも月額4万円・最大12万円(支給対象期間は最長3ヶ月間)を受給できます。

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対象労働者に該当するかどうか、よく確認しておく必要があるわね。

障害者短時間トライアルコース

障害者短時間トライアルコースは、短時間に限定して雇い入れる場合に利用できるコースです。

対象労働者

障害者短時間トライアルコースの対象となる労働者は、精神障害者または発達障害者でなければならず、重度身体障害者や重度知的障害者は対象となりません。

一般的に、短時間労働者といえば週所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者を指します。

ですが、障害者短時間トライアルコースでは短時間労働者を指しているのではなく、週所定労働時間を10時間以上20時間未満として雇い入れるものを対象としています。

トライアル期間と支給額

障害者短時間トライアルコースでは、最大12ヶ月間のトライアル期間を設けることができます。

助成金の支給期間も最長12ヶ月となっており、月額4万円、最大48万円の受給が可能です。

障害者短時間トライアルコースのほうが良い?

障害者短時間トライアルコースは、障害者トライアルコースよりも支給額が大きく、週所定労働時間も短いため、小さな負担で多くの助成金を受給できるように見えます。

しかし、障害者短時間トライアルコースを受給するためには、最大12ヶ月のトライアル期間中に、週所定労働時間が20時間以上になっていることが条件です。

対象労働者は、もともと何らかの理由によって、週20時間以上の労働が難しいのですから、週20時間以上働けるようになるためには、何らかの支援が必要となります。

単にトライアル雇用を実施するだけではなく、職場環境の改善に取り組んだり、適応訓練を実施したりする必要があるため、想像以上に負担が大きくなることも考えられます。

もちろん、無理矢理に出勤させ、週20時間以上を達成することはできません。

本人の適応状況や体調などを十分に考慮しながら取り組むことも、受給要件に含まれているためです。

経験や知識がない会社では苦労する可能性も高いため、受給額だけで選ぶのは考えものです。

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短時間であること、受給額が多いことだけで、簡単に選ばないようにしよう。

併給について

障害者トライアル雇用助成金は、特定求職者雇用開発助成金の障害者初回雇用コースや特定就職困難者コースと併給することが可能です。

条件を満たしている会社は、併給によって受給額の最大化を目指すのが良いでしょう。

ただし、併給できるのは障害者トライアルコースだけで、障害者短時間トライアルコースでは併給できません。

これは、特定求職者雇用開発助成金を受給するためには、週所定労働時間が最低でも20時間以上でなければならないからです。

障害者短時間トライアルコースでは、障害者を10時間以上20時間未満として雇い入れるため、特定求職者雇用開発助成金の受給要件から外れます。

この意味でも、障害者短時間トライアルコースの利用は慎重に検討すべきです。

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併給の可能性があれば、積極的に検討していこう!

※障害者トライアル雇用助成金と特定求職者雇用開発助成金の併給について、詳しくはこちら

→障害者雇用の助成金は最大356万円?併給で最大化する方法

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まとめ

一般的な労働者を雇用するときと同じように、障害者を雇用するときにもトライアル雇用が可能です。

現在では拡充措置も実施されており、雇用する障害者が各銃措置の対象となる場合には、より多くの助成金を受給することができます。

また、助成金額が増えるだけではなく、トライアル雇用期間を長く設定できるのもポイントです。

じっくりと適性の見極めていくためにも、トライアル雇用期間を長くとるのがおすすめです。

このほか、短時間の雇用から始めることもでき、障害者トライアル雇用助成金は、まさに「障害者のためのトライアル雇用制度」と言えます。

障害者雇用の際には、ぜひ活用していきましょう。