手形の扱いを銀行はどう見ている?手形割引を正しく活かすための知識

手形取引は減少傾向にあり、それほど取り扱う機会がない会社も多いと思います。

しかし、業種によってはまだまだ手形取引が盛んに行われていることもありますから、手形を正しく取り扱う知識は大切です。

手形を活用するためには、手形割引などを柔軟に使っていくべきでしょう。

しかし、手形割引に誤った認識を抱く経営者も多く、また手形割引後の管理がずさんなことも多いです。

資金繰りや銀行交渉を含めて考えると、手形を正しく取り扱うことは重要なことです。

本稿で、手形の基礎知識と正しい取り扱い方、正しい捉え方などを学んでいきましょう。

昨今の手形事情

自社の商品やサービスなどを販売するとき、会社対会社の取引では現金で回収することが少なく、数か月後の支払いを約して売上債権が発生します。

売上債権には、売掛金と受取手形の二種類があるよ。

手形取引は、日本では明治時代から続いてきた決済手段であり、今でも根強く残っています。

もっとも、手形取引は90年代を境に急激に減少しており、現在ではピーク時の1割程度に減少しています。

なぜ手形取引が減少しているのかと言えば、手形取引には印紙税がかかるほか、手形を管理するための人件費も必要となり、コストがかかってしまうからです。

これよりも、手形を振り出すことなく売掛金としてやり取りし、金銭の授受は現金で行うことでコスト削減したほうが良いと考えられ、手形取引が減少しているのです。

しかし、現在でも手形取引は残っており、業界によっては手形取引の割合が高いこともあります。

受取手形とは

取引の際に現金を即時に受け取ることなく、販売先から売上債権として手形が振り出されたとき、この手形を特に「受取手形」と言います。

自社が債権者である場合には、後日代金を受け取ることから「受取手形」と言い、逆に自社が債務者である場合には、後日代金を支払うことから「支払手形」と言います。

このように、貸借対照表の流動資産に計上される受取手形は、売上を現金で受け取ったわけではなく、手形で受け取ったものを指しています。

大まかに分けると、貸借対照表では、

  • 手形という形で売上を受け取るならば受取手形
  • 手形ではなく後日現金で受け取るならば売掛金

として計上されます。

このため、売上を手形で回収した場合には、売掛金勘定から受取手形勘定に移して計上する必要があります。

受け取った手形は銀行に取立に出し、期日に現金が振り込まれるまでは受取勘定手形に計上されることになります。

多少説明がくどいようですが、混乱しやすいところなのでしっかり理解しておきましょう。

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手形割引とは

手形で受け取った売上は、支払期日まで待たずとも、銀行や手形割引専門業者に依頼して、早期に代金を受け取る方法もあります。

これを「手形割引」と言います。

手形を割り引くと、手形を現金化できるような感覚に陥る経営者も多いのですが、手形割引はあくまでも融資の一形態です。

これは、手形割引を「手形貸付」と呼ぶことからもわかります。

金利(割引料)を支払う必要がある

手形割引では、手形の受取人から銀行に対して、手形の額面に応じた金額の融資を依頼し、銀行は手形を担保にすることで貸し倒れリスクを抑えて融資を実行します。

あくまでも融資ですから、利息も発生します。

利息の計算方法は、

手形の金額×金利×決済までの日数÷365

です。

例えば、支払いまでまだ2か月(60日)残っている額面100万円の手形を割り引く場合、金利を2%に設定するならば、

100万円×2%×60日÷365日≒3288円

の利息が発生します。

この利息は融資実行の際に差し引かれる「利息前取」だ。

手形割引に伴って発生する費用を「割引料」と呼ぶこともありますが、手形割引はあくまでも融資であることを認識するためにも、「割引料」ではなく「貸付利息」であると考えるべきでしょう。

割引を依頼する銀行によって、金利条件は異なります。

一般的に、規模の大きい銀行ほど金利は低く、規模の小さい銀行ほど金利は高くなるのと同じように、手形割引に伴う金利も銀行の規模に影響されます。

とはいえ、銀行が設定する金利ですから、それほど大きな料金にはなりません。

規模が大きい都市銀行ならば1.5~3.0%程度、規模が小さい信用金庫ならば2.5~4.5%程度です。

これに対し、手形割引を専門とする業者に割引を依頼した場合、高ければ20%程度の割引料が取られることもあります。

スピーディに割り引いてもらえるメリットがあるものの、できるだけ銀行に割り引いてもらったほうが良いでしょう。

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不渡りの際には買い戻す必要がある

手形割引の便利なところは、融資の一形態ではあるものの、特に返済の必要がないことです。

なぜならば、手形の振出人である取引先が、支払期日までにきちんと支払うことで、この貸付の返済が完了するからです。

これが、手形割引を融資ではなく、手形の現金化だと勘違いしやすい原因のひとつでもあります。

しかし、手形の決済をもって手形貸付の返済に充てるということは、手形が不渡りになった場合には返済ができないということでもあります。

このため、手形が不渡りになった場合には、割引を依頼した自社は銀行から手形を買い戻さなければなりません。

手形割引の審査は通常の融資の審査と同じように、「きちんと返済できるかどうか」を基準として、しっかりと審査されます。

このため、

・そもそも不渡りになる危険性がある手形は割り引かない
・万が一不渡りになったとき、買い戻せない会社の割引依頼は受けない

といった判断をします。

手形割引を正しく考える

手形割引を、「手形の買い取り」や「手形の現金化」などと捉えていると、銀行は手形を割り引いて当然だと考えるかもしれません。

しかし、銀行にとってはあくまでも融資であり、リスクが高ければ手形割引には応じません。

手形割引が融資であると理解していれば、手形の信用度と自社の財務状況が、手形割引にふさわしいかどうかをしっかり考えてから、手形割引を依頼することができます。

銀行が手形割引に応じてくれる可能性は高く、手形割引を資金繰りに活用しやすくなるはずです。

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覚書を確実に

手形を資金繰りに活用する方法には、手形割引以外にも「裏書譲渡」という方法があります。

これは、決済前の受取手形をもって支払いに充てることです。

このとき、手形に裏書をして譲渡することから、「裏書譲渡」と言うんだ。

裏書譲渡をした場合、決済前の受取手形を現金同様に支払いに使ったことになります。

手形割引も、決済前の受取手形を前倒しで回収した形になります。

このため、裏書譲渡や手形割引をした場合には、受取手形勘定から現金に振り替えます。

もちろん、裏書譲渡も手形割引と同様に、手形が不渡りになれば買い戻す必要があります。

したがって、受取手形勘定から現金に振り替える際には、裏書譲渡や手形割引の内容を、覚書としてしっかりと残しておくことが大切です。

この覚書を残していない場合、銀行から指摘されることもあります。

買い戻しの可能性があるものを、覚書として特に書き留めていない会社に対して、銀行は「資金繰りがずさんなのではないか」「買い戻すための余力はきちんと残しているのだろうか」などと危ぶみます。

ちょっとしたことでマイナス評価にならないためにも、覚書は確実に残しておきましょう。

これは、銀行からの印象だけではなく、自社の財務をしっかりコントロールしていく上でも重要なことです。

なお、資産の部に現金と受取手形を計上し、同時に負債の部に割引手形を計上するという方法もあり、これも覚書と同じ意味を持ちます。

このいずれかを採用すると考えましょう。

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まとめ

本稿を読んでみて、手形の取り扱いや認識の誤りを自覚した人もいるのではないでしょうか。

手形の基礎知識が曖昧だった、手形割引を手形の買い取りや現金化と考えていた、手形割引や裏書譲渡をやりっぱなしにして、覚書の記入を怠っていたなど、色々な誤解があったと思います。

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そのような誤解を正せば、今まで以上に、手形を資金繰りに役立てていけると思う!

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